ディズニー映画『アナと雪の女王』解体新書!
2014年に公開され、”アナ雪”旋風を巻き起こした映画です。
日本においてディズニー映画No.1ヒット作であり、初のダブルヒロインとなるふたりのディズニープリンセスが織りなす愛の物語を、徹底解明します!
映画『アナと雪の女王』の概要
日本においてのディズニー映画、最大のヒットを記録したアナと雪の女王。
”アナ雪”旋風を巻き起こし、ディズニー映画の新時代の幕開けともいえる作品です。
ディズニー初のダブルプリンセスが主人公で、女性をメインに女性らしい物語でありながらも、世界中でブームを巻き起こしたアニメ作品。
エルサが自分のありのままを受け入れる姿は、普段ディズニーにゆかりのない人たちにも受け入れられた歴史的名作のひとつです。
ひとつ例を挙げるのであれば、男臭い世界にいるアメリカの海兵隊員たちですら、”アナ雪”に喚起を送っている映像が残されているなど、世界的ブームは計り知れないものでした。
単純にこれまでのディズニーの常識を覆したと言っても過言ではない作品、それが『アナと雪の女王』という作品です。
下記リンク先では続編のレビューもしていますので、是非合わせてご覧ください。
映画『アナと雪の女王』の作品情報
・原題:FROZEN
・監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
・脚本:ジェニファー・リー
・原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン『雪の女王』
・出演:クリスティン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョナサン・グロフ、ジョシュ・ギャッド
・公開:2014年3月14日
・時間:102分
・製作:アメリカ合衆国
・興収:$1,279,852,693
・公式ウェブサイト:https://www.disney.co.jp/fc/anayuki.html
映画『アナと雪の女王』のあらすじ
アナとエルサは、ノルウェーに位置するアレンデール王国の王女となる姉妹でした。
ふたりは小さい頃、とても仲の良い姉妹だったのです。
姉のエルサにだけ、氷の魔法が使えアナと楽しそうに雪だるまを作ったりして、遊んでいたのでした。
そんな中、エルサは謝ってアナを傷つけてしまいます。
氷の魔法をアナにぶつけてしまい、意識がなくなってしまいます。
アナの両親は、急いで森の中に住まう妖精、トロールの長に相談に行きアナにかかった魔法を解いてもらいました。
しかしそのれはアナの記憶の書き換えで、エルサの魔法の存在を消されてしまうのでした。
そして両親は城の門を閉ざし、エルサの魔法のことを秘密にしたのです。
そう、それはアナに対しても…
エルサも両親の判断に賛成し、自室に閉じこもってしまうのです。
エルサ自身も氷の魔法の力の制御が効かなくなっており、引け目を感じていたのです。
人と違う自分、自分の力を知られないためにも誰にも会わないと決めていました。
出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki/character/character07.html
アナとエルサが大きくなったとき、両親が海難事故でなくなってしまいます。
それから3年後、エルサが戴冠式を迎えます。
そのセレモニーで、久々に対面したアナとエルサ。
意見の食い違いで、エルサは遂に大衆の面前で魔法の力を使ってしまいます。
これまで貿易などを行わずにほぼ鎖国状態だったアレンデール王国を不審に思う人々から好奇の目に晒されたエルサ女王、慌てふためき城を後にするのでした。
アナはエルサを追いかけます。
しかしエルサはアナの心配をよそに、自分のありのままの姿で、ひとりで生きていくことを決意するのです。
アレンデール王国が、かつてない危機に晒されているとは知らずに…
アナは、エルサとの間に出来てしまった氷の様な亀裂を元どおりにすることができるのか!?
氷の魔法がどんどん大きく、強くなっていくエルサは、果たして…
映画『アナと雪の女王』を徹底解明!
ここからは、製作裏話などをお届け。
これを読めばあなたも、『アナと雪の女王』に詳しくなること間違いなし!
構想60年?
実はこの『アナと雪の女王』という物語は、古くからある童話が基になっています。
元々はアンデルセンの”雪の女王”という物語の映像化、という流れでした。
日本も含め、世界中で作品になっており、ディズニーも着手するはずだったのです。
しかし時代背景、その時々の事情からそれが軌道に乗るものにはなりません。
そしてようやく、具体的にディズニーが動き出したのは構想開始から60年が経過した時でした。
エルサは悪い魔女だった?
