「安楽死」を題材とし、公開前から話題となっていた、映画【ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-】が11月13日(金)に公開されました。テレビで予告を見て、筆者の友人や家族も「この映画見たい!」と言っていました。
この映画は、綾野剛さんが、捜査一課の検挙率ナンバーワン刑事を演じます。また、今回で2回目の共演となる、北川景子さんが頭脳派で冷静な綾野剛のバディ役を演じています。
本記事では、映画【ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-】のネタバレと綾野剛さんが宣伝で言っていたシークレットキャストについて紹介していきたいと思います。
映画【ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-】のネタバレ
一本の電話
「お父さんが殺されちゃった」
馬籠大地という9歳の男の子から一本の通報が警視庁通信指令センターに入った。
そのころ捜査一課の犬養は腎不全を患っている娘・沙耶香の病院で男の子とオセロをしていた。そこへバディの高千穂が呼びに来て、二人は大地に会いに行く。大地の父、健一は末期がんで自宅療養していたが、父が亡くなった際、「二人の医者が来た」と大地が証言した。一人目は看護師と二人で来て、二人が帰った後、それまでしゃべっていた父親が亡くなったと。火葬場で犬養が遺体が焼かれる直前に止めに入り、解剖の結果、一人目の医師に塩化カリウム製剤を注射され、それが原因で亡くなったことが分かった。
ドクター・デスへの依頼
大地の母親は犬養の聴取の結果、「ドクター・デスの往診室」というサイトで、治療費、子供との生活の不安に追い詰められた末、「安楽死」を依頼したと白状した。母親は「あの先生は救ってくれたんです。」と感謝した。さらに健一が亡くなる間際に「ありがとう」と言っているDVDを捜査一課へ送ってきた。
犯人へつながるきっかけ
犬養たちは、サイトにコメントした人を探り、岸田正人にたどり着く。
岸田正人は20歳という若さで亡くなっていた。父親を聴取すると、拡張型心筋症で、父親が、ドクター・デスに「安楽死」を依頼していた。
岸田家でDVDを見るとそこに「幸せだ」というコメントをする正人の姿があった。さらに鏡越しに写っている看護師の顔が明らかになる。
ドクター・デスといた看護師へ聴取
岸田の父親から、町田で看護師に似た人を見たという情報を得て、養鶏場で働いているその女性をみつけ聴取する。雛森めぐみという女性で、38歳、髪もボサボサで暗い雰囲気の女性だった。
初めはしらを切っていたが、殺人共犯として逮捕されると聞くと、「知らなかったんです。先生は鎮痛剤をうっていると思っていたんです。」と白状した。ただ、「亡くなる方はみなさん感謝されていた。とても美しかった。」と肯定するようなことも言っていた。この聴取で犬養は、ドクター・デスを「薄汚い、快楽殺人者だ。」と言った。この言葉によりのちに窮地に追い込まれることになる。
医師の逮捕
医師については依頼者から特徴を聞き、似顔絵捜査をしていたが、どれも人相がバラバラだった。頭脳派の高千穂が、全員がその医師をかばっていると予想。いくらかばっていても、みんな似顔絵捜査の後半になると本当のことを言うという心理があることから、再度似顔絵を完成させ、岸田の父親に見せたところ、医師の顔そっくりだった。
そんな中、各現場の玄関にあった土から、土手の土がみつかる。つまり、医師の靴についていた土から、ホームレスで土手で生活していることが発覚し、新人刑事、沢田の捜査で、寺町亘輝という男が逮捕される。しかし、聴取しても嫌味なことを言って不敵に笑い、真相は語ろうとしなかった。
そんな中、雛森めぐみがいなくなったという連絡を受け、「ドクター・デス」は寺町ではなく、雛森めぐみだったことが分かる。
娘に忍び寄る犯人
犬養たちが雛森を探しているころ、雛森は犬養の娘・沙耶香に病院カウンセラーとして近づいていた。
病室で沙耶香にハーブティーを飲ませ、「あなたのお父さんは看病、仕事、家事などで苦しんでいる。腎臓移植を待っているということは誰かが死んでもいいということ?」と沙耶香を追い詰める。そのまま眠った沙耶香は、涙を流しながら起きる。そこにはドクター・デスのサイトを開いたパソコンがあり、沙耶香自身が、ドクター・デスに「安楽死」を依頼してしまう。
犬養親子はどうなったのか?
