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映画【志乃ちゃんは自分の名前が言えない 】のあらすじをラストまでネタバレ解説!

(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会4
(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は、2018年7月14日に公開した青春映画です。
『惡の華』などの漫画家、押見修造による同名作品の実写映画化となる。
主演は、近年の活躍が目覚ましい南沙良が14歳の時に主演。
吃音症を題材とした、自己の葛藤を描いた青春映画となる映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』のあらすじなど徹底解説!

映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』について

(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会1
(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は、2018年の夏に公開した、青春映画です。
監督は、本作にて商業映画の長編劇場作品デビューとなる湯浅弘章。
脚本に、『喜劇 愛妻物語』でメガホンをとる、足立紳が務める。
原作は同名漫画で、『惡の華』の作者でもある押見修造のウェブように描かれた全1巻の作品。
物語は、コンプレックスを抱えた少女2人と少年の心の葛藤と共に描く友情の物語。
主演は、今注目の若手女優、南沙良。
もうひとりの少女は、蒔田彩珠。
少年の役には、萩原利久が演じ、フレッシュな高校1年生を等身大に演じています。
劇中では明言されていないものの、主人公の大島志乃は、特に母音が発生しづらいと言う吃音症を患う。
一方、志乃と共にバンドを組むことになる音楽好きでありながら、音痴でギターを弾くのは岡崎加代。
場の空気を読むのが下手で、出しゃばってしまい友達もいない少年は、菊地強。
この3人が、高校で出会い自己の葛藤と向き合う青春のストーリーがなんとも言えないキラキラな作品です。

映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』の作品情報

監督:湯浅弘章
脚本:足立紳
原作:押見修造
出演:南沙良、蒔田彩珠、萩原利久、小柳まいか、池田朱那、柿本朱里、中田美優、蒼波純、渡辺哲、山田キヌヲ、奥貫薫
公開:2018年7月14日
時間:110分
配給:ビターズ・エンド

映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』のあらすじ解説!

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

志乃は、高校入学を迎えていた。
自宅、鏡の前で、自己紹介の練習をしている。
登校し教室では机にぎこちなく座り、下を向き自己紹介の練習を自分にしか聞こえない小さな声で、ささやいていた。
明らかに、緊張を隠せない様子。
そして先生が教室にやってきて、クラス全員の自己紹介が始まる。
志乃の番。
「………」
緊張で、言葉を発せられない。
周りは静まる。志乃は意を決して、立ち上がる。
「ぁ…ぁ……あ……、す……すみません。」
言葉が発せられない。
「ぉ……お………」
すると、ひとりの男子が吹き出してしまう。
志乃は、その状況に耐えかね、それでも必死に言葉を紡ぎ出す。
「ぉ…お…、し…志乃、お、大島です」
さっき笑った男子が、「外人?」と言うとクラスのみんなも笑う。
頑張った甲斐もなく、志乃の高校デビューは失敗に終わる。

志乃の患う障害(解説)

まず、この映画では言及されていませんが、志乃に出ている症状は、いわゆる吃りと言うもので、広く一般的に言われているのは、吃音症と言うもの。
特に志乃の場合は、母音(あ、い、う、え、お)の5音から始まる言葉がとても言いづらいと言う症状でした。
そのため、自分の苗字である大島がとても言いづらいのです。

志乃の願望

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

志乃は弁当を食べるのもひとり、人目がつかない場所で1人で食べる。
そこで、志乃がどう言う高校生活を送りたかったのかが判明。
1人で喋る分には突っかからない志乃は、独り言でシミュレーション。
友達を作り、友達とお弁当のおかずを交換するなど。
他愛もない、ごく普通の高校生活を夢見ていたのだ。
授業中も当てられても、発言できない。
担任から呼び出されて、緊張してるのはみんなと打ち解けられていないからだと言う。
しかし打ち解けるためには、言葉が必要なのだ。
その言葉を発することができない志乃には、打ち解けるために何が必要なのか、それがわからなかった…

岡崎加代との出会い

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

放課後、男子にからかわれて颯爽と教室を後にする志乃。
自転車を倒してしまい、クラスメイトの女の子に自転車が当たってしまう。
謝ろうと、必死に言葉を出そうとするも、謝る間も無く立ち去ってしまった。
翌日のお昼。
いつもの如く、学校の隅っこで独り言を言いながら弁当を食べている志乃。
すると、そこに昨日自転車をぶつけてしまったクラスメイトの女の子が通りかかる。
昨日ことをちゃんと謝りたかった志乃は、彼女を探す。
すると、近くの階段で音楽を聴いて歌を歌っている。
しかし、その歌はお世辞にも上手とは言えず、言ってしまえば音痴なのだ。
思わず、志乃は笑ってしまうのだ。
するとその女の子は、誰?と声を荒げる。
見つかってしまい、颯爽と立ち去る女の子。
志乃はその女の子のことを追いかけ、「あ、あの!」と声をかけ、自転車をぶつけたことを謝る。
するとその子は、その喋れないやつ、なんなの?と、聞き返してくる。
志乃は、わからないとしか言えない。
その女の子は、喋れないんだったら、書けばいいじゃん。
と、メモ帳とペンを渡してくる。
「いや、あげないよ」
でも、面白いことを書いたらあげてもいいよ、と言うので、志乃は精一杯の下ネタをメモ帳に書いて、その子に見せるのだった。
「面白いじゃん」
志乃に初めて友達ができた、名前は岡崎佳代。
放課後、一緒に帰る約束をした。

志乃と加代(解説)

