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映画【レディ・バード】のネタバレ!ここまで描くか…イタい17歳女子の圧倒的な“生々しさ”

レディバードポスター

出典:IMDb

今年37歳の女優、グレタ・ガーウィグによる初の単独監督映画『レディ・バード』。アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞の5部門にノミネートされた話題作が、ついにNetflix配信に上陸します!

本記事では、映画『レディ・バード』のあらすじをネタバレ付きでご紹介していきます!

本作は、グレタ・ガーウィグ監督の出身地であるカリフォルニア州サクラメントを舞台にした、自伝的作品。大人になった誰もが、ふと風呂場で思い出しては「うわああああやめてくれ!」と、ひとり叫びたくなるような痛々しい青春時代を記憶しています。観ればほじくり返されて、きっと悶え死ぬはず……。

映画『レディ・バード』の予告動画

舞台は2002年。9.11やイラク戦争に混乱した時代の、アメリカの片田舎であるカリフォルニア州サクラメントです。17歳の高校生・クリスティンの“高校生活最後の1年”を丁寧に描いた映画『レディ・バード』。

何かしたいけれど、わからない。ここは嫌だけれど、どこへ行けばいいかはわからない。大人としては扱われないけれど、子供として甘やかしてもらえるわけでもない。行き場のない17歳の混沌を、再び鮮烈に思い出す日が来ようとは……。

映画『レディ・バード』のキャストを紹介!

レディバード車のシーン

出典:IMDb

映画『レディ・バード』のネタバレにうつる前に、本作のキャストを紹介していきます!

グレタ・ガーウィグ監督の自伝というだけあって、高校時代を彩る登場人物がたくさん登場します。しかし本作のキーワードは「母と娘」。ここでは、主演と強烈な母親役を演じた2人の女優にフォーカスしてみましょう。

シアーシャ・ローナン/クリスティン(レディ・バード)役

シアーシャ・ローナン

出典:IMDb

主役の女子高生・クリスティンを演じるのは、1994年生まれのニューヨーク出身、シアーシャ・ローナン。13歳で出演した映画『つぐない』の演技が称賛され、数々の賞にノミネートされた実力派女優です。

実力派とはいえ、俳優の父を持ち、9歳から子役として活躍していたシアーシャに田舎でくすぶる主人公の心境が表現できるでしょうか……?

代表作は映画『つぐない』、『ラブリーボーン』、『ブルックリン』など。

ローリー・メトカーフ/マリオン・マクファーソン役

ローリー・メトカーフ

出典:IMDb

主人公・クリスティンの強烈な母親を演じるのがローリー・メトカーフ

90年代にはシットコムをはじめとする海外ドラマの常連女優でしたが、近年では舞台やアニメの吹き替えを中心に活躍しています。実写映画に出演するのは9年ぶり。

ブランクを感じさせない(ブランクが逆にリアルなのかも?)お母ちゃんっぽさが、本作ではいい味出しています。

映画での代表作は『マドンナのスーザンを探して』、『JFK』、『スクリーム2』など。

映画『レディ・バード』のあらすじをネタバレ!

レディバード本編

出典:IMDb

大きな事件が勃発するわけではなく、いかにも17歳の高校生的なハラハラするアクシデントが頻発する本作『レディ・バード』。好レビューが多い本作ですが、中には「ありがちな少女の青春映画」「ストーリーに抑揚がない」という意見も。

どの感想も間違っているとは筆者思いませんが、派手なストーリーを求める方はどうか『アイアンマン』を観ていただければと思うのです。

さて、本作『レディ・バード』は、“クリスティン”という自分の本名が「ダサくて大嫌い」な少女・“レディ・バード”が、母親とカルフォルニアの大学の見学にいった帰りの車の中で口論するところから始まります。

ニューヨークの大学に行きたいレディ・バードに、学費の問題を持ち出して猛反対する母親。ブチ切れたレディ・バードはやってられるかと、走行中の車からビャッと飛び降ります。

ニューヨークへ行きたい田舎娘・レディ・バード

自分のことを「レディ・バード」と名乗っているクリスティンは、聖書片手にカソリック系の厳粛な高校に通う日々を送っていました。ぽちゃっとした親友ジュリーといつも一緒に行動しているレディ・バードはカースト上位のイケてるグループに密かに憧れを抱いています。

高校卒業を機に、この閉鎖的な田舎町から飛び出したいと考えているレディ・バードはニューヨークの大学進学を希望。しかし、病院で働きながら家計を支える母・マリオンはこれに大反対なのです。父親のラリーはレディ・バードの進学希望を応援してくれているのですが、このパパ失業中で無職なんですよねえ……。

なんとか奨学金で学費を工面しようとするパパ。一方、「大人しく地元の大学行け!」と母・マリオンは取りつく島がない感じです。

初めての彼氏に浮かれるレディ・バード……ところが

常に刺激を求める17歳、レディ・バードは校内ミュージカルのオーディションを受け、合格します。ところが、浮かれたのも束の間。主催者の計らいでキャストを増員し、志願者勢員を合格させていたことを知り、レディ・バードはすっかり興醒めします。選ばれたと思ったのに……。

