映画【ある男】が2022年11月18日(金)に公開されます。
愛したはずの夫が全くの別人だった…
その事実から始まる、「愛」と「過去」をめぐる珠玉の感動ヒューマンミステリーです。
「ある男」の調査依頼を受ける弁護士 | 城戸章良:妻夫木聡 |
亡くした夫が別人と知る妻 | 谷口里枝:安藤サクラ |
里枝の夫だが実は別人だった「ある男」 | 谷口大祐(ある男X):窪田正孝 |
辛いけど面白そうな話だね!
夫の大祐は本当は誰で、何があったんだろう?
本記事では、【ある男】の原作ネタバレについて書いていきます。
【ある男】の原作は?
【オススメ!文庫】
『ある男』(文春文庫)
愛したはずの夫は、まったくの別人であった。
「ある男」の正体を探るうちに浮かび上がってくる、過去を変えて生きる人間の姿とは。
映画化で話題となっている、 #平野啓一郎 さんが描く愛と過去をめぐる物語です。
B04-01にて展開中です! pic.twitter.com/knnhG3oqa3— 紀伊國屋書店本町店 (@Kino_Honmachi) November 5, 2022
原作者 | 平野啓一郎 |
出版社 | 文藝春秋 |
発売日 | 2018年9月30日 |
原作は、平野啓一郎さんによる長編小説です。『文學界』2018年6月号に掲載されたのち、2018年9月30日に刊行され、第70回読売文学賞を受賞しています。
【ある男】原作ネタバレ!
ここからは【ある男】の原作あらすじを整理していきます!
(※ネタバレ注意!)
里枝と大祐
宮崎の田舎の文房具屋の娘・谷口里枝(安藤サクラ)の夫「大祐」(窪田正孝)が、2011年9月に林業の仕事中に事故で亡くなった。
大祐は4年前にこの街に移住し、1年もたたないうちに里枝と結婚した。
里枝は25歳で一度神奈川で結婚し、悠人(坂元愛登)と遼の2人の息子がいた。
しかし、弟の遼が2歳の時に脳腫瘍で亡くなった。
夫とは遼の治療方針で対立し、遼が亡くなった後に離婚する。
その後、宮崎の実家の父が亡くなり、悠人と2人で実家に戻ってきた。
立て続けに大事な人を亡くした里枝は、抜け殻のようだった。
その翌年、里枝が文房具屋の店番をしている時に大祐がふらっと現れる。
絵を描くための画材を購入し、何度か店に来るうちに、彼の絵を見せてもらったり距離を縮めていった。
大祐と食事に行った時、この街に来る前の話を聞いた。
両親は兄を溺愛し、大祐は愛されてこなかった。
しかし父がガンで生体肝移植が必要になり、大祐が適合した時だけ必要とされた。
移植を決めた時には、初めて父から感謝された大祐。
しかし父は移植の前に亡くなった。
父の命を助けられなかったことで、実家にいはいづらくなり、縁を切って街を出てきたのだ。
それ以降、大祐は実家の話はしなかった。
里枝と大祐は結婚後、花という娘が産まれ、大祐は悠人にも優しく、家族は幸せに暮らした。
しかし、結婚して3年後、大祐が事故で亡くなってしまう。
夫は別人だった
里枝は群馬の実家の兄・谷口恭一(眞島秀和)に連絡を取ると、恭一はすぐに駆け付けた。
しかし、仏壇の大祐の写真を見て、これは大祐ではなく別人だと言った。
驚く里枝に、これは誰かが大祐になりすましていると恭一は告げる。
里枝は、以前離婚の時にお世話になった弁護士・城戸章良(妻夫木聡)に、亡くなった夫が誰なのか調査を依頼する。まず城戸は、恭一と面談するが、弟を心配していると言いながら、自分のことしか考えていない嫌な人間と感じた。
城戸の妻・香織(真木よう子)は自動車会社に勤めるOLで、夫婦には4歳の息子・颯太がいた。
2人目が欲しかったがうまくいかず、最近は夫婦の会話もなくなり、セックスレスになっている。
息子を見ながら、大祐とは違い、「自分は幸福なんだ」と実感する城戸。
大祐の元恋人
城戸は、大祐が別人なので、これからは彼のことを「X」と呼ぶことにした。
まずは、恭一から聞いた大祐の元恋人である、後藤美涼(清野菜名)と会うことにした城戸。
彼女が働くバーで会うことに。
美涼は高校時代から大祐と付き合ったり離れたりしていて、恭一のことも知っていた。
彼女から大祐の写真を見せられると、やはり別人だと言う。
バーテンダーの美涼が作る、ウォッカ・ギムレットが美味しかった。
大祐は突然何も言わずに美涼の前からいなくなったと彼女は話し、今どうしているのか心配する。
もしかして北朝鮮に拉致されたんじゃないか?と言う美涼に城戸は嫌な気分になった。
城戸は朝鮮人の在日三世で、そのことに抵抗があり隠して生きてきた。
まずは、美涼も協力し本物の大祐を探すことになった。
悠人の思い
城戸は宮崎に行き、里枝と会い、まずは戸籍を整理することを勧める。
里枝は苗字を旧姓の武本に戻した。
しかし、父が好きだった悠人は谷口から姓を変えたくないと泣いた。
お父さんのお墓早く作ってあげたいとも言った。
里枝と悠人は大祐を思い出し一緒に泣いた。
大祐を探すため、美涼はFacebookで彼になりすまし、アカウントを作り、自分と一緒に撮った写真をアップした。
