映画【ミナリ】をネタバレ解説!おばあちゃんを通して家族の温かみを伝える名作!

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2021年3月19日に公開した、A24製作の映画『ミナリ』。
2020年度の第93回アカデミー賞で、韓国人女優のユン・ヨジョンが助演女優賞を獲るなど大きな話題となっている本作。
そんな映画『ミナリ』をネタバレ含みつつ解説していきます。
韓国の家族を描いたストーリーですが、それは勿論日本の家族にも通じる、とても温かみが深い作品なのです。
その温かい家族の物語を、紐解きます!

映画『ミナリ』について

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映画『ミナリ』は、世界で注目を集める映画スタジオA24製作の、韓国の家族を題材とした作品です。
公開は、2021年3月19日。
2021年4月27日に行われた第93回アカデミー賞で、スンジャを演じたユン・ヨジョンが助演女優賞を獲得し、アジア人女優が賞を獲るのはおよそ60年ぶりという快挙を成し遂げ、再び大きな話題となっている本作。
アメリカ映画ながら、物語の半分以上の割合で韓国語で展開される映画としても注目で、近年のハリウッド映画の中で、多様化が進んでいる事が伝わってくる作品です。
しかしこれが物議を醸し、ゴールデングローブ賞では、アメリカ映画ながらに外国語映画賞を受賞しています。
この映画『ミナリ』は、監督を務めたリー・アイザック・チョンの半自伝的映画とされており、監督自身の生い立ちや境遇をもとに製作されています。
リー・アイザック・チョンは、新海誠監督の代名詞的作品、『君の名は。』のハリウッド版の監督にも就任しており、世界でも注目を集めているクリエイターです。
映画タイトルの『ミナリ』は、劇中にも登場する”セリ”を意味する言葉。
育て始めてから、2度目の収穫が旬という事で、子供の世代に向けて親が懸命に生きる姿をかけて付けられています。
主演は、スティーヴン・ユァン。
ソウル生まれのミシガン育ちの韓国系アメリカ人。
多くの人の記憶に残るのは、大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』のグレン・リー役。
コメディからシリアスな役までこなす注目のコリアン俳優です。
2019年度のアカデミー賞でも韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が席巻したように、ハリウッドでは今、韓国がブームの兆しを感じさせ、世界の映画界でもかなりの力を持っている事がわかります。
そんな注目の映画『ミナリ』、映画好きならばチェック必然な作品です!

映画『ミナリ』の作品情報

原題:Minari
監督:リー・アイザック・チョン
脚本:リー・アイザック・チョン
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ノエル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン
公開:2021年3月19日
時間:115分

映画『ミナリ』のあらすじ(ネタバレなし)

韓国系の移民、ジェイコブ・イは、妻のモニカ、2人の子供、姉がアン、弟がデイビッド、4人でアーカンソー州の田舎へと引っ越してくる。
ジェイコブは、お金を稼ぐため広大な土地の農場を構えるつもりだったのだ。
しかし、そのことで妻と喧嘩へと発展する。
子供たちのことを考えると、都会で暮らした方がいいと、お互いの考えが食い違ってしまう。
ジェイコブとモニカはヒヨコの選別という仕事に就き、日々の生活費を工面している。
しかしジェイコブは、農場を作ることに躍起になっており、子供の面倒が見られなくなることから、モニカの母、スンジャを読んで共に暮らす事にする。
そうすることで、子供の心配を無くし、心機一転新生活をスタートさせるのだが…??

映画『ミナリ』をネタバレ解説!おばあちゃんの存在は、世界共通!?

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ここからは映画『ミナリ』の内容について解説していきます。
ネタバレを含んでいますので、まだ鑑賞前の方などは注意してご覧ください。

家族の問題

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映画『ミナリ』は、終始家族の風景を貴重に描かれていくストーリーです。
アクション映画の様に、ド派手な展開は見込めません。
ミステリー映画のように、スリリングな事件も起きません。
恋愛映画のような、ドラマティックな出会いもないのです。
A24作品の傾向というか、この映画もまさしくらしい作品で、作家性のあるストーリーが大きな特徴。
それがこの主人公一家を描く、家族の問題です。
最初は、父親のジェイコブがお金を儲けるために、家族の反対を押し切って田舎へと越してきます。
お金を儲ける方法は、農業。
越してきた場所は、何もない草原の大地に、ポツンとたたずむ古いトレーラーハウス。
前途多難な道は、目に見えています。
そんな光景に、妻のモニカはため息混じりに不満を漏らすのでした。
夫の夢を支えてあげたいのはもちろん、しかしその反面、妻は現実的な面もしっかり見ており、衝突が起きてしまいます。

物語の鍵はおばあちゃんの存在

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おばあちゃん、という存在は家族の中でどんな存在でしょうか?
映画『ミナリ』では、母方の祖母でした。
この作品は、おばあちゃんを象徴的描いたもの。
物語の中心はおばあちゃんの存在です。
そんなあばあちゃんがやってくると、子供2人のお守りをし始めます。
最初は臭いなどと言い、おばあちゃんとは馴染めません。
馴染めていく様は、時間と共に解決するのですが…
おばあちゃんの存在は、日本でも同様な光景があり、世界共通なのだな…と感じさせます。
どこか、自分のおばあちゃんと重なるような、そんな光景でした。
そして、最後の大きな事件も、このあばあちゃんのとある行動によって起きてしまうなど、全ての鍵を握っているのが、おばあちゃんの存在でした。
しかしこの映画『ミナリ』で出てくるおばあちゃんは、子供たちに花札を教えるなど、とても破天荒で昔ながらの人物。
今の時代で見ると、とても豪快に面白く見えるかもしれません。
ですが、一昔前のおばあちゃんとは、こういうものだったのです。

家族の大切さ

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この映画は、おばあちゃんの存在を象徴的に描くとともに、韓国人一家がアメリカで懸命に生きていこうとする姿を捉えた作品です。
父親のジェイコブは農業でなんとか一旗上げようと必死に作業をします。
野原を耕し、作物を育て、必死に水を引いて…
ラストのネタバレにはなってしまいますが…
そんな作業を尻目に、おばあちゃんはなんの苦労もせず、自分が持ってきた韓国の野菜、ミナリを水場で植えて、見事に実らせています。
結局、おばあちゃんの存在は偉大である!
そんな韓国の家族を通して、その大切さを見事に描いた作品、それがこの映画『ミナリ』の最大の魅力なのだと思います。

まとめ

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以上、映画『ミナリ』を解説してきました。
この映画は、おばあちゃんをひとつの家族を通して象徴的に描くことで、その温かみや大切さ、その尊さを伝えるものでした。
事実、映画タイトルにもなっている『ミナリ』とは、”せり”のことで、劇中でもおばあちゃんが植えていたもの。
ラストで結果的に、騒動を巻き起こしてしまったおばあちゃんですが、その偉大さが”ミナリ”によって示されているのです。
正直言って、筆者はおばあちゃんとは良い思い出もなく、とても薄い関係だったので、この映画に共感はできませんでした。
でも、おばあちゃんって…
時には頑固で、時にはうざくて、でもどこか可愛らしくて…
日本のおばあちゃんにも通じる、すごく人情深い作品だったなぁ…
と、この映画『ミナリ』から感じたのです。
ぜひ、まだ劇場でやっているところはあると思うので、おばあちゃん子ではなくとも、家族の大切さ、というよりもその温かみを、感じてみてください!

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