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映画【ぼくは明日、昨日のきみとデートする】を禁断のネタバレ!矛盾?劇中のカラクリを徹底解説!

ぼくは明日昨日のきみとデートするアイキャッチ
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は、福士蒼汰と小松菜奈による恋愛映画です。
この映画は、理解に苦しむ複雑な設定を用い、矛盾なども指摘されている作品です。
しかしそのカラクリは、絶対にネタバレ厳禁!
だけど、本記事では徹底的にネタバレしちゃいます!
なので、初見の方は絶対にみないでください!

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』について

2016年に公開した、福士蒼汰×小松菜奈による恋愛映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』。
監督は、『ソラニン』や『青空エール』などで知られる三木孝浩。
主演となる2人は、がっつり相手役としての共演は初となる。
原作は、七月隆文による同名の小説。
一目惚れした女性との恋愛を描いた物語で、特異な設定を用いたファンタジー要素がある作品。
しかし、その設定がとても複雑な感情を招き、感情移入がとても難しい事でも話題に。
劇中でもしっかりその矛盾に感じる部分は幾度となく描かれているのですが…
1度見ただけでは、とても理解し難い部分であるかもしれません。
そんな、疑問が生じないためにも、本記事にてネタバレ解説をしていきます!

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の作品情報

英題:My tomorrow,Your yesterday[
監督:三木孝浩
脚本:吉田智子
原作:七月隆文
出演:福士蒼汰、小松菜奈、東出昌大
公開:2016年12月17日
時間:111分
製作:日本

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のあらすじ(ネタバレなし)

ぼくは明日昨日のきみとデートする劇中画像1
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

南山高寿(みなみやまたかとし)は、京都の大学生。
通学で利用している朝の電車、通勤ラッシュ。
そこで見かけたとある女性に、一目惚れをする。
同じ駅で降りたら、声をかけよう。
すると、降りる駅で彼女を見失う高寿。
彼女は、福寿愛美(ふくじゅまなみ)。
駅の隣のホームに、向かっていた。
そんな彼女に、高寿は意を決して声をかける。
一目惚れをしました…と。
すると彼女は、不思議な表情を魅せる。
次の電車が来るまで話をして、明日も会おうと約束するのだった…

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』をネタバレ解説!

上のあらすじでは、高寿の1日目を紹介しています。
ここからは、2日目より解説していきますので、ネタバレしてもいいという方だけご覧ください!

2日目

ぼくは明日昨日のきみとデートする劇中画像2
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

高寿は、動物園でキリンの絵を描いている。
するとそこに、愛美が現れる。
彼女は、「これ、教室に張り出されるやつだ。」と言い、訳のわからない事を言っていた。
高寿は、不思議そうな目で愛美を見つめる。
なぜ、ここに?
でも彼女は、昨日言っていたと言う。
言ったっけな?と、高寿は不思議に思うが、会えた事でそんなことはどうでも良くなり、2人は、高寿の思い出の場所である宝ヶ池に行く事にする。
宝ヶ池では、高寿の過去の思い出を語る。
桟橋から5歳の時に落ちて、溺れかけていた時にある女性に助けられた思い出だ。
そして、高寿は愛美の連絡先を聞いて別れる。
その晩、親友の上山に言われ愛美に連絡。
次の約束を取り付ける、三条大橋で待ち合わせする事になった。

3日目

翌朝、学校から急いで向かう途中、同級生に言われ、あのキリンの絵が教室に張り出されている事を知る高寿。
彼女の言う通りになっていた。
親友の上山のアドバイスを聞いて、デートの前にデートコースを下見しておく。
それで自分の好きなモノを彼女に見せ、それを共に楽しめない人だったら付き合っても意味がない、と。
そのアドバイス通りに行動した高寿は、愛美ととても楽しい時間を過ごす事ができた。
喫茶店でお茶をしていると、外に散歩している犬を見つける愛美。
可愛いと感動している彼女、それに共感する高寿、そんな彼を見て面白いと笑う愛美。
そんな彼女のことが、どんどん好きになる高寿だった。
日も落ち、あたりはすっかり暗くなり、イルミネーションが綺麗な大きな木の下。
愛美は、高寿が初デートの相手だと言う。
そして、秘密を打ち明ける。
実はずっと高寿のことを見ていた、と。
そして高寿は愛美に想いを告げ、2人は付き合う事になる。
そんな高寿の気持ちを受け取り、愛美は涙を流していた。

