映画【星の子】のネタバレ!女優芦田愛菜6年ぶりの主演は“カルト信者二世”役

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星の子

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2020年10月9日(金)に全国公開される映画『星の子』。原作は『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞したばかりの今村夏子の小説、そして主演するのが子役の域を脱皮した15歳の芦田愛菜というのですから、早くも邦画ファンたちがざわつき始めています。

本記事では、映画『星の子』のあらすじをネタバレ付きでご紹介していきます!主人公・ちひろと同い年、少女と大人の微妙な堺を垣間見せる芦田プロの演技に再注目です。

映画『星の子』の予告動画がこちら!

星の子』のようにカルト、新興宗教を題材にした映画は珍しくありません。映画『説得』は、1993年に実際に起きたエホバの証人輸血拒否事件をベースに、ビートたけしが瀕死の息子への輸血を拒否する父親役を演じました。

ほとんどのカルト宗教映画は、異常な信仰を否定するメッセージが込められています。しかし本作『星の子』に登場するのは、愛情をたっぷり注いでくれる父、母。大好きな両親と新興宗教が共存する家庭で育ち、思春期を迎えたちひろの心の揺らぎがクローズアップされます。

映画『星の子』のキャストを紹介!

芦田愛菜

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映画『星の子』のあらすじの前に、本作のキャストを紹介していきます。学業重視で役者業をセーブしてきた芦田愛菜が女優としてリスタートを切る本作。

そのためかどうしても「芦田愛菜の映画」というイメージが強い『星の子』ですが、脇を固める役者陣も実力派揃いです……!

カルト信者の両親を持つ・ちひろ/芦田愛菜

主人公・ちひろを演じる芦田愛菜。子役のイメージが強烈ですが、近年声優業などを通して徐々に新たな魅力を開拓しています。

読書家の彼女はオファーの際に『星の子』の原作を読んだそう。自分が演じる「ちひろ」をイメージして、自分の意思で髪を切って役作りに望んだとのことです。

ちょうど『パシフィック・リム』の時くらいの髪の長さですが、当時と比べてすっかり子役味が無くなっていますよね。10年も経っているのですから、当然といえば当然ですが……。「この10年、自分は何やってたんだっけ……」と、遠い目になってしまうのは筆者だけではないはず。

脇を固める豪華キャストを紹介

岡田将生

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本作のキーパーソンとも言えるちひろの両親役には永瀬正敏と原田知世。作中で二人は常にお揃いの緑のジャージを着ているのですが、これには宗教に私財を注ぎ込みすぎて、服を買わなくなってしまったため、というバックボーンがあるのです。お母さんがどこに行くにも緑のジャージしか着ないなんて、中3の女子にとってはかなりきついですよね。

さらに、ちひろの学校の先生役に岡田将生。ちひろの両親を宗教から抜け出させるため説得する叔父さん役には、大友康平が抜擢されました。

両親が信仰する宗教団体側には、高良健吾黒木華。予告にも登場していますが、なんだかよくわからない説得力を持つカリスマ教団員を完璧に演じています。

映画『星の子』のあらすじをネタバレ!

星の子本編

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さて、キャストの紹介を終えたところで映画『星の子』のあらすじをネタバレ付きで紹介していきます。

本記事では、原作小説の結末に沿ったネタバレをしていきますが、映画版ではこの繊細なラストをどのように演出するのか……。今から公開が楽しみです……!

虚弱児だったちひろを救った「水」

林家の次女・ちひろは生まれつき虚弱児でした。すぐに体調を崩す娘を心配して、両親は日夜病院を駆け巡る日々。

ちひろ、生後半年のある日。彼女の体に突然大量の発疹ができてしまいます。病院での治療も虚しく、ちひろの皮膚はきれいになりません。そんな時、ちひろの父は会社の同僚・落合に「金色のめぐみ」という水を勧められます。

「金色のめぐみ」でちひろの体を拭いてやると、発疹はたちまち回復。“水”のことを教えてくれた落合夫妻を全面的に信頼するようになったちひろの両親は、勧められるままに様々な商品を試すようになりました。そして、自然な流れで落合夫妻が所属する新興宗教に林家も入信していくのでした。

落合家のパーティーに呼ばれ、ウッキウキで楽しむ林夫妻を尻目に、ちひろの姉・まさみは冷ややかな表情。一方、パーティーでも当たり障りなく、大人しく過ごしていた小さなちひろはあることに気がつきます。

落合家には「話をすることができない息子」がいると知らされた林家の一行。しかし、ちひろだけは「彼が実は喋れる」ということに気がつきます。ちひろを睨み付ける落合家の息子。「誰にも言うな」。なぜ彼がこんな面倒な演技をして暮らしているのか。ちひろにはまだ全くわからないのでした。

