映画【マスカレード・ナイト】が2021年9月17日に公開されます。
主演は日本を代表する誰もが知る俳優・歌手の木村拓哉さん。バディを務めるのは今回も先日アカデミー賞主演女優賞を受賞した長澤まさみさんです。他にも豪華なキャストが多数脇を固めています。
仮装パーティでどう犯人を捕まえるのか?木村さんと長澤さんの掛け合いも楽しみです!
本記事では、【マスカレードナイト】の原作ネタバレ、意外な犯人に「騙された」という声が多かったことについて書いていきます。
映画【マスカレード・ナイト】の概要
原作とスタッフ
原作 | 東野圭吾 |
監督 | 鈴木雅之 |
脚本 | 岡田道尚 |
原作は、ミステリー小説と言えばこの人・東野圭吾さんの『マスカレード・ナイト』です。前作の『マスカレード・ホテル』に続き、同じキャストでの映画化となりました。
監督は、ドラマ『HERO』など木村拓哉さんと何度もタッグを組んできた、鈴木雅之さん。
脚本は、『信長協奏曲』や『ライアーゲーム』などの話題作を担当してきた岡田道尚さんです。
あらすじ
大晦日当日、捜査本部に呼び出された警視庁捜査一課の刑事・新田浩介(木村拓哉)は、かつての事件同様、潜入捜査のためホテルのフロントクラークとして働くことに。優秀だが真面目過ぎるホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)と事件解決にあたるが、パーティーへの参加者は500名、全員仮装し、その素顔を仮面で隠している。次から次へと正体不明の怪しい人間がホテルを訪れる状況に、二人は手がかりが掴めずにいた…。
刻一刻と迫り来るタイムリミット。増え続ける容疑者。
犯人の狙いは?密告者とは?残されたわずかな時間で、新田と山岸は顔も姿もわからない殺人犯の「仮面」に隠された「真実」に辿り着くことができるのか…?
キャスト
- 捜査一課の潜入捜査官・新田浩介:木村拓哉
- ホテルコルテシア東京のコンシェルジュ・山岸尚美:長澤まさみ
捜査一課
- 能勢:小日向文世
- 本宮:梶原善
- 関根:泉澤祐希
- 管理官・尾崎:篠井英介
- 係長・稲垣:渡部篤郎
ホテルコルテシア東京
- フロントオフィスマネージャー・久我:東根作寿英
- フロントクラーク・川本:石川恋
- 宿泊部長・田倉:鶴見辰吾
- 総支配人・藤木:石橋凌
- 新田に着くフロントクラーク・氏家:石黒賢
ホテルを訪れる客
- 仲根緑(牧村緑):麻生久美子
- 曽野万智子:木村佳乃
- 日下部篤哉:沢村一樹
- 曽野昌明:勝村政信
- 貝塚由里:高岡早紀
- ダンスインストラクター・奥田真由美:中村アン
- 狩野妙子:凰稀かなめ
- 秋山久美子:田中みな実
- 浦辺幹夫:博多華丸(博多華丸大吉)
【マスカレード・ナイト】原作ネタバレ!
