2008年に世界的な大不況の引き金となったリーマンショック。その影響は日本でも大きいものとなりました。しかし、数々のデータから、リーマンショックのようなことが起こることを見抜いていたら、その後の人生は変わっていたと思う人も多いのではないでしょうか?
「マネーショート華麗なる大逆転」リーマンショックの引き金となる低所得者向けの住宅ローン「サブプライムローン」がダメな商品だということをいち早く見抜き、逆張りをして大儲けをしようとした男が実在しました。そこにはアメリカ政府や大手証券会社、投資銀行を相手に大きすぎる賭けに出た苦悩と一発逆転の物語がありました。
「マネーショート華麗なる大逆転」主なあらすじ
アメリカで住宅バブルが起きていた2005年。4人のトレーダーが住宅ローンの債務不履行が起こっている確率が徐々に上がってきていることに気づく。独自に数字を分析した結果、低所得者向けの住宅ローン商品「サブプライムローン」が過大に市場で評価され続けていおり、バブルの状態だということにいち早く判明した。
そこで、様々な調査を行い始める。あるトレーダーは住宅ローンを組んでいる人を訪ねて経済状況を確認するが、そこでは無職や低所得者でも住宅を2、3件所有することが可能な異常ともいえる住宅市場の実態が明らかになる。
次第にこの住宅バブルは大手投資銀行や、FRB、投資格付け会社などが結託した詐欺なのではないかということに気づき、そういった大手機関を相手に、サブプライムローンに対して逆張りできる商品に4人のトレーダーは多額の資産を投入し、勝負に出る。
金融用語が多く出てきて難解という意見も…
「マネーショート華麗なる大逆転」は、金融用語は頻繁に出てきており、非常に分かりづらいという意見が多くあります。
確かに、サブプライムローンの債権が回収できなかった場合の保険となる契約「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」などは非常に分かりづらいものとなっています。
内容が難しすぎてよくわからなかったけど面白かったー!笑
実話に基づいた話。
【厄介なのは知らないことじゃない。知らないのに知ってると思いこむことだ】うんうん。
気をつけよー。#マネーショート華麗なる大逆転#Amazonプライム・ビデオ pic.twitter.com/LHSk97n2lZ— Kiyomi Sugimoto (@kiyo3sugimoto) April 10, 2019
登場人物が個性的で面白い
「マネーショート華麗なる大逆転」で、リーマンショックで大きく設けた人たちはすべて金融業界では異端児とされていた人たちでした。
ウォール街の人間関係に失望して業界を去った証券マン、元精神科医のヘビーメタル好きな投資ファンド主宰者など金融業界ではそこまで有名な人ではありません。
そのため、サブプライムローンが崩壊するということを見抜いたのですが、最初は誰からも相手にされません。
物語が進むごとに深刻さを増すサブプライムローン市場に4人は大きな期待をかけるようになります。
FRBや投資銀行の役員などはサブプライムローンが崩壊することを知っていた?
物語の終盤にFRB元議長(日本の日銀総裁のような人)グリーンスパン氏が講演で登壇するというシーンでサブプライムローンの価格が急降下し、証券マンたちが会場を出ていくというシーンがあります。
グリーンスパン元議長はFRB議長時代にサブプライムローンによるバブルを放置していたとして、リーマンショック後に厳しい批判にさらされた人物です。
マイケルムーア監督の「キャピタリズム」でもこうした投資銀行の姿勢がリーマンショックやサブプライムローンの崩壊を招いたと強く批判をしています。
「マネーショート華麗なる大逆転」主要キャスト
マイケル・バリー/キャスト:クリスチャン・ベール
ヘビーメタル好きな元精神科医の投資ファンド主宰者。サブプライムローンの調査をしているときに、債務不履行率が上昇していることに気づき、サブプライムローンの崩壊を予測する。
ジャレッド・ヴェネット/キャスト:ライアン・ゴズリング
バリーの投資手法を知った若き銀行マン。サブプライムローンの崩壊する側に賭ける危険なやり方をヘッジファンドトレーダーのマークに提案する。
マーク・ボーム/キャスト:スティーヴ・カレル
マークにサブプライムローンの崩壊する側に賭けることを提案されるヘッジファンドマネージャー。
マークの提案の真意を確かめるべく、アメリカ各地に向かい、サブプライムローンの借り手に会って調査するが、その実態を知り愕然とする。
ベン・リカート/キャスト:ブラット・ピット
銀行を退職して、自然の中で生活をしている隠居生活をしている元やり手銀行マン。サブプライムローンの崩壊に気づいた二人の青年が訪ねてくる。彼らの熱意に負けて、再びウォール街に戻ってくる。
リーマンショックとは結局何だったのか?
リーマンショックが起こる前のアメリカの住宅市場はとても異常でした。
無職の人が家を2軒、3軒と持つことができ、その住宅を貸すことで不労所得を得て、楽々生活をするということがまかり通っていました。
多くの人が住宅を持てていた一方で、その住宅ローンが投資の対象となり、異常な高値で売買されていたということでした。
その住宅ローンの崩壊を見抜き、崩壊する方へ賭けるという一世一代の博打を成功させた人物の実話です。
映画が公開されたのはリーマンショックの後ですが、映画の中でも住宅バブルがいかに異常だったかを描いています。
世界中に影響があったリーマンショックで大もうけした人たちがいた
リーマンショックは世界中に多くの影響を及ぼしました。
その影響は年金や企業業績も直撃しました。そんな中4人は大儲けをすることになるのですが、喜んでいる反面、国家が破綻する方に賭けていたという衝撃的な事実に愕然とします。
モラルを重視するヘッジファンドマネージャーのマークは、売ってしまえば多額の売却益が入る金融商品を、自分は国家が破綻することで大金を得てもいいのかということで葛藤をすることになります。
大震災でも自分だけ生き残ることに罪悪感を感じるような心境を描いています。
お金儲けをするには人と違うことをやる勇気が必要ということでしょうか?
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