アトラクション映画とは…
近年のマーベル映画などに見る、複合的なエンターテイメント映画を全般に指す総称となります。
しかしその定義はたくさんの作品に該当し、これまでになかった映画体験を実現します。
そんなアトラクション映画を厳選して、ランキング形式で紹介します。
アトラクション映画とは?
アトラクション映画とは、近年批判の的にされやすいマーベル映画などを指すジャンルです。
これはとある大物監督がマーベル映画を馬鹿にしたような感じでアトラクションの様なモノだと揶揄したことに端を発します。
しかしながら振り返れば、マーベル映画の様ないろんな要素を楽しめる映画は古くから存在します。
むしろ、より映画体験をワクワクさせるものとしてこのアトラクション要素がある映画が、近年では主流になりつつもあるというのが現状です。
アトラクション映画とは、単純に表現するのであれば、アクション要素あり、恋愛要素あり、ミステリー要素あり、なんでもアリな詰め込まれたよりエンターテイメントに特化した映画のジャンルです。
要するに、遊園地でアトラクションに乗る様な感覚で観られる映画ということ。
それを映画に置き換えると…いろんな感情が入り混じり、一つの感情に縛られずに楽しめるような作品のこと。
特別な映画体験を劇場でする為に、今後はもっと増えていくだろうアトラクション映画。
そんな映画のいちジャンルである、アトラクション映画を以下よりランキング形式で紹介していきます。
10.バーレスク
評価
ナイトクラブにいる様な迫力!
一時代を築いた歌姫、クリスティーナ・アギレラが主演する音楽映画『バーレスク』。
アギレラさんの歌声やステージパフォーマンスは、劇場で見ればど迫力で、心に響く感動もの。
映画館にいながら、クラブにいる様な感覚になる作品で、これこそ音楽のなせる技。
まさにアトラクション映画と言える作品です。
ストーリーは、シンガーになる事を夢見て、田舎からロサンゼルスに出てきた女の子が、運命に導かれ訪れたナイトクラブに魅了され、成長を遂げていくサクセスストーリー。
いうまでもなく、クリスティーナ・アギレラのパワフルな歌声に注目!
9.THE GUILTY/ギルティ
評価
新しい映画体験を提供した北欧映画
2000年代に入り、映画はある種のネタ切れが随所に聞こえる様になりました。
描くネタの部分ではなく、描き方に関して。
テクノロジーの発達と共に、映画表現も変わってきてはいますが、基本的には人物の視点で起承転結を描くものに、今も昔も変わりはありませんでした。
しかしこの映画の見せ方に、一石を投じた作品があります。
それがこの『THE GUILTY/ギルティ』。
デンマーク産のこの作品は、映像としてはある部屋から全く出ず、ほぼワンシチュエーションでのみ展開します。
ストーリーの展開は、電話の声だけで進むという斬新なもの。
観る者の想像を膨らまして、音声だけでストーリーが進むのです。
見せ方に頭打ち感のあった映画の作り方のセオリーを覆し、あえて見せない様にした作品。
直ぐにハリウッドリメイクもされ、世界でも注目を集めた1作です。
新しい映画体験をさせ、まさしくアトラクションに乗るスリリングを体感できると言える映画のひとつ。
8.1917 命をかけた伝令
評価
圧倒的没入感を与える、映画の真骨頂!
戦争映画の中でも、唯一無二の映画体験を提供してくれる作品、それが『1917 命をかけた伝令』。
『007 スカイフォール』、『007 スペクター』のサム・メンデス監督による、脅威のワン・カット作品。
厳密にいえば、ワン・カットに見えるように編集が施された、ワン・カット風ではありますが。
しかし、その途切れ目が全くもって違和感なく繋がれていて、制作陣の本気のこだわりを垣間見せる。
戦争映画は、とっつきにくくてあまり見ない、という人にもとても見やすいシンプルなストーリーなのも注目です。
ストーリーは…
第一次大戦の最中、イギリス軍はドイツ軍を攻め入る中、翌日に突撃を控える隊が前線にいた。
しかしそれはドイツ軍によって誘い出された罠であり、突撃が実行されれば失敗に終わる。
その事実を航空隊により掴んだ別の隊が、罠であることを伝える為に若い隊員たちを派遣する様を描く。
戦場を駆け回る冒険映画とも捉えると、より見やすい作品なのかも知れません。
人物に寄り添ったカメラワーク、カットが変わらないワンカット。
しかもこの作品の着想は、監督のサム・メンデスの祖父のエピソードから。
実際に、メンデス監督の祖父のエピソードを用いた場面もいくつか存在するのだとか。
ただし、登場人物は架空のキャラクターで、あくまでもフィクションである。
圧倒的没入感をもたらしてくれる、アトラクション映画の真骨頂とも言える、素晴らしい作品です。
7.ボヘミアン・ラプソディ
評価
クライマックスのLIVEAIDのシーンは圧巻!
