ジブリ【君たちはどう生きるか】あらすじネタバレ!アオサギは相棒!題材はネットの世界!?

本ページはプロモーションが含まれています
ジブリ「君たちはどう生きるか」ポスター
© 2005-2022 STUDIO GHIBLI Inc.

2023年7月14日に公開を迎えた宮崎駿の10年ぶりの新作映画『君たちはどう生きるか』。
前情報を一切明かさず、1枚のポスター画像のみで公開に至ったことで大きな話題となっていた。
そんな本作『君たちはどう生きるか』を禁断のネタバレを行なっていく!
内容に関するネタバレに繋がるので、未鑑賞の方は絶対に本記事を読むべからず!

『君たちはどう生きるか』内容に関する情報が一切ないままに公開した謎多き作品!

『君たちはどう生きるか』のキャストは?

映画『君たちはどう生きるか』は、事前情報は一切明かされず、予告編も公開されていない。
世間では俗に、『スラムダンク』方式と言っているが、今回のジブリ『君たちはどう生きるか』は正直全く異なるものだと思っている。
そもそも『スラムダンク』は、国民的バスケ漫画としての認知がされている状態である。
要するに、登場人物は誰かも分かり、ほぼどういった内容になるのか…
それは当然バスケットボールの試合が描かれるだろう…
というのが分かった状態だった。
『スラムダンク』の場合は、監督も原作の井上雄彦が務める時点で、間違いなくスラムダンクファンが納得する内容である事が分かった時点で公開に至っている。
さらに言えば、公開前にも事前でティーザーが作られている時点で、間違いなく内容の最低ラインは判明していた。
しかし、今回は事前のティーザーもなければ、出演者、映像、何一つ判明せずに公開していたのだ…
なので、全くもって『スラムダンク』のそれとは異なるものである。
さらに言えば、宮崎駿の10年前の作品『風立ちぬ』も、賛否両論となっており、喫煙シーンの多様によって地上波放送もままならない。
今の時代に宮崎駿は、果たしてどうアジャストするのか…
そんな部分も大きく、懐疑的な雰囲気も漂っている本作『君たちはどう生きるか』。
果たしてこの映画は、名作か駄作か…
この結末はアリなのか…
宮崎駿が今この時代に描いた作品『君たちはどう生きるか』を禁断のネタバレしていく!
ちなみに、公開日当日にスタジオジブリがツイートを行い、このポスター画像のキャラクターの鳴き声が判明している。
「カヘッカヘッカヘッ」
という想像が全くつかない鳴き声であった…

『君たちはどう生きるか』作品情報

  • 監督:宮崎駿
  • 脚本:宮崎駿
  • 原作:宮崎駿
  • 音楽:久石譲
  • 主題歌:米津玄師「地球儀」
  • 出演:山時聡真、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、木村拓哉、竹下景子、風吹ジュン、小林薫、滝沢カレン、阿川佐和子、火野正平、國村隼、大竹しのぶ
  • 製作:スタジオジブリ
  • 配給 東宝
  • 公開:2023年7月14日
  • 時間:124分

『君たちはどう生きるか』キャスト情報

牧眞人山時聡真
眞人の父親木村拓哉
眞人の継母・夏子木村佳乃
アオサギ菅田将暉
キリコ柴咲コウ
ヒミあいみょん
インコ大王國村隼
屋敷の婆さま達風吹ジュン
阿川佐和子
滝沢カレン
大竹しのぶ
大叔父火野正平

『君たちはどう生きるか』あらすじネタバレ!

以下より、内容に関するネタバレが含まれます。

『君たちはどう生きるか』あらすじ

主人公は、マヒト(牧眞人)。舞台は戦時中の日本・東京。
入院する母親の病院が火事に見舞われ、亡くなってしまう…
そして…戦争から3年、マヒトは父親と共に地方の田舎へとやって来る。
母親の妹である夏子という女性と、父親はいつの間にか結ばれており、彼女の住む屋敷へと引っ越す。
その屋敷で、マヒトは奇妙な体験をする…
覗き屋のアオサギ、謎の塔、マヒトは導かれるように屋敷の怪しい場所へと誘われていくのだった。