手を繋ぐ

高寿は、上山と引越しをしている。
そこに、愛美がやってきてお互いに自己紹介をする。
運び込みが終わると、上山は颯爽と後にし、愛美と2人で片付けを始める。
すると、今まではお互いに苗字で呼び合っていた2人。
高寿くん、愛美ちゃん、と名前で呼ぶようになる。
引っ越しの片付けの最中、愛美はある箱を見つける。
高寿は、その箱は宝ヶ池の桟橋から落ちて溺れた時に助けてくれた恩人がくれたモノだと説明。
助けられた5年後に再会し、次に会う時まで預かっていて欲しいと受け取ったモノだった。
夜、片付けも終わり彼女を送る。
夜の0時が門限だといい、2人は初めて手を繋いで歩いた。
高寿は、この幸せを噛み締めている。
すごくイイな、と。
すると愛美は、切なそうな表情で泣いていた。
嬉しい事言うね、と笑顔で返すと、本当泣きやすいな、と笑顔をかわす。
そしてまた明日と、電車に乗る愛美を見送る高寿だった。

2人の時間

毎日一緒にいる愛美と高寿。
とある晩、愛美はビーフシチューを振る舞う。
すると高寿は、ウチの味とそっくりだと美味しく食べる。
愛美は、隠し味にチョコレートを入れたからね、と誇らしげに言う。
でも高寿は疑問に感じ、前に言ったっけ?
と首を傾げる。
前にもこんな事あったよね?と、キリンの絵のことを言う。
すると愛美は、予知能力があったらどうする?
なんて冗談めいたことを言うが、表情は真剣だ。
自分の未来のことを知りたいか、と問われるが高寿は知りたくないと返す。
そんなひと時を過ごしていたふたり。

愛美と高寿

高寿の家、愛美は高寿の髪を切っている。
すると会話の中で、高寿は愛美のことを自然と呼び捨てで読んでしまう。
愛美はいいんじゃないかな、と言い、その日を境に”ちゃん”づけで呼び合っていた2人はお互いに名前で呼び合う様になる。
そしてその日の晩、ついにキスを交わし、肌を合わせる。
愛美はまた、涙を流していた。
遅くなってしまい、急いで愛美を駅へと送る。
2人はまた、キスを交わす。

物語は確信へ!(結末をネタバレ!)

ぼくは明日昨日のきみとデートする劇中画像4
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

この映画、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は、ここまでの前半部分は至って普通の甘い恋愛を描いてきた物語です。
しかしその全てが覆る、この物語のカラクリはこの後から起きていきます。
映画では、三分の一を過ぎた頃。
ここから、ネタバレの確信に迫るので、まだ初見の方は、ご覧にいただかないことを推奨します。

奇妙な手帳

急いで出て行ったことで、愛美は高寿の家に忘れ物をしてしまう。
それは、手帳。
日記にしている様で、高寿は内容を見てしまった。
すると、そこには‥
3月16日、私のとっては最初の日(高寿にとっては最後の日)
と書かれていた。
だけど今日は、3月1日。
日記の内容は15日後のこと。
その日記帳には、3月16日から1日ずつ遡って書き留められていた。
電話がかかってくる、愛美だ。
愛美は、隠していることがあると言う。
翌日、朝6時、教室で、あの箱を持ってきてと愛美に告げられ、電話の声は無くなる。

愛美の秘密

翌朝、教室で愛美は話し始める。
愛美は、この世界とは別の世界から来たと言う。
愛美の世界では、時間の進み方が違う。
高寿の世界と、逆に時間が進む世界なのだと。
高寿にとっての明日は、愛美にとっての昨日。
教室に張り出されるキリンの絵を知っていたこと、それは愛美にとっては過去の出来事。
愛美にとっては、壁に張り出されている絵としての認識が最初なのだ。
だから知っていた。
しかし高寿に、そんな事を簡単に信じる事は難しい…
でも持ってきた箱を一緒に開けた時、驚愕の事実を目撃する。