60年前に構想が寝られた作品で、当初スタートしたプロットは原作通りの作品で、エルサは悪い氷の魔女で、いわゆる典型的なヴィランでした。
『アナと雪の女王』の製作でも当初は、本来の方向性で進んでいました。
それが現在の形になった経緯は、製作総指揮を務めたジョン・ラセターがもたらしました。
彼の子供は、10歳にして糖尿病と診断されてしまいます。
その光景を見たときに、ジョン・ラセターはエルサのことが頭を過ぎったのです。
氷の能力を持って生まれてしまっただけで、エルサが悪者になってしまうのは違うのではないだろうか?
と疑問に感じ、エルサのキャラクター像を改めて再構築し、テーマ曲を依頼したのでした。
全ての始まりは『レット・イット・ゴー』
エルサのキャラクター像のイメージを伝えられた作曲担当は、それまでの雪の女王のヴィランとしての雰囲気を一新した曲を作りました。
それがみんなが知っている『レット・イット・ゴー』であり、この曲がきっかけで、それまで出来上がっていた”雪の女王”としての全ての計画を練り直すきっかけとなっています。
そしてアナとエルサを姉妹にしてエルサの描き方を根底から変えたのです。
『アナと雪の女王』は、『レット・イット・ゴー』から全てが始まり、新たな物語としての一歩を踏み出します。
キーワードはディズニー
ここからは、『アナと雪の女王』の見どころを中心に解説していきます。
この作品は、ディズニー映画としてだけではなく、普段ディズニー映画を観ない層にも、大きく受けた作品でした。
その要因を紐解くと共に、重要な登場人物を紹介します。
ディズニーの常識を覆す
『アナと雪の女王』は単純にダブルプリンセスというこれまでの形式である、”ヴィランとプリンセス”というディズニー作品においての定型を覆した、というだけではありません。
いわゆる”王子様とプリンセス”というディズニー作品の、従来のイメージであったこれまでの常識も覆しているのです。
そしてこの”アナ雪”を境に、より多様性を尊重する内容が多く見える様になっていくきっかけとも言える作品になっています。
アナという存在
出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki/character/character02.html
アナは、エルサの妹で、何も能力を持たない女の子。
しかしアナは、これまでのディズニープリンセス像と大きく違うキャラクターです。
寝起きは酷く髪もボサボサで、おっちょこちょいで、とっても元気な、そうお姫様というよりは普通の女の子の様なキャラクターになっています。
そういったことからもより、多くの共感が得られる主人公になっているのです。
エルサのチカラ
出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki/character/character01.html
『アナと雪の女王』を象徴する存在にして、いわゆるヴィラン的立場も担う存在です。
しかし完全なヴィランではなく、プリンセスとしての役割の方が大きいものになっています。
そんなエルサは、当初青い肌の悪い魔女でしたが、”レット・イット・ゴー”の影響で大きくキャラクター像が変わり、氷の魔法で恐れを強く表現した存在になっていました。
人と違うこと、それがエルサにはとても怖かったのです。
そんなエルサの繊細な心、人と違うがために殻に閉じこもってしまっていた自分自身を解放させる場所、それがひとりで生きるという選択でした。
クリストフの重要性
出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki/character/character04.html
クリストフは、氷売りの職人です。
小さい頃から一緒にいる相棒のスヴェンと一緒に行動をしており、アナと恋仲になる相手。
しかしクリストフは沸きらない男で、アナにはアプローチできずにいます。
そんな男性として女性を引っ張っていく、というこれまでのイメージを全く体現していません。
出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki/character/character05.html
相方のスヴェンに背中を押してもらって、動き出すほどに。
クリストフは、女性を立てる存在です。
女性が主役の物語なのでそれは当然かもしれませんが、いわゆるディズニー作品において定型のストーリーを覆すということが、大きな意味を持つのです。
それがクリストフというキャラクターに反映されていました。
オラフはマスコット
出典元:https://www.disney.co.jp/movie/anayuki/character/character03.html
オラフはアナとエルサにとって、とても特別な存在です。
しかし1作目である本作ではまだ、マスコット的キャラクターに過ぎません。
アナとエルサにとって、オラフというキャラクターは家族同然です。
両親を早くに亡くしている二人にとっては、とても大切な存在となっていました。
しかしそれがはっきりとストーリー上で言及されることは、本作ではありません。
その光景がはっきりと分かるのは、まだ先の話。
アナとエルサの絆がオラフと共にあるのは、是非その目で確かめてみてください。