父親がいない筆者が、この映画の主人公視点で徹底レビュー!
父親の存在、その影を追い続けた男の末路とは?
2019年9月20日に公開したブラッド・ピット主演のSF映画『アド・アストラ』を父親を追う子の目線で徹底レビューします!
映画『アド・アストラ』について
2019年に公開された、ブラッド・ピット主演のSF映画『アド・アストラ』。
ブラッド・ピットが挑む本格SF作品で、刻々と描く遠い宇宙への道のりを丁寧に描いた静かなるSFアドベンチャー作品。
監督は、ジェームズ・グレイ。
『アド・アストラ』の様に、ドラマ部分に力を入れる監督で、1994年公開の『リトル・オデッサ』で監督デビュー。
製作には、ブラッド・ピットが設立した映画スタジオ、プランBが連ねるなど、精力が注がれているのがわかります。
出演は、主演のブラッド・ピットのほかに、日本ではお馴染みの親しみあるベテラン俳優、トミー・リー・ジョーンズ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランドなどが共演。
ブラッド・ピットが挑む、本格Sアクション映画として、大きな注目を集めた作品『アド・アストラ』は、アメリカでも好評を獲得するなど、まずまずの高評価を得ています。
決して、ド派手なアクションや展開はないながらも、これまでになかった静かなるSFアクション映画として、注目を集めている作品です。
映画『アド・アストラ』の作品情報
原題:Ad Astra
監督:ジェームズ・グレイ
脚本:ジェームズ・グレイ、イーサン・グロス
出演:ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド
公開:2019年9月20日
時間:123分
製作:アメリカ合衆国
公式ウェブサイト:http://www.foxmovies-jp.com/adastra/
視聴方法について
映画『アド・アストラ』はU-NEXTなどでレンタル可能。
※本ページの情報は2020年6月時点のものです。 最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。
映画『アド・アストラ』は2020年6月現在では、まだ新作映画のため、現状では個別レンタルしかありません。
上記リンク先のU-NEXT他、各種個別レンタルが可能な動画配信サービスで、有料にて視聴が可能です。
映画『アド・アストラ』のあらすじ
出典元:IMDb
近い未来。ロイは地球外知的生命体の探求に人生を捧げた父を見て育ち、自身も同じ道を選ぶ。しかし、その父は探索に旅立ってから16年後、地球から43億キロ離れた太陽系の彼方で行方不明となってしまう。その後、エリート宇宙飛行士として活躍するロイに、軍上層部から「君の父親は生きている」という驚くべき事実がもたらされる。さらに、父が太陽系を滅ぼしかねない通称“リマ計画”に関わっているという。父の謎を追いかけて、ロイも宇宙へと旅立つが…。
引用元:http://www.foxmovies-jp.com/adastra/
映画『アド・アストラ』のストーリーを徹底解明!
映画『アド・アストラ』の、ストーリーを徹底解説!
ネタバレはしませんので、ご安心を!
感情を出さない男
出典元:IMDb
遠い未来の話、人間は月や火星などにも住める様になっている時代の話。
主人公は、ロイ・マクブライド(ブラッド・ピット)。
地球と宇宙の間にある、巨大アンテナの整備を担当する宇宙飛行士。
ロイは、感情を表に出さない男でした。
どんな事が起きても、平常心を保っているのです。
それは、急なトラブルにより施設が爆発事故に見舞われ、ロイも整備中に巻き込まれてしまう。
しかし、平常心で生き延びたロイは、政府から呼び出され、衝撃の事実を知ることになるのでした。
死んだはずの父親
出典元:IMDb
今回の事故は、サージ電流というもので宇宙の彼方で起きたものが原因とされていた。
そしてその原因を作ったとされているのがロイの父親だったのです。
ロイの父親は、通称リマ計画と呼ばれるものに参加していた宇宙飛行士でした。
リマ計画とは、宇宙船リマに乗り、太陽系かもしくはその外の宇宙にいるかもしれない、地球外生命体、いわゆる地球人以外の知的生命体を見つけることだったのです。
しかしその計画が始まったのは、16年前で今は消息不能になっていました。
ロイは、もう父親がいないものだとして心の中では処理しており、それにより、感情を押さえ込んでいたのです。
父親への想い
出典元:IMDb
いないと思っていた父親が、いきなり生きているかもしれないと知ったロイは、リマ計画のその後を調査する依頼を政府から受けます。
まず、月へと行き、月の基地から火星に行って、海王星ニイあると言われるリマへと無線で更新しようというもの。
道中困難に見舞われながらも父への想いから、ロイは遥か彼方の太陽系の彼方へと旅立つのでした…
映画『アド・アストラ』をレビュー
ここからは、映画『アド・アストラ』の本質をさらに深く掘り下げていきます。
これは、単なるSF映画ではなく、父と子の絆を捉えた作品です。
それを宇宙の彼方に離れた親子の絆を暗喩して、淡々と描かれた物語でもあるのです。
父親という存在
出典元:IMDb
ロイは、父親という存在にある意味で依存していました。
彼のとって、家族=父親でもあったのです。
その結果、リヴ・タイラー演じる妻との関係性もうまくいきません。
ロイは、父親の不可解な行動がわからなかったのです。
なぜ、無謀ともいえるリマ計画に参加したのか…
家族を捨ててまで…
その葛藤にロイなりに答えを出したのが、感情を殺すということ。
それが彼の人間らしさの欠如でもあったのですが、それが宇宙飛行士としては評価にも繋がっていたのは、少し低な部分でもあります。
ここからは、個人的な見解を少し。
筆者も、父親がいません。
厳密に言えば、14歳の頃に親が離婚し、それ依頼父親とは一切会っていません。
それがおよそ20年ほど前。
なので、思春期から大人になって現在まで、父親がいなかったので、このロイというキャラクターにかなり自己投影をして観ていました。
ただ、筆者は父親がいないことに引け目を感じたこともありません。
しかしロイは、かなり自己の思想に影響していました。
ロイは、自分の欠落した部分に父親のかけらを見ています。
だから、あそこまでして、父親に会いたかったのです。
会うことで、何かが変わると信じて。
そして、再び戻れるのだと…
会うべきなのか…
出典元:IMDb
果たして、ロイの行動は正しかったのでしょうか?
今回、ロイが父親に会うべくして会ったのは、やはり正解ではあると思います。
父親への思いを爆発させたことにより、人間らしさを取り戻していく、ある種の成長ともいえるものが見られていました。
これ以上はネタバレになるので、書きませんが父親がなぜリマ計画に参加したのか…
そして、今も彼は生きて何をしているのか…
それはぜひ、映画をあなたの目でご覧になって、ロイの選択を感じてください!
親子の絆を、壮大な宇宙の道のりと共に描いたSF映画『アド・アストラ』。
とても、見応えのある作品に仕上がっています!