オーディションで出会った青年ダニーにアプローチし、交際を始めたレディ・バード。これもまた刺激を求めた結果でもあります。ダニーと初めてキスした日の帰り道、喜びのあまりひとり夜道で絶叫。このイタさ、目を覆いたくなりますが可愛いのです。

ニューヨークの大学進学が難航しているレディ・バード。システム上、お金がないならせめて成績が良くなければなりません。ところが彼女、あんまり成績良くないのです。

そんなレディ・バード、ダニーの家の感謝祭のパーティーにお呼ばれです。精一杯のお洒落をして出かけると、予想外の豪邸。ダニーの家が金持ちぶりに驚きつつもパーティを楽しみます。「私の彼氏、金持ちだったんか〜」、満更でもないですよね。

ところが後日、ミュージカルの打ち上げでダニーが男を隠れてキスしているのを見つけます。そういえば、キスの先に進もうと誘った時も「君のことをリスペクトしすぎてそんなふうに触れない」と、かわされたっけ。ちなみに、筆者の友人も10代のころ何回か女性にトライしたらしく「やっぱ全然無理だったわ!」と話していました。当然、ゲイの彼らにも10代の葛藤があるのですよね。

進学問題で深まる母娘の溝……

さて、レディ・バードの進学問題。めでたいことに、地元の大学から入学許可がおりました。母・マリオンはそのまま進学を決めるように促しますが、レディ・バードはブチ切れ大喧嘩。荒くれた彼女は、いい感じの関係だったバンドマン・カイルと麻薬をキメます。苛立ちから友人関係も悪化、理解者だった親友ジュリーのことも、急に説教臭く、ダサく見えてきます

結局、ジュリーのことをこき下ろし、家が裕福だと嘘をつくことでイケてるグループに自分をねじ込むレディ・バード。「やってることがめちゃくちゃ」という意見がありましたが、そんなことはないと思います。とにかく今じゃない場所に行きたいレディ・バード。自分はこんなところにいるべきじゃない、という燻りが怒りに変わり、彼女を動かすのです。

学校で妊娠中絶の講義中、暴言を吐いて停学処分になったレディ・バード。またもや母・マリオンと大喧嘩です。「お前を育てるのにいくらかかったと思う?」「金額をいいなよ!後で返してやるから」「返せるほどの職につけないくせに」。親子とはいえ、女ふたりの喧嘩。このくらい言い合いは、ほんのぶつかり稽古です。

自信を失ったレディ・バードは、バンドマンのカイルとセックス。ところが、カイルが童貞でなかったことにショックを受けたレディ・バードは、母に連れられ家に帰ります。ここで母・マリオンに泣きつくレディ・バード。何かあったら、お母さんなんですよね。まだ17歳ですから無理もありません。

最後の大喧嘩。母と絶縁してニューヨークに?

ニューヨークの大学に、片っ端から願書を出したレディ・バード。総スカンでしたがたった1件、補欠合格していました。彼女は父親にだけ打ち明けて「ギリギリまで母には内緒に」と頼みます。実は父親の方も、娘がニューヨークに進学するための奨学金を確保していました。

高校を無事に卒業したレディ・バード。「地元の大学に進学する」と母・マリオンにはひとまず嘘をついていましたが、卒業祝いの食事中にひょんなことからニューヨーク行きの準備がバレてしまいます。いまだかつてないほど激怒するローリー。バレてしまっては仕方ありません、泣きながら母を説得するレディ・バードでしたが、もう口も聞いてもらえません

映画『レディ・バード』の結末は……

レディバード

出典:IMDb

レディ・バード、18歳の誕生日。お祝いの席には父親だけ、母・マリオンの姿はありません。数日後、ニューヨークの大学から入学許可がおり、父娘は喜びますが母は無視を決め込んでいます。

ニューヨーク行きのその日になっても、母に突き放されるレディ・バード。めちゃくちゃ強情なババアだなと思いきや、マリオンは空港から帰る車の中でひとり泣き出します。母の気持ちはシンプル。娘と離れるのが寂しくて仕方がないのです。

ニューヨークに着いてひとり、荷物を開けたレディ・バードが見つけたのは、とんでもなく長い母からの手紙。実はこれ、母・マリオンが書いてゴミ箱に捨てたものを父・ラリーが見つけ、こっそり拾って娘の荷物に入れたのです。内容は、書いた本人が思わずゴミ箱に捨てたくなるほど、赤裸々な母の気持ち。

ニューヨークで新生活を始めたレディ・バード。飲み屋で出会った男性に、自分はクリスティンだと名乗ります。「レディ・バード」という名前を青春の置き土産にして、母の名付けた本名を使ったのでした。

とはいえ、本名を名乗ったくらいでスマートな大人になんてなれるわけもなく。その飲み屋で悪酔いして、病院に搬送されるクリスティン。化粧の剥げたクリスティンのまぶたの裏に浮かぶのは、カリフォルニアの景色、思い出、母の顔。回復したクリスティンは母に電話をかけました。留守電に切り替わると、一瞬躊躇いましたが、メッセージを吹き込みます「クリスティンって良い名前ね」。「ママに伝えたかったの。愛してる。ありがとう、感謝してる」

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