映画『アントラム』は”観たら死ぬ”?死なない程度のネタバレ解説!呪われた映画は本当にある

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アントラムポスター

出典:IMDb

呪いのビデオ、持ち主が死ぬ人形、座ったら死ぬイス・・・。世の中には「呪われた〇〇」にまつわる噂があふれています。
”映画”もまた例外ではなく、「観たら死ぬ映画」というのも、この世には存在するらしいのです。

本記事では「観たら死ぬ」という噂の映画『アントラム』について、ネタバレを含めた解説をしていきます!

「観たら死ぬ」40年封印されてきた呪われた映画『アントラム』

アントラムを解説する男

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1979年にアメリカで撮影されたといわれている映画『アントラム』。その後、いくつかの映画祭に出品されたものの、鑑賞者が死亡するという事件が相次いでしまったという”いわくつき”の映画。そんな事件の経緯から『アントラム』は、観たら死ぬかもしれない”カルト映画”として扱われ、マニアたちの間ではかえって人気が高まってしまいます。
ところが、マニアを集めてハンガリーで行われたプレミア上映会では映画館で火災が発生。56人もの死者を出してしまいます。

その後ますます人気に拍車がかかり、サンフランシスコでも上映会が行われます。
そこでは妊婦が死亡、その混乱から暴行事件が発生し、大量の負傷者が出てしまいます。

いよいよ映画『アントラム』は、「観たら死ぬ危険な映画」として認められることとなります。フィルムは封印、その後40年近く沈黙がまもられてきたというのです。

映画『アントラム』の概要

アントラム公開当時の映像

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前述したように、上映するたびに死亡事故を起こしてきたという映画『アントラム』。
同タイトルで今回上映される本作は、この危険な作品の35ミリフィルムを監督のデイビッド・アミートがオークションで買い取ったことがきっかけで制作されました。
なんでも映画の前半の数分間のみ、映画『アントラム』が鑑賞者にどのような被害をもたらしたのかについての解説が入り、その後は監督によって落札された”呪われた映画”『アントラム』の本編が丸々上映されるそうです。

40年の時を経てドキュメンタリー映画となり、実際に死傷者を出した作品が公開されるということで、日本のオカルトファン達がチラチラと横目で注目しているのが本作『アントラム』なのです。

映画『アントラム』の作品情報

地獄の儀式

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  • 公開:2020年2月7日
  • 監督:デイビット・アミート
  • 脚本:デイビット・アミート
  • 上映時間:94分
  • 制作:カナダ
  • 配給:TOCANA

配給は、オカルト情報でお馴染みの”TOCANA”。ちなみに40年前に制作された本編の『アントラム』は、誰が作ったのか不明なのだそうで、不気味さに拍車がかかります。
「人間が作った映画ではないのでは?」なんて憶測まで飛び交っているのです!

次章の”映画『アントラム』のあらすじ”では、呪われた本編のあらすじについて解説していきます。

映画『アントラム』のあらすじ

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1970年代に、アメリカ・カリフォルニア州で撮影された映画『アントラム』。
飼っている愛犬を安楽死させることになった、姉と弟のふたりの姉弟。死んでしまった愛犬を、冥界に送ってあげるためにふたりは”地獄の扉を開く儀式”を行うことに決めます。
儀式のために材料を集め、森に向かう2人の姉弟。地獄の扉を開いたふたりに待ち受けていたものとは・・・?

”アントラム”はラテン語で「門」という意味の言葉です。”地獄の門”といえばダンテの叙事詩、またブロンズ像『考える人』の作者であるロダンによる巨大彫刻『地獄の門』が有名ですよね。ギリシャ神話が浸透しているヨーロッパでは、冥界(地獄)と門は密接に関係したモチーフなのです。

「いや、なんで安楽死した犬をわざわざ地獄に送る必要があるの?」
と思われる方も多いでしょう。筆者もそうです!

この不明瞭なストーリーも含めて、カルト映画!悪魔が作った映画だ!と評されるゆえんでもありそうです。

この先”ネタバレ”注意!映画『アントラム』の真相は?

アントラムのロゴ

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さて、それでは今回上映された映画『アントラム』のネタバレを含めた詳細な解説をしていきます。本作を「まっさらな状態で楽しみたい!」という方は、ここから先は”鑑賞後に”ご覧いただくのが良いでしょう!