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

岡崎佳代は、音楽がとても好きな女の子。
家にも、ボブ・ディランのポスターやCDなどがいっぱいです。
でも、歌が下手。
ギターも始めたばかりで、教則本に乗っているような、シンプルな曲しか弾けません。
そんな、普通の女の子、それが岡崎加代。
志乃を家に招きギターを披露します。
音楽が好きな加代は、歌を歌い始めました。
しかしそれは、やっぱり音痴でした。
志乃はそんな歌を聞いて、思わず笑ってしまうのです。
加代にとって音楽は、真面目に取り組み頑張っているものでした。
それを笑われてしまったのですから、傷つきます。
しかしこの後、志乃役の南紗良が圧巻の演技を披露するのです。
言うなれば、前半の山場ともいえる場面が訪れます。

志乃の気付き

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

後日、放課後。
帰り道で加代を見つけた志乃は、後を追う。
志乃のことを笑わずに、メモをくれるなんて、今までこんな女の子には出会ったことがなかった志乃。
なのに、志乃は加代の歌を笑ってしまった。
それじゃあ、今まで志乃のことを笑ってきた人と同じ。
加代は、中学時代の同級生と遭遇し、その姿はまさしく自分の様だったのです。
歌が下手で笑われている加代。
まさしくそれは、うまく喋れず笑われている自分。
その光景を見て、思わず助けに入った志乃。
その後、自分の思っていたことを、加代の前で謝罪する。
すると、加代は、歌は?歌ならつっかえずに歌えんじゃないの?と、ふたりはカラオケに行く。
志乃の歌声を聞いた加代は、感銘を受け、「あたしと組まない?」と、ふたりはユニットを結成することになった。
それが”しのかよ”。
加代がギター。志乃が歌を歌う。
練習の日々、志乃が夢見た、お弁当を2人で食べると言うのが叶った瞬間でもあったのだ。

ラストをネタバレ解説!

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

志乃は、”しのかよ”を結成し友達ができ、加代の前なら普通に喋れる様にもなる。
そして、夏休みには路上ライブで歌を披露することもできる様になった。
しかしここで、つまづいてしまう。
それは、志乃のことを笑った男子に、”しのかよ”の活動が見つかってしまうのだ。
空気の読めないその男子は、菊地強。
夏休み明け、菊池はクラスのみんなに”しのかよ”の存在をバラしてしまう。
相変わらず空気が読めない。
でも、なぜか音楽の趣味は加代と合う。
そしてタンバリンをやるからと、”しのかよ”に入れてほしいとまで言い出すのだった。
菊池の登場に、志乃は戸惑う。
加代を菊池に取られたようで、寂しいのだ。
しかし、そんな風に思ってしまう自分にも嫌気がさしてしまう。
そしてその鬱憤が爆発し、志乃は”しのかよ”を辞めてしまうのだ。
加代も、志乃の元を訪れる。
何も言わずに”しのかよ”を辞めてしまった志乃。
言ってくれなきゃ、何もわからない。
志乃は、こんなに辛い思いをするなら、1人でいい。
初めて出来た友達、初めて抱いた感情、志乃はそれを自分ですら受け止めきれなかったのだ。
加代は、そんな志乃を見て、「分かったから」と、承諾した。

物語のラスト

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(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

加代は、秋の文化祭での披露に向けて、動き出していたが、結果1人で歌うことにする。
志乃は、菊池にも言われてしまう。
俺が悪いんだろ、でも、何もかも塞ぎ込んでしまっている今のお前は格好悪いと。
いよいよ文化祭、志乃は独りぼっち。
誰も寄り付かない場所で1人座っていた。
体育館、加代はオリジナルの楽曲を披露する。
自作曲だ。
その曲名は「魔法」。
志乃と加代の事を書いた曲だった。
その曲が終わった後、志乃は体育館へやってきて、自分の気持ちを曝け(さらけ)出す。
「わ…わ。わ、私は、自分の名前が言えない!言えない!言えない!言えない!!」と。
志乃は、心の奥底に閉じ込めていた言葉を吐き出す。
何故、自分だけ…
でも、喋らなければ、馬鹿にされない。
だから、逃げた。
でも、本当に自分を馬鹿にしているのは、誰でもない志乃自身だった…
自分想いの丈を吐き出した、志乃。
それを微笑みながら見つめる加代。
日常に戻る。
菊池は校舎裏で弁当を食べる。
加代は、屋上でギターを弾いている。
志乃は教室で、1人弁当を食べていると前の席の女の子がやってきた。
すると、飲み物を置いて、”あげる”と言ってくれた。
志乃は、頑張って言葉を紡ぎ出す。
「ぁ…ぁ、あ…ありがとう」と、笑顔で感謝を伝えた。
そう、これが大島志乃なのだ。

「魔法」作詞:押見修造 作曲:まつきあゆむ

魔法をください 魔法をください
みんなと同じに喋れる魔法 みんなと同じに歌える魔法
それさえあれば それさえあれば 私は外へ出かけてゆくよ
でもどこへ行こう でもどこへ行こう
私は今すぐ帰りたい 私は今すぐ帰りたい
みんなの知らない秘密の場所に あの子の座る校舎の裏に
魔法はいらない 魔法はいらない
みんなと同じに喋れる魔法 みんなと同じに歌える魔法
魔法はいらない 魔法はいらない
みんなと同じに喋れる魔法 みんなと同じに歌える魔法
魔法はいらない 魔法はいらない
みんなと同じに喋れる魔法 みんなと同じに歌える魔法
唾を吐き捨ててバスに乗ろう 私は遠くに出かけてゆくから

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