映画【なぜ君は総理大臣になれないのか】のネタバレ!政治に無関心20代女が観てみたら震えた

なぜ君は総理大臣になれないのかポスター

出典:映画.com

衆議院議員・小川淳也、49歳。2019年の国会で2004年から続いていたとされる統計不正について質問したことで注目を集めた国会議員です。「です」と言っていますが筆者、小川議員のことを本作を通じて知りました。統計不正問題の際に、SNSで“統計王子”と呼ばれ、「こんな政治家がいたのか」と注目を集めたそうなのですが、いわゆる「声が大きい政治家」に比べると認知度が低い方なのではと思います。

コロナ禍の対応によって政治不信が高まっている今こそ、本作『なぜ君は総理大臣になれないのか』は必見の映画。政治に無関心なことを怒られたくなくて、日頃コソコソしている筆者ですが、本記事ではこのドキュメンタリーの概要とネタバレ付きのあらすじを語っていきたいと思います!

お呼びでないのはわかっているのですが「書かねばならない!」と感じた次第で……!

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映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』の予告動画!

予告動画中盤で、有権者に面と向かって野次られる小川議員。「イケメンみたいな顔しやがって、お前」「心は真っ黒やないか」。いや、イケメンみたいな顔してるのはしょうがないやないか……。

なぜ君は総理大臣になれないのか』という一見して煽るような印象のタイトル。ただ、このタイトルは本作の監督から、本当の意味で真っ直ぐな(真っ直ぐ風ではない)衆議院議員・小川淳也への称賛想いが込められているのです。

ドキュメンタリー監督・大島新が一人の政治家を17年追った

本作『なぜ君は総理大臣になれないのか』のメガホンを取るのは、大島新監督。もともとフジテレビでドキュメンタリー番組のディレクションを多く手掛け、フリーになって以降は、映画『園子温という生きもの』『カレーライスを一から作る』『ぼけますから、よろしくお願いします。』など、ドキュメンタリー映画の監督として活躍しています。大島渚監督の息子さんなのですね。

大島新監督が、32歳の小川議員に出会い、現在49歳にいたるまでの17年間追ったドキュメンタリー。「一人の政治家を追う」と聞くと、「どちらかの思想に大きく偏るんじゃないの?」と考えがちかもしれません。筆者もそうでした。しかし本作、まっったく偏っていないんですよね。

政治的に偏るってつまり、主張を通すために他を貶めることだと思うのです。「あいつらはダメだから俺らは正しいんだ」。そういう、髪の毛の引っ張り合い、毛の抜き合いみたいな昨今の政治に一石を投じようとしているのが大島新監督ではないかと思うのです。

「総理大臣になれない」政治家、衆議院議員・小川淳也とは?

小川淳也議員

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1971年生まれ、香川県高松市出身。高松高校を卒業後は東京大学に進み、1994年に総務省に入省しました。その後、2005年に初当選した小川議員。4年後の2009年に政権交代がありましたよね。「日本の政治は変わります」「自分たちが変えます」と語る38歳の小川議員の表情は、希望に満ちていたといいます。

政治ジャーナリストなどからも「注目の若手政治家」と評され、期待を寄せられていた小川議員。当時「総理大臣になりたいか?」と問いかけられた彼は「やるからには志は高く持っていきます」「自分で舵取りをしていくつもりです」と力強い眼差しで答えています。

ただ現在、小川淳也議員が党内で頭角を表しているかといえば、決して総理大臣コースとはいえないはず。本作のレビューを見ても、「『なぜ君は総理大臣になれないのか』を観るまで小川議員のことを知らなかった」という声がかなり多くありました。では、なぜわたしたちは彼のことを知らなかったのでしょうか。

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』のネタバレ感想

なぜ君は総理大臣になれないのか本編

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本章でいよいよ映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』のあらすじをネタバレ含めて紹介していきます。

ネタバレと言ってもドキュメンタリーですから、実際の日本の政治になぞらえた展開です。本記事を読んだ後でも、十分劇場で楽しめると思いますので、どうぞご安心を……!