2018年に公開され、世界中にQUEENの再ブームをもたらした、音楽映画の最高峰、『ボヘミアン・ラプソディ』。
QUEENのボーカル、フレディ・マーキュリーを完コピしたラミ・マレックは、本作にて世界的ブレイクを果たす。
QUEENの結成から1985年、イギリスのウェンブリースタジアムで行われたライヴエイド出演までを描いた伝記映画となる。
そのライヴエイドの場面は、圧巻のシーンで実際の映像との比較もされるなど、そのパフォーマンスは圧巻。
実際にライヴに参加してる様な、圧倒的没入感を提供してくれる。
そして映画体験に新たなジャンルをもたらした、革新的作品でもある。
本来劇場で映画を観る場合、物語に集中する為、静かに観るのがセオリー。
しかし思いっきり映画を楽しむため一緒にライヴに参加しているような、いわゆる応援上映を定着させる。
要するに、思いっきり声を出して皆んなで騒ぎながら映画を楽しもうというもの。
この作品以降、声を出してもいい新しい劇場体験が定番化。
アトラクション映画の定義を、更に拡大させるきっかけとなっている。
6.パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド
評価
クライマックスの対決は、唯一無二の映画体験!
ジョニー・デップの代名詞的作品、ディズニーランドのアトラクション、「カリブの海賊」を映画化したシリーズ作品。
ザ・アトラクション映画とも言える1作。
オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイを、一気に世界的俳優に押し上げた作品。
ジャック・スパローが主人公となる、全5作品が製作された人気シリーズの3作目。
海洋アドベンチャーとして、現在でも高い人気を誇るもアクション映画として見応えのある戦闘シーンが白眉となる。
そんな本作はシリーズ3作目で、2作目で登場したヴィランであるデイヴィ・ジョーンズとの決着が描かれる。
2作目のデッドマンズ・チェストとの連作で、ストーリーが地続きとなる。
この映画は、シリーズ通して最高の海洋アクションが見もので、デイヴィ・ジョーンズとジャック・スパローの渦にまきこまれる2隻の船の上で行われるチャンバラ戦闘は、唯一無二のアクションシーン。
アトラクション映画の醍醐味を味わえる、超人気作です。
5.ファイト・クラブ
評価
90年代を代表する問題作!
ブラッド・ピット×デヴィッド・フィンチャーの黄金コンビで製作された1999年の作品『ファイト・クラブ』。
サブリミナルを巧みに使用するも、それが問題となってしまう。
なぜならば、モロだしのアソコなのだ。(一時期は問題シーンがカットされるも、各種配信サービスでは、現在モロだしVer.が配信されている)
それを差し置いても、この映画は衝撃な展開を迎えることが白眉となる。
目を覆いたくなるようなバイオレンスシーンなど、過激な描写もあるも、物語の大きな仕掛けは観客全てを欺いた衝撃作品。
映画館で映画を観る行為を、特別なものにしてくれる、アトラクション映画の走りとも言える名作のひとつです。
4.ミッション:インポッシブル/フォール・アウト
評価
スパイアクションの最高峰!これぞアトラクション!
