七つの大罪とは?映画やアニメに使われるモチーフについて徹底考察

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映画『セブン』、アニメ・漫画の『七つの大罪』『鋼の錬金術師』などのモチーフにもなっている『七つの大罪』をご存知でしょうか。もちろん知らなくても作品自体は楽しめますが、モチーフを知ることで物語により深みが増すのもまた事実。今回は映画やアニメには直接関係ありませんが、七つの大罪について考察していきます。

七つの大罪の起源と現在

七つの大罪『悪魔』の画像

出典:Pixabay

もともとは4世紀にエジプトの修道士が自著に「人間一般の想念」として記した

  • 「貪食」
  • 「淫蕩」
  • 「金銭欲」
  • 「悲嘆」
  • 「怒り」
  • 「怠惰」
  • 「虚栄心」
  • 「傲慢

の8つが、七つの大罪の起源と言われています。これらを6世紀後半に当時のローマ教皇グレゴリウス1世が再編して、罪の重い順から

  1. 「嫉妬」=リヴァイアサン
  2. 「傲慢」=ルシファー
  3. 「怠惰」=ベルフェゴール
  4. 「憤怒」=サタン
  5. 「強欲」=マモン
  6. 「色欲」=アスモデウス
  7. 「暴食」=ベルゼブブ

と現在の7つになりました。また16世紀には、版画家ハンス・ブルクマイアーによってそれぞれの罪に特徴が一致する悪魔が関連づけられるようになります。悪魔との関連づけは教義とは無関係で、あくまで通俗的なものですが、これにより魔術的・神秘的な意味合いがさらに深まっていきました。現在カトリックでは、七つの大罪について罪そのものではなく罪の源となる感情や欲望として見做しています。

七つの大罪『グレゴリウス1世』の画像

グレゴリウス1世 出典:Wikipedia

映画『セブン』では七つの大罪になぞらえて連続殺人が発生する

七つの大罪『セブン』の画像

出典:天邪鬼みーすけの映画な日々

『セブン』では、ベテラン刑事(モーガン・フリーマン)と新人刑事(ブラッド・ピット)が急行した現場で、内臓破裂を起こすまで胃に食べ物を詰め込まれた肥満体の男がスパゲティの皿に顔を突っ込んで死んでいるのを発見します。さらに現場の壁から「GLUTTONY(暴食)」という犯人が残したと思われるメッセージ見つかり、その後も荒稼ぎしていた弁護士の殺害現場では「GREED(強欲)」、ベッドに1年間のもあいだ縛りつけられ廃人同然となっていた男の発見現場では「SLOTH(怠惰)」の文字が見つかります。

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アニメ・漫画『七つの大罪』では主要キャラの設定に七つの大罪が使われている

七つの大罪『アニメ・七つの大罪』画像

出典:dアニメストア

モチーフがそのままアニメ・漫画のタイトルになっている『七つの大罪』では、国を守る聖騎士団に敵対する裏切り者たちの呼び名として七つの大罪が使われています。また、戦闘で高い能力を発揮する主人公のメリオダスを憤怒、メリオダスと王女エリザベスとの仲にヤキモキするディアンヌを嫉妬など、悪魔と同じくキャラクターの特徴がそれぞれの罪に当てはめられています。

  • 「憤怒」=メリオダス
  • 「嫉妬」=ディアンヌ
  • 「強欲」=バン
  • 「怠惰」=キング
  • 「色欲」=ゴウセル
  • 「暴食」=マーリン
  • 「傲慢」=エスカノール

ハガレンことアニメ・漫画『鋼の錬金術師』ではホムンクルスの名前として

七つの大罪『鋼の錬金術師』画像

出典: NAVER まとめ

『鋼の錬金術師』は原作漫画・旧アニメ(2003年版)・新アニメ(2009年版)で設定が異なりますが、ホムンクルスはいずれのバージョンにも主人公のエドワード・エルリックに敵対する人造人間として登場します。お父様と呼ばれるラスボスが自分の「傲慢」「色欲」「強欲」「嫉妬」「怠惰」「暴食」「憤怒」を割譲しているため色欲のホムンクルスは妖艶な美女の姿、怠惰のホムンクルスは「めんどくせぇ」が口癖など外見や性格に特徴が現れています。またそれぞれの名前は固有名詞ではなく、罪の英語訳で呼ばれています。

  • 「色欲」=ラスト
  • 「暴食」=グラトニー
  • 「嫉妬」=エンヴィー
  • 「強欲」=グラトニー
  • 「憤怒」=ラース
  • 「怠惰」=スロウス
  • 「傲慢」=プライド

七つの大罪は映画やアニメの神秘性を高める

七つの大罪まとめ画像

出典:Pixabay

映画『セブン』では連続殺人犯のねじ曲がった制裁の方法として、またアニメ・漫画『七つの大罪』では国家の裏切り者たちの呼び名として用いられていることから、七つの大罪は人間性の欠如や敵対者、また得体の知れないものに対する畏怖を表現するには絶好の材料でもあるようです。エンターテイメントに神秘性の高いモチーフが使われることはよくありますが、キリスト教の教義としても広く知られている七つの大罪は、作品の世界観を構成する上で使い勝手が良いのかも知れませんね。

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