映画のお金のことについて、解説します
映画の良し悪しは、もちろん基本的には内容が大前提です。
しかし、映画とは古くから巨大産業であり、多くのお金が動きます。
そんな映画のお金について紹介!
映画に関することのあれこれ
まずは、映画制作に関することを紹介していきます。
映画の作り方など、映画を作る際に必要なお金などを紹介します。
本記事にて扱う映画とは、商業映画に関して。
インディーズ系映画に関しては、それぞれにディズトリビュートの方法は異なります。
映画生産国ナンバーワンはアメリカじゃない!?
映画は、世界でもトップに位置する巨大産業の一つです。
もちろん映画産業国として、最も大きいのはアメリカのハリウッドになります。
これは、あえて載せなくても想像は容易いもの。
しかし、生産国として…
実は、アメリカは1位ではないんです。
最も多く映画を製作している国、それはインド。
映画好きならば、ボリウッドとして知られる世界で最も映画を生み出している国です。
アメリカは、世界に映画を送り出すことで成り立っていますが、インドは国内だけでそれが可能となっているため。
2019年の時点では、インドが1800本超、映画が作られているのに対して、アメリカは600本超と、かなり差が開いています。
実は、アメリカよりも僅差ではありますが日本は製作本数で言えば多いという事実もあります。
世界でもトップ5の映画生産国の中に日本とアメリカは混在しています。
事実上、インドがずば抜けて多く、ナイジェリア、中国とつづき日本、アメリカ。
これが世界でもトップの映画生産国となっています。
映画の作り方
インディーズ映画は、まず映画を作ります。
撮影をして編集。
映画が完成したら、作った人がどうするのか…
自主制作映画として、映画館、配給会社に売りに行く、もしくは映画祭に出品し上映の機会を貰う、といった流れで大まかには合っていると思います。
このインディーズ映画から、滅多に大規模な商業映画に発展することはほぼ無いのですが…
上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』、これが珍しいケースを展開させていたのが話題に。
この辺の流れは、音楽なども同じです。
では、商業映画に関して。
商業映画に関しては、まずは映画プロデューサーというものが存在します。
ちなみに、製作総指揮というものがありますが、これはここで挙げている映画プロデューサーではありません。
詳しくは割愛。
映画プロデューサーの役割は…
- 企画立案
- 資金調達(出資者候補との交渉、確保)
- プロデューサーチームの編成
- 脚本家や映画監督、その他のスタッフ選び
- キャスト選び
- 準備から撮影、音楽、仕上げ、作品の完成までの全ての工程の包括的管理
- 配給、販売サイドとの交渉
- 資金の流れの管理
- ファイナル・カットの権限
以上のことで、ほぼ最高責任者というポジションにいます。
監督も、解雇できてしまうのです。
この映画プロデューサーの一声で、映画の内容はどうにもできるというもの。
映画の企画は、基本的に映画プロデューサーが行い、まずは資金調達。
いわゆる製作費を決め、製作する映画スタジオを決め、配給会社を決めます。
その過程で映画の制作スケジュールを映画スタジオと、公開スケジュールを配給会社と決めていきます。
これら全てにおいて、大規模の商業映画では1本の映画を作るのに非常に大勢の人たちが関わるので、沢山お金が掛かるのです。
映画に足音の音を入れたい、となると本物の足音を入れるわけではありません。
専門のSEのスタジオがあるので、その映画の効果音全てを付けるため、そのスタジオに依頼され、音がつけられるのです。
さらには、出演者の衣装、メイクなど、全てにおいて、人が関わっています。
それ故、映画の製作費に数百億円など、大きなお金が必要になる、という訳なのです。
映画の作り方などは、映画プロデューサーが、映画の企画を調達。
この映画が当たりそうであれば、企画進行に向けてスタッフの選定。
その後、配給会社などへの資金調達を行い、映画製作に向けて実際に動き出す。
といった大まかな流れになります。
現在では一概にこの流れでは無いものの、配給会社が納得する内容になった場合、本契約になる。
といったケースを取る方が多い様な気がします。
それで、もし納得しなかった場合、他の配給会社に権利が移行する。
そこに、近年ではNETFLIXやAmazonなども入ってきているため、配信のみの映画などが増えてきてい流のが現在の流れのひとつ。
映画の興行収入に関して
映画が完成すると、映画は配給会社によって映画館へと売られます。
要するに、映画スタジオが映画を作る役割、作り終わるとその映画は、配給会社へと渡ります。
そこで、映画が各映画館へと売られていくのです。
要するに、配給会社が卸売業で、映画館が小売店となるのです。
配給会社は、映画をエンドユーザーに届けるのが主な役割なので、劇場公開と合わせ、DVDやストリーミングサービスなどへの卸売りなども担当しています。
