映画『フロリダ・プロジェクト』マーベルエリア新設のディズニーリゾート!その隣で起きている悲劇とは!?

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誰も観たことのないマジカルエンド!フロリダ・プロジェクトとは?

この夏、マーベル映画の集大成・映画『アベンジャーズ』のエリアを新設することが明らかになったフロリダのディズニーリゾート。
乗りに乗っているディズニーですが夢の世界の隣には厳しい現実が広がっています。見て見ぬふりをされた日陰の世界にスポットライトを当てた社会派映画。それがこの映画フロリダ・プロジェクトです。

監督: ショーン・ベイカー
上映時間:115分
主演:ブリア・ヴィネイト/ウィレム・デフォー


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm1306032896

あらすじ

6歳の夏休み、ムーニーは母親のヘイリーとともに
フロリダ州の『ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート』
にほど近いモーテル『マジック・キャッスル』で暮らしていた。
ヘイリーは定職に就かず、安い香水をブランド香水の空き瓶に移し替えて
観光客に売るなどして収入を得て家賃を支払う日々を続けていた…

アメリカ社会の悲惨な現状。彩り豊かな風景

内容はあらすじから何となく察しがつくかと思いますが
ポスターや予告編の雰囲気からとは異なりアメリカの貧困層、取り分けシングルマザーの母と娘を容赦なく追い込む、過酷で身も蓋もない現実を描いた映画となっています。
映画のタイトルにもなっている『プロジェクト』とは、『計画』という意味ではなくてアメリカでは『低所得者向けの公共住宅』という意味もあります。
しかし、この映画の題材になっている人々は『Hidden homeless(隠れホームレス)』と呼ばれている貧困層よりも更にギリギリの生活をしている人たちです。
(日本でいう『ネットカフェ難民』に近いです。)
住民は各々の事情(逮捕歴があるなど)により、『プロジェクト』に住む為の勤務証明や雇用証明が出来ないためモーテルに1週間分のお金を払うことで1週間ずつ暮らしています。
普通のアパートよりもこういったモーテルの方が生活費が掛かるため収入が低いにもかかわらずより生活コストの高い生活を強いられるという矛盾した現状がアメリカにあります。


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm1306032896

とはいえ、この映画はその様な厳しい現実を『同情的』『批判的』に描いてはおらず『ありのまま』の姿を映している事が本作の最大の特徴となっています。
近所に住んでいる子供たちの言動をそのまま映したようなとても演技とは思えないナチュラルな会話や雰囲気にも監督の即物的な感受性がよく表れています。
(邦画によくあるような子役の嘘くさい芝居ではないです。)


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm130544524

物語の大半は主に子供の日常などが描かれていて、映画全体も子供の目線とシンクロするようにローアングルのカメラワークで撮影されています。 (カメラマンは腰を痛めたそうです。)
生活の大半は近所の子供達と遊ぶ事がほとんどで、少ないお小遣いで買ったアイスを皆で分けて食べたり、母親と遊んだりと楽しく暮らしています。
子供の目から見た世界は降り注ぐ太陽光なども含めてとても煌びやかで全編に渡って色彩豊かな美しい映像によって表現されています。
夕陽やはためく旗や雨の後に掛かる虹や、アイスクリームの食べこぼしに目を奪われるなど。何気ない日常を常に楽しみ夢中になってしまう様は自分たちの子供時代を思い起こさせてくれます。
(私は今でもアリとか床のシミとか中古車販売店の前においてある旗とか
意味のないものをボーっと何分間も見続けている事があります。)


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm130121267

しかし無邪気に遊ぶ子供たちからカメラを引くと遊んでいる場所が入ってはいけない危険な場所だったり、追いかけっこしている横で車が猛スピードで走っていたり
挙動のおかしい変質者が近所にいたりとゾッとするような場面もたくさんあり、物語も後半に近づくにつれて親子の生活が破綻して徐々に破滅に向かっている事が浮き彫りになります。
子供の視点からでは自分が置かれている境遇はほとんど分かりません。大人から見ると子供の世界が危険と隣合わせである事がよく分かります。


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm130121267

また、母親のヘイリーは恐らく20代前半で家賃の支払いが滞っているにも関わらず、ファーストフードでバカ買いした挙句に嫌なことがあると癇癪を起してテイクアウトしたものを全て地面にたたきつけてその場を後にしたりするなど
誰がどう見ても問題だらけで生活力がほとんどない母親ですが、ムーニーに対しては決して暴力を振るったりはせず、苦労を強いたりもせず、常に明るく楽しく振舞っているので生活が貧乏であっても基本的に健やかに育っています。
と言っても生活することが厳しい現状である事は娘のムーニーも気づいていて、
(劇中で『大人が泣く瞬間が分かる』という発言もあったりします。)
子供は大人の事をちゃんと見ているというのが分かってくるにつれて胸が締めつけられる思いがしてきます。

子供たちを見守る優しい管理人ウィレム・デフォー

モーテルの管理人役の『ウィレム・デフォー』は顔が怖いので普段は上画像の様に悪役とかアクが強い役ばかりやっている俳優なのですが


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm130121267

今回はとても優しい雰囲気の演技を披露しています。
この管理人さんが映画を象徴しているとも言える人物で主演の母親の様に社会から除け者の扱いを受けていたり、ダメ人間のレッテルを貼られている人間や子供たちにも分け隔てなく接したりと
『人の生き方をジャッジしたりしない』人なのですが何とかしてあげたいと思いながらも管理人という立場から基本的には見守る事しか出来ない人です。


出典元:https://www.imdb.com/title/tt1454468/mediaviewer/rm1300126464

『分かっているけど何もできない』というのは
ただただ映画を観ている事しかできない観客、もしくは劇中ですぐ傍にある『ディズニーランド』には入場料が高くて入れないため、夜に見える花火を眺めるしか楽しめない様子とシンクロします。
夢の国のすぐ横ですら過酷な現実が広がっているのだと『映像』で分かる映画となっています。
社会問題を取り扱った映画にありがちなのが作り手のメッセージが先行して
現実の悲惨さを際立たせたいあまり、常に『悪い事しかおきない』ように描いてしまう事です。
厳しい現実の中でも喜びや輝きに溢れた活き活きとした瞬間はいくらでもあるのに
そういった幸福な瞬間だけを映画の中で切り取ってしまう事は不誠実だし『こういった連中の生活は悲惨に決まっている。』という
勝手な解釈の上で人の人生を評価する『上から目線』を感じてしまいます。
『フロリダ・プロジェクト』や第二次世界大戦下の生活を描いた映画『この世界の片隅に』などが世界的に高い評価を受けているのはあくまで人をジャッジせず『人』としてフラットに描いているからこそであると思います。

感想

この映画は公開した時に舞浜のイクスピアリで観賞しました。
日本の『ディズニーランド』が近くにある事もあってどうにも身につまされてならない思いがあります。
映画館に足を運ぶ事も含めて映画は『体験するもの』であると改めて思い知りました。

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