2023年6月2日(金)に公開された、映画【怪物】。
日本での公開を目前に、先日、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、9分間拍手がやまなかったことで話題になりました。
登場人物それぞれの視線を通した「怪物」探しの果てに、私たちは何を見るのか。その結末に心揺さぶられる、圧巻のヒューマンドラマです。
予告は怖そうだけど安藤サクラさんは泣けるって言ってたから楽しみ!
見終わった後、モヤモヤする人もいたみたいだよ?
本記事では、映画【怪物】のあらすじ・ネタバレについて書いていきます。
映画【怪物】の概要は?
スタッフ・音楽
監督 | 是枝裕和 |
脚本 | 坂元裕二 |
音楽 | 坂本龍一 |
- 監督は、【海街diary】や【ベイビーブローカー】など話題作を多数生み出し、カンヌ国際映画祭でも受賞した是枝裕和さんです。
- 脚本は、【花束みたいな恋をした】など、こちらも多数の作品を手掛け、本作ではカンヌ国際映画祭で脚本賞も受賞した、坂元裕二さんです。
- 音楽は、是枝監督が熱望し、世界的ミュージシャンの坂本龍一さんが担当しました。3月に亡くなられ本作が最後の作品となりました。
登場人物
麦野早織(安藤サクラ)・シングルマザー
保利道敏(永山瑛太)・湊と依里の担任教師
麦野湊(黒川想矢)・早織の息子
星川依里(柊木陽太)・湊の同級生
鈴村広奈(高畑充希)・保利の恋人
正田文昭(角田晃広)湊と依里が通う小学校の教頭
星川清高(中村獅童)依里の父でシングルファーザー
伏見真木子(田中裕子)小学校の校長
映画【怪物】のあらすじ・ネタバレ!
ここからは、映画【怪物】のあらすじを整理していきます!
(※ネタバレ注意!)
母の目線
大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー麦野早織(安藤サクラ)と、息子・麦野湊(黒川想矢)は窓からビルが燃えるのを見ていた。
ある日、湊のスニーカーが片方なくなったり、けがをしていることを早織が気づき、湊に聞くと、担任にやられたと答える湊。
早織は学校に行き、校長・伏見真木子(田中裕子)や教頭・正田文昭(角田晃広)に事情を話し、担任と話したいと伝えるも2人ともひたすら謝罪し、今後は注意します。と形式的に繰り返すばかり。
さらに、校長は孫を亡くしたばかりなので出かけると途中でいなくなってしまう。
またその後、湊の脳は豚の脳味噌とまで言われたと聞き、再度学校に行き、ついに担任・保利道敏(永山瑛太)と話す。
しかし保利もたどたどしく棒読みの謝罪をするだけで、途中で飴をなめたり、悪いという気持ちが感じられず怒る早織。
しかし、ついに保利が暴力を認め、謝罪会見が行われ納得できた。
家では、突然生まれ変わりについて話す湊に不安を感じる早織。
ある日、嵐が来た日の深夜に湊が部屋からいなくなっていた。
その時、外から「麦野!」と何度も叫ぶ保利の声が聞こえた。
教師の目線
生徒思いの学校教師だった保利は、生徒たちとも、恋人・鈴村広奈(高畑充希)ともいい関係を築いていた。
買い物の帰り、ビルが燃えているのを見る2人。
しかしある日、学校で湊が物を投げて暴れているのを目撃し、止めた際、腕が湊の鼻にあたり血が出てしまう。
また、湊がクラスメイトの星川依里(柊木陽太)をいじめていると感じた。
湊がトイレから出た後に、依里が閉じ込められていたのだ。
そして保護者の早織から突然クレームが来た。
保利は誤解だから説明したいと教頭たちに訴えるも却下され、ただ謝罪するはめになる。
ある日、同僚から校長先生の孫が死んだことで、駐車場で校長の夫が車で孫を轢いたことになっているが、実は校長が轢いたのではないか?と聞く。
学校が大好きな校長は立場もあり罪を夫にかぶってもらったのではないかという噂もあった。
結局保利は暴力を認め謝罪の会見も開かされ、学校はやめ、週刊誌にも載り、恋人の広奈も離れてしまった。すべてを失った。
嫌がらせを受ける中、納得がいかない保利は学校に入り、湊と先生何もしてないよな?と話すが、逃げられてしまう。
家に帰り、依里の作文を見ていると、横読みにすると「むぎのみなとほしかわより」とつなげているのを見つける。
