【映画】ナイトクローラーをネタバレ解説!ジェイク・ギレンホールのサイコパスな演技に背筋も凍る

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胸糞悪い映画といえば『ナイトクローラー』でしょう。ストーリーや映像ではなく、忍び寄るようなジェイク・ギレンホールの演技一本で日常に潜む闇を描く名作。この作品を観た後は、自分の周りにいる人全員を疑ってしまうかもしれません。

『ナイトクローラー』の概要とあらすじをネタバレ

ネット通信の画像

出典:シネマトリビューン

『ナイトクローラー』とは、夜に蠢く者を意味する報道パパラッチのこと。この映画は間の好奇心を掻き立てる映像に取り憑かれた男を演じたジェイク・ギレンホールの怪演が特に魅力的です。今作でゴールデングローブ賞・主演男優賞にノミネートされたジェイクは9kgのダイエットを敢行。完璧な役作りで、自分の腕ひとつでのし上っていくひとりのカメラマンを見事に演じ切りました(以下ネタバレ含みます)。

基本情報

  • 監督 ダン・ギルロイ
  • キャスト ジェイク・ギレンホール,レネ・ルッソ,リズ・アーメッド
  • 公開 2014年

コソ泥からの脱却

事故現場の撮影シーン

出典:Cinemarche

舞台はロサンゼルス。工事現場のフェンスやマンホールを窃盗してはスクラップ工場に売却しながら日銭を稼ぐルー(ジェイク・ギレンホール)。ある日、遭遇した自動車事故の現場で報道パパラッチ(ナイトクローラー)の存在を知ります。後日、盗んだロードバイクと物々交換でビデオカメラと警察無線受信機を手に入れ、見よう見まねで撮影した強盗現場の被害者の映像をテレビ局へ売り込みに行きます。

捏造と暗躍

車からの撮影

出典:Yahoo!映画

映像を買ったニュース番組の女性ディレクター・ニーナ(レネ・ルッソ)は、刺激的な映像を持ってくるようルーにアドバイスします。映像がニュースに使われたことで手応えを得たルーは、ニーナの要求に応えるべく高く売れる映像を撮影するため、不法侵入や遺体を動かすなどの違法行為に手を染めながら闇の世界でのし上っていきます。ホームレスの青年リックをアシスタントとして雇い、高性能の機材と車を購入。さらにはニーナを食事に誘い、自分の映像の価値を担保に肉体関係を迫ります。次の日、ルーの台頭に焦りを感じたライバルから手を組もうと持ちかけられますが、ルーは鼻にもかけません。しかしその夜の現場でライバルに先を越され、自尊心を傷つけられたルーはついに一線を超えてしまいます。

欲望のために

住居内の撮影シーン

出典:映画.com

大きな事件現場に向かう同業者たちを尻目に、ルーは別の場所に急行します。そこには大事件の撮影に急ぐあまり事故を起こした撮影機材車の現場でした。そう、彼はルーに手を組もうと持ちかけてきたライバルです。あらかじめ彼の車に細工をしていたルーは、事故が起きることを知っていたのでした。ライバルが搬送される様子を売り物にしたルーのもとに、さらなるスクープのチャンスが舞い込みます。警察より先に高級住宅地で起きた殺人現場の到着したルーは、逃走する犯人と住宅内の被害者の遺体の撮影に成功。ニーナに高額での取引とニュース内で自社のVPNのテロップと口頭での広告を要求します。

リックさえも手にかける非情さ

リックとのシーン画像

出典:映画.com

殺人現場の映像とインターネットを駆使し、事件の犯人の自宅を突き止めたルー。現場に向かう道中で昇給を餌にリックを計画に協力させようとしますが、兼ねてから自分への扱いに不満を募らせていたリックは、犯人の自宅を警察に通報するか、儲けを折半にするか、ルーに迫ります。なんとしても今回のスクープをモノにしたいルーは渋々リックの案に同意。犯人が自宅を出、レストランに入ったところで警察に通報します。捕物劇の現場をおさえるべく、手分けしてカメラを構えるルーとリック。ルーの目論見通り銃撃戦が繰り広げられますが、犯人のひとりが車で逃走。警察とともに、ルーとリックも車を走らせます。カーチェイスの果てに犯人の車は横転。ルーは車内を確認し「死んでいる」と犯人を撮るようにリックに指示しますが、犯人は生きており発砲。叛意した助手さえも間接的に殺害したルーは、リックが死んでいく様子さえも売り物にします。出来すぎた仕事ぶりに疑いを持っていた警察はルーへの疑いを強めますが、リックはすでに死に、証拠もなく、ルーは放免されたのでした。かくしてルーは、闇の世界でさらにのし上がり事業を拡大。公明正大に数名のスタッフを煽り、あらたに導入した機材車に乗り込んでいきます。

『ナイトクローラー』 はすぐそこにある闇を観る者に突きつける映画

まとめの画像

出典:映画.com

『ナイトクローラー』 で初のメガホンとなったダン・ギルロイは、今作を「サクセスストーリー」と位置付けています。それが主人公ルーのことなのか、自身の監督としての成功なのかは、観る人に委ねられるべきでしょう。ただ、日常で目にする報道の映像や写真がルーのような人間によってもたらされたものだとしたらどうでしょう。倫理観や報道のあり方を考えさせられる映画としておすすめです。

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