映画『ばるぼら』稲垣吾郎&二階堂ふみの体当たり演技がすごい!手塚眞監督も大絶賛

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(C) Barbara Film Committee

稲垣吾郎が、耽美派の人気小説家・美倉洋介に扮し、二階堂ふみが、美倉の創作意欲を掻き立てる女神(ミューズ)的な存在の女・ばるぼら役をつとめる映画『ばるぼら』手塚治虫が1973年に連載を開始した同名コミックを原作に、実子である手塚眞が監督を務め、撮影はクリストファー・ドイルが担当している。

11月5日に閉幕した第32回東京国際映画祭ではコンペティション部門に選出され、惜しくも賞は逃したが、来年2020年には公開が予定されている話題作を、一足先に紹介する。

映画『ばるぼら』の作品情報

●タイトル:『ばるぼら』(Tezuka’s Barbara)
●原作:手塚治虫
●監督:手塚眞
●撮影:クリストファー・ドイル
●出演:稲垣吾郎、二階堂ふみ、渋川清彦、石橋静河 ほか
●製作:2019年/日本・イギリス・ドイツ合作
●公開:2020年
映画『ばるぼら』公式サイト

映画『ばるぼら』のあらすじ

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引用:https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP12

小説家の美倉洋介(稲垣吾郎)は、耽美主義をかざし、文壇の寵児として活躍している。だが美倉は胸の内に、異常性欲に悩む問題を抱えているのだった。
そんな美倉が、新宿駅でホームレスのような女・ばるぼら(二階堂ふみ)と出会う。酔っ払って道に倒れこんでいたばるぼらを、美倉が自宅に連れ帰って世話をしてやると、ばるぼらは、美倉のそばが気に入ったのか、そのまま居座り続けるようになる。
大酒飲みでだらしないばるぼら。美倉は何度もばるぼらを怒鳴りつけるが、なぜかばるぼらを追い出すことができない。ばるぼらがそばにいると、美倉の中に、不思議と創作意欲が沸き立ってくるからだった。つまりばるぼらは、芸術家である美倉を見守る女神(ミューズ)のような存在にあたるのだが、やがて奇妙で怪しい関係になっていくふたりに、変化がおとずれる。

映画『ばるぼら』のレビュー

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引用:https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP12

原作が青年コミック誌で連載されていたこともあり、本作でも濡れ場など、大人向けのシーンが多く登場する。二階堂ふみと稲垣吾郎が、一糸まとわぬ姿で絡みあう様子は、まさに演者の体当たり演技で、観る者を圧倒するだろう。

こうした裸体になる場面も少なくないため、「脚本を読んだだけで、『これは自分にはできません』ということで、ずいぶん多くの俳優に断られました」と手塚監督が語るほど、キャスティングには難航したという。だが、二階堂と稲垣は、これらのシーンに対して、「躊躇がなかった」そうだ。
「撮影の時もかなりセンシティブな場面がたくさんあったんですけども、ぜんぜんそこに関して、(二階堂と稲垣は)気にはしないで、まったく何の躊躇もなくそれをやっていただいたので、僕は演出的には非常に楽をいたしました」と手塚監督は振り返る。

そうした二階堂と稲垣のエロティックな姿を、幻想的に仕上げたのは、撮影のクリストファー・ドイルの手腕によるところも大きい。
手塚監督は、「男と女を美しく撮れる人、そして街並みが綺麗に撮れる人。そして、日本人とは違う視点を持っている。しかし日本のこともよく知っている」のがドイル起用の理由だとしている。
実は5年前に、ドイルに本作の脚本を送っていたそうで、それを見たドイルから、「これはすぐやりたい。これは自分が撮らなければいけない、自分が撮るべき映画だ」と返事が来ていたことも明かした。

こうして完成した本作を、もし原作者であり、父親である手塚治虫本人が観たとしたら?
「きっと俺だったら、もっとおもしろくしたぞ」
という答えが返ってくるだろうと手塚監督は笑い、「大変負けず嫌いの人間でしたので」と思いを馳せた。

コミック界の巨匠の原作を、当時の面影も残しながら、舞台を現代に移し、実写化した本作。原作の持つ幻想的な雰囲気をそのままに、稲垣吾郎と二階堂ふみの見事なまでの役作りから、目が離せない。

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