2023年8月18日に劇場公開を迎えるホラー映画『ブギーマン』。
アメリカでは6月2日に公開を迎え、みんな大好きスティーブン・キングのホラーとだけあって、まずまずの評価とヒットを記録している。
日本でも、期待値は高くスティーブン・キングの作品とだけあり、夏の風物詩として背筋の凍るホラー作品として注目の1作だ。
そんな本作『ブギーマン』のあらすじを、ネタバレ解説してく!
映画『ブギーマン』とは?
映画『ブギーマン』は、2023年8月18日に日本公開を迎えるホラー映画。
原作はスティーブン・キングが、1973年に発表した同タイトルの短編小説。
今回の題材となているブギーマンは、スティーブン・キングが題材にしている以前から、かなり古くから存在する。
最も古いものでは、1700年代の絵画の題材にもなっており、日本では神隠しやこっくりさんなども、このブギーマンが由来と諸説あるほど。
そんな、ホラー文化の起源ともされるブギーマンが、令和の時代に復活を遂げた。
前回は、サム・ライミが監督した2005年版も存在する。
今作は、これまでに伝承されてきたブギーマンではなく、スティーブン・キングの小説の映画化で、2018年に進んでいた企画が一旦STOPし、ロブ・サヴェッジ監督が決まったことで、再始動した映画化企画である。
典型的なホラー演出で、一足先に公開したアメリカでは、まずまずのヒットを記録している。
ロッテントマトでは、63%を推移しており、半数以上の高評価を獲得。
世界的には、ホラーの季節は10月だが、日本では真夏であり、その最中に公開するとだけあって、大きな期待を背負う。
監督のロブ・サヴェッジは、新鋭の映画監督で、この『ブギーマン』のヒットによって、今後の活躍が期待される1人。
製作を務めたショーン・レヴィは、俳優出身の売れっ子監督で、今後は『デッドプール3(仮題)』など大作映画を控える。
製作としては、『ストレンジャー・シングス』や、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』など、様々な作品を手がけている。
映画『ブギーマン』の作品情報
- 原題:The Boogeyman
- 監督:ロブ・サヴェッジ
- 脚本:スコット・ベック、ブライアン・ウッズ、マーク・ハイマン
- 原作:ステーブン・キング
- 出演:ソフィー・サッチャー、クリス・メッシーナ、ヴィヴィアン・ライラ・ブレア、デヴィッド・ダストマルチャン
- 公開:2023年8月18日
- 時間:99分
映画『ブギーマン』のキャスト
- セイディー・ハーパー/ 演:ソフィー・サッチャー
- ウィル・ハーパー/ 演:クリス・メッシーナ
- ソウヤ・ハーパー/ 演:ヴィヴィアン・ライラ・ブレア
- リタ・ブリングス/ 演:マリン・アイアランド
- ベサニー/ 演:マディソン・フー
- ウィラー博士/ 演:リサゲイ・ハミルトン
- レスター・ビリングス/ 演:デヴィッド・ダストマルチェイン
映画『ブギーマン』のあらすじ(ネタバレなし)
母の突然の死から立ち直れずにいる女子高生の姉セイディと幼い妹ソーヤー。セラピストである父親もまた、妻を失った悲しみに打ちひしがれ、娘たちと向き合うことができずにいた。そんな心に闇を抱えたバラバラの家族を狙う、得体の知れない恐ろしい“ナニか”がしのび寄っていた…。
引用元:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/boogeyman
映画『ブギーマン』のあらすじネタバレ!
