2022年5月27日にディズニープラスで配信がスタートしたドラマ『オビ=ワン・ケノービ』。
エピソード1〜3で演じたユアン・マクレガーが再演する事で、制作発表から常に注目を集めていた話題作。
本作『オビ=ワン・ケノービ』を観て、筆者は強い危機感を感じている。
このドラマを観て思うこと…、スターウォーズファンの映画フリークが強い想いを綴る。
ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の概要
『オビ=ワン・ケノービ』は、ディズニープラスで配信されている、連続ドラマ。
全6話のリミテッドシリーズ。
主演は、スター・ウォーズのエピソード1〜3でオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガー。
エピソード4で演じたアレック・ギネスに寄せ、彼が演じればどの様になるのか、など非常によく研究されたユアン・マクレガーの努力が垣間見えるのが、高い評価を獲得。
それも相まって、オビ=ワン・ケノービの単独作品化は、ファンにとっては待望の1作となる。
しかも新キャストでもなく、ユアン・マクレガーが演じる事で、待望の作品となり、製作発表がされて以降絶えずニュースが報じられるなど、スター・ウォーズファンにとっては最大の関心事のひとつでもありました。
この他、ユアン・マクレガー以外では、映画でアナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセンがダース・ベイダーとして登場予定。
映画でも登場したメンバーだと、ルーク・スカイウォーカーの育ての親となるオーウェン・ラーズ。
ダースベイダーとなるアナキンとは、義理の兄弟という関係性になる。
エピソード2や3でも演じていた、ジョエル・エドガートンが再演。
特殊メイクで判別は難しいものの、帝国側で『ワイルド・スピード』の人気キャラクター、ハン役を演じるサン・カンなども出演する。
そして第2話では、MCU『エターナルズ』で一気にその名が知れ渡った、クメイル・ナンジアニも登場する。
監督は、デボラ・チョウ。
『マンダロリアン』でも監督を手掛けており、ルーカス・フィルムからの信頼は厚い人物。
そんな『オビ=ワン・ケノービ』は、ディズニープラスで毎週水曜日に新エピソードが配信される。
配信日も当初は水曜日でしたが、アメリカのファンイベントとの兼ね合いで、配信スタートの初日が金曜になっています。
今後の新エピソード配信は、水曜日になると思われる。
『オビ=ワン・ケノービ』の感想。観て思うこと。
『オビ=ワン・ケノービ』を観て…
現時点では、まだ2話のみ。
しかし、おそらく…
この後の展開としては、オビ=ワンと帝国軍の攻防が行われる。
そして、最後は強い信念を心に秘め、元の生活に戻る。
そんな結末が予想される。
要するに、エピソード4へと繋がっていく様々な伏線など、ファンにとっては嬉しいものが見られるだろう…
しかし、このスター・ウォーズの展開に、筆者としては危機感を募らせている…
スター・ウォーズの今後に募る危機感
もちろん、スター・ウォーズにおけるエピソード4〜5は、すでに神話として圧倒的な存在感となっている。
ここに執着するストーリーは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』を観て感じる高揚感が段違いに高い。
しかし現在スターウォーズは、新たな展開を行なっている。
それが『マンダロリアン』。
スターウォーズでも随一の人気キャラクターであるボバ・フェットや、彼のルーツでもあるマンダロアのストーリーに注力している。
スカイウィーカーを中心にしたジェダイのストーリーとは異なる展開が発展中。
正直言うと…
ここに注力すべきなのでは?
と、今回のドラマ感じてしまった。
勿論、『オビ=ワン・ケノービ』は作品としてはとても面白いし、次の配信はワクワクしている。
しかしこの物語には、先が無いのだ。
何故ならば、先述したとおり、物語の執着地点はすでに明らかになっている。
『オビ=ワン・ケノービ』は確かに面白い、ただ…
これ以上の物語の先は…無いと言っても等しい。
そう思えて仕方がないのだ。
この先の展開は?
