ウィル・スミスの代表作のひとつ『アイ・アム・レジェンド』。
2007年公開のSFスリラーで、名作に数えられている1作。
そんな本作『アイ・アム・レジェンド』のあらすじをネタバレ解説します。
『アイ・アム・レジェンド』について
『アイ・アム・レジェンド』は、2007年にフランシス・ローレンス監督で公開されたSFスリラー作品。
大ヒットを受けて、何度も続編企画が立ち上がるも、公開から15年が経過した現在も実現化したことはありません。
しかしながら、続編企画の噂が常に絶えない人気作品であり、ここ最近でもマイケル・B・ジョーダンが参画したことで現実味が帯びてきたとの噂も立ち上がっていました。
そんな人気作品である『アイ・アム・レジェンド』は、”地球上にただ1人生き残った男”というストーリーが受けて、大ヒットに至っています。
主演はウィル・スミス。
彼は、荒廃したニューヨークで、ただ1人の男。
そんな彼が、この世界で生き抜く様を描くのが本作である。
公開前に、配給側と監督とで製作上の相違がしょうじラストが差し替えられるという事態に見舞われるなど、トラブルも発生するなど、公開後も物議を醸す作品に。
その詳しい経緯などは、下記リンク先の記事をご覧ください。
本記事では、劇場公開版のストーリーをネタバレしつつ紐解いていきます。
『アイ・アム・レジェンド』のあらすじをネタバレ!
ここからは、『アイ・アム・レジェンド』のあらすじを掲載します。
ネタバレに繋がるので、鑑賞済みの方に推奨する内容ですので、ご了承ください。
世界にただ1人
TVニュースから、物語は始まる。
スポーツニュースから、医療ニュースへと場面が切り替わり、クリピン博士が癌の特効薬を開発に成功し、1万9千人に処方し、1万9千人のがんを治療したことが報じられていた。
そんな夢の様な薬が開発された3年後、世界は荒廃していたのだ。
高層ビルが立ち並ぶNY、街中はとても静かで鳥の鳴き声が響くほど。
アスファルトの日々の隙間からは、雑草が生え、もはやゴーストタウンと化していた。
そんなNYの街中に走る、1台の車。
赤いマスタングに乗るのは、愛犬のシェパードのサムとロバート・ネビル。
街中で群れをなして走る動物たちを狩っている。
そこに現れたのは、百獣の王ライオン。
NYなのに、この世界では弱肉強食がモノを言う。
結果収穫ゼロで帰宅すると、愛犬のサムとの日常はとても楽しそうに感じる。
こんな世界でも、ふたりで力強く生きていたのだった。
そんな時、アラームが鳴る。
要するに日没である。
ネビルは、家中のドアや窓に強化扉を二重に閉め、物々しさを感じさせ、夜になる。
バスルーム、ネビルとサムはバスタブの中でうずくまっていた。
そして外には、この世のものとは思えないけたたましい何かの音が蠢めく…
※過去パート1が差し込まれる。
ネビルとサムの1日
朝、ネビルとサムはベッドで目覚める。
朝の運動は、ルームランナーでのランニング。
もちろん、サムも一緒に。
そしてネビルは、もうひとつ日課があった。
それが地下室で行われていた特効薬の開発。
実験にはネズミが使われており、今回もダメかと思われたが1匹だけ、何も変わらない。
ウィルス感染したネズミは、ネビルを見るや否や、ガラスに体当たりし始め、異常なくらいの攻撃性を示していたのだ。
実験の成果が見られたことで、次なる実験は人間へと行うことになる。
サムと共に外へと出かけるネビル。
とある店の前、マネキンが2体立っている。
ネビルは、マージとフレッドという名前を付け、会話をする。
レンタルビデオ店には、いくつものマネキンが置かれていた。
そんな店内で、映画を見てはわざわざ店へと返してきている。
こんな世界になっても、日常を送っていた。
空き家に行って、物資を補給、車にガソリン、燃料を確保。
そして、港ではAM周波数で他に生存者は居ないか、電波を送り続けている。
何者ではない何か
ネビルとサムは、港に停泊している戦艦の上にある戦闘機の尾翼から獲物を物色する。
ネビルはゴルフの打ちっぱなし、サムは自慢の嗅覚を生かし街中をじっくりと観察していた。
ふたりは、ついに獲物を見つける。
サムは追いかけ、入ってはいけない建物の中に突入してしまう。
ネビルはダメだと叫ぶが、もう止まらない。
真っ暗な雑居ビルの中、ネビルは異常なまでに冷や汗をかき、出ないとヤバイという。
銃を構えて、ゆっくり遠くへ進む。
地面には夥しい血の跡。
ゆっくり遠くに進むと、机の下で怯えるサムを見つけたネビル。
早くここから出るぞとひっそり声でネビルはサムへと語りかける。
その次の瞬間、サムが怯える原因が判明する。
血走った形相で、何者でもない何かが2人に襲いかかってきたのだ。
ネビルとサムは、必死で逃げ出す!
