“本年度恐怖No.1”と噂される、映画『透明人間』。すでに国外で話題になっている今作が、2020年5月1日から日本でも上映されます。
「透明人間」という一見、オカルト寄りの悪役が登場する映画『透明人間』。しかし、蓋を開けてみると「ホラー映画」には収まらない、かなり不気味な作品なのです。「ワー!」っと脅かして、「キャー!」っと怖いSFホラーならまだしも、じわじわくる恐怖感に耐性のない方にとっては、かなり厄介なトラウマになってしまう映画かも。
本記事では、映画『透明人間』のストーリーを紹介、後半では一足先に結末をネタバレしていきます!
映画『透明人間』は幽霊絡みのホラー?それとも……?
「え、映像凝ってるな〜!」と思った筆者。ホラーに限らずですが、最近の映画って、技術の進歩でどんどん映像がリアルになっていますよね。バイオレンスな描写に作り物感が一切感じられないと、かなり不安になりませんか?
とはいえ“本年度恐怖No.1”とは、この臨場感があってこそ。予告だけでも期待値が上がります……!
現代版『透明人間』!? 監督は『ソウ』製作は『ゲットアウト』の……!
今作『透明人間』の製作は、映画『ゲットアウト』『ハロウィン』などのヒットホラーを手がける「ブラムハウスプロダクション」。みなさん『ゲットアウト』、ご覧になりましたか……?
どうしてもストーリーがテンプレ化しやすい“ホラー”というジャンル。しかしこの「ブラムハウス」、とにかく「先が分からない」演出が上手いのです!
血がいっぱい出るから怖い、とかではないんですね。「未知への恐怖」、真っ暗闇に一歩踏み入れるような原始的な恐怖を熟知しているのだろうと想像できるプロダクションなのです。
新たな『透明人間』映画が登場!
『ゲット・アウト』のブラムハウスが手掛けているだけあって、超怖い……
— SYO (@SyoCinema) November 8, 2019
そこにタッグを組むのがあの、映画『ソウ』シリーズの生みの親、リー・ワネル監督。文句なしですよね。“見えない何か”に追い詰められる主人公が、徐々に心神喪失。そして恐怖に駆られブチ切れた彼女、狂気のアクションを起こすのです……。
映画『ソウ』のリー・ワネル氏の最新作は、『透明人間』…。DVを受けた女性に残るトラウマや、被害を信じてもらえないという苦痛を「ホラー映画」で表現した傑作は、すでに54億円以上の興行成績を記録。
そんななか日本語予告編がついに公開!
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— フロントロウ | グローカルなメディア (@frontrowjp) March 2, 2020
映画『透明人間』はここが怖い!
まさに「夢のホラー・コンボ!」といった製作陣ですが、今作の恐怖ポイントは「DV被害を受けた女性」の苦しみを浮き彫りにしている点。
たとえ体の傷は癒えても、心には着実に見えないダメージが蓄積していくということ。そして、当事者以外からするとDVは他人事と捉えられてしまう傾向が強いこと。つまり、なかなか信じてもらえない……。
常軌を逸した孤独というのは、恐怖を生み出します。
映画『透明人間』の登場人物とキャストを紹介
恋人の束縛に苦しめられていた主人公 “セリシア”(エリザベス・モス)
今作の主演で「女優としての株を上げまくった」と評価されている、エリザベス・モス。もともと賞レースの常連であり、演技派の彼女ですが、「狂気」を見せるのは今作が初めて。
DV癖の酷い恋人・エイドリアンから逃げ出すため、夜逃げを決行する女性・セリシアを演じます。最初は逃げて怯える彼女が、次第に豹変していく姿がこの映画のキモであると言えます。
セリシアのDV彼氏 “エイドリアン”(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)
セリシアの恋人であるエイドリアンは、天才科学者。著名で、莫大な資産も持っています。しかし実際は、暴力でセリシアを懐柔しようとするDV男。
高い壁に厳重に囲まれた豪邸に住んでいて、セリシアはそのセキュリティー万全の屋敷から決死の思いで逃げ出すのです。
セリシアの妹 “エミリー”(ハリエット・ダイアー)
主人公の妹のエミリーは、エイドリアンのDVについて「束縛がひどい」くらいに聞いていた様子。
しかし姉のただならぬ雰囲気を感じ、夜逃げに手を貸します。あらゆる方面でセリシアに協力的な、愛すべき妹。
エミリーの恋人で刑事 “ジェームズ”(オルディス・ホッジ)
恋人であるエミリーからの紹介で、セリシアに協力することになった刑事。
セリシアを匿ったり、付き添ったりとエミリー同様協力的。しかし、情緒不安定になってくるセリシアの発言をだんだんと信用しきれなくなっていきます……。
以下ネタバレ注意!死んだ元カレが透明人間の正体!?
古典SF小説『透明人間』の現代版をベースにし、アメリカで高い評価を受けた今作。一体どんな結末が用意されているのでしょうか?登場人物の紹介のあとは、いよいよ映画『透明人間』のストーリーのネタバレに突入していきます!
