WOWOWドラマ【有村架純の撮休】のあらすじをネタバレ!?是枝裕和など映画監督が参加!

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「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会

2020年3月から5月まで毎週土曜日に、WOWOWで放映されていた連続ドラマ、『有村架純の撮休』。
主演の有村架純が、有村架純として演じる全8話からなるオムニバスドラマです。
『万引き家族』などの是枝裕和監督や、今泉力哉監督など、映画をメインにしている様々なクリエイターが参加しているのも特徴です
そんな『有村架純の撮休』の全エピソードのあらすじをネタバレ解説すると共に、参加スタッフなどについても詳しく紹介します。
毎回違う撮休理由にも注目!

『有村架純の撮休』とは?

WOWOW製作のオリジナルドラマとなる『有村架純の撮休』。
オムニバス形式の、全8話からの作品で、有村架純が本人役で出演する連続ドラマです。
現在(2020年12月時点)WOWOWでは、シリーズ第2弾となる「竹内涼真の撮休」も放映されている人気シリーズ。
監督は、異なる5人の人物がメガホンをとり、それに伴い脚本家も変わります。
脚本家はそれぞれのエピソードで異なる人物が描いており、言ってしまえば脚本家や監督たちが、有村架純を使って妄想を膨らましまくった物語、と言うのが特徴の作品です。
『有村架純の撮休』と言うタイトルから、ついドキュメンタリー的なものを想像してしまいがちですが、本作はあくまで監督や脚本家たちの妄想が映像になっただけであり、有村架純本人の実際の休みとは一切関係のない、フィクションになっています。
放送はWOWOWで2020年3月から5月にかけて放送されたドラマで、1話完結型の連続ドラマ。
毎回、OPに有村架純のマネージャーに扮した野間口徹とドラマプロデューサー役の黒田大輔が、ドラマの撮影中の1日が飛んで、様々な理由で休みになった事を楽屋に伝えにいくと言う描写がお馴染みとなるコメディタッチの作品です。
WOWOWオリジナルドラマですが、現在ではAmazonプライムビデオなどの配信サービスで視聴が可能になっています。
wowow

『有村架純の撮休』の作品情報

監督:下記項目にて、詳しく掲載
脚本:下記項目にて、詳しく掲載
出演:有村架純、柳楽優弥、満島真之介、伊藤沙莉、渡辺大知、笠松将、
   前野健太、リリー・フランキー、風吹ジュン
公開:2020年3月21日〜5月9日
時間:24分〜42分
配給:WOWOW
公式ウェブサイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/satsukyu/

『有村架純の撮休』のあらすじ

女優、有村架純は、ドラマの撮影中。
ある時、突然の休みとなる撮休が訪れる。
実家に帰ったり、親友と遊んだり、人間ドックに行ってみたり、実は辺鄙な趣味を持っていたり、先輩からもらったジャムのフタが開かなかったりなどなど、様々な有村架純の突然の休みが描かれる…

『有村架純の撮休』の全話ネタバレ解説!

ここからは、『有村架純の撮休』の全話を詳しく解説していきます。
全エピソード共通して、有村架純は”女優、有村架純”として、主人公を演じます。
各話エピソードも毎回撮休となる理由が異なり、マネージャーが有村架純の楽屋に赴き、休みとなる事が伝えられてタイトルロールへと展開するのが、毎度のお決まり。
マネージャーが有村架純の楽屋に訪れた時の、有村架純のリアクション。
これに背屈化のパターンが設けられています。
キョトンガオの有村架純は変わりませんが、眼鏡をかけるとことろ、台本を読んでいるところ、飲み物を飲んでいるところなど、数パターンが存在。
そんな細かい部分も気になる様な、愛らしい作品です。

#1.ただいまの後に

有村架純の撮休劇中画像3
「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:是枝裕和
脚本:比嘉さくら
出演:有村架純、風吹ジュン、満島真之介、金田明夫
撮休の理由:”かいばら”さんがインフルエンザ

是枝裕和監督がメガホンを取る第1話は、らしい作品となる家族を題材としたエピソード。
脚本を描いた比嘉さくらは、いわゆる是枝組の1人で、これまでに助監督など映画製作の現場で研鑽を積んできた人物。
そんな彼女の初めての脚本作品となる本作は、これまでそばで見てきた是枝色が強い1作。
有村架純以外では、大ベテランの風吹ジュンが母親役として出演。
この2人の会話劇が、序盤の見どころ。
そして謎の男の満島真之介の役どころが鍵を握る、母親だって1人の人間であることを実感させるエピソードです。

あらすじをネタバレ!