興行収入に関して
映画の興行収入とは、もちろん映画館でのチケットの売り上げのこと。
要するに、映画が映画館でどれだけ観られたのか、の指標となる。
映画全体の売り上げは、配給収入とも言われるが、これは配給会社が映画館の取り分を除いた、配給会社の収入のこと。
まぁ、わかりやすく言えば、ややこしいので、単純に映画の収入といえば、興行収入が一般的でわかりやすい指標となる。
アメリカでは、厳密にはアメリカ国内やカナダを指す北米の興行収入を国内と仮定し、重要視される。
日本では、その北米を全米と表記し、使用している。
初動(週末興行収入)
映画は、基本的に毎週金曜日に新作映画の公開日が当てられます。
それは単純に、人に観られる機会が多いため、売り上げを出せるから。
より多くの売り上げを出せれば、ヒット映画という触れ込みが可能になり、集客力が強まる。
超大作など、今すぐにでも観たい!という様な、公開前からヒットが見込まれる作品などは木曜日に公開というケースもある。
一方、映画のターゲット層が年配の方などの場合、平日でも集客が見込まれる作品などは、金曜日以外に公開日が設定される場合も。
映画の興行収入において、最も重要視されるのが公開初週の3日間。
いわゆる初動、週末興行収入である。
公開日の金曜日からの、金、土、日の3日間。
アメリカでは、この初動の興行収入だけで、その映画の興行収入が発表されるほど、全てにおいての指標となる。
要するに、初動の興行収入だけで、映画全体の興行収入の見込みが発表される。
そして、この初動の結果で、上映期間が決まる。
初動が乏しければ、数週間で上映は打ち切られる。
初動の結果次第で、ロングランにもなりうるのです。
日本映画でもこれは同じですが、最終的な興行収入の予測を見るのに使われるのが初動に対しての落ち率。
約7割と想定されており、1億円の興行収入なら7千万円、翌週の落ち率として考えられている。
しかしながら、映画の内容、クチコミなどでこの見込みを覆す作品も多く存在する。
その映画が、映画館でどれだけ上映できるのか…
その判断をするのが初動、公開週の週末興行収入。
それ故、非常に重要視されているのです。
ヒット映画のライン
最後に、映画のヒットに関して。
ヒット映画のライン、日本映画に関しては10億円がそのラインと言われています。
なので、映画制作において先ずは、10億円を見越した予算が組まれるのです。
ただしこれは、大作映画に関して。
どんなに有名な漫画や作品の映画化の企画で、大ヒットが見込まれるはず。
と、予測しても日本映画ではまず10億円を想定して予算が組まれます。
そして、20億円、30億円と大ヒットに繋がれば儲けもん!
といった感じ。
それ故、日本映画ではハリウッドの様な予算をかけたスケールの大きな映画は生まれないし、TVの企画がそのまま映画に行く事が多い。
なぜなら、TVのスタッフがそのまま流用でき、変えるものは主に機材など。
となるから、製作費を抑える事が可能であるため。
インディーズ映画では、製作費に対しての見込み額がそれぞれに異なるものの、ミニシアター系で言えば5000万円がヒット映画のラインとされる。
ちなみに、『カメラを止めるな!』の場合は、製作費300万円の本来ならばミニシアター作品でした。
なので、1億円も興行収入を収めれば大ヒットのライン。
それが結果として、興行収入は30億円越えと、日本の大規模商業映画と並ぶ成績を収めています。
これがどれだけ凄いことなのか、金額にするとその凄まじさが垣間見えることでしょう。
一方、アメリカでは1億ドルがヒット映画のラインと見られています。
1ドル100円換算で、100億円となります。
厳密にいうと、2021年12月22日の時点では114億1610万円となります。
これが、アメリカ映画のヒット映画のライン。
当然ながら、規模が違いますよね。
1億ドルがヒット映画、ならば『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、およそ30億ドル。
これがどれだけの売り上げを上げたのか…
金額によって、その映画の良し悪しに影響が出るのはいうまでもなく…
とはいえ、近年では動画ストリーミングサービスも台頭しており、一概には…
という事にもなりません。
結果として、配信限定作品でもいい映画であれば、結果として劇場で公開されますので、やはり映画の良し悪しの指標として興行収入というのは絶対。となるのです。
もちろん、映画は映画館で上映されるものである限り、これは当然のこと。
いい映画は、多くの人の関心を抱かせ、多くの人を集める。
だからこそ、映画において、興行収入というのは非常に重要なものなのです。
皆様も、いい映画の存在を知ったならば、是非とも映画館に足を運んでみてください。
積極的に、映画にお金を使いましょう!
それが、近年危惧されている、映画産業のピンチを乗り切る1番の解決方法なのですから。