箱の中身

箱の中身は、写真。
高寿と、父と母。そこに、愛美の姿。
まだ愛美が知るはずもない、高寿の父と母と一緒に写っている。
しかも、その写真が入っていた箱は、高寿が10歳の時に恩人から受け継いだモノ。
あり得なかった。
しかし唯一辻褄があうことがあれば、それは愛美の言っている内容だ…
高寿が5歳の時、溺れていたところを助けてくれたのは、35歳の愛美。
10歳の時、箱を渡してくれたのには、30歳の愛美。
信じられない様な話だが、高寿はすこしづつ飲み込んでいく。
すると愛美にも、5歳の時、死にかけた時助けられていた経験があった。
その時助けてくれたのは、35歳の高寿だったのだ。
愛美は、5年に一度30日だけ、自分の世界から高寿の世界に来れる。
高寿と愛美は、お互いの人生の端と端、そこで助けあったから出会える関係なのだと。

すれ違い

高寿が見た日記帳は、愛美が15歳の時に高寿から教わったことをメモしたモノだった。
愛美は、高寿から話してもらった内容をなぞらえているだけだったのだ。
事実、その時2人がいた喫茶店は、以前も利用していた店で以前と同様に散歩していた犬を見つけるが、高寿にとっては2度目の発見だったが、愛美にとってはそれは未来の出来事であり初めての事だったのだ。
こんな微妙な気持ちのすれ違い、同じ出来事を同じ様に体験できない事、思い出を共有できない事に高寿は戸惑いを隠せないでいた。
そしてデートを重ねていくも辛いと、自分の気持ちを打ち明けた高寿は、愛美の元を去ろうとする。
すれ違いざま、はっと思い出した様に愛美は高寿の腕を掴む。
すると高寿は、それも予定通りの行動である事に、失望してしまうのだった。

高寿の決断

すれ違い、高寿の気持ちがどんどん大きくなるにつれ、愛美にとっては初対面に近づく為、お互いの気持ちが通じ合う瞬間は次第に離れて行ってしまう。
辛すぎる…と嘆く高寿。
愛美の写真を見て考える…
すると、愛美はどう言う気持ちでいるんだろうかと、ふと頭を過ぎる。
これまでの愛美は、いつもおかしなタイミングで涙を流していた。
高寿はそんな愛美を思い出し、気がつく。
自分がどんだけ愛美が好きでいる事、彼女のために笑顔でいると決めたのだ。
乗り越えた事を、電話で愛美に伝え、今日の自分、愛美にとっての明日、高寿の行動を謝罪する。

21日目

ぼくは明日昨日のきみとデートする劇中画像6
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

早朝、2人は日が昇る前に落ち合う。
駅のホーム、愛美を迎える。
抱擁、高寿は愛美の気持ちを理解していた。
これまで愛美が涙を流していた場面。
それは、高寿にとっては初めてであっても、愛美にとっては、それが最後だから。
その時を境に、ふたりの関係が変わっていくのだ。
初めて手を繋いだ日。高寿にとってはこれから何度も繋げるが、愛美にとっては、その瞬間からもう手を繋ぐことはない事。
キスした日も、名前を呼び合った日も。
そして愛美の初恋の日の始まり、5歳の体験を話す。
メモ帳の内容をなぞらえる事、それは愛美にとって夢見た瞬間であり、それが最大の幸せだったのだ。
そこからふたりの時間は、かけがえの無いものになっていく。

22日目 残り8日

ぼくは明日昨日のきみとデートする劇中画像5
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

朝、愛美から電話がかかってくる。
メモ帳の予定通りに、時間を過ごしていくふたり。
笑顔で、楽しく、悔いのないように噛み締めていく様に大切に過ごしていく。
そして時間は過ぎ、29日目。
愛美にとっては、2日目。
2人は、高寿の両親に会いにいく。
高寿の地元、いつも行っていた場所でたこ焼きを食べる。
すると、熱そうに食べる愛美を見て…
10歳の時、箱を預かった人が愛美だったことを実感する。
そのリアクションが、まるっきり同じである事にここで気がついたのだ。
高寿の実家でも楽しい時間を過ごし、帰りのバス。
その日1日を噛み締めるふたり、しかし高寿にとっては、明日はついに最後の日。
我慢していた想いが溢れ、涙をこぼす。
隣にいる愛美は、ただただ、謝ることしかできなかった…

1日目 高寿にとっては最後の日

教室で、愛美の絵を描くために待つ高寿。
愛美がやってくる。
愛美にとっては今回の30日の初日、いわば初対面だ。
高寿に会うのは、5年ぶりとなる。
明らかに緊張していることが、彼女の表情からも読み取れる。
会話も、愛美は敬語になっている。
今日だけは、高寿の30日間の想いをこの絵にぶつける、噛み締める日なのだ。
一方愛美は、その30日間を教えてくれと申し出る。
高寿も以前に読んだ、メモ帳。
高寿との30日間の予定が記載されているもの。
それは5年前に、25歳の高寿から大まかに教わったものがメモされている手帳。
今日はこのメモとは別に、30日間を過ごしてきた20歳の高寿が語るこれまでの30日間を、別の手帳に書き留めておきたいと愛美は言う。
これは、愛美がどんなふうに過ごしてきたか、それを高寿の目線で幸せだった時間をそのまま繰り返すことで、愛美は高寿への愛を示したのだ。
それを知った高寿は、涙を堪えきれなかった…ごめん、俺もだいぶ涙脆い、と愛美に精一杯の笑顔で答える。
そして2人は、最初で最後の1日を終えた。

わたしは明日、昨日のあなたとデートする

ぼくは明日昨日のきみとデートする劇中画像3
(C)2016「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」製作委員会

25歳の高寿、15歳の愛美に会いに来ていた。
最後の日に書いた絵と、5年後に愛美が過ごす30日間を教える。
愛美の5年後、高寿との30日間が始まる。
1日目、愛美は高寿に絵を描いてもらう。
2日目、高寿の実家に行く。
愛美の視点で、これまでの物語を振り返る。
そして愛美にとっての30日目。
高寿にとっては、初日の日。
愛美は、笑顔でまたねと伝えていたその瞬間、愛美にとっては最高だったこの30日間の終わりとなる瞬間だ。
もうこの気持ちを味わう事は、この先の人生無いとわかっていながら、さようならではなく、”またね”と堪えきれない涙とともに精一杯の笑顔で伝える。
電車に乗る愛美は、泣き崩れるしかなかった…
愛美はその日の朝、35歳の高寿の笑顔を思い浮かべ、これまで過ごしたアパートの前に行く。
道中、これまでの30日間を噛み締めながら。
そして高寿と出会う電車に乗り込む愛美の姿。
初めて出会って15年、愛美は彼の元へ、辿りついたのだ。

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』をネタバレ解説・まとめ

この映画は、ヒロインの愛美が時間を遡ることで生じるとある矛盾が指摘されています。
そもそも、時間が遡る世界があると言うだけで矛盾だらけの物語ではあるんですけど…
本作で指摘されているのは、愛美です。
彼女が何故、この後に起きる出来事を知っているのか…
いわゆる、高寿にとっての過去の出来事。
それは、とても簡単。
愛美がこの30日のことを詳しく知っている理由は、1日目。
高寿にとっては30日目に、何が起きるか鮮明に教えてもらっているから。

そこで、高寿が10歳の時、5歳の時の愛美についても語っているので、愛美にとっての未来を知っていると言う事になります。
さて、この映画は、ただの恋愛映画として観ると、とても切なくなります。
何故ならば時間の流れは残酷なので、この映画の終着点は、初めから決まっています。
高寿にとっての5歳が、この物語の始まりでもあり、終わりなのです。
むしろ、この映画は、初見よりも2度目の方が泣けるかもしれません。
初めての時は、この設定によって頭がこんがらがるかもしれないため。
そしてその設定を理解した2度目では、高寿と愛美の気持ちをより理解して観ることができるので、より感情移入がしやすくなるのです。
まだ1度しか見ていない方、騙されたと思って2度目の鑑賞、是非してみてはいかがでしょうか!

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