2021年12月10日に公開したエドガー・ライト監督のサイコロジカルホラー『ラストナイト・イン・ソーホー』。
主人公のエロイーズの持つ力が、隠された過去を解き明かすスリラー作品。
今注目の若手女優アニャ・テイラー＝ジョイも出演する本作をネタバレありで徹底解説します！
『ラストナイト・イン・ソーホー』の基本情報
『ベイビー・ドライバー』で音楽を巧みに用いて注目を集めたエドガー・ライト監督の2021年の映画『ラストナイト・イン・ソーホー』。
この奇妙な物語は、全編のスリリングさからまさかの展開をみせるサイコロジカルホラー。
エドガー・ライト監督の魅力たっぷりに音楽と共にクライマックスになだれ込んでいくジェットコースター的展開がとても心地いい作品です。
主演は、トーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー＝ジョイ。
ロンドンのファッション・オブ・カレッジに合格してロンドンに行く専門学生のエロイーズ・ターナーが主人公。
過去に母親を亡くしながらも、その姿を今でも見ることが出来る、いわゆる見えてしまう女性。
そんな彼女がロンドンで見てしまったものが物語に大きく関わることになる。
その見えてしまったものが、アニャ・テイラー＝ジョイ演じるサンディという女性。
魅力的な彼女のヴィジョンに深く心酔するエロイーズだったが…
という様なあらすじで、本作はこの奇妙な展開を見事にスリリングに、スタイリッシュにエドガー・ライト節全開で描いていく。
サンデイが生きる時代は1960年代。
使用される楽曲も、1960年代のシティポップが多用されていて、映画の展開と相まってとてもマッチしていて音楽好きにとっても最高な1本に仕上がる。
この辺は、さすがエドガー・ライトといった感じ。
そんな本作『ラストナイト・イン・ソーホー』は、後半からは一点典型的なホラーへとなだれ込む。
この展開で、どんな結末が待つのか…
物語の鍵となるのは過去なのか…
それとも現代なのか…
エロイーズの未来には、どんな結末が待っているのか…
その鍵となる部分をネタバレありで徹底解説していきます！
『ラストナイト・イン・ソーホー』の作品情報
| 原題 | Last Night In Soho |
| 監督 | エドガー・ライト |
| 脚本 | エドガー・ライト クリスティ・ウィルソン＝ケアンズ |
| 出演 | トーマシン・マッケンジー アニャ・テイラー＝ジョイ マット・スミス ダイアナ・リグ マイケル・アジャオ |
| 公開 | 2021年12月10日 |
| 時間 | 115分 |
『ラストナイト・イン・ソーホー』のキャスト
『ラストナイト・イン・ソーホー』のあらすじ
ファッションデザイナーを夢見るエロイーズ（トーマシン・マッケンジー）は、ロンドンのデザイン学校に入学する。
しかし同級生たちとの寮生活に馴染めず、ソーホー地区の片隅で一人暮らしを始めることに。
新居のアパートで眠りに着くと、夢の中で60年代のソーホーにいた。そこで歌手を夢見る魅惑的なサンディ（アニャ・テイラー＝ジョイ）に出会うと、身体も感覚も彼女とシンクロしていく。
夢の中の体験が現実にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズは、タイムリープを繰り返していく。
だがある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。
その日を境に現実で謎の亡霊が現れ始め、徐々に精神を蝕まれるエロイーズ。
そんな中、サンディを殺した殺人鬼が現代にも生きている可能性に気づき、エロイーズはたった一人で事件の真相を追いかけるのだが……。果たして、殺人鬼は一体誰なのか？
『ラストナイト・イン・ソーホー』公式サイトより
そして亡霊の目的とは－!?
ここからは、『ラストナイト・イン・ソーホー』のネタバレが含まれます。
『ラストナイト・イン・ソーホー』で描く過去と現代と未来
『ラストナイト・イン・ソーホー』は、タイムリープという形で過去の物語が描かれています。
正確には、主人公のエロイーズの能力によって、過去の人物サンディを追体験する。
ここでは考察ではなく、あくまでも前提として劇中の中だけで起きている事だけで考えていきます。
エロイーズの能力は、いわゆる霊が見えるというもの。
人には見えないものが見える。
後に詳しく解説しますが、このタイムトラベルというのは、霊による強い残留思念的なもので、過去の出来事を追体験しているものと見られる。
事実、過去に介入することはなく、あくまでも追体験というヴィジョン的なものとして過去の出来事が描かれている。
エロイーズがサンディの出来事に介入しようとしても、影響はない。
『ラストナイト・イン・ソーホー』の現代
もちろん、この現代はエロイーズの本来生きているタイムラインでのストーリー。
田舎からロンドンに出てきて、そこで様々な人たちの強い思いを感じ取ってしまう事になる。
しかしエロイーズは、その根源ともいうべきサンディに強く惹かれてしまうことで、出来事の本質を見抜けず、よりドツボにハマっていくことになる…
『ラストナイト・イン・ソーホー』の過去
この過去というのは、もちろんサンディのタイムライン。
サンディの正体などは、物語の確信に繋がるのでここでは控えておきます。
『ラストナイト・イン・ソーホー』で描かれる過去というのは、1960年代のロンドン。
この年代に憧れるエロイーズは、現代のロンドンで馴染めず、部屋を借りて一人暮らしを始めます。
その部屋で眠ると突如、自分が憧れていた1960年代のロンドンで、ある女性の体験をする様になる。
それがサンディ。
エロイーズの能力は見えること。
これは今まで、エロイーズの身には主に母親の存在しか感じておらず、特に脅威に感じることはありませんでした。
それ故、このサンディの追体験も憧れの1960年代の世界でキラキラに映るのです。
特に怖さもなく、エロイーズにとってこのサンディの体験は、とても煌めいて見えていました。
『ラストナイト・イン・ソーホー』の未来
未来といっても、『ラストナイト・イン・ソーホー』では特に未来となる世界は描かれていません。
ここであげる未来は、言うなれば映画の結末。
このエロイーズの能力によってもたらされた出来事の顛末。
サンディは何者で、1960年代に何が起きたのか…
この物語は、まさかの結末を迎えます。
ぜひ、その顛末は皆さんの目でお確かめを！
出典元：『ラストナイト・イン・ソーホー』公式サイトより