その報告をするために城戸と美涼は会った。しかし特に進展はない。
お互いの価値観などを話し盛り上がった。
それからFacebookでの城戸と美涼のやりとりは親密になった。
真相への糸口
城戸は戸籍についていろいろ調べるうち、6年前に戸籍を交換したという事件を見つける。
その戸籍交換をしたブローカー・小見浦憲男(柄本明)に面会に行く城戸。
小見浦は城戸を在日だとすぐ見抜き、バカにした態度を取った。
しかし、伊香保温泉の次男坊のことは知っていて、詳しく聞こうとするも教えてくれない。
何度か手紙を送り返事が来たが、そこには谷口大祐の名前と、「曾根崎義彦」という名前があった。
10月の終わり、里枝たち家族は、4人でもよく行った公園へ行く。
そこで、里枝は悠人に、父が谷口大祐ではなかったことを伝え悠人は困惑した。
死刑囚の息子
里枝から依頼を受けて1年になろうとしてたころ、城戸は死刑囚の絵画展に参加する。
そこで、大祐が描いた絵に似ている絵があった。
書いた人は、「小林謙吉」という死刑囚で、息子の友人家族と友達まで殺してしまった罪ですでに死刑になっている。
城戸は、謙吉の写真を見て驚く。Xと似ていたからだ。
謙吉の1人息子は、母親の姓を名乗り、「原誠」となっていた。
また1997年にはボクシングの新人王トーナメントで優勝していた。
しかし心の問題でボクシングを辞めて姿を消した。
2006年ごろから万引きの常習犯となり、3度も逮捕されている。
どこへ行っても殺人犯の息子と言われる人生から逃げたかったのかもしれない。
そして、誠は知的障害があるホームレスの「曾根崎義彦」と戸籍を交換。
次に、今度は谷口大祐と戸籍交換をした。
本当の谷口大祐は「曾根崎義彦」と名乗っているはずだと予想する城戸。
まずは、現在の原誠と会うことにした城戸。
彼は「曾根崎義彦」ではなく、本当の名前は「田代昭蔵」だと言った。
ホームレスの時に原誠と戸籍を交換したらしい。
城戸は分からなくなり、再度小見浦に手紙を書いた。
面会に行くと、またバカにしたような態度を取り、核心をつく話をしない小見浦。
ボクシング人生
年が明け、城戸は原誠がいたボクシングジムに行ってみることに。
ジムの会長・小菅(でんでん)にXの写真を見せると、誠だと言った。
そばにいた柳沢(カトウシンスケ)も誠の過去について語った。
誠は転校を繰り返し、母と別れた後は施設に入った。
ここに来てからは、バイトしながらボクシングをしていたが、父親のことは相当恨んでいたようだった。プロになれそうだったのに、目立つことによりまた殺人犯の息子というのがバレるのが怖くてジムもやめたようだった。
柳沢は誠が死ぬ前に幸せになれてよかったと安堵した。
本物の谷口大祐
ある日、美涼が大祐になりすましてやっているFacebookに、やめるよう警告文が来た。
城戸がメッセージを送り、話すことができたが、その男は曾根崎義彦の代理人だと言う。
大祐が結婚して、すでに亡くなったということを伝える。
代理人は曾根崎が、美涼に謝りたいと言っていると城戸に伝え、後日、曾根崎と城戸と美涼は名古屋で会うことになった。
城戸と美涼は新幹線で隣の席に座る。
そしてあれこれ話す中で、美涼がここ1年好きな人がいたと切り出した。
城戸は美涼に対して好意を持っていたのでショックだったが、話を聞くうちに自分の事だと気づく。
しかし、美涼は相手が妻子持ちだから諦めると言ったので、それ以上城戸は追求しなかった。
ついに、曾根崎こと本物の谷口大祐とついに面会する。
原誠は、最初に田代と名乗っていたホームレスの曾根崎と、2回目は谷口と戸籍を交換していた。
大祐の正体は「原誠」だった。
田代のことを原誠は好きになれなかったから、死刑囚の息子と言う経歴を押し付けたと谷口は語った。
谷口は、誠はいい人でこの人となら戸籍を交換してもいいと思ったそうだ。
また美涼にもう一度会いたいと思っていた。
もう少しで彼女が来るので、3人では会いたくないと思った城戸は先に店を出た。
幸せだった3年9か月
城戸が里枝に報告書を届けた3日後、彼女は悠人にそれを読ませた。
お父さんはかわいそう。自分の父親にしてほしかったことを僕にしてくれたんだ。そう悠人が言うと里枝は、お父さんは悠人が好きだったからだよ。と答えた。
悠人は肩を震わせながら泣きだした。2人で一緒に泣いた。
お父さんを遼とおじいちゃんのお墓に入れてあげようと2人で相談した。
里枝は家族写真と大祐の遺影を見つめ、3年9か月は幸せだったと思った。
亡くした夫の正体とは?
大祐の正体は、「原誠」という誠の友達一家を殺害した死刑囚の息子でした。
単純に1回戸籍交換しただけではなく、曾根崎というホームレスと交換し、さらに大祐と交換していましたね。
死刑囚の息子として辛い人生を送った誠に対し、悠人と里枝が一緒に泣くところは、映画館でも泣けそうです。
映画館に足を運びましょう!
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