“周囲との溝”に気付き始める思春期

林家の親戚、ちひろの叔父・雄三はこの家の異常に気が付きました。カルト宗教にのめり込む林夫妻を説得しようと試みます。しかし、すでにカルトに陶酔している林夫妻にとって、必死の説得もノイズでかありません。だってちひろの発疹は治ったのです。水のおかげなのです。

小学校に通うようになったちひろには、友達ができませんでした。林毛が宗教にのめり込んでいることはすでに有名で「林さんちの子とは遊んではいけません」と、近隣の子供は言い聞かされていました。

同年代の友達がいなく、両親にべったりで育ったちひろは周囲の子に比べて雰囲気も幼くやはりちょっと浮いた存在。そんなちひろに大人っぽくてかっこいい友達ができます。彼女は「なべちゃん」。転校生のなべちゃんは、見た目も大人びているし、言動も筋が通っていて頼もしい……。ちひろの家庭の話を聞いて「おかしくない?」と、初めて指摘します。

小学校卒業間近のちひろ。なべちゃんとは親友ですが、やはり周囲からは浮いた存在でした。両親に連れられて宗教の集会にも参加するようになったちひろ。林夫妻はこの頃には仕事を辞めていて、教団の紹介する職場で安い賃金で働くようになっていました。少ない収入も宗教団体に献上し、林家はじわじわと貧困に落ちていきます。

ちひろの恋と、宗教……

ちひろの姉・まさみが高校生になった途端に家を出ました。どうやら随分前から雄三おじさんと話し合い、計画していたことのよう。いつか、雄三おじさんが林家に忍び込み「金色のめぐみ」の中身を全て水道水に入れ替えたことがありました。「この水は偽物だ!目を覚ませ!」こう言われて林夫妻が激昂したこの事件も、当時中学生だった姉・まさみの協力によるものだったのです。まさみは宗教に染まった林家で暮らすのが心底苦痛だったのです。

一方ちひろは、中学生になっても両親のことが大好き。物心ついた時からこういう両親ですから、疑問に思わないのは無理もないのかもしれません。そんななか、幼いちひろは初めての恋をします。相手は学校の先生。ちひろ曰く“東洋版エドワード・ファーロング”、超かっこいい南先生です。(うん、系統は近いかも!)

「おいおい」みたいな雰囲気のなべちゃんのこともなんのその。ちひろは南先生の情報を集めては、先生の似顔絵を丁寧にノートに描くのでした。ある日、課外活動で下校が遅くなったちひろを、南先生が車で家まで送ってくれることになりました。これは緊張する……!

家の近くまで来たとき、南先生はちひろが車から降りるのを引き止めます。「変なのがいる」。南先生の視線の先には、緑のジャージを着たちひろの両親。公園のベンチに座り、お互いに水を掛け合っている姿でした。「なんだあれ、何やってるんだ?

ちひろは初めて、恥ずかしいと思いました。思い出すのはいつか見た落合家の話せない息子。本当は口がきけるのに、喋れないふりをしていた彼の気持ちをちひろはこの時はじめて理解しました。

次の日ちひろは南先生に、昨夜の不審者が自分の両親だと告白します。南先生に理解者になって欲しかったし、かっこいい南先生はきっと何か声をかけてくれると思ったのでしょう。ところが南先生は、この日を境にちひろに対してあからさまにキツイ態度をとるようになりました。ちひろは深く傷つきましたが、客観的に見た自分たちの姿がどれほど異様なものなのか、思い知ったのでした。

そんななか、追い討ちをかけるような出来事が。親戚の法事に一人で出席したちひろは雄三おじさんに誘われます。「高校生になったら家を出て、おじさんの家から高校に通わないか」。

映画『星の子』の結末は……

星の子ラストシーン

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ちひろ中学3年生の冬。今年も宗教団体“星の子”の研修旅行の日がやってきました。全国の信者が集まるこの旅行に、ちひろは両親と参加します。そこに、ちひろと同じ学校の同級生・はるちゃんが、信者ではない彼氏を連れてきていました。

そこで、はるちゃんの彼氏は宣言します。「好きな人が信じる者を、自分も一緒に信じたい」。この言葉に、何かを考えるちひろ。

両親とともに星空を眺めるちひろ。右にお父さん、左にお母さん。寒い外でも暖かいです。そこで3人は一緒に流れ星を見ようとしますが、なぜだかタイミングがあいません。ちひろが流れ星を見ているときには、その星を両親は見ていません。反対に、両親が「見た」といった流れ星を、決してちひろは見つけることができないのでした。

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