映画【1917 命をかけた伝令】レビュー!ワンカットで戦場を駆け抜ける驚異の映画体験!

『1917 命をかけた伝令』 ウィリアム

©2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

今年のアカデミー賞で作品賞など10部門にノミネートされた話題作『1917 命をかけた伝令』がいよいよ2月14日に公開!時は第一次世界大戦、二人の若いイギリス軍兵士が戦場の真っ只中を決死の伝令に走る姿を描いた作品ですが、その様子をカメラを止めずに捉えた「ワンカット撮影」が注目を浴びています。困難をきわめた撮影に挑戦したスタッフやキャストの奮闘ぶりも含めて、この映画についてご紹介していきましょう!

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『1917 命をかけた伝令』あらすじ(ネタバレなし)

『1917 命をかけた伝令』 ウィリアム

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背景

ヨーロッパが第一次世界大戦の真っ只中にあった1917年4月。イギリス軍やフランス軍などの連合国軍とドイツ軍が熾烈な戦闘を繰り広げていた西部戦線のとある戦場。ドイツ軍は後退していて、イギリス軍のデヴォンシャー連隊が追撃するために進軍中でした。ところが、それは連合軍をヒンデンブルク線にまで誘い出そうとする「アルベリッヒ作戦」のためのドイツ軍のワナでした。イギリス軍は航空偵察によってその事実を知っていましたが、電話線が切断されていたためその方法がなく、このままでは連隊が壊滅的な被害を受けてしまいます。

命がけの任務

4月6日。イギリス軍の若い兵士、ウィリアム(ジョージ・マッケイ)とトム(ディーン=チャールズ・チャップマン)は、エリンモア将軍(コリン・ファース)から、デヴォンシャー連隊へドイツ軍への攻撃を中止するようにとの伝令に走るよう命令を受けます。一刻も早くそのことを伝えないと、デヴォンシャー連隊は壊滅的な打撃を受けることは避けられません。しかも、1600名にのぼる連隊の将兵の中には、トムの兄ジョセフ・ブレイク中尉(リチャード・マッデン)もいたのです。
一刻も時間をムダにできない二人は、すぐさま目の前の戦場へと駆け出します。しかしそれは、ドイツ軍が仕掛けていった罠をはじめ、さまざまな危険が待ち受ける中をひた走る、命がけの伝令でした…。

2時間カメラが止まらない!?圧倒的な臨場感の「ワンカット映画」(若干ネタバレ)

『1917 命をかけた伝令』 ウィリアム

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困難な撮影

この映画は、大ブームを起こした日本映画『カメラを止めるな!』のモチーフにもなっている「ワンカット撮影」が売りになっています。長時間カメラを止めずに撮影する「長回し」という映画の技法があり、古くから数多くの名監督がたびたび挑戦してきました。その長回しで丸々一本の映画を撮りきる、というのがこの映画です。「サスペンスの神様」の異名を持つアルフレッド・ヒッチコックが『ロープ』で挑戦して以来、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ただし、『カメラを止めるな!』(の前半部)が主に一つの建物とその周囲が舞台になっていて仕掛けも少なかったのに対して、この映画の場合は長距離を移動し、爆発などかなり大仕掛けのものになっているため、何回かカメラを止めてそれらを巧みにつなげる、という手法を使っています。完全に2時間カット無しというのは技術的にかなり難しいので、仕方ないと言えます。ただそれでも、それぞれのカットがとにかく長いということには変わりはなく、撮影が大変だったであろうことは容易に想像できます。

戦場に放り込まれた感じ

主役の二人が走り始めると、カメラも彼らにぴったりくっついて移動します。ドイツ軍が残した塹壕の中に入ったり、あちこちで爆発が起きる平原の中を駆け抜けたりと、かなりアクティブに動きます。これらは、スタッフが映り込まないようなルートやアングル、爆発の位置なども考慮した、十分なリハーサルの上で慎重に撮影されました。
また、ある時は彼らの後ろから背中を映したり、ある時は彼らの前から二人の表情を捉えたり…と、そのポジションも目まぐるしく変わります。これは、画面が単調にならないようにするための工夫でしょう。
編集のない長回しが延々と続くことで、観客はまるで戦場からのテレビの生中継を見ているような感覚になります。また、自分も伝令の一人となって二人と一緒に戦場を駆け抜けているような気分になる人もいるでしょう。どちらにしても、ワンカット撮影が生み出すとんでもない臨場感が全編にわたって張りつめているので、映画を観終わった時にはグッタリしてしまいそうです。

アカデミー作品賞を最有力視された画期的な戦争ドラマ

『1917 命をかけた伝令』  マッケンジー大佐

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オスカー監督の挑戦

この映画は監督のサム・メンデスが、第一次大戦の時に従軍していた祖父から聞いた話を基にして作られたそうです。メンデス監督と言えば、『アメリカン・ビューティー』でアカデミー監督賞を獲得し、人間ドラマで手腕を発揮しています。近年は『007 スペクター』まで『007』シリーズを連続で監督しましたが、これらも登場人物の深い心理描写が印象的です。

戦場での人間のドラマ

この映画でも、スリルとサスペンスに満ちた戦場でのシーンの合間に、二人が他の部隊の兵士たちや地元の住民などと遭遇しつかの間の交流をするというロードムービー的な部分(マーク・ストロングやベネディクト・カンバーバッチら豪華なメンバーがチョイ役で登場するという贅沢さ!)や深く静かな余韻を残すラストシーンなど、戦場における人間の姿を克明に描く人間ドラマとしての部分も強く印象に残ります。
ワンカット撮影が話題になっているので、どうしても大がかりな技術面のことに注目してしまいますが、メンデスが本領を発揮した人間ドラマとしても見ごたえがある映画になっています。

結局、アカデミー賞では作品賞を獲得することはできませんでしたが、それでもこの映画が素晴らしいということに違いはありません。

https://www.1917-movie.jp/

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