主人公マヒトは、飛行機関連の工場に勤務していた。
宮崎駿自身も、父親は「宮崎航空機製作所」の社長という事もあり、自身の境遇を主人公に重ねている。
『風立ちぬ』では、航空技師の堀越二郎を描き、今回も自身の境遇卯を描きつつあり…
もはや宮崎駿の版延期になり得る作品だけに…
集大成とも言える内容になっていた。

『君たちはどう生きるか』ネタバレ

母親が亡くなってから3年が経ち、4年目になろうかというとき、父親と移り住んだ先は、一風変わったお屋敷。
そのお屋敷には、使いのばあばが7人。
マヒトが住む家は、お屋敷の敷地内にある離れの洋館。
継母になる夏子と共に、履き物を持ってお屋敷を抜けて、洋館に向かう。
その途中、夏子によると覗き屋のアオサギが、煽る様にマヒトのそばを抜けて飛んでいく。
夏子いわく、普段は屋根の中には入ってこない珍しい光景だといっていた。
屋敷に仕えるばあば達は、お土産に歓喜している。
マヒトは面くらいながらも、自身の部屋に案内されるとすぐに眠りに落ちてしまう。
夢の中では、あの光景がフラッシュバックする。
戦時中、火事とともに亡くなった母親…
しかしその夢では、何か…空へと消えていく母親の姿がどこか奇妙であった。

マヒトは屋敷の敷地内を散策する。
アオサギを追って、奥へと向かう。
すると、そこには奇妙な塔があった。
塔の中に入ろうとするが、入口は既に埋められており、狭く入ることはできなかった。
その塔は、その昔、大叔父が建てたもので、何やら不思議な力に目覚め多くの負傷者を出しながらも完成させたものだったのだ。

翌朝、マヒトは学校へ向かった。
しかし転校先の学校ではいじめられてしまう。
その帰り、マヒトは大きな意思で自身の側頭部を傷つけて血を流しながら帰宅する。
すると屋敷中大慌てで、父親に関してはいじめてきた奴をとっちめてやると大騒ぎだ。
マヒトはどうやら、母親を亡くした悲しみを乗り越えられえていない…
父親は、母親の妹と夫婦になっており悲しみを乗り越えている。
そんな違和感が拭えず、今の自分の境遇に溶け込めない上に納得がいかないという状況だったのだ。
手当がすんで眠っていると…
あのアオサギがやってくる。
アオサギは、マヒトの夢の中の叫びを口にした。
「母さん…」

それ以降、アオサギはマヒトの事を気にかけ、何やら誘い出そうとしてくる。
マヒトにまとまりつくアオサギを追い払おうと弓矢の作り方を教わったり…
出し抜こうと考える。
矢尻にアオサギの抜けた羽を付けると、不思議な力が備わり、射る矢の威力が増した。
そんなある日、夏子が森の中へと消えていく…
しばらくすると、屋敷中騒ぎになっていた。
夏子が消えた…

ばあばのキリコと共に、夏子が消えた森の中に入っていくマヒト。
するとその先には、また別の屋敷が存在していた。
アオサギによって導かれ、屋敷の中に入っていくマヒトとキリコ。
アオサギは、マヒトのことを死んだ母親に会いたくないか…
という誘い文句で、ここまで導いてきたのだ。
奥には、横たわる母親…
しかしそれは本物ではなく、偽物で触った瞬間に溶けて流れていってしまう。
一悶着あると、上から何やら人の存在を感じた。
そのアオサギに、案内してやれといい消えていく。
するとマヒトとアオサギ、キリコの3人は地面に沈むように異世界へと消えていく…

何も無い世界…
この世界に夏子がいるといい、マヒトは継母の夏子を探す旅に出る。
ペリカンに襲われている所を、とある女性に助けられる。
彼女には、寝床やご飯などを世話になる。
この世界は何なのか…
その女性の住処では、白いふわふわした奴らが大量に居た。
そしてこの世界に住む人は、その女性以外殺生はしないのだという。
彼女が漁に出て、食料を調達し、ここにいる人達に食料を供給しているようである。
白いふわふわした奴らは、お腹を満たすと、空へと飛んでいく。
するとそれが、今度は人間へと生まれ変わるのだという…
そんな時、遠くからペリカンがやって来て、白いふわふわを食べ出す。
ペリカン達の食糧でもあったのだ…
そこに現れたのは、ヒミという女性。
彼女は、火を発生することが出来、ペリカン達を攻撃して追いやることに成功する。
マヒトは、この世界は何なのか…
は分からなかったが、自分を助けてくれた女性が一緒について来たキリコであることは分かった。
自分たちの世界のキリコであるかは分からないが、来ている着物の柄で、別人ではあるかもしれないが、彼女はキリコであることは間違いない。