かろうじて逃げ出したサムとネビル。
ネビルは罠を仕掛けて、何者ではない何かを捕らえる。
すると、もうひとりの何かが現れ、威嚇するような仕草をみせていた。
ダーク・シーカー
字幕版では感染者という名称が用いられているダーク・シーカー。
ネビルが捕らえたのは、女性の感染者だ。
ダーク・シーカーはその名の如く、紫外線に弱く光に反応しない。
暗闇の中で身を潜める傾向にあるため、ダーク・シーカーと言われる。
人の血を好む傾向から、ゾンビよりも吸血鬼に近い存在であることが伺える。
ダーク・シーカーは、クリピン・ウィルスによる感染によって起きたものである。
ネビルはそんなダーク・シーカーへの感染への特効薬を試すため、捕らえてきたのだ。
血清は失敗
実験の結果、ダーク・シーカーの女性に打った血清は、結果として効かなかった。
ネビルは、クリピン・ウィルスに関して免疫が効いており、感染しない。
一方、愛犬サムは空気感染にのみ免疫がある。
要するに、噛まれたりなどの交配や接触では感染するのだ。
ネビルは、NYでたった1人でこのウィルスの血清を作っている。
そして、ダーク・シーカーは飢えによる行動でとても攻撃的になっているモンスターであるとの認識で、人間としての行動はもはや、無理だろうと判断するネビルだった。
※過去パート2が差し込まれる
ロバート・ネビル
ネビルは、クリピン・ウィルスの研究を進める代表者だった。
癌の特効薬であったクリピン・ウィルスが突如として狂犬病の様な症状に見舞われ、人が豹変していたのだ。
現在では、ネビルはNYの唯一の生存者である。
毎日正午に港にいる。
AMの全周波数に乗せて、届くかもわからないメッセージの応答を待っていた。
NYの港に来てくれれば、隠れ家と食料、身の安全を保障する。
だから応答をくれ。
ネビルは、可能性が低くても生存者がいる可能性を信じて、メッセージを送っていたのだ。
罠
午後、帰路に着く最中、とある異変に気がついたネビル。
いるはずもない場所に、マネキンのフレッドがいたからだ。
本来ならば、レンタルビデオ店にいるはずのフレッド。
フレッドという名前はつけて、ネビルは彼に話しかけてはいるものの、当然上がら彼が動くことはない。
当然。マネキンなのだ。
なのに、いつもと違う場所にいる。
当然ながら、誰かが動かしたのだ。
ネビルは、なぜここに居る!?
と、声を荒げて銃を構え近づいていく。
まずはマネキンを打ち、その後に、メッセージを聞いた奴がネビルの隠れ家と食料の強奪の計画か、ビルに隠れているのかもと、周り目掛けて銃を乱発射する。
それでも応答や、人の気配はない。
ゆっくりとマネキンのフレッドの元に近寄る。
すると、車がゆっくりと下に落ちネビルは罠にかかってしまう。
その際に、頭を打って気を失ってしまうのだった。
サムの鳴き声だけが、あたりに響いていた。
反撃
サムの呼びかけ、そして日没を知らせる腕どけのアラームによって気がついたネビル。
もう既に、日陰の部分は薄暗い。
罠は、ワイヤーが足に絡み、ネビルは宙に浮いていた。
ナイフでワイヤーをカットし、下へと落ちるも、着地と同時に足に鋭角なものが刺さり、負傷してしまう。
そして事態は最悪な状況へと、陥っていく。
足を負傷し車に引きずって戻るネビル。
すると、荒い息遣いの音が近づく…ダーク・シーカーだ。
さらには、明らかに攻撃することを目的に、ダーク・シーカーも感染した犬を連れていた。
襲い掛かろうと、感染した犬が走ってこようとするも、日没間近の太陽の光に助けられる。
しかしその光も、もはや数十センチ。
ものの数秒で、その光もなくなる。
ダーク・シーカーたちに襲われるのも、時間の問題だった。
これは、まさしく、彼らダーク・シーカー側の反撃であることは明らかだった。
サム
日没を迎え、火の光が道路から消えると感染した犬たちが一斉に襲いかかる!