有村架純に訪れた突然の休日、実家へと帰ることに。
父親を亡くしている実家では、母親の一人暮らし。
日帰りでも、実家に帰る優しい一面を持つ。
夕飯の買い物を付き合う、有村架純。
スーパーでは、母親の知り合いに会う。
実家ではのんびりしながら、夕飯の準備を手伝う有村架純。
すると、予期せぬ訪問者が現れる。
見知らぬ男。
それはいつも母が送ってくる、和菓子屋の息子だという。
母はその男に、世話を焼いていた。
有村架純は、なんでこんな男をよくするのか、よく分からない。
すると、その男は父親の前妻の息子らしい。
だからと言って、何故母が世話を焼くのか…
それは、ある意味女の意地でもあったのだ。
そんな母の背中を見て、また親娘の絆が深まっていく…

#2.女ともだち

有村架純の撮休劇中画像2
「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:今泉力哉
脚本:ペヤンヌマキ
出演:有村架純、伊藤沙莉、若葉竜也
撮休の理由:ロケ先の神社のお祭り

第2話では、女友達の優子として伊藤沙莉が登場。
2人のゆるーい空気感がなんとも女の子らしいエピソードになっています。
この2話では、女性の社会的地位に関するエピソードが特徴で、有村架純は女性”らしい”の”らしい”部分をすごく気にしていて、男性が思うステレオタイプな女性像に疑問を抱いているのが物語の大きな鍵となる話です。
監督は、今泉力哉監督。
映画を主戦場に、2019年のドラマ『時効警察はじめました』なども有名なクリエイターです。
脚本を手がけたぺヤンヌマキは、演劇出身の演出家。
様々な視点で描く”女性”が特徴のクリエイターで、本作でもそんな強い女性像が活かされています。

あらすじをネタバレ!

急の休みは、昼過ぎまで寝ていた有村架純。
家には、遅くまで飲み明かしていた女ともだち、優子もいる。
TVでは有村架純出演の、恋愛ドラマを見ていた。
ゆうこは料理上手で、遊びに来るとその腕をふるってくれる。
有村架純は、将来お互いに独身だったら一緒に住もうというも、一方の優子は30歳までに結婚すると心に誓っていた。
そんな優子には、派遣先の会社で気になる男性がいた。
その晩に一緒に呑むから、有村架純にもついてきて欲しいという。
仕方なく一緒に行くと、その男性は圧倒的な男尊女卑の偏見を持った男だった。
有村架純は、女性だろうと監督に自分の意見を言って活躍をしている。
そんな彼女を見て、世の男性たちは「可愛く無いよなぁ」と言われてきたのだった。
しかしその男性は、有村架純に「可愛いよなぁ」と声をかける。
でもその言葉は、裏を返せば、自分のイメージの女性に対しての言葉であり、有村架純に対して向けられたものではない。
そんなイメージの違いから、嫌気がさして有村架純は本心をぶちまける。
その結果、親友の優子とも喧嘩してしまう。
すると、その男性はそれまで隣にいる優子に対していい顔をしていた途端、有村架純に対しても同じような態度を取り始める。
そんな彼を見て、優子も懐疑的な表情を見せ始めていた。
有村架純は、耐えられなくなりその場を後にする。
家に帰るが、やがて優子もやってくる。
結果として喧嘩はしたが、優子との仲はいつも通り。
そんな有村架純の突然の休日は、優子との1日で終わりを迎えた。

#3.人間ドック

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「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:是枝裕和
脚本:砂田麻美
出演:有村架純、笠松翔、リリー・フランキー
撮休の理由:脚本の直し

第3話で、再び是枝監督がメガホンを取ります。
しかし内容は、恋愛をベースにしたエピソード。
是枝監督の特徴でもあるカメラアングルをあまり動かさずに、人を動かすという撮り方が絶妙に映えていて、ドキドキを感じられるリアルなエピソードが特徴で、是枝監督らしいおしゃれな暗喩も必見です。
内容としては有村架純が、人間ドックにやってきた1日を描く。
ただのエコー検査が、とても官能的に見えてくるのが見事なエピソード。
脚本を務めた砂田麻美は、是枝組の1人で、すでにクリエイターとしてその才能を発揮している人物。
是枝監督の影響が大きく反映されている活動をしていて、ドキュメンタリー映画などを手がけており、賞を受賞するなど高い評価も獲得している注目のクリエイターです。
是枝作品らしく、リリー・フランキーも友情出演的な立場で登場。

あらすじをネタバレ!