たとえストーリーが分かっても独特の間が恐怖を誘う、サイコスリラー『透明人間』は、2020年5月1日に日本公開です!
恋人の束縛とDVに耐えかねたセリシア 夜中にこっそり豪邸を脱走するが……。
セリシアの隣で眠る恋人“エイドリアン”。彼が熟睡したのを確認して、セシリアはエイドリアンの豪邸から逃げ出します。
片手には彼女の常備薬である“抗不安剤”。脱走防止のため、屋敷中に張り巡らされたセキュリティーをかいくぐり、迎えに来た妹・エミリーの車に必死の形相で飛び乗るセリシア。
脱走に気づいたエイドリアンが怒号をあげながら追いかけてきたから!
焦るセリシア。その時、“抗不安剤”を落としてしまったのにも気付かずに……。
「エイドリアンは自殺した」莫大な遺産を残して……。
エイドリアンに住所を知られていないことから、セリシアはエミリーの恋人で刑事の“ジェームズ”の家に「2週間」身を潜めます。
そこにエミリーから聞かされた「エイドリアンの訃報」。著名な科学者であるエイドリアンの自殺は、新聞記事にもなっています。
安心したセシリアは、これまで話していなかった彼からのDVの詳細を全て、エミリーとジェームズに打ち明けます。エイドリアンの日々の支配、さらに彼は子供を欲しがっていたこと。もし妊娠してしまったら一生関わりを断てないと感じて、隠れて避妊薬を飲んでいたことも。
全てを打ち明け、安心したのもつかの間。エイドリアンの弟であり、弁護士の“トム”からセリシアに連絡が入ります。エイドリアンが自分に500万ドルもの遺産を残したことを知るセリシア。「犯罪を犯さない」という条件にさえ承諾すれば、毎月10万ドルずつ振り込むという遺言だとか。怪しい……。
翌日から起き始める不可解な現象
混乱しながらも眠りについたセシリア。すると突然、タオルケットが動きベッドの脇へ落ちます。
タオルケットを拾おうとするセシリアでしたが、まるで「見えない何か」が乗っているようにタオルの端が床に固定されています。不気味さに追い討ちをかけるように、「何か」の足跡がタオルに浮かびます……。
セリシアが病院へ緊急搬送!抗不安薬に仕掛けがされている!?
不可解な「何か」に悩まされていたセシリア。ついに倒れてしまい、病院へ搬送されます。
過労かと思いきや、「常用していた抗不安薬の血中濃度が高すぎるのが原因」という検査結果が出されます。
これまでの不可解な出来事と、抗不安薬への細工がセリシアの中で一筋の線で繋がります。
「エイドリアンはまだこの世にいる!」
しかし、当然のようにセリシアのこの見解を周囲の人々は認めません。だって、エイドリアンはとっくに火葬されていて、遺灰だってあるのです。セリシアが心神喪失の状態にあるのだと、誰もが疑いません。
エイドリアンは霊になってセリシアを苦しめている?それとも……?
実は、光学分野の科学者で、その道の先駆者であったエイドリアン。「透明になるスーツ」を秘密裏に開発していたのです!
エイドリアンの行動は過激さを増し…… 妹・エミリーの喉を切り裂く!!
呪いでも気が触れたわけでもなく、生身の人間によるストーカー行為が全ての元凶であると気づいたセリシア。すぐにエミリーに連絡を取り、なるべく人の多いレストランで会う約束を取り付けます。
初めはにわかに信じられないといった様子だったエミリー。しかし泣きながら被害を訴えるセリシアの表情から、彼女のことを信じ始めます。すると、食卓テーブルに置かれていたナイフが突然!エミリーの喉を切り裂き、さらにセシリアの手に着地。
エミリーは亡くなり、セシリアは精神病院へ隔離されてしまいます。
エイドリアンの真の目的を知ったセリシアが、復讐を始める!!
最愛の妹を失ったセシリア。さらに、検査の結果妊娠していることがわかります。避妊薬にも細工がされていたのですね……。
そして病院へ訪れたトムが、「犯罪を犯したセシリアは遺産を受け取れない」と追い詰めます。そしてトムは、子供を産み、エイドリアンとの関係を修復するのであれば、全て水に流す。と。束縛のために妹を殺され、容疑者にされたセリシア。そして望まない妊娠まで……。憎しみに震えるセリシアの表情は、すでに被害者の顔ではありません……。
映画『透明人間』の結末は「毒を以て毒を制す」!?
エイドリアンの住む豪邸に向かうセリシア。嬉しそうにセシリアを迎え入れるエイドリアン。
エイドリアンはいかにもDV男らしく、ここでセリシアに謝罪したりします。一見平常心のセシリア、トイレのために席を外します。すると、彼女を待つエイドリアンの手が勝手に動き、持っていたナイフで自分の喉を……。
室内の監視カメラが、エイドリアンの死の全貌をバッチリ録画。どう見ても自殺です。カメラの死角に佇むセシリア、彼女が持ってるバッグからは、黒いスーツが覗きます……。