サムとネビルにピンチが訪れる。
辛うじてハンドガンで、犬たちをやっつけるも、時既に遅し。
サムは、噛まれてしまっていた。
すぐに家に帰り薬を打つも、感染の速度は早く、ネビルの腕の中で毛が抜け落ちていく。
クリピン・ウィルスに感染すると、毛が抜け、息が荒くなり、攻撃的になる。
サムも、ネビルの腕の中で感染が進む。
そして、もう自我はなく攻撃性が顕になる。
ネビルは、そんなサムを腕の中で抱き抱えたまま、絞め殺すしか方法が無かった…
やけくそ
唯一の家族だったサムを失った悲しみから、ネビルは自暴自棄になる。
港に囮を設置し、ダーク・シーカーたちを誘き出す。
ダーク・シーカーたちを一網打尽にし、SUVで片っ端から轢き殺していくネビル。
しかし、数が多いダーク・シーカーたちの逆襲に敵わず、危機に陥る。
すんでの所で、強い光に包まれたネビル…
何者かに助けられたのだ。
※過去パート3が差し込まれる
生存者
目が覚めるとネビルは、自宅のリビングのソファに寝ていた。
TVには、子供向けの映画が流れていた。
昨夜に負った傷は、綺麗に縫われている。
ネビルは警戒し、銃を手にし音がするキッチンの方に向かう。
その光景に一瞬家族の姿がチラつくが、そこにいたのは見知らぬ女性と男の子だった。
女性はアナ、男の子はイーサン。
ネビルはふたりの姿を見て、警戒を解く。
アナは、ネビルの家にあったベーコンに抗生物質、備蓄の豊富さに驚いていた。
そして朝食にベーコンエッグを作っていた。
アナ達は、ラジオを聞き駆け付けたのだった。
NYの更に北の山村に、生存者の村があるという。
そのあまりの情報量の多さに、ネビルは頭の中で消化しきれず、声を荒げてしまう。
そんな姿に驚きよりも警戒が強くなったアナ達は、銃を構え体制を整える。
クリピン・ウィルスの特徴は、攻撃性である。
ネビルは、とっておきだったベーコンを勝手に使われたことに腹を立てたことにし、この状況の整理をしに1人にさせて欲しいとだけ伝え、2Fへと上がる。
束の間の静寂
2Fへと頭を冷やしにいったネビル。
整理を整えると、下にやってきて、イーサンが見ていた映画のセリフを合わせて言う。
そんな光景で和ますと、アナにここまでの経緯を聞く。
サンパウロから赤十字の船で、辛うじてたどり着いたふたり。
その船でも感染者が出るが、5人だけ免疫を持っていた。
しかしそのうちの3人がやられてしまい残った2人がアナとイーサン。
アナ達は、この後にバーモントにある生存者の村を目指すという。
しかしイーサンは、残ることを伝えた。
血清を作ること、それが彼の使命なのだ。
地下のラボで、研究を進める。
アナがやってくると、その光景を目にする。
ダーク・シーカーが眠る姿を初めて目にしたのだった。
日没が近くなり、イーサンを寝かすために抱き起す。
子供の身体を持ち上げるねびる、噛み締める様にその重さを体感していた。
イーサンをベッドに運ぶと、アナとネビルはボブ・マーリーについて語る。
アナはボブ・マーリーを知らなかったのだ。
そして日没が間近となり、強化扉を閉める。
ネビルの家は、ダーク・シーカー側には知られていないため、夜はひっそりと音を立てずに過ごすのだ。
総攻撃!
アナは、ネビルを説得しようとする。
バーモントの生存者の村に行こうと。
しかしネビルは、それを否定する。
世界の現状を語る。
致死率90%以上のクリピン・ウィルスによって、世界54億人が死んだ。
1%の免疫を持つ人々、生き残りは1200万人。
残りの5億8800万人が、ダーク・シーカー(闇の住人)と化す。
ダーク・シーカーになると、腹が減り人を殺す、それを餌とし皆殺しにする。
ネビルがいうには、全て死んだと言う。
アナは神の導きというが、ネビルは神など居ないと否定する。
すると、ネビルはある音に気がつく。
家には、朝になってから行く様にと注意したネビルだったが、ダーク・シーカー達につけられてしまっていた。
大群でネビル宅に、押し寄せる!
アナはイーサンの元に、ネビルは仕掛けていた罠をフル活用。
大多数はその罠でやっつけられるも、ダーク・シーカーの数は当然それだけではない。
第二陣がくる前に、逃げなくてはならない!