毎回新作が製作される毎に、アクションの内容、規模、危険度もスケールアップしていくトム・クルーズ主演のスパイ映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ。
主人公イーサン・ハントの不可能ミッションを描く、シリーズ6作目となる本作。
4作目では、世界一のビル、ドバイのブルジュ・ハリファでのノンスタントジャンプ。
5作目では、冒頭からハイテンションな飛行機しがみ付きフライト。
そして今回6作目では、高度1万mからのスカイダイビングとなる、ヘイロージャンプ。
このシリーズの醍醐味となるのは、主演であるトム・クルーズがノンスタントで行う危険なアクション。
このため、どんなに危険なシーンでもトム・クルーズがやっている為、顔の認識ができる距離での映像が可能となる。
最近ではCGの発達により顔だけ差し替えることも可能ではあるものの、トム・クルーズの強いこだわりによって、どんなアクション映画ですら実現不可能な、リアルなアクションは非常に見どころ。
このアクションを観るだけでも、映画を観る体験に付加価値を与えてくれる、まごうことなきアトラクション映画の魅力を感じられる1作。
3.タイタニック
評価
恋愛映画ではありません。アトラクション映画です。
映画『タイタニック』と言えば、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの大ヒット作品で、皆が羨む甘い恋愛映画。
上流階級と労働階級の身分を超えた恋愛を描く作品。
と、思いますが蓋を開けてみれば、いろんな要素が含まれるスペクタクルなアトラクション映画とも言える。
言うなれば、今のマーベル映画のような複合的な要素がいくつも含まれている超大作なのだ。
興行収入も長らく日本ではトップランクに位置する洋画で、日本でも大ヒットを記録した作品です。
前半では恋愛要素が強まるも、中盤以降は海洋サバイバルにとって変わる。
そして船が沈没する様はまさに、パニック映画さながらとなる。
更にクライマックスでは、漂流サバイバルとなり、もはや恋愛要素よりもサバイバル映画としてのスリリングさが白眉となっていく。
複合的な要素を詰め込んだことにより、映画の尺も3時間を超える194分。
この作品が、こんなにいろんな要素が詰め込まれた要因は、監督のロバート・ゼメキスが、難破船に魅了されたことに端を発する。
これを商業映画として仕立て上げるには、恋愛要素が不可欠であり、普遍的なものにできるとの事から。
その結果、1997年に公開したこの作品は、アトラクション映画の醍醐味を提供する名作の中の名作として、現在でも多くのファンを維持し続けている作品です。
2.クワイエット・プレイス
評価
映画のセオリーを覆し、新ジャンルを作り出したホラー映画!
エミリー・ブラントとその夫、ジョン・クラシンスキーが夫婦で出演し、製作されたホラー映画『クワイエット・プレイス』。
宇宙から飛来した何かに、人類は一気に刈り取られてしまい、世界は滅亡寸前。
その何かとは、目がなく音のみに反応する怪物。
その怪物に見つからない様に、残された人々は音を立てずに生活する。
そんな模様を描き、怪物と対峙することになる主人公アボット一家を中心に物語は進んでいく。
”音を立てたら終わり”そんなキャッチコピーで公開された本作は、今までにない映画体験を実現。
セリフすら数えるほどしか存在せず、とにかく静かにしなければならない。
映画のお共であるスナックを食べることすら憚れてしまうくらいに、緊張感に包まれながら鑑賞する。
ひとつの映画体験に、緊張感とスリリングをもたらしたサイレント体験は、映画の新たなジャンルを構築させた新時代のアトラクション映画である。
1.アベンジャーズ/エンドゲーム
評価
これぞアトラクション映画!
アトラクション映画の代名詞とも言えるマーベル映画の中でも、最もその体験が可能となる作品『アベンジャーズ/エンドゲーム』。
2008年より始まったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の、第1章総決算的作品。
インフィニティストーンというアイテムを巡り、銀河を駆け抜け巡ってきた物語”インフィニティ・サーガ”のストーリーが大詰めを迎える。
ただのヒーロー映画と思うなかれ、この作品にはMCU好き、ヒーロー映画好きの全てが詰め込まれた素晴らしい作品である。
最も素晴らしいのは、2008年からMCU作品の全てを追って来た者、いわゆるファンに向けた製作陣の最大のメッセージが込められている。
ヒーローのアクションだけではなく、この長い年月を経た、全てのストーリーに答えが出されている。
キャラクターへの愛、MCU内の別の作品の描かれなかった裏側の側面、笑って泣けて熱くなれる!
アトラクション映画とはこういうものだ!
と、その全てが詰まっている傑作です!