コンシェルジュになった尚美
年末のホテルコルテシア東京。
コンシェルジュの山岸尚美(長澤まさみ)は、秋山久美子(田中みな実)という客の要望に応えていた。彼女は人物画が苦手なのでそれを外してほしい。また東京タワーが見える部屋を希望していた。しかし外のビルのポスターの人物が嫌なので部屋を変えてほしいと言う。ポスターがみえる場所に風船を浮かばせることで、秋山は喜んでくれた。デスクに戻ると総支配人の藤木(石橋凌)から呼び出され、そこには宿泊部長の田倉(鶴見辰吾)と知っている人物がいた。警視庁捜査一課の係長・稲垣(渡部篤郎)だ。尚美は後輩に常にお客様に「無理」と言うなと言ってきたが心の中で「無理」と思った。
殺人事件と密告
そのころ、捜査一課の潜入捜査官・新田浩介(木村拓哉)はダンス教室でそこの娘(中村アン)とダンスを踊っていた。彼女を食事に誘ったところで新田の電話に本宮(梶原善)から着信がある。警視庁に向かうと、「練馬独居女性殺人事件」について捜査会議が行われている。匿名通報ダイヤルから練馬区のマンション「ネオルーム練馬」の604号室を調べてほしい。女性の死体があるかもしれない。という通報があり、実際に死体があった。名前は和泉春菜で28歳。亡くなったのは12月3日の午後5時以降。睡眠薬で眠らされた後に電気コードで感電死させられていた。トリマーをしていて3日も池袋のペットショップで仕事をしていた。妊娠していて4週目。聞き込みでマンションに男が出入りしていたのが分かった。そしてある密告状が届く。
ネオルーム練馬で起きた殺人事件の犯人が以下の日時に以下の場所に現れます。逮捕してください。
12月31日 午後11時 ホテルコルテシア東京 カウントダウンパーティ会場
これと一緒に写真が入っていた。和泉春菜と顔をモザイクで隠された男性が彼女の部屋に入っていくところだった。
新田は今回も稲垣の指示でホテルコルテシアにフロントクラークとして潜入することになった。被害者の関係者を当たることになった、能勢(小日向文世)から話を聞く。
春菜は山形出身。母親は和菓子屋の1人娘で父は婿養子だった。しかし女を作って出て行ってしまう。あるときから母親とも不仲になり高校卒業後すぐ東京に出た。他にも普段はボーイッシュな格好だったのにクローゼットの中にゴスロリの服があった。出入りしていた男の趣味だったのかもしれない。
ホテルへの潜入開始
12月28日
新田はホテルコルテシアのフロントにいた。フロントオフィスマネージャーの久我(東根作寿英)から指導を受けて、仕事を再確認していた。そして尚美と再会する。さっそく言葉遣いについて注意を受ける。そして新田の補佐をするのが、フロントオフィスアシスタントマネージャーの氏家(石黒賢)だと聞く。真面目でルールに厳しい人だと尚美は言う。新田は尚美にも警察にあった密告状の話をした。そしてパーティの詳細を聞く。パーティは昨年は400名が参加した仮装パーティで、必ず顔を隠すというルールがある。通称『マスカレード・ナイト』と尚美が言った。
午後10時ごろ、フロントに新田がいると見たことないフロントの男性がくる。氏原だった。新田が挨拶をするも無視し「なんで素人1人がフロントにいるんだ」と文句を言っている。そこへ日下部篤哉(沢村一樹)がチェックインする。パーティへ申し込みはない。日下部はコンシェルジュデスクがいつ開くのか聞いてきた。8時と伝える新田。日下部の案内を終えると、氏原からフロントの業務は自分がするから何もしないよう言われる。新田も捜査に集中できるのでそれはありがたかった。
業務が終わると新田は「コルテシア東京別館」と書かれているが事務棟となっている建物に入る。ここに捜査本部になっている。ベルボーイとして潜入している関根(泉澤祐希)も後から来た。関根は犯人が大晦日のパーティで殺人事件を起こすのではないか?と予想した。
今日の捜査会議が終わり更衣室でシャワーを浴び、パソコンを見ていると能勢がくる。酒とつまみを持ってきてくれた。今日の捜査の話を能勢から聞く。
和泉の中学の同級生に会った。今は研修医をしていて忙しく、和泉が死んだことも知らなかった。中学のころもボーイッシュな格好だったが持っているものは少女趣味なものもあった。そして上京するときトリマーになるとは言っていなかった。進学はしないが上京はしたいということだった。そのころの和泉の家庭の話になるとその友人は話をはぐらかそうとするため、彼女は何か隠していると思う。
面倒な客
12月29日
朝、日下部が尚美に相談を持ち掛ける。プロポーズをしたいのでレストランを貸し切りたいという。それは難しいので時間をずらしてもらい、誰もいないデザートのタイミングでプロポーズを提案。それを日下部は受け入れた。彼女に気付かれないよう薔薇の道を作りたいと言うので、花などを手配した尚美。その直後に女性から話しかけられる。彼女は日下部のプロポーズは断ると言う。彼は好きだが結婚してアメリカには行けない。教師を続けたい。だから彼を辱めることなく断りたいという。特別支援学級の教員・狩野妙子(凰稀かなめ)と名乗った。尚美は新田から聞いた誠意という言葉をヒントに妙子にアドバイスする。そしてレストランでいよいよプロポーズの時間。日下部は結婚してくださいという意味の108本の薔薇と指輪を用意して渡す。妙子はそれを断り、「門出・優しい思い出」という意味のあるスイートピーを出口まで並べ、日下部は納得して、2人でレストランを後にした。
一方フロントには、背の高いブラウンにファーのついたコートを着た美人な女性が来た。仲根伸一郎という名前で予約している相手の女性・仲根緑(麻生久美子)だ。クレジットカードを提示依頼するとそこには「マキムラミドリ」と書いてあった。パーティに2名で申し込んでいる。不倫であろうと氏原や新田は思った。
捜査会議で関根が緑の部屋にシャンパンを2つ届けたが夫の顔は見ていないと言う。緑は注意してみることになった。
会議の後、能勢から和泉の友達・早川さんの証言を聞く。和泉は中2のころからボーイッシュな格好をするようになった。両親が離婚した後、母親が和菓子屋の番頭と付き合った。その悪口を早川に言っていた。その相手は結婚していて不倫だった。そのころから和泉親子と一緒に暮らすようになった男はおそらく和泉に悪戯をした。その後から和泉は髪を切りボーイッシュな格好になった。そして、3年半前に今回と同じように26歳の女性が殺されていて、状況が似ている事件があることも分かる。
夫婦なのに1人で宿泊?
12月30日
関西人の若いカップルの女性がバッグをあさられたと尚美に言う。実際に刑事たちは勝手に荷物検査をしていた。総支配人の藤木、尚美、稲垣、本宮、新田が集まる。荷物検査については絶対しないよう稲垣に言う藤木。それをしない代わりに、宿泊客の情報を渡すこと、カウントダウンパーティに参加する客にチケットを渡すときは高く上げることを稲垣からお願いした。
尚美だけ残り、コルテシアのロサンゼルスからフロントを任せられる人材が欲しいと言われていてそれに尚美を推薦しようと思っていると藤木から言われる。
新田と尚美が話しているとティーラウンジから出た緑が通っていく。その後、日下部が来て彼女に一目ぼれしたから明日の夜食事に誘いたいと言い出す。フラれた翌日にとあきれる新田と尚美。2人になれるよう考えてみます。と答える尚美。緑の部屋にハウスキーピングが入るのでそれに立ち会うことにした新田と尚美。新田は、たばこやライター、ハードカバーの本があること、アメニティが2人分交換されているのを確認。ルームサービスも2人分頼んでいるが、防犯カメラには緑の出入りする姿しかない。なぜそんなことをするのか?と怪しむ刑事たち。
浦辺幹夫(博多華丸)がチェックインする。40代くらいで紺色のダッフルコートを着て中にはジャケット。ゴルフバッグと旅行バッグを持っている。宿泊代を現金で支払った。バーティに予約はしていないがホテルの宿泊に慣れておらず、どこか落ち着きがない浦辺を怪しむ新田。
そして、曽野昌明(勝村政信)がチェックイン。50代前後でベージュのコートを羽織っている。夫婦で利用するのか後ろで30代の女性(木村佳乃)が立っている。チェックインが終わると後からゲーム機を持った子供もついていく。新田がさきほど「いつもご利用ありがとうございます」と言おうとしたのを氏原が止めたのはいつもは日帰り利用なので不倫しているということだ。相手女性も氏原は見たことがあると言う。曽野はパーティには申し込んでないが正月料理やエステの予約をしている。おそらく本人は居心地が悪そうだったので家族の希望でこのホテルに泊まることになったと予想した。
尚美の対応力
そこへ日下部が戻ってきた。尚美から仲根緑との仲を取り持つ案を聞き、それを受け入れる。
新田は尚美に緑が夫婦連れではないということを教える代わりにその作戦を聞く。ホテルのサービスとしてフラワーアレンジメントやシャンパンを用意する。翌日に実はあなたを気に入っている男性からのプレゼントだったと伝え、緑自身に会うかどうか決めてもらうというものだ。新田はそれを手伝いたいと申し出て、尚美も了承する。そして尚美が花を緑の部屋に運び、プレゼントした。さらに関根がスペシャルディナー2人分とシャンパンを届ける。防犯カメラの映像でやはり仲根緑は夫婦を装って部屋に宿泊していると確信する新田。そして本宮から仲根伸一郎の免許の住所も電話番号も嘘だったと聞く。新田は次のサービスを手伝うことになっていて部屋を訪ねると、緑は躊躇するも部屋に新田を入れてくれた。そして窓から外を見ると目の前のビルに、「welcome to Hotel coltesia tokyo」と出て、そして桜や青い空に虹、花火も浮かび上がる。緑が驚いていると新田は「当ホテルからのサービスです」と言った。緑は映像を見ながら涙を流した。
22時以降の捜査会議では各自報告がある中、新田も緑や浦辺幹夫のことを報告する。終わりごろに稲垣の電話が鳴る。匿名通報ダイヤルにまた密告があった。
ホテルの宿泊部の仮眠室に行くとまだ尚美がいた。そこへ能勢が来る。尚美と3人でビールを開け、話し始める。3年前の今回と似た殺人事件について、被害者と交際していた男性は彼女の部屋に行ったことがない。ロリータ衣装を持っていることも知らなかった。それを聞いて尚美は「女性に他に男がいたから家に入れてもらえなかった」と言った。新田と能勢は女性の観点に感心した。
決戦の日
12月31日
ついにこの日がやってきた。尚美には日下部と緑を会わせるという仕事がある。チェックアウトが落ち着いた昼頃、関根が浦辺幹夫に荷物が届いていると新田に報告。送り主は浦辺の名前、住所は東京になって、チェックインの時の群馬とは違う。品名は書籍となっていて確かに重い。新田が台車に乗せて浦辺の部屋に持っていき、中に運ぶ。ベージュのスエット上下を着ている浦辺の足元あたりに動物の毛がついているのを見つける新田。和泉の職業はトリマーだったことを思いだす。さらに浦辺は自分が参加しないカウントダウンパーティに何人くらい集まるのかを聞いてきた。それも怪しさを増した。
仲根緑の依頼
午後1時。尚美は緑がラウンジに来ると思って待っていたが来ない。そして曽野から声をかけられる。妻がエステで息子は部屋でゲームするというので2時間ほど時間をつぶしたいと言う。三越で野鳥展がやっていることを伝えると喜んで出かけていった。
そこへ緑が尚美のところに来て、お願いがあると言う。ケーキの写真を見せこれを夕食までに用意してほしいという。しかもケーキではなく食品サンプルでと言うのだ。いちごなどのフルーツと龍をかたどったチョコが飾られている。夫が辰年生まれで誕生日だから用意してほしいと言う緑。尚美は困るが引き受けた。大晦日でどこの店もやっていない。写真に似たものがないか尚美は探すことにした。
チェックインの時間になり行列もでき始める。氏原が新田に並んでいる女性の中に曽野の不倫相手がいると言う。派手な毛皮を着た女性で貝塚由里(高岡早紀)という名前で2名で1泊。カウントダウンパーティに申し込んでいた。新田がどう対応するのか氏原に確認すると、なるべく曽根と貝塚を会わせないように注意すると言った。
一方尚美は後輩に頼んでケーキのサンプルを買ってきてもらい、そこからよさそうなものを選んだ。龍もなんとか用意できそうだ。
ロビーではチェックインの客が増えている中、貝塚由里がスマホをもって30分くらい座っている。それを新田が見ていると玄関から曽野が入ってくる。彼は尚美にお礼を言うと、その後由里が話しかける。曽根は驚いて周りをキョロキョロ見渡す。2人が話しながらいなくなると新田が尚美に2人の会話の内容を聞く。2人ともお互いに「なんでここにいるの?」と驚いていたと言う。由里は曽野を待っていたはずだから新田はそれが腑に落ちなかった。