有村架純は、人間ドックにやってくる。
何かを探している様な素振りを見せるも、知り合いの映画監督と出会う。
そこでは、親しそうに談話をするもやたらにボディタッチをしてくる。
事務所の社長に急の休みなら、人間ドックに…
と言われやってきたことなどを話す。
その監督のボディタッチには、#Me Too(ミー・トゥー※ハリウッドから世界に広がった女性へのセクハラ問題を明らかにしようという有名な運動)と言って、シニカルに対応する上級テクニックを魅せる。
すると呼ばれて、お腹のエコー検査を受ける。
エコー検査の技師の男性、有村架純とは知り合いで、久し振りに会う。
しかし、男性は他人行儀。
一方有村架純は親しげに話す。
2人は、有村架純が芸能の世界に行く前に付き合っていた2人。
しかしお互いに向かう道が異なり、別れていた。
有村架純は、彼のことが忘れられなかったのだ。
2人の距離が急接近する。
でも、今の立場を考えると、進展はない。
検査を終えると、エコー写真片手に昼食を取る。
その写真の裏には、「要経過観察、年に一度は検診を」と書いてあったのだ。

#4.死ぬほど寝てやろう

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「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:山岸聖太
脚本:篠原誠
出演:有村架純、柳楽優弥
撮休の理由:共演者の後白河(ごしらかわ)さんが不倫により降板

第4話は、本作において最もファンタジー色が強いエピソードが特徴。
監督は、山岸聖太が務める。
MVを置く手がける映像クリエイターで、日常の風景とファンタジー色のバランスが絶妙なエピソードです。
脚本は篠原誠。
篠原誠は、2018年まで電通にいたCMのクリエイター。
auの「三太郎」シリーズでは有村架純とも仕事をしていたり、ヒットCMを生み出すなど指折りの存在。
2018年以降は独立をし、様々な舞台で活躍をしている人物。
本作の特徴は、いわゆる夢オチ的な”眠り”が鍵となり、1番妄想を膨らました様な突拍子もない少しホラーな展開も白眉となる。

あらすじをネタバレ!

自宅へと帰宅する有村架純。
部屋の中に入り、誰にも見られないとわかると、思いっきり「YES!!」と連呼しガッツポーズをする。
ご機嫌に鼻歌を歌いながら、寝る準備をする。
すると有村架純は、おもむろにカーテンを開けた。
そこには大きな本棚があり、そこには奇妙なファイルがところ狭しとびっしり詰まっている。
そのファイルには、何やら物語の様なタイトルが書かれていた。
ファイルの中に書いてあるストーリーを録音し始める。
そして、録音したストーリーを聞きながら眠り始めた有村架純。
そう、有村架純は、自在に見たい夢を見る方法を知っていた。
人々が映画を観るように、有村架純は自在に見たい夢を思う存分に見るのが、彼女の趣味なのだ。
この日に見た夢は、淡い恋物語。
有村架純の秘めたる恋。
いつも行く古本屋。
そこで出会う青年武田ケビン (柳楽優弥)と、突如デートをすることになる。
しかし、マスコミに知られ事態は大ごとに…
まずい!
と言うところで目が覚める。
「あ〜、夢でよかった」
この感覚が、どうやらたまらないのだ。
と、思ったら…
スマホには何件もマネージャーからの着信。
夢であったはずのケビンとの恋。
これが実は、現実だったのだ!
しかしそこにいた男性は、ケビンではなく真太郎。
しかも出会いの思い出も違う。
そう、夢から覚めたはずの世界も夢だった、と言う2段階オチ。
完璧だ!と、満足な有村架純だったのだが…

#5.ふた

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「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:横浜聡子
脚本:ふじきみつ彦
出演:有村架純、蒼井 旬と水野哲志(中学生の2人)
撮休の理由:ロケ地から不発弾

