シリーズ累計の発行部数が2100万部を超える福本伸行の大人気コミックを、藤原竜也の主演で実写映画化した『カイジ』シリーズ。『カイジ2 人生奪回ゲーム』以来9年ぶりの続編である最新作『カイジ ファイナルゲーム』(2020年1月10日公開)。福士蒼汰や新田真剣佑も出演するこの映画のストーリーや見どころを紹介!
『カイジ』シリーズとは?
福本による原作は、シリーズ第1作『賭博黙示録カイジ』が1996年から『週刊ヤングマガジン』に連載を開始、その後も断続的にシリーズは続いています。2007年から放送を開始したテレビアニメ版に続いて、2009年に実写映画化第1作『カイジ 人生逆転ゲーム』が公開されました。
自堕落な生活を送るフリーターの青年・伊藤開司(カイジ)(藤原竜也)は、以前借金の保証人になっていた知人が行方をくらましたことから、法外な利息のために膨大な額になっていたその借金を肩代わりするハメになってしまいます。呆然とするカイジに、取り立てに来た金融会社の社長・遠藤(天海祐希)は、あるギャンブルへの参加を提案します。それは、勝てば一度に借金を返済できる上に大金も手にすることができるものの、負ければ命を失うかも知れないという想像を絶するものでした…。
この映画が原作同様大ヒットしたことから、2011年には第2作『カイジ2 人生奪回ゲーム』が公開されました。
子供の頃からダメ人間、だけど極限状態に陥ると驚異的な洞察力と頭の回転を発揮するカイジが、莫大な金額を賭けてギャンブルの大勝負に挑戦する…というのが、シリーズの基本的な展開です。彼が挑むゲームも、テレビのバラエティ番組に出てきそうな仕掛けの大きさと奇想天外な内容で、どれも難度が高いものばかり。それらに、持ち前の明晰な頭脳と度胸の良さで挑戦するカイジ。これがなかなか爽快なのです。また、彼と争うことになる人間たちとのドラマも見応えがあります。
最新作『カイジ ファイナルゲーム』のあらすじ(※ネタバレなし)
2020年。オリンピックが終わった後の日本は反動で深刻な不景気に陥りました。物価はあり得ないほど跳ね上がり、貧富の差はさらに拡大しました。相変わらず定職に就けないカイジは肉体労働で何とか食いつないでいましたが、ただでさえ少ない給料を派遣会社にピンハネされ、怒り狂って派遣会社のオーナーでもある帝愛グループの総帥・黒崎(吉田鋼太郎)に詰め寄りますが、逆にクズ呼ばわりされてしまいます。
ヤケになっていたカイジの前に、かつてカイジと勝負して大敗した大槻(松尾スズキ)が現れます。彼に誘われて参加したゲームで優勝したカイジは、その“賞金”を受け取りに、とある場所へ招かれます。そこには、別のゲームで偶然に大金を獲得した強運の持ち主である加奈子(関水渚)も呼び出されていました。
二人の前に現れた不動産王の東郷(伊武雅刀)は、政府がある計画で国民の財産をすべて吸い上げようとしていること、そしてその計画を悪用して一部の人間が不当に莫大な利益を得ようとしていると語ります。その計画を阻止するための秘策を立案した東郷は、それに必要な資金を獲得するため、カイジと加奈子に協力を依頼します。方法は、帝愛グループが密かに運営している地下カジノで行なわれているゲームに参加する東郷をサポートすること。
一度は依頼を断ったカイジですが、東郷の対戦相手が黒崎であると聞かされ、彼に一矢報いるために依頼を引き受けることにします。黒崎は、例の陰謀で利益を得ようとしている人間の一人でもあったからです。着々と準備を進めるカイジですが、彼が関係することを察知した黒崎や政府の影の実力者・高倉(福士蒼汰)らの魔の手が、彼に迫ります…。
主演はもちろん藤原竜也!福士蒼汰や新田真剣佑らがシリーズ初登場
今回は福本自身によるオリジナルストーリーなので、原作を読んでいる人にも物語の展開の予想がつかないでしょう。オリンピックという時事ネタを盛り込み、その後の日本がたどる運命が描かれていますが、結構生々しくて考えさせられます。
もちろん、登場するゲームの奇想天外で複雑な設定は、面白いし観客の知的好奇心をくすぐります。絶体絶命の危機に陥ったカイジがどんな方法でこの状況を乗り切るのか?というサスペンスは、『カイジ』の定番の見せ場です。また、サブキャラクターたちの人間ドラマも充実していて、まさに『カイジ』シリーズの魅力があふれています。
前の二作同様、今回も出演者は豪華です。
『カイジ』シリーズの顔である藤原竜也が、当然今回も主人公のカイジに扮しています。普段のダメ男ぶりも絶妙ですが、土壇場で見事なヒーローぶりを発揮するところは、さすがのカッコよさです。
加奈子役の関水渚はグラビアアイドル出身で映画出演は2本目ですが、独特の雰囲気で好演しています。
映画やドラマで大活躍の吉田鋼太郎がハイテンションなノリで敵役の黒崎を憎々しく演じています。
もう一人の敵役・高倉に扮しているのが福士蒼汰。頭の回転のよさでは、まさにカイジと互角の対戦相手です。
東郷の忠実な秘書でほとんど笑わない廣瀬役は新田真剣佑。
ちなみに、加奈子、高倉、廣瀬は今回の映画版のために創作されたオリジナルのキャラクターです。一方、遠藤役の天海や大槻役の松尾をはじめ、原作や前の二作にも登場したキャラクターの何人かが同じ配役で再登場します。
監督もこれまでの作品と同じく、『ごくせん』や『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』などの人気テレビドラマを数多く手がけた佐藤東弥。
まさにシリーズの集大成にふさわしい映画に仕上がっています。