映画【HOKUSAI】のネタバレ!画狂人・北斎の90年をWキャストが怪演!

HOKUSAIポスター

出典:映画.com

世界で最も多くの人々に知られている日本人画家、葛飾北斎。彼の作品は、ゴッホ、モネなど印象派の近代画家に大きな影響を与えました。代表作「富嶽三十六景」タイトルだけだとピンと来ない方も、必ずどこかでこのシリーズを見たことがあるはず。このように、名作は広く認知されていますが、葛飾北斎の人生については今まで謎に包まれてきました。多くの逸話がある割に、実は忠実な史料はごくわずかなのだそう。

北斎の人生を少ない史料から独自の視点で紐解いた、映画『HOKUSAI』

本記事では、映画『HOKUSAI』のストーリーを史実に基づいたネタバレ付きで紹介していきます!90年に及ぶ北斎の人生を演じる、実力派キャストにも注目です!

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映画『HOKUSAI』の予告動画がこちら!

葛飾北斎が生涯かけて残した作品の数は、なんと3万点以上。普通じゃないですよね。彼の時代、墨と顔料を用いる日本画(肉筆画とも言います)、また多色刷りの版画での制作がメインでした。

確かに、外国で主流だった油絵のように、乾燥の性質上1枚数ヶ月かかる技法ではありません。それでも、この作品数はすごい。何がすごいって、つまり情熱を失わずに生涯描き続けたというわけで……!

「描き続けることがいかに孤独な道なのか」。予告動画を見ると映画『HOKUSAI』では、このあたりの抗いにスポットを当てているようです。

寿命から生活スタイルまで人間離れした北斎がついに紐解かれる!

平均寿命が40歳程度であった江戸時代後期。この時代に北斎はなんと90歳まで生きました。妖怪!それはもう癖の強い人物であったことが知られています。ただ、彼の娘も同じく画家になったことから、「背中のかっこいいお父さん」だったんじゃないかなと、筆者は思うのです。

長命の画家だと他に有名なのが、マルク・シャガール。彼は97歳まで生きました。シャガールは、死の間際まで制作を続けていたのですが、その点、北斎も同じ。すると葛飾北斎も、根性と執念で90歳まで生きたような感じがしますよね。

映画『HOKUSAI』のキャストを紹介!

葛飾北斎

出典:映画.com

若き日の北斎にもたっぷりクローズアップする本作『HOKUSAI』。画狂人と呼ばれた老年期までの人生を描くのに、国内外から高い評価を受けているふたりの俳優がキャスティングされました。

映画『HOKUSAI』のストーリーに移る前に、本作のキャストを紹介していきます!

葛飾北斎(青年期)柳楽優弥

柳楽優弥

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青年期の北斎を演じるのは、柳楽優弥。若い頃の北斎はまだ売れておらず、情報が極端に少ない時代です。そのため、監督ともに独自の“北斎像”を作り上げたと語っています。

代表作は、映画『誰も知らない』。って、みんな言いますが、筆者は『ディストラクション・ベイビーズ』だと思うのですが……!創造力がずば抜けた俳優さん。若き日の北斎に通じる苦悩を、彼も経験済みなのではないでしょうか。期待……!

葛飾北斎(老年期)田中 泯

田中泯

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老年期の北斎を演じるのが、舞踊家として世界で活躍する田中泯75歳の現在もオペラの振り付けなど、精力的に活動しています。

『たそがれ清兵衛』で、2002年に映画初出演。日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。情熱を衰えさせることなく、画才を磨き続けた北斎の老年期。この「画狂老人」を演じきるために、徹底した役作りで本作に臨みます。北斎の晩年の自画像にそっくりですが、寄せてきているんでしょうね……!

柳亭種彦 永山瑛太

永山瑛太

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芸術が抑圧されていた時代、武士という身分でありながら文才に溢れていた戯作者・柳亭種彦。本来、芸術を取り締まらなければならない立場の彼なのですが……。

演じるのは、永山瑛太『アヒルと鴨のコインロッカー』『余命1ヶ月の花嫁』『太陽の家』など、多くの映画に出演していますよね!

蔦屋重三郎 阿部 寛

阿部寛

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今でいう出版社のプロデューサー。版元、耕書堂の店主・蔦屋重三郎。喜多川歌麿、東洲斎写楽など、人気絵師を見出しては育てあげる敏腕です。売れる前の北斎に出会い、彼の才能を見抜きます。

演じるのは阿部寛。一時期ローマ人にしか見えませんでしたが、近年では『のみとり侍』など、時代劇のイメージも定着してきましたよね!

喜多川歌麿役 玉木宏

玉木宏

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美人画絵師・喜多川歌麿。美人画を追求した彼は、北斎の青年期ライバルとして登場します。演じるのは玉木宏、ものすごい妖しげに仕上がっています。

春画も多く手掛けた喜多川歌麿、実は女性の顔をメインにしたバストアップの構図の考案したのは彼なのです(ポッピンを吹く女とか)。それまでは美人画といえば全身納めるのが普通だったんですね。しかし、歌麿は顔をメインにして表情、内面を詳細に描き出すことに注視した、と。変態ですね!こういうフェチズム、日本の誇りです。

以下、映画『HOKUSAI』のネタバレ!