その晩、物音がして眠りから覚めると…
そこには、瀕死のペリカンが居た。
彼らも生きるのに必死で、この世界を飛び回るがいつもここに戻ってきて、食べる物もなく、白いふわふわを食べるしか無かったのだ。
そしてペリカンは、一通り喋り終えると力尽きていった。
マヒトは、アオサギと共に夏子探しを再開する。
キリコは、この場所を守る必要があるため、ここで別れた。
ペリカンの次に立ちはだかったのは、インコ達である。
マヒトが射った矢でくちばしに穴が空き、本来の姿になれないアオサギだったが、マヒトがどうにかして塞いでくれて、インコ達を誘き寄せることに成功した。
その隙に、手薄になった家の中に入ると、そこにはまた大勢のインコ達が居た。
インコ達の家でヒミと再会するマヒト。
そこから彼女の助けもあって、遂に夏子が待つ部屋へと辿り着く…
が、この異世界ではマヒトと夏子の再会は歓迎されていない。
それでも夏子の元に辿り着くが…
夏子はマヒトの想いを察し、拒絶をする。
マヒトはまだ、夏子のことを母親と思えなかったのだ。
そしてここで初めて、夏子母さんと呼び、マヒトは彼女の存在を認めたのだった。

マヒトは、大叔父と会う。
大叔父は、マヒトに自分の後継者になってほしいと懇願する。
この世界は、大叔父が作り出した理想の世界だった。
穏やかで綺麗な世界。
汚い思想が渦巻く現実世界とは異なる、別の世界。
それがこの世界である。
後継者は、大叔父の血を引く者にしかなれない。

夏子はその後継者を身ごもっており、子を産む存在として非常に大事にされていた。
本来ならば、その場所を訪れることは、この世界において禁忌なのだ。
マヒトとヒミは、その禁忌を犯した。
そのためインコ達に、囚われてしまったヒミ。
ヒミは、インコ達に連れられ大叔父の元にいく。
大叔父は、この世界の創造主である。
マヒトとアオサギも、彼らの元へと向かう。

大叔父とマヒト、再会を果たすと…選択が迫られる。
この世界の創造主となるか…
そこでマヒトが出した答えは…
「夏子母さんと一緒に、元の世界へと戻る」
インコ達の王、インコ大王は、禁忌を犯したヒミやマヒトたちが何のお咎めもなく済んだ事、そのオチに納得が行かず、この世界の根幹である石の積み木を壊してしまう…
その瞬間、この世界が崩れ始め、崩壊していく。
ヒミとマヒトは、急いでこの世界を抜け出す。
するとキリコが夏子を連れて表れ、間一髪、元の世界に戻る事ができた。
ヒミとキリコは、マヒトとは違う自分たちの世界へと戻っていく…
突如失踪した、マヒト夏子、キリコの3人を探していたマヒトの父親らも彼らを見つけ安堵する。
こうして一連の失踪事件は解決することになった。
母親が死んで3年、マヒトは新たに弟ができて、再び東京へと戻る…
マヒトの奇妙な冒険は、幕を閉じる。

わかりやすく言えば、宮崎駿が描く異世界もの。
主人公は、現実に溶け込めない少年。
現実から逃げるように向かった世界で、本当の現実を知る事になる。
少年の冒険という意味ではラピュタの様でもあり…
現実から異世界という部分では、ポニョや「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせた。
根幹となる題材は、母親と息子の絆を描くが…
今回のメインの舞台は、自分で作る異世界、現実は戦争などが渦巻く汚い世界。
メタファーとして、今の現実世界、ネット社会が描かれていた。

まとめ

宮崎駿の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』は、混沌とした世界でどう生きるのか…
それを観客へと投げかけた。
マヒトのその後を、どう考えるのか…
最後に登場した家族の描写は、継母夏子と新しくできた弟…
この光景をマヒトはどう見ているのか…
あの冒険を経て、母親の捉え方は変わったのか…
視聴者に委ねられている…
この物語は、賛否両論となっており、SNSでは手放しに傑作だという者もいれば、解釈に困り駄作と判断する者もいた。
「スタジオジブリ作品の総集編とも言えるレベルで、過去作品のあらゆる要素が詰め込まれていて映像は綺麗だった。」「君たちはどう生きるか…何度でも観たい…」など、反響はさまざまだ。