アントラムの本編ポスター

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1970年代、映画『アントラム』を上映した映画館が全焼したり、次々と死者を出したというのは実は”創作”。ドキュメンタリー風の脚本、”モキュメンタリー”という手法で制作されたのが本作なのです。

「では、この70年代の映像は一体どこから?!」という疑問ですが、映像も現代の景色を70年代風に加工することによって作られています。ちなみに本編といわれる作品に登場する姉弟も、もちろん現役の演者達。姉役のニコール・トンプキンズ、弟役のローワン・スマイス共に出演作はまだまだ少ないですが現代の俳優さんです。

というわけで、映画『アントラム』を観てもすぐに死ぬことはなさそうです!よかったー!

映画『アントラム』を批判する声多数!”鑑賞者参加型”映画とは何か

40年封印された映画

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すでに日本でも封切りされている映画『アントラム』ですが、映画レビューやSNSの口コミではなかなかの酷評ぶりです。
「騙された!」という内容ならまだ、制作側の射程圏内かと思いますが「CGがバレバレ」「そもそもの本編のストーリーがお粗末」などと、ちょっと悲しい評価を受けています。

本作に導入されている”モキュメンタリー手法”は、創作ではないことを視聴者に悟られないようにストーリーを進めていくことが大前提。映画の最後にネタバレがあって、「なーんだ!騙された!」「でも誰も死んでないんだ!よかったー!」というのがセオリーです。

『アントラム』は”死者が出る危険な映画”として発表され、試写会を行わなかったり、映画館によっては上映を制限するなどの「宣伝」はバッチリでしたが、肝心の本編があと一歩だったようですね・・・!

油断禁物!本当に呪われた映画は存在する?

ところで皆さん。「映画を観ただけで死ぬなんてあるわけないじゃーん!」と、安心しきっていませんか?少し読者さんを安心させ過ぎてしまったかもしれないと危惧した筆者。実際に映画がもとで人が亡くなった事件についても、きちんとお伝えしておかなければいけませんね・・・!

メル・ギブソン監督作品『パッション』は、イエス・キリストの磔刑までを描いた映画ですが、女性が鑑賞中に心臓発作で死亡しています。また、『死霊館』を上映中にも60代の男性が心臓発作で死亡。さらにその後、男性の遺体と遺体を輸送していた人物がまとめて行方不明になってしまったとか。
また、インドでは『アベンジャーズ』を鑑賞中の男性客が両目を見開いたまま死亡。このように、大体の場合60歳以上の高齢者による心臓発作が原因のようですが、実際”映画を観て死ぬ”ということは起こりうる事態だったりします。

1980年、『サンゲリア』というゾンビ映画が公開されましたが、この映画に対して東宝は「鑑賞中にショック死した観客に死亡保険金を払う」という宣言を出しているくらいです。

そして、有名なのが「世界で最も呪われている」とされる映画『ATUK(アトゥック)』。主演に選ばれた俳優は総勢5人、次々と全員死亡した経緯から、洒落にならない呪いの映画として知られています。
筆者は最初、「『アントラム』って『ATUK(アトゥック)』!?」と肝を冷やしました。

『ATUK』は、小説原作のコメディ映画で、完成には至っていません。原作小説は名作と言われ、かなり面白い小説らしく、主演の俳優も将来有望なコメディアンばかりを選出していました。そんな彼らがオファーを受けるたびに亡くなってしまったため、この映画の制作は打ち切りになりました。というか、撮影出来ませんよね。主演が死んでしまうのですから。

さらに、『ATUK』の脚本の行方は現在わからなくなっているようで、もしこの名作コメディのタイトルをすげ替えて映像化したいと考える監督が現れたとしたら・・・。

映画『アントラム』は安心して観られる呪いの映画!

映画はたくさんの人間の手によって作られるもの。なかには怪演と呼ばれるほど、全身全霊での演技をする俳優もいます。自然と映画自体に執念が集まってしまうこともあるのかもしれませんね。

ただ本作『アントラム』、デビュー作の無名俳優さんを起用するとか、CG手法を一切使わないとか、もう少し作り込んで欲しかった感は否めません。
モキュメンタリーの作品って、”騙されることを楽しめる余裕のある鑑賞者”と、”徹底的に騙すというこだわり否、思いやりのある制作者”が揃ってはじめて、粋に仕上がるものだと筆者は思うんですね。

とはいえ、映画『アントラム』は安心して観られるモキュメンタリー。
全体的に70年代の雰囲気を模しているため、70年代のカルト映画が好きな人はそれなりに楽しめるかもしれません。
おそらく観ても死んでしまうことはないと思われるので、ポップコーン片手に鑑賞してみてはいかがでしょうか?

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