映画【カセットテープ・ダイアリーズ】傑作と高評価を獲得した本作の魅力を徹底解説!

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カセットテープダイアリーズアイキャッチ
出典元:IMDb

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』は、日本では2020年7月3日に公開した青春映画です。
日本ではいわゆるミニシアター系に分類されるマイナーな映画のひとつ。
しかしこの映画は、ロッテントマトで89%を獲得するなど絶賛もされています。
そう、この映画『カセットテープ・ダイアリーズ』は、単なるミニシアター系映画ではないのです!
この映画が何故こんなにも高い評価を獲得しているのか、その理由を紐解きます。

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』について

カセットテープダイアリーズ劇中画像4
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映画『カセットテープ・ダイアリーズ』は、2019年に公開した、イギリスの映画です。
日本では、2020年7月に公開を迎え、ミニシアターを中心に公開規模を広げています。
地域によっては、まだ公開が控えている場所も2020年10月時点では存在しますので、気になる方は是非調べてみてください。
監督は、グリンダ・チャーダ。
『ベッカムに恋して』でデビューし高い評価を獲得している、インド人の両親のもと、ケニア・ナイロビで生まれたイギリス人映画監督です。
この映画は、そんな監督の経験も含め描かれている作品です。
なので、脚本や製作にも名を連ねています。
しかし、特に自伝というわけではなく、原作が存在。
サルフラズ・マンズールが2007年に発表した自叙伝『Greetings from Bury Park: Race, Religion and Rock N’ Roll』という本を原作にしています。
近年社会問題として大きな関心を集めている、人種によるアイデンティティをドラマティックに描いた青春映画です。
イギリス映画ですが、アメリカなどでも高評価を獲得。
絶賛を集め、批評家などからも好意的な作品として捉えられていました。
パキスタン出身のイギリス人という難しい人種が起用されていることから、あまり有名な俳優は少ないですが、主人公ジャベドが通う高校の教師に、MCUシリーズで、エージェント・カーターとして演じるヘイリー・アトウェルが出演。
物語を支え、良き教師役を好演しています。
そんな高評価を集めている映画『カセットテープ・ダイアリーズ』、新たな青春映画の名作として、語り継がれていくだろう傑作のひとつです。

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』の作品情報

原題:Blinded by the Light
監督:グリンダ・チャーダ
脚本:グリンダ・チャーダ、サルフラズ・マンズール、ポール・マエダ・バージェス
原作:サルフラズ・マンズール
出演:ヴィヴェイク・カルラ、ヘイリー・アトウェル、ロブ・ブライドン、クルヴィンダー・ジル
公開:2020年7月3日
時間:117分
配給:ポニーキャニオン
公式サイト:http://cassette-diary.jp/

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』のあらすじ

カセットテープダイアリーズ劇中画像2
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イギリスのルートンの小さな町で暮らすパキスタン系少年のジャベドは16歳。
夏のアルバイトを終え、SONYのウォークマンで流行のペット・ショップ・ボーイズを聴きながら自転車を走らせる彼は、この9月からハイスクールに入学する。
誕生日が同じ、幼なじみの少年マットは恋人ができ、日々充実した青春を楽しんでいる。
だがジャベドは孤独に鬱屈を募らせていた。
保守的な町の人からの移民への偏見や、パキスタン家庭の伝統やルールから抜け出したくてたまらない彼。
特に古い慣習を振りかざす父親マリクには内心強い反発を感じていた。
人種差別や経済問題、不安な政情に揺れる時代をジャベドなりに反映させた詩を書いているが、まだ本当の“自分の言葉”を見つけられずにいた。
だがそんなある日、モヤモヤをすべてぶっ飛ばしてくれる、ブルース・スプリングスティーンの音楽と衝撃的に出会い、彼の世界は180度変わり始めていく―

引用元:http://cassette-diary.jp/intro-story/

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』が高評価を獲得した理由とその魅力

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』が高評価を集めた要因とされるストーリーを徹底解明!
ネタバレはせずに、この作品のポイントを解説していきます!