宮崎駿の感覚はもはや、時代遅れか…物足りなさを感じた…

筆者が観た感想としては…
今の時代に宮崎駿はそぐわない。
宮崎駿は、日本のアニメシーンを長らく牽引してきた巨匠であり、レジェンド的存在であることは変わらない。
しかし、この時代、映画も大きく変化を遂げた今の時代。
この時代にあえて描く物語として…『君たちはどう生きるか』と問いかけたこの映画…
手放しに傑作!という結果には至っていない。
スタジオジブリ的といえば、聞こえがいいが…
悪い意味でスタジオジブリ的な作品である。
ラピュタっぽくもあり、ハウルっぽくもあり、千と千尋っぽくもあり、ポニョでもあった。
しかし…主人公の行動原理、そこに至るまでの心理描写、それもかなり乏しい描き方である。
主人公が序盤、なぜ自分を傷つけたのか…
その行動原理や心理描写は、主人公の表情のみであった。
それだけの情報で、主人公の心境、この状況を快く思っていない…という想定を観客は察しなければならず、その行動原理が腑に落ちないのだ。
物語を描く上での整合性、これを観客は全て察する必要があった。
マヒトがなぜ自分を傷つけたのか…
マヒトが母親をどれだけ想っていたのか…
マヒトが何故母親とそっくりな夏子を母親と思えなかったのか…
そして何がきっかけで、夏子母さんと呼ぶに至ったのか…
その全ての根幹となる主人公マヒトの想い、その全てが描かれていないのだ。
淡々と物語が進み、この世界のルールも描かれず、キャラクターのセリフで、禁忌が犯されたというだけ。
観客は、「あ、へー、そーなんだ」と腑におちず、無理くり納得するしかない。
中盤以降は、確実に置き去りにされた感じである…
そして予告編もない為、この映画のこれが観たい!などの予定調和もない為、最終的には「ん?何を見せられてる?」という疑問も湧いてしまう…
果たして、これを今、スタジオジブリとして描くべき作品なのか…
少し疑問に感じてしまった。

宮崎駿が描いたのは、現代のネット社会を痛烈に皮肉った!

最後に「君たちはどう生きるのか」を、より深く考察してみよう。
この映画は、冒頭のシーンはまさに圧巻だった。
テクノロジーの進化は、スタジオジブリでも見事な描写を作り出していた。
スタジオジブリの真骨頂は、しっかりと映像的には観れる。
前項目では批判的に書いてしまったが…
この映画は、いま社会問題になっているネットの世界をメタファーとしているように感じた。
冒頭のシーンでは、戦争を強く描いている事で、ロシア・ウクライナ問題を象徴している物だと思えた。
すると、リークされていたコロナ禍のメタファーもあるか?
と想ったが、これはネット社会への皮肉だとも感じた。
主人公のマヒトは、異世界で継母を探す旅に出る。
異世界は、綺麗な景色が広がり…アオサギ、ペリカン、インコ、可愛いキャラクターたちが喋り、コミュニケーションが取れる。
ある一定のルールはあるが…自由な世界が広がる。
そしてこの世界を自由自在に自分で変えられる権利があると、マヒトに選択肢が与えられる。
この世界で生きれば、戦争があり、しがらみがある現実世界にはない自由が広がる。
まさしく、これは仮想現実の世界であり、ネット社会だ。
最初、夏子がマヒトを拒絶した理由もここにあると考察すれば、腑に落ちる。
夏子は、マヒトに受け入れられなかった為、この世界に望んできたのではないか…
思い通りにできるこの世界で、なりたい自分、やりたいように出来る異世界、それがネットの世界、これがまさしくメタファーとなる。
その一方でネットの世界は非現実で、本当に得られるものはあるのか?
宮崎駿が描く現実世界…これをファンタジーに落とし込んだ。
そして、この現実世界で…『君たちはどう生きるか』と問いかけたのではないだろうか…?
『君たちはどう生きるか』は、そんな世界に生きる観客達に向けて、自分自身の生き方示したのかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました