『アイ・アム・レジェンド』は、2007年公開の、ウィル・スミス主演のSF映画。
本作は、地球上にただ1人生き残った男という、特異なストーリーが受けて、世界的に大ヒットした1作。
そんな本作『アイ・アム・レジェンド』は、劇場版とは異なるもうひとつの別エンディングが存在します。
その別エンディングができた理由や、その内容について解説します。
映画『アイ・アム・レジェンド』について
映画『アイ・アム・レジェンド』は、2007年にフランシス・ローレンス監督によって公開されたSFスリラーです。
荒廃したニューヨークでただ1人の男という、絵力も脚本も、全てにおいて多くの人を惹きつけた名作として、日本でも40億円を超える興行収入を稼ぎ出し、大ヒットを記録しています。
主演はウィル・スミス。
公開後に大ヒットを記録するも、この作品は更なる物議を醸していました。
その原因が、別エンディングの存在でした。
劇場公開版は大ヒットに至るも、批評家たちからはまずまずの評価となります。
それがこの別エンディングの存在に起因するものでした。
そんな本作『アイ・アム・レジェンド』の別エンディングについて、詳しく紐解いていきましょう!
その前に、この『アイ・アム・レジェンド』について、あらすじなど、より詳しく知りたい方は、下記リンク先の記事をご覧ください。
『アイ・アム・レジェンド』の別エンディングについて
『アイ・アム・レジェンド』には、二つのエンディングが存在するというのは、周知の事実であり、とても有名な話です。
この二つのエンディング。
何故存在するのか…
その理由は、言うなれば大人の事情というやつです。
完成後に、客に出す前に行うスクリーンテスト。
ここで、配給側から物言いがついてしまうのでした。
本来できていた結末では納得がいかなかったのです。
その為、結果として作り替えることとなってしまいます。
その結果、本来のエンディングとは違う、劇場版オリジナルの結末で公開されるのでした。
別エンディングを観るには?
現在『アイ・アム・レジェンド』の別エンディングを観るには、各種配信サービスにてPPV(ペイ・パー・ビュー:個別課金レンタル)をして鑑賞が可能となっています。
主なサービスとしては、Amazonプライム・ビデオやABEMAなどで、レンタルが可能となっている模様。
一時期、Amazonでは見放題にもラインナップされていたことがあるので、今後の展開次第では再び月額利用料だけで視聴可能になるサービスも存在する可能性はあるでしょう。
しかし、現状ではないので悪しからず。(2022年3月時点)
別エンディングは、何が違うの?
下記にて、詳しくストーリーのネタバレを掲載していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
ここではそれすらも煩わしい、簡潔に知りたい、という方向けに簡単にお伝えします。
別エンディングの違いについて、解説します。
ここから下記は、『アイ・アム・レジェンド』の物語のネタバレに繋がります。まだ未鑑賞の方には推奨しない内容ですので、ご注意ください。
- ストーリーの分岐は、ダーク・シーカーの女性がウィルスから治り始めたところから。
- ダーク・シーカーのリーダーが蝶の絵を描く。ネヴィルはその絵を見て、彼らの目的を知る。
- ネヴィルは、彼らの意思を尊重する。
- ダークシーカーの女性を引き渡す。
- ネヴィルは死なずに、エンディングを迎える。
- この物語の伝説は、ネヴィル。
- たった1人でダーク・シーカーを捉え人体実験を繰り返す…最悪な人間の生き残りであること。
- 要するに、ダーク・シーカー側の視点で見た場合、ネヴィルは伝説の男であったのだ。
以上、大まかに要所を捉えたものになります。
1番大きな違いはネヴィルは死なないこと、そしてダーク・シーカーの扱いでした。
劇場版では、最初にネヴィルがしてやられた罠についての伏線が未回収のまま終わっています。
何故ダーク・シーカーにあれだけの知識が残っていたのか…
この別エンディングでは、単なる怪物ではなくしっかり人間だった心が残っていることが示唆されて終わるのです。
それ故、知識もちゃんとあったダーク・シーカー。
しかしネヴィルはその可能性を考えず、ただただウィルスの血清を作るために、実験を繰り返していたのです。
なので、別エンディングでは、しっかりネヴィルは自身の非を認め、ダーク・シーカーたちに謝っていました。
このダーク・シーカーたちを、真っ向から悪役にしてしまうのか…
偏見だけで判断せずに、しっかり本質に目を向けるのか…
ここが、劇場版と別エンディングでは、大きく異なる部分と言えるでしょう。
では、その別エンディングについて、詳しくストーリーを紐解いていきましょう!