小川淳也と大島監督の出会い

監督と小川議員の初対面、2003年10月10日。この日、衆議院は解散しました。民主党から初出馬を控えていた、まだ32歳の小川議員は「国民のためという思いなら誰にも負けない自信がある」とカメラに語ります。

大島監督いわく、この姿に心惹かれたのだそう。「国民のため」結構よく聞くワードですが、本気で言っている人って多分あんまりいないじゃないですか。なので「本気で言っている人がいると目立つなあ」と筆者は本編を見て思いました。

この出会いから、事あるごとに小川議員を撮影をするようになる大島監督。

「どうしたら議員として成り上がれるのか?」

地盤・看板・カバンなし」ってものすごく語呂がいいですが、小川議員の選挙戦の様子です。

いくら気高い政治思想があっても党利党益に貢献しないと出世できない」と語る小川議員。このシステムが、小川議員をこれまで日陰に追いやっていた元凶なのでしょう。

さらに、党内での発言権を得るためにもいくつものハードルがあり、その一つが「選挙区当選をすること」。地元の有力メディアと強いコネがある他議員に敗れては比例当選を繰り返してきた小川議員は、党を動かす権力がありません。

というか、そもそも「権力への欲」が無い小川議員。本編で小川議員のお父さんが登場しますが「この子は、もしかしたら政治家じゃなくて、沢山の人を啓蒙したりする大学教授とかの方が向いてるんじゃないかと思うんです」。……納得。はっきり言って向いてないのです。そしてこれは、失礼ながら褒めているのです……。

政治の人って、大きい声出せばいいみたいなところあるじゃないですか。力のある組織を巨悪としてこき下ろせば勇気がある、みたいな。そうして一本とると、自党に貢献したことになるんでしょうね。ただ、小川議員の目は、他党でも自党でもなく、国民に向いているんですよね……。

監督までもが「向いてない」と思い始める……!

2011年の東日本大震災、当時⺠主党が政権を握っていましたが、結構エライことになりました。翌年、総選挙で自民党が勝利し、安倍政権が誕生します。

その後、自⺠党の“魔の2回生問題”、閣僚のスキャンダル、自⺠党議員の失言が相継ぎましたが、自民党政権は崩れることがありませんでした。本編では、野党のまとまりのなさ、そこに巻き込まれてもがく小川議員の様子に密着されます。

本気で政権を取るつもりはなく、揚げ足を取り合う野党。⺠進党で奮闘する小川議員を撮りながら、「この人、政治家に向いていないな」と、ついに監督までもが……!

確かに、誠実さが仇になっていると思われるシーンはいくつもありました。激しい言葉も苦手だし、とにかくやられっぱなしなんですよ……。

モヤモヤしながら不思議な気持ちになってくる

最後の舞台、2017年の総選挙。小川議員の所属する民進党は、希望の党への合流を決断します。

小池百合子代表への不信感から、小川議員は「無所属での出馬」を考えますが、地元の盟友への仁義との間で板挟みになり、苦悩します。いやもう、「悪いヤツになっとけばいいのに!」。

最終的に、小川議員は希望の党に。「本当に正しい選択だったのか」悲壮な表情で考え込む小川議員。大人の男の人がこんなに悩んでいるの、初めて見ました。ただ、何ていうか、肌ツヤッツヤ。表現が難しいですが、もみくちゃにされながらも決して理想を失っていないことが、画面からはっきり伝わってくるのです。

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』ぜひあなたの目で確かめて

小川家の団欒

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政治家が国民の代弁者なら、わたしたちは政治家を知らなければなりません。小川議員は対話できる政治家、対話できる人だと感じました。冒頭で書いた国会質問によって、次第に注目されつつある小川議員。

本作『なぜ君は総理大臣になれないのか』では、2020年5月に撮影した映像も収録されています。突然ですが、「政治家、普通に会話してくれよ」って多分みんな思ってると思うのです。筆者、無関心の責任を転嫁したくはないのですが「人の言葉じゃないからあんま興味持てない」みたいなところが正直あって。

小川議員は最新映像で、コロナ禍について自分自身で考え抜いたであろう言葉を話してくれています。どの党を支持するとか、右に寄るとか左に寄るの以前に「誰が何を本心で考えているのかわからない」。これが日本の政治の「がらんどう」さにつながっていると思います。

党の立場、自分の立場を守らなければ政治家として発言することさえ容易ではない、そして保身に保身を重ねた発言は、すでにその人自身の言葉ですらない。これ、おかしいですよね?

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