沙耶香はドクター・デスとやりとりして、沙耶香の最期の場所を、『楽しかった思い出の場所』にすることなった。雛森が病院に迎えに来て駐車場で待っていると伝えると、沙耶香は駐車場に行くも、急に怖くなり父に電話し、「ごめんなさい。ドクター・デスに依頼した。でもお父さんと生きていたい。」と泣いた。
犬養は動揺し、高千穂に「落ち着け!」とビンタされる。
2人は、病院の中を探すも沙耶香はもういなかった。沙耶香は、雛森の車で誘拐されていた。車の中から犬養に電話する雛森。家族の思い出の場所で、沙耶香からの依頼を決行する。助けたければ一人で来るように。そうしなければ、到着前に天国に沙耶香を送ると伝えた。犬養はさらに動揺し、一人で向かうため高千穂のお腹を殴った。
犬養は昔家族で楽しくお弁当を食べた、思い出のコテージに一人で到着。麻酔で寝ている沙耶香を見つけると助け出そうとするが雛森に注射され、フラフラになる。そこで死闘を繰り広げ、犬養はなんとか雛森に手錠かけるが、二人とも気絶してしまう。
その後、バイクで追ってきた高千穂が到着。中に入ると、雛森が犬養に注射して殺すところだった。「この人さえいなければ、もっとたくさんの人を救えたのに」と雛森は言った。高千穂は、間一髪雛森を蹴り飛ばし、なんとか犬養も沙耶香も助け、雛森は逮捕された。
事件の終わり
病院のベッドで目覚めた犬養は、高千穂から沙耶香が助かったことを聞いて涙する。一方、逮捕された雛森は、今まで安楽死させた人の感謝の言葉を思い出していた。
また、大好きなお母さんのために医師を逮捕してほしいと願った、馬籠大地は、母と無事日常を取り戻していた。
映画【ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-】の見どころ
シークレットキャストは誰か?
綾野剛さんが宣伝時に言っていた、シークレットキャストとして公開されていなかった医師と看護師の犯人役ですが、お二人とも意外な人物でした。
寺町亘輝→柄本明さん
雛森めぐみ→木村佳乃さん
筆者は原作を読んだ雰囲気で、寺町は温水洋一さん、雛森を広末涼子さんと予想していたので違いました(笑)
寺町亘輝(柄本明さん)が登場したのは、「安楽死」させる人の自分は幸せだというコメントをビデオ撮影してるシーンで、寺町が撮影していました。は原作の寺町のイメージとは全く違って、嫌味なこと言うし、不敵な笑みを浮かべて犬養が聞きたいこと言わなかったですが、柄本さんらしいと思いました。
雛森めぐみ(木村佳乃さん)は、寺町が「安楽死」させる人のコメントをビデオ撮影した動画の中に、鏡越しに映った画像を拡大した瞬間に、顔がハッキリ出ました。出た瞬間「あ~!」となりました。最初のボサボサ髪で暗い雰囲気の時と、後半の犯人として、しっかりメイクして決めていた時のギャップもあり、クライマックスの怪演はさすがでした。
田牧そらの熱演と犬養親子の絆
原作では犬養の娘・沙耶香はそこまで出てきませんでしたが、映画では「安楽死」だけではなく、犬養と沙耶香の親子愛にも感動しました。沙耶香を演じる、田牧そらさんの演技がとてもよかったです。雛森からいろいろと言われ、大好きな父が苦しんでいるかも?と思い悩みながらも、それでも父と生きたい。と泣く様子は筆者も泣けました。そして沙耶香が助かったと分かったときの犬養の涙。お互い大事に思いあっている二人が助かってよかったです。
まとめ
この映画は、原作を知っていても、犯人役が誰かわからないので誰でも楽しめる、手に汗握るサスペンスでした。途中から最後まで、原作とは全く違う内容でした。ただ単に「安楽死」の重い、暗いイメージだけではなく、犬養と高千穂バディの面白い掛け合いもあったり、原作のクールで犯人を追い詰めていくイメージとは違って、犬養がとても暖かい人物で描かれていて、綾野剛さんがさらに好きになりました!