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『天気の子』2回目を観る前に知るべきことを紹介!小説版との違いは?ハッピーエンドではない?

『君の名は。』で約250億円という歴代邦画興行成績ランキング2位にランクインするほどの大成功を納めた新海誠監督の最新作『天気の子』について、2回目を観る前にぜひ気付いてほしいことを紹介する。

天気の子

画像出典:https://toyokeizai.net/articles/-/292369

『天気の子』あらすじ

田舎に暮らす高校1年生の帆高は家出をし、フェリーで東京にやってくる。

知り合いもいない東京では、何もせずに暮らしていけるわけもなく、身分証なしでも働けるアルバイトを探すものの、なかなか受け入れてくれるところが見つからない。

実家に戻るしかないと諦めかけた時、フェリーでひょんなことから助けてもらった須賀という男の存在を不意に思い出す。須賀から連絡先を渡されていた帆高は早速連絡してみることに。

そして、須賀がCEOを務める会社「編集プロダクション」に住み込みで働くことになる。帆高は雑用全般を主に任されながら、須賀と一緒に働いている須賀の姪 夏美の補佐として取材や執筆も手伝いながら楽しい日々を過ごしていた。

そんなある日、この仕事を通じて、「100%の晴れ女」という特殊能力をもつ陽菜とその弟 凪と出会い、天気を変えられることをビジネスとして始めるようになる。たくさんの人々助け、笑顔にし、3人で充実した毎日を過ごしていたのだが、突如陽菜は消えてしまうことになる…。

帆高と陽菜の運命は?

小説版『天気の子』でわかる真実

映画公開1日前に発売された小説版も映画同様大ヒットをしている。ここでは小説版だからこそ読み取れる真実を掘り下げていくことで、2回目に足を運ぶ前に知るべき情報を紹介する。

①須賀の謎を徹底解明

本作で最も謎が多い存在として描かれている須賀だが、小説版と映画両方の情報を合わせることで、本当の須賀が見えてきた。

須賀は左手の薬指に指輪を2つはめている。これは自分の分と、亡くなってしまった妻 明日花の分の2つをはめているのだ。そして、経営している編集プロダクションの名前は「K&Aプランニング」。Kは須賀自身の名前である圭介の頭文字に、そしてAは明日花の頭文字に由来している。

また、帆高が陽菜に渡した指輪が、陽菜が空に行った後に空から降ってきたことから、明日花も実は晴れ女だったのかもしれないという説がネット上では有力視されている。須賀と明日花の間には萌花という娘がいるのだが、収入が安定しない須賀は娘と会うことすらなかなか許されず、引き渡しを申請中という状況だ。そして、萌花は喘息持ちであるため、雨の日は外に出ることが難しいことから、須賀は萌花に会えるよう、陽菜に晴れにすることを依頼したのだ。

この萌花が喘息という設定に注目してみると、なおさら明日花が晴れ女だったという説が濃厚になってくる。萌花が苦しい状況になることなく生きていけるように、明日花は自分の命と引き換えに空を晴れにしたのかもしれない。

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実は須賀も東京に出てきた理由は、帆高と同じように家出だった。須賀の家系は政治とも関わりの深い地方の名家で、須賀の兄は東大に入り、財務官僚になっている。小説版でも映画でも、帆高だけではなく、須賀の家出理由も描かれていないわけだが、須賀の場合はもしかしたらひょんなことから、こんな立派な家柄に対する反発心が芽生えてしまったからなのかもしれない。

また、須賀と帆高の最初の出会いがフェリーの中であったことから、須賀と帆高の地元は一緒である可能性もある。

全てを考えて観てみると、須賀は帆高が歩んでいたかもしれないもう1つの人生だったのか、それとも、もしかしたらこれから歩むことが運命付けられた未来の帆高自身なのかもしれない。