『アイ・アム・レジェンド』別エンディングをネタバレ!
ここからは、別エンディングを完全ネタバレしていきます。
なので、まずは本来のVer.をちゃんとご覧になった後に、お読みくださいませ。
もしくは、概要にあるあらすじ解説記事をしっかりお読みの上、読み進めていくことを推奨します。
ストーリー分岐となる、ダーク・シーカーの総攻撃からの解説になります。
それ以前のストーリーは、概要にある解説記事をご覧ください。
ウィルス抗体が効き始める!
ダーク・シーカーの総攻撃に地下室へと逃げ込む、ネヴィルとアナ、イーサン。
すると、血清の実験を行っていたダーク・シーカーの女性に、変化が訪れていた。
息が浅く、常に動悸が激しかったダーク・シーカーの特徴がどんどんと薄れていき、みるみるうちに人の様に落ち着き始めたのだ。
しかしその瞬間、光明を見出す間も無く間髪入れずにダーク・シーカーが大群でやってくる!
強靭なガラス戸をしめ、ネヴィルはダーク・シーカーたちに治せるんだということを必死に伝えるのだった。
ダーク・シーカーたちにも心がある!?
ネヴィルは、ダーク・シーカーたちに治してやれると、必死に声をかける!
しかし彼らはお構いなしに、ガラス戸に突進し、打ち破ろうとする。
そんな中、ダーク・シーカーのリーダーは絶対諦めないという形相で、ガラス戸に手をやり、とある模様を描いた…
それは、どうやら蝶の模様であることに気がつくネヴィル。
蝶の模様…
それは、血清を投与していたダーク・シーカーの女性の身体に彫ってあったタトゥーを表したものだったのだ。
ネヴィルは、その女性に投与していた血清を抜き、ダーク・シーカーのリーダーに返すことを決める。
アナに扉を開けさせ、ダーク・シーカーに彼女を返すネヴィル。
これまでの仲間達に対する行いを許せない他のダーク・シーカーたち。
しかしリーダーは、彼らを制し彼女を抱き抱えその場を後にする。
ダーク・シーカーは、ただの怪物ではなく、人の心が残っていることをそこで知るのだった…
本当にひどいのは、ダーク・シーカーではなく、彼らを実験の道具にしていた自分であった事に、ネヴィルは気が付いたのだ。
そして、ネヴィル、アナとイーサンは、車でまだ見ぬ生存者を見つけるため、17号線を北上する…
まとめ
以上、『アイ・アム・レジェンド』の別エンディング解説でした。
この別エンディングは、単なるモンスターと思っていたダーク・シーカーたちにまさかの心があったという、衝撃の結末でした。
彼らがネヴィルを襲っていたのは、これまで実験に使われた仲間たちへの弔いだったのです。
その間違いに気がついたネヴィル、彼が地球最後の男、それがダーク・シーカーの視点だった…
というストーリーでした。
しかし、劇場公開版では、それでは『アイ・アム・レジェンド』の意味が成り立たなくなる、単純な勧善懲悪のストーリーになってしまいます。
これは、人それぞれをより尊重する現代的解釈とも言えるかもしれません。
要するに早すぎた映画だったのかも。
もし、今この内容で作っていれば、逆にアリだったでしょう。
さて、そんな『アイ・アム・レジェンド』には、現在続編企画がスタートしています。
マイケル・B・ジョーダンが参加し、更なるストーリーが紡がれる様です。
このキャストに、ウィル・スミスが続投されるとの一報が届いています。
劇場公開版では、ウィル・スミス演じるロバート・ネヴィルは亡くなっています。
果たしてどのような展開になるのか…
もしかすると、別エンディングの後のストーリーになるのか…
物語についてはまだ、詳しい情報はありません。
果たしてどのような展開になるのか…
更なる続報を待ちたいところです。