スター・ウォーズのドラマは、今後『キャシアン・アンドー』が控える。
これは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の派生系の作品で、前日譚となる。
『キャシアン・アンドー』に関しても、物語の終着点は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』であり、結果としてエピソード4に繋がっていく…
はっきりって、この後の展開は、ないと言っても等しいのである。
スカイウォーカー・サーガに固執するべきではない
スター・ウォーズの世界観は、すでに構築されていると言ってもいい。
スカイウォーカーの物語で、多くのものを魅せてきた。
そして物語を描く上で、どのキャラクターの視点で描くのか…
それはとても重要であるのは、言うまでもない。
ただ、それならば、もっと発展性のあるキャラクターを描くべきではないのか…
もう既に、最期が明らかになっているキャラクターをあえて描く価値はあるのか…
勿論、ルーカス・フィルムでその議論も当然出ているであろう。
オビ=ワン・ケノービは、まだわかる。
スター・ウォーズの代表的キャラクターの1人で、描く価値がある。
しかし、キャシアン・アンドーはどうなのだろうか…
勿論、見れば納得はするのかもしれない。
しかしその先は、既に決まっている。
ここに、ワクワクの高揚感は存在しないのだ。
今後、『マンダロリアン』を中心としたストーリーは、『アソーカ』が控える。
そして、おそらく今後はグローグーを中心に据えた物語になっていくのか…
スカイウォーカー・サーガの時系列の中の物語ではあるものの、新たな冒険の発展が予測される。
こうもいろんなストーリーが、別の時代の物語として起きてしまうと…
もはや情報の整理が必要になってきてしまい、やや鑑賞のハードルが上がる。
その結果、映画でやらかしたスター・ウォーズ離れがディズニー・プラスでも起きてしまう可能性があるのだ。
果たして…
今後スター・ウォーズは、どんな物語が登場するのか…
MARVELのケヴィン・ファイギが、スター・ウォーズの新作映画のプロデュースを行うことが発表されている今、もし、ディズニープラスのドラマ作品との繋がりが無ければ…
また別の異なるストーリーが、現れることになる。
果たしてこれが…どの様に作用するのか…
それはまだ分からないものの、プラスに作用する可能性は低いのではなかろうか…
一方、ケヴィン・ファイギが取り組むのは、MARVELのメインコンテンツのひとつとなっているMCU、映画でのストーリーだ。
このMCUでも、スター・ウォーズ同様に様々な物語が発展している。
しかし、MCUとスター・ウォーズの大きくことなる点として、いろんなキャラクターを描き、物語同士に繋がりはなくとも、おそらく、あるひとつの終着点に向かっていることにある。
それがアベンジャーズであり、凶悪な敵、もしくはどうにもならない状況に、普段は交わらない単独作品のキャラクターたちが一同に会し、チームアップする。
いつか実現する、この終着点を期待して、そこに至るまでの経緯を楽しんでいるのだ。
それがMCUの最大の魅力のひとつである。
しかし、当然映画会社が二匹目のドジョウを狙って様々なユニバースを展開しようと試みるも、成功を収めたのは、ゴジラのモンスターバースのみである。
DCエクステンデット・ユニバースは、結果として失敗し、企画自体は生きているものの、新たな展開は未だに未定。
これらのユニバースをスター・ウォーズでやったところで、結果として上手くいくかは分からない。
むしろ、ユニバースは長い歴史のあるマーベル・コミックの世界があるからこそ成功を収めていると言っても過言ではない。
勿論スター・ウォーズにも長い歴史は存在する。
果たして、今後、この歴史の中の物語をずっと擦り続けるのか…
それとも、新たな時代を作り続けるのか…
ここに、スター・ウォーズに思う危機感があるように感じてしまう。
あまり物語を派生しすぎてしまうと、またスター・ウォーズ離れが起きてしまうのではないか…
好きが故に、感じてしまう危機感。
好きだからこそ、この先に不安を感じてしまうのだ。
これが杞憂で終わることを期待する。
そしてまた、『オビ=ワン・ケノービ』を観て思うのだ。
やっぱり、スター・ウォーズは面白い。
だからこそ、感じてしまう危機感。
そんなループに陥っていることに、やがて気がつく…