ここからは、あらすじを結末までネタバレ解説していきます。
鑑賞予定の方や、まだ知りたくない方などは読み飛ばして頂くことを推奨する内容ですので、ご注意ください。
映画『ブギーマン』のあらすじの要約
この映画『ブギーマン』は、典型的なホラー作品というような演出が肝となっている。
その中で、主題となるのは、母親の死である。
主人公一家のハーパー家は、父親と娘2人の3人家族。
母親は、交通事故で他界するも、まだ、その死を乗り越えきれていない。
その負の感情に漬け込み、ブギーマンが現れ、一家を恐怖に陥れる。
最期は、ブギーマンとの戦いを経て成長した一家が、母親の死を乗り越え成長する姿を描く。
以下より、詳しいネタバレとなるので、ご注意を。
映画『ブギーマン』のあらすじ前半
物語は、とある少女の一室から始まる。
彼女は怯え”ナニか”に恐れている…
そして、事態は最悪な場面を捉え、”ナニか”はとても恐ろしい存在だということが分かる。
主人公一家は、ハーパー家。
一家は、母親のカーラを交通事故で亡くし、長女のセイディ(ソフィー・サッチャー)、妹のソーヤ(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)、セラピストの父親ウィル(クリス・メッシーナ)の3人で暮らす。
セイディは、母親の死を経て、学校に登校する初日の準備をしていた。
ソーヤは悪夢に悩まされ、ウィルは考える暇を与えない様に仕事に没頭する。
セイディも、未だ母親の死を乗り越えられず、母の古いワンピースを着て学校に行く。
彼女は、同級生からいじめられていた。
ベサニー(マディソン・フー)と無愛想なナタリー(マディ・ニコルズ)は、セイディに対して暴言を吐き悪態をつく。
そして突き飛ばした後に、彼女の洋服に飲み物をこぼす。
セイディは、泣きながら帰宅し、母親のワンピースを脱ぎ着替えるのだった。
ウィルの元に、レスター・ビリングス(デヴィッド・ダストマルチェイン)という男性が現れた。
彼は、不穏な雰囲気を纏っている。
それは、レスターによってもたらされる。
彼は、”ナニか”によって、娘を殺されていた。
ウィルは、自宅に事務所を構え、セラピストとして仕事をする。
レスターはその事務所にやって来て、ウィルに話を聞いてもらっていた。
セイディは地下室で、洋服を洗濯する。
するとそこで、衝撃的な光景を目の当たりにした。
レスターが死んでいた…
レスターの遺体を、救急隊員が自宅から運び出している所に、ソーヤが帰宅する。
その晩、ソーヤが眠ろうとした時、クローゼットの扉が突然開き怯える。
ベッドの下に”ナニか”の存在があり、ゆっくりと覗くと…
モンスターが突如、唸りをあげる。
その光景をソーヤはセイディに説明するが、結局何もなく、取り合ってもらえない。
今回の一件も含めて、新しいセラピーに行くことにしたハーパー一家は、ウィラー博士の元を訪れ、相談をすることに。
そこでは、セイディとソーヤ2人で博士のカウンセリングを受けることに。
赤い間接照明、付けたり消したりして、ソーヤの深層心理へと潜っていく…
はずだったが、”ナニか”が近づく…
その光景を目にしたソーヤは恐怖に驚き、お漏らしをしてしまう…
その晩、再び”ナニか”が現れる。
ソーヤは怖がって、ライトを持って家の中を徘徊する。
結局、姉のセイディには何を言っても、取り合ってもらえなかった。
“ナニか”の存在は理解したセイディだったが、まだ深くまで信じた訳ではなかった。
そんなセイディは”ナニか”が現れた原因は、レスターにあると思い、彼について調べ始める…
セイディは、レスターの家に行き、未亡人となった妻のリタと会う。
リタは、家中にロウソクを灯す。
リタにことの経緯を話すと…その正体がついに判明した。
”ナニか”とは、「ブギーマン」。
そのモンスターは、暗闇に潜み、人の恐怖の感情を食い物に現れるのだと。
今はソーヤを狙っており、身の回りの人間の声を真似て、子供たちを中心に騙しているのだという。
ブギーマンの弱点は光、するとリタは、セイディの背後にブギーマンを発見し、銃で追い払おうとし、セイディを逃そうと車まで走らせる。
映画『ブギーマン』の結末ネタバレ
家に戻ったセイディ。
理解し難い状況に、イライラが募る。
それでもソーヤは、モンスターがいると言って聞かない。
セイディは、モンスターなんかいる訳ないと言って、拒絶するようにドアをきつく閉める。
それでもソーヤは、ノックしてきてしつこい…
と思ったその瞬間、遂にセイディにもブギーマンは牙を剥いたのだ。