先輩の女優から貰ったジャムの蓋が開かない。
というだけのエピソードで展開するコメディ作品。
ちなみに、先輩女優は”羊さん”と言っており、吉田羊であることが想像できる。
もしかすると、電話口に喋っている先輩女優は本人出演の可能性も?
そんな冒頭で、ジャムの蓋と格闘する有村架純でスタートする本エピソードの監督は横浜聡子。
2021年には、『いとみち』の最新作の公開も控える注目の映画監督。
過去には、名俳優たちが集う『バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』などのTVドラマも手がけています。
脚本を務めたのは、ふじきみつ彦は、同じくバイプレイヤーズなどのTVドラマなど、様々なジャンルで活躍する人物。
本作ではコメディがベースで、瓶の蓋を開けるために1日を費やす寂しい女となった有村架純を描いていく。

あらすじをネタバレ!

先輩女優から海外のお土産で貰ったジャムの蓋が開かない。
この蓋を開けるために、コンビニに行き、レジの男性の手を借りるも失敗に終わる。
その結果公園の池に捨てるも、不法投棄に当たると思い、結果としてまた拾う。
すると、通りかかった神社で中学生の2人が話しているのを見かける。
藁にもすがる思いで、彼らに頼んでみる。
当然素顔を見せれば、有村架純だとバレてしまう。
1人の小さい少年はどうやらいいカッコしいで、ファンだといい得意げに瓶の蓋に挑戦する。
一方の大きな少年は、嘘つくなよ。
と、ドライな対応を見せる。
小さな少年は、調子のいい性格で嘘ばかりついている。
すると、小さな少年はバンクシーが近所の公民館で現れたと嘘を言っていたのだ。
その真意を確かめるため、大きな少年は有村架純を連れていく。
その公民館では、当然バンクシーの絵なんか有りもしない。
いわゆる厨二病の一種なのだ。
結局嘘だと言うことがわかり、嫌気がさしていた大きな少年はキレて喧嘩してしまうのだった。
そんな2人を見て、止めに入った有村架純だったが、突き飛ばしてまでに喧嘩を続ける2人。
その喧嘩を見て、中学生2人を見て、有村架純は本心を話し始める。
有村架純は、せっかくの休みにやる事がなくて、瓶の蓋を開けにこんなことをしている自分に嫌気がさしていた。
本当は、友達と遊びに行ったりしたかったのだ。
でも、もし断られてしまったら‥
そう考えると、誘うこともできない。
そんなしょうもない自分に、嫌気がさしていたのだ。
瓶の蓋を開けたいけど、開かない。
けど、開いてしまったら、今日やる事がなくなってしまう。
だから開けたくない。
それでも開けないといけない、と力いっぱい瓶の蓋を開けようとしたら…
なんと、あっさり開いてしまうのだった…
有村架純の今日やる事がなくなってしまった。
でも、瓶の蓋が開いたら、心の扉も少し開いた気がした。
そんな有村架純の1日。

#6.好きだから不安

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「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉
出演:有村架純、渡辺大知、徳永えり
撮休の理由:ロケ先の花屋がタピオカ屋に鞍替えし、場面にそぐわず。

第2話の監督を務めた今泉力哉が、第6話で脚本も務めるエピソード「好きだから不安」。
実は彼氏と同棲をしていたと言う設定で、2人の絶妙な会話のリズムが特徴的な作品。
カップルだけど、長い時間を共有している事が分かるような、だけど、お互いの愛の重さが異なることから来るもどかしさが、カップルなら誰しもが体感した事がある様な、そんな場面を描いた作品。
重たいとは思われたくないけど、適当にあしらわれるのは嫌、女性のもどかしさをリアルに演じた有村架純の魅力が抜群なエピソードです。

あらすじをネタバレ!