②夏美の謎を徹底解明

上記の通り、夏美の父こそ、須賀の優秀な財務官僚の兄なのだ。

夏美は父親への反抗心から家を出て、須賀の元へやってきた。帆高のように田舎から出てきたというわけではなく、実家は東京にあるにもかかわらず、家出をしたということから、おそらく相当父親との仲は険悪であることがわかる。しかし、そんな夏美も帆高たちとの出会いを通して、徐々に大人に成長していく様が映画でもよくわかる。また、夏美と萌花は従兄関係にもあること、明日花は義理の姉にもあたることから、須賀の家族とも近い、唯一の須賀の過去を知る人物として重要なキャラクターとなっている。

『天気の子』と『君の名は。』のつながり

映画本編の前半では「K&Aプランニング」が手掛ける雑誌「ムー」に「彗星が落ちた日」という名前の記事が載っていたことから、『君の名は。』と世界観までもがつながっていることが察せられる。

瀧と三葉は目立って登場していたことから、観客も明らかに気づくことができたが、実は他の『君の名は。』の登場人物も出てきていたのだ。

勅使河原克彦(テッシー)と名取早耶香(さやちん)と宮水四葉だ。

エンドロールで名前を見て、やっと気づく人がほとんどだろう。登場したシーンとしては下記の通りだ。

・テッシー:バザーを晴れにした時、観覧車から後ろ向きで話している二人組のうちの一人。

・さやちん: テッシーと共に話している二人組のうちの一人。また、帆高が警察署から逃げる時にすれ違った女の人もそうだったと考えられている。

・四葉:陽菜の力で快晴になった時、手で太陽を隠しながら学校から話している女の子。

声の担当者をそれぞれ再登板させ、セリフも言わせていることから、新海監督ファンにとっては些細ながらも絶対に見逃せないシーンとなっている。観るのが2回目以上になる人にはぜひ見つけてもらいたい。

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『天気の子』ラストシーンの解釈

結局陽菜がこの世界に戻ってくることと引き換えに、東京は雨が降り続くこととなった。そんな中で、陽菜が何かを空に向かって願っていた時に、帆高が現れて再会を果たすというラストを迎える。

陽菜が願っていたこととしては2パターンが考えられる。

1つは巫女の力はすでに失ってしまったものの、晴れますように、と願っていたという説だ。晴れではない空に願っていたことを考えると、晴れを祈っているように感じられた人も多いのではないだろうか。

2つ目は帆高に会いたいと願っていたという説だ。実は小説版では、空の上に帆高がやってきたことを陽菜は、自分の帆高に会いたいという思いと、帆高が自分に会いたいという思いが重なったからだと考えていたということが記されている。それ故にラストでは、空の上の出来事と同様に、二人の願いが重なって再会を果たせたとも考えられるのだ。小説を読んでいる人は2つ目の解釈の方を有力視する人が多いだろう。

そもそも晴れないというラストを迎えることに驚いた人も多いわけだが、これはメリーバッドエンドと呼ばれる終わりの迎え方で、多くの作品で取り入れられてきた。

メリーバッドエンドとは観客の解釈と劇中の登場人物側の解釈によって幸福と不幸が入れ替わるエンディングを表している。典型例としては『人魚姫』が挙げられ、人魚姫は泡となるというバッドエンドを迎えるが、王子様とその婚約者は結婚というハッピーエンドを迎える。

今回『天気の子』でも、雨が降り続くということは帆高と陽菜以外の人物からするとバッドエンドに考えられるわけだが、帆高と陽菜にとってはお互いがこの世界で共に生きていけるというハッピーエンドを迎える。

ラストシーンの解釈は何百通りもあるわけだが、新海監督が描くメリーバッドエンドという終わり方は、儚く美しいものであったことは満場一致で言えるだろう。

『天気の子』まとめ

以上、2回目を観る前に知っておくべき情報を今回はまとめてみた。

何回観ても発見が止まない本作を観に、ぜひ何度でも劇場に足を運んでいただきたい。

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