2人が実は仲が良かったと知り、嵐の中、急いで湊の家に向かい、「麦野!ごめんな。先生間違ってた」といじめは勘違いだったことを認め謝る。
早織と保利はいなくなった湊を探し、トンネルの向こうにある、廃電車を見つける。
土砂に埋まった土をどけて窓を開け、叫ぶが2人はいなかった。
湊と依里の目線
湊と依里は仲良くなりかけるが、依里がクラスメイトからいじめられるのを見て、仲がいいことを隠す湊。
依里の机にゴミを置かれても、それを無視した。
学校では話しかけないよう依里に頼むと彼は了承した。
ある日、裏庭で猫の死骸を見つけ、葉っぱをかけて燃やそうとする依里。
しかし、湊は怖くなり水で火を消した。
そんな中でも、2人は山の中の廃電車を秘密基地として、中を飾り、そこでよく遊んだ。
「怪物だーれだ!」と言ってお互い頭につけたカードの絵が誰かを当てるゲームをやったり、お菓子を食べたり楽しく過ごした。
しかしある日、依里が転校し祖母に預けられると分かる。
寂しがった湊は思わず依里に抱き着く。
依里は湊にキスしようとしたが湊は逃げた。
依里は同性愛者で湊の事が好きだったのだ。
豚の脳みそというのは依里が父親・星川清高(中村獅童)から言われた言葉だ。
依里は父から頭がおかしいと思われ、さらにDVを受けていた。
嵐の日、依里の家に湊がいくと、お風呂に浸からされ体があざだらけだった。
湊は依里を連れ出し、2人で廃電車に向かう。
翌朝、湊と依里は晴れた外に出て、「生まれ変わったのかな?」と言う依里だが、違う、変わらない。と湊は答えながらも、木の間を笑顔で走り抜けた。
湊はなぜ嘘をついた?モヤモヤする視聴者も!
怪物🎬見てきた
真実は本人しか分からんし
こんなにも視点変わると話変わるんやって怖さと、正解がハッキリしやんから
モヤモヤも残る
すごいんやけどめちゃ見終わったあと
人間って、人間関係ってやっぱしんど…って心引っ張られる映画でした。
皆さんの演技力がすごすぎた!#怪物だーれだ #怪物— ゆま (@meme0216sm) June 4, 2023
映画 怪物
見る前と見た後じゃ印象が180度変わる
なんとも言えない気持ちになるわ— ゴミクズ (@ugoitekure) June 4, 2023
監督・是枝裕和 × 脚本・坂元裕二 × 音楽・坂本龍一『怪物』を見てきました。「もし映画の印象を問われたら、見てごらんと言うか、見ない方がいいよと言うかどちらかだ。」(小林秀雄『考えるヒント』)
回収されない伏線がいくつか残り、解釈は観客に委ねられました。機会が有れば、ご覧あれ。 pic.twitter.com/pdhqWjhfNl— 傷心楽団 (@ShoshinGakudan) June 4, 2023
話題作、ドキドキしながら見に行きました。
母、先生、子ども、それぞれの視点から見ると全く違う状況になることに驚きました。
エンドロールを見ながら、結局あれは何だった?これはなんで?などいろいろ考えてちょっとモヤモヤしてまいました。Twitterでも同じ意見の方も多かったです。
多数の疑問を考察していきます。
- 校長先生は本当に孫をひいて死なせたのか?
湊が嘘をついたと告白した時、自分もと言っていたので、校長が孫を轢いてしまった可能性が高い。 - キャバクラのビル火事は誰がやったのか?
チャッカマンを持っていた依里が、父がキャバクラに通っていることに嫌悪を抱き放火した?と湊が依里に聞くが結局ははっきりせず。
ただ、3つの視点全てで初めにこの火事があるので何か意味があるのだと思います。 - 湊はなぜ先生からいじめられたと嘘をついたのか?
本当のことを話したら、自分も依里も今まで以上にいじめの標的になると考えたから先生を悪者にしてしまったんだと思います。 - なぜ依里は猫を燃やそうとしたのか?
これは依里なりに火葬して弔ってあげようとしたのかなと想像しました。 - ラストシーン2人が晴れた森を楽しそうに走るが、死んだのか?
これは人それぞれの感想があるとは思いますが、私は、2人は生き残り嵐が去った森を駆けまわているんだと感じました。というか死んだとは思いたくないです。
この点を注目しながら、再度見るのもいいかもしれません。
みなさんもぜひ映画館に行きましょう!