しかしネビルの前に、宿敵ともいうべきダーク・シーカーのリーダーが現れた。
ネビルの罠を応用し、前日の襲撃時も統率をとっていたリーダー。
そのリーダーに襲われるも、隙を作ってアナ達を探すネビル。
3Fで机の下に、潜んでいたふたり。
天井には他のダーク・シーカーがおり、他の仲間達が入って来やすいように穴を広げていた。
近くにある、銃を手に取り、天井にいるダーク・シーカーを殺すと、ネビルはイーサンを抱き抱え、急いで地下室へと逃げ込む!
伝説の男
外ではリーダーが雄叫びをあげ、第二陣が突入する。
地下へとやってきた3人、アナが最初のある光景を目撃した。
その光景とは、実験していたダーク・シーカーの女性だ。
なんと、血清が効き始めダーク・シーカーの症状から緩和していた。
ついにネビルの研究が身を結んだのだ。
しかしその束の間、ダーク・シーカー達がやってくる!
まさに総攻撃、その勢いは今までの比ではない。
急いで強化ガラスの扉を閉める!
ネビルは体当たりしてくるダーク・シーカー達に、助けてやれると叫んだ。
すると、ネビルに娘のマーリーの声が聞こえる。
マーリーは、ネビルが敬愛するボブ・マーリーからとって名付けた愛娘。
そんなマーリーの声で、「パパ、ほら、蝶々よ。」
と、ネビルの頭の中に響く。
目の前にはダーク・シーカーが体当たりし、蝶々の形に偶然ヒビが入ったガラス扉。
アナの首には、蝶々のタトゥー。
その導きにネビルは気が付き、急いで血清を取り出し、アナに託すことに。
ネビルは声が聞こえたんだといい、手榴弾を手にダーク・シーカー達へと向かい、相打ちとなる。
翌朝、アナとイーサンはバーモントにある生存者の村へと辿り着く。
ロバート・ネビルは、この未曾有の危機を救うべく命を賭して守り抜き、治療薬を生み出した男として、伝説となったのだ…
過去パートまとめ
『アイ・アム・レジェンド』は、メインストーリーと並行で過去パートが差し込まれます。
文章にしてストーリーをそのまま追うと、過去パートがごっちゃになってしまうので、以下にてまとめます。
この過去パートは、ネビルがNYにひとり残ることになる悲劇の1日を描く…
- ネビルが奥さんと娘、まだ子犬のサムと共に、車の乗ってNYから出る模様が描かれる。
ウィルス感染が蔓延している事が分かる。
ネビルは特効薬の開発にNYに残り、家族を北部へと逃す計画の最中であった。 - ネビルは、軍の従事者で中佐。
港に着くと、現場の兵の誘導でフェリー乗り場の先にあるヘリコプターへと導かれる。
家族の避難を優遇されていた。
しかし港には、大勢の人たちが集まっており混乱の最中。
妻が、スキャンで感染が確認される。
混乱に陥る中、ネビルが場を沈めもう一度スキャンのやり直しを要求する。
その結果、感染は誤りであり、問題なく家族はヘリの中へと案内され飛び立とうとしていた。
ネビルと愛犬のサムは、NYに残る。 - ヘリに家族を乗せ、愛犬と残る事を決めたネビル。
ヘリを見送り、家族の無事を祈る。
が、飛び立つと同時にNYは閉鎖される。
軍によって橋を爆撃、脱出不可能にし陸の孤島とさせる計画だ。
その最中、対岸に飛び立とうする他のヘリが、操縦不可能に。
そのヘリがネビルの家族が乗るヘリに突っ込む。
ネビルは、家族を失い1人となっていたのだ。
まとめ
『アイ・アム・レジェンド』は、頭の硬い男ネビルが、否定していたはずの神の導きによって伝説になる様を描いた作品です。
ダーク・シーカーとの戦いには、いくつもの伏線が貼られるも差し替えられた結末により、未回収となってしまいます。
しかし表向きには配給側の意向となっていた結末の差し替えですが、改めて鑑賞すると、差し替え前のストーリーではネビルが神を否定した男になってしまいます。
しかしアメリカでは強い信仰心がある層が非常に多いので、神の導きによるエンドを強要したようにも感じました。
とはいえこれは、あくまでも筆者の一個人の感想に過ぎません。
その真相はどこにあるのかは分かりませんが、『アイ・アム・レジェンド』を改めてみると、非常に深いストーリーが隠されていたことに気がつきます。
伝説の男ネビルが、以外にも頭が硬かったこと。
クリピン・ウィルスによる脅威が、ほとんど描かれていないこと。
など、まだまだこのストーリーのいろんな側面を見たくなってしまいます。
続編をどのように描くのか…
それもまた、非常に楽しみな作品です。