ブギーマンは、セイディの喉奥に何かを入れる様に見えた。
しかしその光景は悪夢だった。ベッドで目を覚ますセイディ。
すると、激しく咳き込んでしまう。
部屋の外に出ると、父親のウィルは母親の遺品を整理しようとしていた。
母親を忘れようとするウィル、それを反対するセイディ、母親の部屋にはその他にも、古い遺品が見つかる。
未だセイディは、母親のカーラの死から立ち直れないでいたのだ。
セイディは、ベサニーら友人と一緒に遊ぼうと提案し、自宅へと招待する。
思春期を迎える女子特有の、反抗期かの様な行動をとるセイディ。
そこで咳き込んでしまい自室に戻ると、なんとソーヤの歯を吐き出す。
悪夢だと思っていたのは、実は現実でブギーマンの仕業だと感じたセイディは、遂にその存在を信じ始める事に…
しかしそんなセイディを見て、友人たちは冷たい視線を送る。
結局いじめられてしまうのだった。
ナタリー達は、セイディをクローゼットに閉じ込めてしまうのだ。
そこから出ようとすると、ブギーマンに遭遇するセイディ。
結果的に、招いた友人たちと喧嘩別れとなる。
一方、ソーヤはブギーマンに遭遇し、テレビに投げつけられ怪我をしてしまう。
ソーヤは、病院にいる。
セイディは、病院でリタから連絡を受け、ブギーマンの撃退方法を思いついたと言われ、彼女の元に向かう。
しかしそれは罠であり、家中には散弾銃がくくりつけられていた。
セイディは、ブギーマンを呼び出す為の囮に使われてしまう。
その作戦は成功するかと思われたが、結果として失敗し、リタは殺されてしまった。
すると、セイディの元に父親のウィルから連絡が入る。
病院にいると思っていたが、ウィルはすでにソーヤを連れて自宅に戻っていた。
電話をしている最中ブギーマンは、ウィルとソーヤに襲いかかる!
自宅へと急いで戻るセイディ。
ソーヤはなんとか隠れていたが、ウィルがブギーマンに連れて行かれてしまい、地下室に向かったとのこと。
2人は地下室に入ると、そこにはウィルを襲っているブギーマンの姿があった。
地下室は母親が使っていたアトリエで、そこにあったスプレーとライターを使ってブギーマンに対抗しようとするセイディ。
そう、ブギーマンの唯一の弱点である光という事実は、セイディしか知らない。
その知識を使いつつ、最後には母の存在を感じたライターで火炎放射を作り、遂にハーパー一家は、ブギーマンを撃退したのだった。
冒頭から、ブギーマンの存在を示唆していた、自宅を取り巻く毒の様なものも、この戦いによって消え去り、ついにブギーマンの呪いから解放された事を意味していた。
この一件が片付いたハーパー家は、再び家族3人でセラピーを受ける。
ウィルは、1人で子育てをすることの不安を打ち明けた。
3人が正直な気持ちで、分かり合えた瞬間を映している。
一方セイディは、再び悪夢の光景となるブギーマンの存在がフラッシュバックする。
その光景に、セラピストが「大丈夫ですか」と声をかけると、セイディが開いたクローゼットの扉を閉めて、幕は閉じる。
続編へのクリフハンガーの可能性も残す終わり方となっている…
ブギーマンの正体とは?
ブギーマンとは、映画ではモンスターとして、恐怖の存在として描かれている。
しかしその真意は、単純に、母親の死を乗り越える為の試練がメタファーとなっていた。
ちなみに、このブギーマンの歴史はとっても古く、今回の題材以外にも世界中に存在する恐怖の対象だったのだ。
ブギーマンの歴史
今回の映画の『ブギーマン』では、モンスターとして、長い4つ足でいかにも怪物の様な見た目で登場した。
しかしその存在は、特定の形は存在せず、語る文献や作品によってそれぞれである。
基本的には、子供をターゲットにしたもので、先にも挙げたが、日本では神隠しやこっくりさんの元となっているとされる恐怖の存在だ。
恐怖という感情を具現化したもので、言うなれば、子供を躾けるときに、「いい子にしてないとブギーマンに連れてかれちゃうよ」などと、大人が子供に向けていう言葉の一つであった。
今回の題材となるアメリカでのブギーマン伝説は、窓を引っ掻いたり、ベッドの下にいたり、夜寝ないと食べられたり、とにかくいい子にしないと出てくるぞ、というものである。
ホラー作品として有名な題材ではあるが、ディズニー作品『モンスターズ・インク』もこのブギーマンの世界観が元になった話である。
そんな映画『ブギーマン』は、8月18日に日本公開を迎える。
それまでは、ブギーマンがやって来ないようにいい子にしておこう!