マイノリティな人種の多様性

カセットテープダイアリーズ劇中画像1
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この映画『カセットテープ・ダイアリーズ』の主人公は、ジャベド・カーン。
演じるのは、ヴィヴェイク・カルラ。
高校生役をフレッシュに演じている若手俳優。
自身は、インド系のイギリス人。
イギリスを中心にテレビで活躍し、本作の主演で今後、活躍の幅を広げるだろうとみられている新鋭の俳優です。
最新作は、ニール・バーガー監督のSFスリラー『Voyagers(原題)』に出演予定。
そして、その実力を遺憾なく本作でも発揮していて、自身の可能性を求める出会いを果たす青年をベースに、その人種についての悩みを浮き彫りにしていきます。
主人公ジャベドは、パキスタンの両親のもとイギリスで育った少年。
イギリスに住んでいながら、親たちからはパキスタン人であることを強要される。
時代背景は1980年後期。
イギリスでも人種差別は、存在していました。
そんな繊細な話題を、イギリスの視点で描くことで、人種差別という問題がアメリカだけではなく、世界中であったことを描き、時代の軋轢を表しています。

抑圧からの羽ばたき

カセットテープダイアリーズ劇中画像3
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ジャベドはそれまで、父親からのパキスタン人であるべき姿を強要されていました。
それは自分もパキスタン人の血を引いているのだから当然nのものだとして捉えています。
しかしジャベドは小さい頃から、この小さな街で育ち、親友のマットは同じ集合住宅で暮らしている純粋なイギリス人。
両親が異なる人種というだけで、同じ環境で育ってきたマットは、自由奔放に高校生活を謳歌していました。
しかしジャベドは、両親がパキスタン人らしく規律を重じていたのです。
この問題は、人種が違うからという理由で描かれていますが、誰しもが感じてきたことだろうと思います。
小さい頃、厳しい親元で大人になった今でも不思議に思う家族ルールなどがあったりとか、そんな経験したことはありませんか?
門限が異常に早かったり、友達を家にあげちゃいけない、なんてルールがあったりとか…
そんな厳しい制限を高校生になっても受けていたジャベド。
しかしジャベドは、ある出会いによってそれが覆るのです。
それが、ブルース・スプリングスティーンでした。
アメリカのロック界の重鎮である、ミュージシャン。
彼が歌う歌が、ジャベドを変えていくのです。
この抑圧からの解放がこの映画の最大の肝となる部分となります。

目の付け所が違う音楽の選択

カセットテープダイアリーズ劇中画像5
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この映画において、最大の白眉とも言えるのがやっぱりブルース・スプリングスティーンの存在です。
1970年代にデビューし、ロック界の重鎮として現在でも大きな存在を放っているビッグ・アーティスト。
それは日本でも同様で、2014年に発売した通算18枚目のアルバムでオリコン週間洋楽アルバムランキング第1位を獲得するなど、その人気ぶりが健在であることを証明しています。
この洋楽アルバム1位の獲得は、実に約20年ぶりだったのだそう。
もちろん、この快挙は日本だけではなく世界20ヵ国のチャートで1位をとっています。
それだけのロック・ミュージシャンを題材に、自由への渇望をロックと共に大きな羽ばたきを、音楽と共に主人公ジャベドが魅せていくのです。

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』の解説・まとめ

映画『カセットテープ・ダイアリーズ』の魅力を解説してきました。
この映画は、誰しもが経験したことがあるかもしれない抑圧をメタファーにして、主人公ジャベドの境遇を描いた作品です。
この抑圧からの解放をキラキラの高校生活を背景に、とても素晴らしい演出で見せていました。
まさしくブルース・スプリングスティーンが歌う歌詞そのままの様な…
普段ロックを聞かなくても、音楽が好きな人ならば、絶対にチェックして欲しい作品です。
新生活に不安を抱いている人などにも、このジャベドの姿を重ねることができません。
是非、何か悩みを抱えている人には観て欲しい、そんな作品です!

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