自宅に帰ると、彼氏の精一がいる。
同棲していて、付き合いたてのカップルとは違う2人の空気感がいい感じの2人。
精一は優しい男性で、自分に正直な男性であることは会話の節々で伝わる。
そんな精一は、有村架純に隠し事をしていた。
元カノから、結婚式の招待状が届いていたが、その事実を隠していたのだ。
翌朝、精一はそのことを追求されるが、そもそも元カノの結婚式なんて行く訳ないから言っていなかっただけ。
「普通元カノの結婚式なんて行かないでしょ」と言う。
それを受けて有村架純は、「普通」って言葉が1番嫌い。
と、言い出す。
その結果、有村架純は結婚式に一緒に行く、と言い出す始末。
いやいや、と精一は困惑し喧嘩の一歩手前までの言い合いになるも、それは思ってもない一報によって、まさかの展開を迎える。
結婚式は行かないで決着がつき、有村架純が精一のことが好きすぎるが故に困らせてしまい、申し訳ないと謝る。
そんな有村架純の姿を見て、精一は元カノに電話をし始めたのだった。
最初は、有村架純を結婚式に連れて行ってもいいか聞くはずの電話だったが、元カノの結婚相手が逮捕され、心労で入院してると言うのだ。
その結果、これまでの会話の経緯の結果、有村架純と精一は一緒にお見舞いに行くことになる…

#7.母になる(仮)

有村架純の撮休劇中画像6
「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:津野愛
脚本:津野愛
出演:有村架純、福島星蘭
撮休の理由:ロケ地が夜逃げ

是枝監督が所属する事務所、分福で活動するクリエイター津野愛が監督・脚本を務める。
2018年の釜山国際映画祭に出品されたオムニバス映画、『十年 Ten Years Japan』で監督デビューを果たしている、是枝組有望株の女性クリエイター。
本作は、母親ということが一つのテーマとなっていて、子役の福島星蘭との2人芝居を軸に展開する。
有村架純が、母親のイメージが湧かずに苦戦する中に現れた小さな女の子。
そんな2人の交流を描いた、ハートフルなストーリー。

あらすじをネタバレ!

台本を、引っ越したばかりの自宅で読んでいる有村架純。
でも台本の、母親の行動にイメージが湧かない。
思い悩む有村架純。
その最中に、部屋に響くインターホンの音。
すると、外から「CoCo壱でーす」との声。
有村架純は、頼んでないというと、今度は「ウーバーイーツです」という。
明らかに不審ではあるものの、外を覗くと小さな女の子っぽいので、ドアを開けるとトイレを借りたいという。
人に使わせた事がないトイレを急いで掃除して、その女の子に準備できたよというと、その女の子はリビングで台本を読んでいた。
台本のお母さんは嘘をついていると、見抜いていた。
ベランダで枯れた朝顔を見て、その女の子は咲くという。
あらには、12月のこの時期にセミが鳴いているとも言う。
不思議な女の子。
お母さんが帰ってくるまで、ここに居ていい?
有村架純と不思議な少女の不思議な時間が始まる…
オレンジジュースをふるまうと、果汁100%のそれは美味しくないという。
瓶のジュースが美味しいという女の子。
嘘泣きを披露しおちょくる女の子。
ゾンビの真似っこをしたり、2人の姿はいつしか母と子のような光景に見えてくる。
お母さんが帰ってくるまで、と言っていた女の子。
実は、お母さんは出て行ってしまったのだという。
お母さんが本当に帰ってこなかったら、私のお母さんになって…
少しの沈黙の後、その子はいたずらな表情で、”嘘”と言ってみせる。
有村架純は当然そんなことはないと分かっていながらも、いつしか母親の様な存在になっていた。
2人は夜の散歩に出掛けていた。
そういえば、有村架純はその女の子の名前を聞いてなかった。
心と書いて「ピュア」と名乗った女の子。
その女の子と、また会える?と指切りをする。
すると、その場面は有村架純が役作りで台本のイメージが湧かなかったシーンそのものだった。
イメージが湧かなかったが、母親としての思いを知ったその時、自然とその台本と同じ様な感情に至っていたのだ。
自宅に戻ると、ピュアちゃんのお父さんがいた。
しかし「ピュア」というのも嘘で、本名はこころという女の子。
別れ際、こころは、「お母さんまたね」と言ってお父さんと帰って行く。
嘘ばっかりついていた不思議な女の子との1日。
有村架純は自宅に戻ると、ベランダの朝顔は花を咲かせていた。
そして外からは、セミの鳴き声が響く…

#8.バッティングセンターで待ちわびるのは

有村架純の撮休劇中画像5
「有村架純の撮休」(C)「有村架純の撮休」製作委員会
監督:山岸聖太
脚本:三浦直之
出演:有村架純、前野健太、田村健太郎
撮休の理由:ドラマで登場予定の牛の出産待ち

本作の特徴は、舞台演劇っぽい作風となる。
監督は第4話でも務めた、山岸聖太。
脚本家として採用されたのは、三浦直之。劇団「ロロ」の主催。
演劇を主戦場にしていることなどから、その離郷が大きく反映されているのが大きな特徴。
共演には前野健太が起用されており、本業はミュージシャンながらも演技力にも定評があり、面白いキャスティングも見どころ。
バッティングセンターを舞台に、有村架純の魅力が十二分に発揮されている8話目です。

あらすじをネタバレ!

