映画『クルエラ』のディズニー映画らしくない要素とは?
ディズニー映画のステレオタイプ的なイメージといえば、愛と希望と夢と冒険。
それがこの長いディズニー映画の歴史とも言える、大きな要素と言えるでしょう。
しかしこの映画『クルエラ』には、そんなディズニーの要素にはない新たな物がふんだんに盛り込まれている革新的な作品とも言えるものがあります。
そんな映画『クルエラ』のディズニー映画らしからぬストーリーをネタバレ含みつつ解説していきます!
『クルエラ』はモッズ映画!?
この映画の核となるのは、『101匹わんちゃん』のヴィラン、クルエラ・ド・ヴィルを主人公に据えたストーリー。
ディズニー映画では近年お馴染みとなりつつある、名作を視点を変えて描き直すというやり方。
これまでには、『眠れる森の美女』のヴィランである、マレフィセントを主人公にして、すでに成功を収めています。
そんな新しいシリーズと同様の流れを汲んだのが、本作『クルエラ』です。
しかし『マレフィセント』では、新たなダークヒーローとして、愛の側面を変えて描いたことで、新たな多様性を打ち出していました。
一方この『クルエラ』では、当然有名なディズニー・ヴィランを主人公に据え、『マレフィセント』と同様の流れを汲んでいるとはいえ、全くこれまでのディズニーの歴史には無かった要素が含まれているのです。
それがモッズ映画というジャンル。
モッズは、1960年代に全盛期を迎えたイギリスの若者文化のひとつ。
言うなれば反体制とも言えるもので、この映画『クルエラ』でも大きなものに抗う様が描かれています。
映画『クルエラ』では、バロネスが世界のファッション業界の先端を走り大きな力を持っっている中、クルエラはゲリラ的にそのバロネスに立ち向かうさまを描いていくストーリー。
ディズニーらしからぬ反骨精神や反体制をまさしくファッションにのせて描く、モッズ映画と言えるのです!
ファッション・サクセスストーリー
ディズニー映画は、『アナと雪の女王』などに見るとわかるファッションnにも非常にこだわりをみせています。
時代や描く国に合わせて、演者が纏う洋服にも細部までこだわり、しっかり作り込みを行っています。
しかしそんなディズニー映画では、これまでにファッションというものに特化して描いた作品は、非常に少ないのです。
もちろん、それ以上にもっと大きな普遍的なテーマを扱うのがディズニーらしさとも言える点。
ですが、この映画『クルエラ』では、ファッションというものをベースに描くことでキャラクターの持ち味を発揮させ、見事なサクセスストーリーを展開させたのでした。
クルエラは大人になり、ファッションの仕事に就くことを夢見ています。
仲間達の機転で、見事百貨店勤務の夢を叶えますが、その実、仕事内容は雑用でした。
辞める覚悟で、ショウウィンドウを自分なりのやり方で飾ると、世界のファッションデザイナーだったバロネスの目に留まります。
その手腕を買われ、バロネスで働くことになるクルエラ。
そこからは、その腕を発揮しバロネスの信頼を勝ち得ていくことになる…
という、見事なファッション・サクセスストーリーとなるのです。
革新的なゲリラがかっこいい!アンチ・ヒーロー作品!
主人公クルエラは、普段はエステラとして、社会の中で生きていこうと努力をしています。
それが母親の望みでもあり、エステラの健気な部分でもあったのです。
エステラは、母親が事故に近い形で死んでしまったものであると思っていました。
しかし、実は信頼していたバロネスによって殺されたことを知るのです。
そこからエステラを封印し、クルエラとして復習を誓いファッションの世界でバロネスに一矢報い、のし上がっていくことを決意します。
そこからのクルエラの振る舞いがまさしくアンチ・ヒーローとしての格好良さを発揮していくのでした。
バロネスを徹底的に邪魔して、ゲリラ的にクルエラをプレゼンしていきます。
もはや、この時点で観客たちは、クルエラの格好良さの虜になっていることでしょう!
モッズの象徴的バイク!
ランブレッタが登場し、魅せるクルエラとファッション。
真っ白のローブが燃えて、真紅のドレスで登場するクルエラ。
全てにおいて革新的でファッショナブルで、荒らしさもありつつもエレガントな立ち振る舞い!
クルエラ・ド・ヴィル、誕生の物語!
それがこの映画『クルエラ』なのです!