映画『AIR/エア』は、スポーツ選手の歴史を変え、スニーカー史に衝撃をもたらしたバスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンのシグネチャーモデル、『エアジョーダン』の誕生秘話を描いた作品。
この映画で最もフューチャーされたのは、スニーカーであり、プロ入り前の段階でマイケル・ジョーダン専用モデルが作られた、その経緯を描き出す。
そんなスニーカー史でも、今も絶大なる人気がある『エアジョーダン』について紐解いていく!
『AIR/エア』で描かれたのは、<エアジョーダン1>
エアジョーダンは、現在では完全なるブランド化をしており、マイケル・ジョーダンが現役を引退後も新しいモデルをリリースし続けている。
それは、スポーツの歴史を変えたと言ってもいい、エアジョーダンの契約条項によるものも大きいとされる。
この契約条項により、ジョーダン・ブランドは新しいモデルをリリースし続け価値を高めつづなければいけないのだ。
その契約とは…
映画『AIR/エア』でも描かれた、ヴィオラ・デイヴィス演じるデロリス・ジョーダンの提案によるもの。
それまで、スポーツ用品の会社は有望な選手と契約する場合は、無償の製品提供プラス契約金という形でお金を得ていた。
しかし、映画でも描かれた通り、このエアジョーダンに関しては靴が売れた分の売り上げを選手に分配するというこれまでにない契約方法を施行。
その結果、ライセンス契約というものがスポーツ選手にも与えられるようになった。
この歴史を作ったのは、まさしく<エアジョーダン>なのである。
映画『AIR/エア』について
映画『AIR/エア』に関する情報は、下記リンク先の記事にてご確認を。
本記事では、映画で題材となったスニーカー<エアジョーダン>について特集する。
エアジョーダンの歴史
エアジョーダンは、映画でも描かれているように、マイケル・ジョーダンの為に作られた1足である。
NIKE社が、エアジョーダンを履き続ける為にNBAの規定を無視して、罰金を払い続けたのは有名な話である。
赤黒の通称Bredが人気であり、ブルズカラーと呼ばれ、オリジナルはプレミアが付く。
ちなみに、アッパーに白が配色されたものはシカゴカラーといわれる。
Bredは、シカゴ・ブルズのアウェイカラーを用いるのが特徴で、シカゴからーはホームカラーを配色。
エアジョーダン1が発売されたのは、1984年10月15日。
エアジョーダン2は、1987年。
それ以降は、ジョーダン・ブランドが確立され今も様々なモデルが復刻されたりカラーウェイがリリースされ続けている。
今、日本人でNBAの頂きに届こうかとしている八村塁も、ジョーダン・ブランドと契約している。
神様マイケル・ジョーダン
マイケル・ジョーダンは、バスケットボールの神様として長きにわたり、功績を残してきた。
マイケル・ジョーダンの背番号は23で、長く在籍したシカゴ・ブルズでは永久欠番となっている。
さらにジョーダンのキャリアは、スポーツ選手としても異質なもので、合計3度の現役引退を繰り返した。
最初は、シカゴブルズの黄金期を過ごした全盛期に、燃え尽きた事と父親の事故死が重なり1993年に現役を引退した。
そして父との約束でもある、野球の道に転向した。
メジャーに上がることはなくマイナーで活躍したが、当然の事インパクトは残せていない。
そして1995年にバスケットボールで、現役復帰を果たす。
最初は、野球時代につけていた背番号45をつけていたが、翌年には23に戻し、再び活躍し始めるジョーダン。
そしてブルズの黄金期が終焉すると共に、ジョーダンも1999年、2回目の現役引退を表明する。
が、2000年ワシントン・ウィザーズに出資し、オーナーに就任すると、チームの低迷を救うために2001年に現役復帰を果たす。
そして40歳で40得点という異形を残すなど、インパクトを残すも2002年-2003年シーズンを最後に、3度目の現役引退となった。
シカゴ・ブルズ在籍は、通算で13シーズンだったがそのうちの10回はシーズン得点王を獲得しており、ガードながらも高い得点力を誇った。
伝説のフリースローラインからのダンクなど、マイケル・ジョーダンはまさにバスケ界の神様と今現在も、高い影響力を持つ。
エアジョーダンを用いた作品
エアジョーダンは、ただのスニーカーにあらず。
映画でも重要なアイテムとして描かれている。
そんなエアジョーダンを象徴する、映画や作品を紹介!
SLAM DUNK
日本人にとってエアジョーダンといえば、やはり『SLAM DUNK』は外せない。
2022年の年末に公開した、新作の『SLAM DUNK』は映画なのでスニーカーに関する描写はないが、原作漫画、アニメではしっかりとスニーカーが登場する。
そして『SLAM DUNK』の漫画、アニメの主人公である桜木花道は、2回スニーカーを買うエピソードがあるが、その2回とも、エアジョーダンを選んでいる。
1回目は<エアジョーダン6>、2回目は<エアジョーダン1>。
<エアジョーダン6>は30円、<エアジョーダン1>は100円で買ったというのも、伝説と化している。
特に、主人公桜木花道が履く<エアジョーダン1>のカラーも、Bredだけに、日本でも最も有名で最も人気のあるエアジョーダンと言っても過言ではない。
KICKS/キックス
映画『KICKS/キックス』でも、<エアジョーダン1>が大きな鍵を握る1作である。
主人公はお金もなく、スニーカーも常にボロい1足を履いているが、お金を貯めてやっと買えたエアジョーダン1Bredだったが…
盗まれてしまう…
彼にとっての自己肯定感をもたらすものが、何よりそのスニーカーだった。
エアジョーダン1を取り戻すねく、彼の冒険が始まる。
まさに、自分のアイデンティティを貫くための1足であるスニーカーに想いを馳せる青春映画ともいうべき作品だ。
まとめ
されどスニーカー、ただの靴と言ってしまえばそれまでである。
かつては、誰が吐くかでその価値が高まったスニーカーだが、今の時代は自分の足に、憧れのスニーカーを履くからこそ、アイデンティティを保てる…
自己肯定感を高めるステータスとも言えるアイテムである。
たかがスニーカー、それがロマンなのだ!