クリスマスイヴ、突然の休みやることはなく、マネージャーに次の台本を急かすなど、とにかく次へ次へと世話しない性格をしている有村架純。
でも台本は出来ておらず、完全なオフとなる。
仕方なく、やる事なく散歩へと出る有村架純。
すると、古びたバッティングセンターを見つけ、試しに打ってみることに。
1球めは空振り。
すると、いきなり口を出してくる見知らぬおじさんがいる。
そのおじさんは二郎さんと呼ばれていて、どうやらそのバッティングセンターの常連でくる客来る客に勝手に指導してウザがられているおじさんだ。
有村架純もその二郎さんの指導はうざかったが、言うとおりに振って行くうちに空振りだったバッティングが、ボールに当たるようになっていった。
一通り満足すると、有村架純はその二郎さんと話をし始める。
野球はやった事がないが、野球のコツを知っていると、指導していたのだ。
そんな風変わりなおじさんである二郎さんは、実はこのクリスマスイヴに告白をしようと気合を入れていたのだ。
その女性は、いつも14時くらいに来ては打てないけどバッティングをしに来ていた。
そんな女性に、恋をしていた二郎さん。
有村架純は、二郎さんのその話を聞いてウキウキして一緒に待つと言い出すのだった。
髪型を聞くと、有村架純は決めつけてボブ?と聞き出す。
でも二郎さんは、ボブではないけどな、と否定するのだった。
二郎さんは、待っている時間が好きだという。
有村架純は、その逆で待つ時間が嫌い。
そんな真逆の2人。
いつしか有村架純は、二郎さんの空気感に「待つ」魅力を感じ始めていた。
時間は夕方。
もう来ないと悟った二郎さんは、帰ろうと言い出す。
そんな二郎さんを見て有村架純は、二郎先輩打ってください。
とバッターボックスへと促す。
二郎先輩の打つ姿が見たいと言う。
あれだけ的確に指導する二郎さん、それは綺麗にかっ飛ばすのだろう…
1球めは見逃す、打ちやすそうな球じゃない。
2球めは高かった。
そう、二郎さんは口だけ男だったのだ。
そんな男を見て、有村架純は、振れよ!
と、見るに見かねてブチ切れるのだった。
その姿はまるで松岡修造。
熱い指導を二郎に展開する、有村架純。
その立場は、最初の光景から真逆の関係になっていた。
有村架純も、二郎さん→二郎先輩→二郎と呼び捨てになっている。
2人の関係性は、もはや対等だった。
そんな二郎は、おもむろに話し始める。
ピザの宅配、なぜか俺はいつも遅れる。
最長で2時間も待った事がある、と。
二郎は続ける、俺はいつか一緒に宅配ピザを待ってくれる人が欲しかったのだと。
一緒にピザを待って、冷めたピザをまずいと言い合える人が欲しかったんだ。
そう言う二郎の肩にポンと手を置き、有村架純は、「待つのもいいけど、振らなきゃ始まらないこともあるよね」といい、もはや沈黙を楽しめる女に成長を遂げていた。
そして最後に振った打球を、二郎は見事に打ち返す。
口だけのウザイ男でしかなかった二郎も、有村架純との出会いによって成長していたのだった。
もう、あたりはすっかり夜になっていた。
結局女性は来ず、諦めて有村架純は帰ることに。
するとマネージャーから電話、結局台本は来ず。
でも、もう有村架純は待てる女なのだ。
マネージャーに急かしてごめんなさいと、謝る。
クリスマスイヴの夜、そんな奇跡を誘うかの様に夜空に雪が舞い始める。
帰りの歩を進める有村架純、するとそこですれ違う女性。
その女性は、バッティングセンターへと入っていく。
その女性の髪型は、ボブだった…

 

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