HOKUSAI劇中

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さて、映画HOKUSAI』のキャストを紹介した後は、いよいよストーリーのネタバレに移っていきます!老年期は、史実に基づいた流れになるであろう今作。不屈の革命家の生涯を見届けましょう……!

町人文化華やぐ、江戸の町に極貧絵師がひとり

舞台は江戸後期の日本。町人文化が全盛期の時代です。
そんな江戸の町に、若き貧乏絵師がひとり。勝川春朗—、のちに葛飾北斎として歴史に名を残す画家です。彼は、絵師としての修行を積む身でしたが、師匠から破門されたばかりでした。

この波紋の理由、兄弟子との大げんか、隠れて別の流派の画法を学んだからなど色々な説がありますが、真相は分かっていません。とにかく、売れるどころか寝食すらままならない状態の北斎です。

版元、蔦屋重三郎との出会いが北斎を押し上げた!

そんな北斎に訪れた転機。数々の人気絵師を輩出していた版元・蔦屋重三郎が、北斎を見出します。すでに売れっ子だった東洲斎写楽、喜多川歌麿の作品にも触れ、孤独であった北斎は「芸術の本質」を悟りかけます。

才能を開花させた後の北斎は、圧倒的な画力、革新的な構図の絵を立て続けに発表、蔦屋重三郎の後押しもあり、一躍人気絵師になるのでした。

芸術は身分を超える!武士とのコラボで楽しい晩年!?

歳を重ねても衰えることのない北斎の創作意欲。奇天烈な世界観の作品は、江戸の町人文化を一層盛り上げました。

しかし、この町人文化。あまり盛り上がり過ぎてしまうと、民衆が幕府のいうことを聞かなくなってしまいます。やがて江戸幕府は、芸術を本格的に取り締まる働きを強化し始めるのです……。

武家の出身でありながら、作家としての才能を開花させていた柳亭種彦。彼は、本来幕府に使える武士として芸術を取り締まらなければならない立場にありました。しかし、隠れて作家活動をしていたわけですね……。北斎を尊敬し、なんどもコラボ作品を出版していた柳亭種彦。北斎の盟友と呼べる存在でした。

柳亭種彦の死 強い逆風に北斎は?

しかし、天保の改革によって柳亭種彦の活動は厳しく追求されてしまいます。このことで柳亭はすっかり元気をなくし、そのまま亡くなってしまうのでした。柳亭種彦の死に関しては、他殺、自殺など色々な説がありますが、一番有力なのはショックによる病死であるとされています。

柳亭種彦は「偐紫田舎源氏」という長編小説を14年にわたって執筆していました。これは源氏物語を通俗的に書き直したもので、一般庶民にも分かりやすく親しまれていたのです。この「偐紫田舎源氏」に言いがかりをつけられ、死につながるほど落胆してしまったと言われています。

一方、北斎は行儀作法が嫌いで、誰に対してもそっけない態度を貫いていました。風変わりな爺さん、と言ってしまえばそれまでですが、下手をすれば幕府に潰されかねないご時世、抑圧された時代に抵抗していたとも取れますね。

75歳で家財一式を失う

長い人生の間、引越しを56回繰り返したことで知られる北斎。火事が極端に多い江戸に住みながら、一度も火災にあったことがありませんでした。

しかし北斎、75歳の時についに火災に遭ってしまい、家財を全て失ってしまいます。もともと金銭に全く頓着しなかったという北斎。受け取ったギャラの包みを、開きもせず丸ごと業者への支払いにまわすほどの無頓着だったと言います。ただでさえ貧乏なところを、家屋全焼……。

さらに、若い頃から大切に描き貯めていた資料も一切焼失。落胆した北斎でしたが、陶器を割った破片を筆洗いとパレット代わりにして制作を続けたのだそうです。妖怪……!

北斎の臨終。あの名言はスクリーンで観られるのか!?

75歳で焼け出されてからも、執念で絵を描き続けた北斎。彼の臨終の言葉として語り継がれている有名なセリフがあります。

いよいよ弱って床に伏した北斎は「天が私の命をあと10年伸ばしてくれたら」と呟いて黙ります。その後、しばらく考えて、「天が私の命をあと5年保ってくれたら、私は本当の絵描きになることができるだろう」と言って、そのまま亡くなったのです。

この、10年を5年に値切るところ。彼はこの時すでに世界的に名の知れた画家でした。しかし、本人は満足していなかった。あと10年、5年、明日、もう少し時間があれば、90歳にしてこんな風に死を惜しがれる男の人生とは、どれほど激しいものだったのでしょうか。

映画『HOKUSAI』絵狂人が神奈川沖浪裏にたどり着くまで

葛飾北斎青年期

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当初の予定では、2020年5月29日に公開されるはずだった映画HOKUSAI。残念ながら公開延期になった本作ですが、公開時期が再決定次第公式サイトで発表されるとのこと。

はっきり言って、北斎の奇行として語られるエピソードは多すぎて、一体どれをピックアップされるのか予想がつきません。日本、オランダ間で起きたシーボルト事件、歌舞伎役者の尾上梅幸とのトラブル、津軽藩主との大騒ぎ……、いずれも北斎の激動の人生を彩るエピソード。北斎の人間性に迫れる日を楽しみに待ちましょう……!

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