ここで稲垣から連絡が入り本部に行くと、2つの画像がある。和泉の働いてたペットサロンの防犯カメラに浦辺幹夫が写っていた。浦辺の部屋の警備が強化された。
尚美は出来上がったケーキのサンプルを緑に見せると、緑はとても感動し感謝した。そして昨日のサービスがすべて日下部からのもので、ご夫婦に会ってお話したがっているとも伝える。不審そうな顔をする緑だが、まずはご主人と相談なさってくださいと尚美が伝え緑は部屋に戻る。その後、会ってお礼を伝えたいと緑から尚美に連絡がある。場所は緑の部屋で夕食の19時の少し前に日下部が訪ねることになり日下部を案内した。ホッとする尚美だった。
しかし、しばらくして日下部から呼び出される。緑は夫婦で来ていて自分はフラれたと言う。それを隠すのはホテルマンだから仕方ない。でも夫婦で来ている人になぜ2人きりで会わせると自信を持って言えたのか教えてほしいと言うのだ。口を開こうとする尚美に緑が言った。「もう気づいてたんでしょう?仲根伸一郎なんてここには泊まっていないことに」
夫婦を装った理由
本部に呼び出された新田は仲根伸一郎が今年の3月に肺がんで亡くなっていたことを聞く。そこへ尚美から連絡があり新田も緑の部屋に呼び出され話しを聞く。
緑は仲根伸一郎と結婚したかったができなかった。先ほど新田が聞いたように年末に癌が発覚し3月には彼は泣くなった。彼の誕生日にこのホテルの「マスカレードナイト」に参加したかったと話していた。しかし昨年の年末は病室で過ごした。ケーキは昨年に病室でお祝いしたのと同じものがよかったが食べきれないのと、ずっと飾れるものがいいと思いサンプルを頼んだ。と今まで夫婦でいることを演じていた理由を語った。「まだ何か聞きたいことがある?」と言う緑。そして、日下部は「趣味とかまだあなたに聞きたいことがたくさんある」と言った。そして日下部と緑は運ばれてきた2人分のディナーを一緒に食べた。
エレベーターに2人が乗ると、曽野の不倫相手・貝塚由里が乗ってくる。1階で降りてレストランに向かう由里。新田は「あららら」と言う。尚美が何かと聞くと、少し前に曽野の家族がレストランに入っていたので鉢合わせることになると話した。尚美は「女からしたら不倫相手が家族とどう過ごすかみるチャンスですからね。自業自得です。」ときっぱり言った。
犯人の指示
新田のスマホに本部から連絡が入り、2人で3階のパーティが行われる宴会場に向かう。そこには仮装人形がある。「マダム・マスカレード」という愛称で毎年客を迎え入れるらしい。密告者から以下の連絡が入ったのだ。
花は尚美にお願いし、新田は本部に向かう。
本部もあわただしくなる。
仮装をしてパーティに潜入していいのは10人までとホテルからの指示があり従う。新田はそのままの格好で自由に動ける。会議が終わると能勢が話しかけてきた。ブライダルコーナーなら誰もいないのでそこで話すことに。向かう途中で曽野家族と貝塚由里に会う。由里は曽野の妻と楽しそうに話している。まさか妻の友人と不倫するなんてびっくりした新田だった。
能勢の話は、浦辺が和泉のマンションに出入りしていた男ではないと聞き込みで分かったということ。では浦辺はなぜペットショップをのぞいていたのか?恋人なのに家を教えてもらっていなかったとすると、ますます3年半前の事件と酷似する。新田たちを含め本部は、密告者と犯人は金銭の授受という取引をするのではないか?と予想。浦辺は誰かに呼び出され利用されていると考えた。それを浦辺に確かめることになった。
尚美はマダムのグラスに花を飾り付けた。そこへレストランのシェフ大木がくる。プロポーズしてフラれた日下部のことを気にしていたが、尚美が今は緑と食事していると伝える。すると、「昨日の昼カフェで妙子と日下部が一緒にいたのを見たというスタッフがいる」と大木が言う。よりを戻したのかとスタッフは思ったらしい。そのことが引っ掛かり、デスクに戻り妙子の名刺を出し学校名を調べると全く出てこなかった。嘘だったのだ。
午後11時。その30分前に新田と本宮と能勢は浦辺の部屋にいた。和泉との関係を問い詰めると数回会って男女の関係に最近なったと認めた。本名は内山幹夫だった。そして犯人から「和泉と関係をばらされたくなかったら従え」と脅されている。ホテルコルテシアを予約していてそこに泊るよう指示があった。ゴルフバッグは家族に九州に行くと言い訳するため持ってきた。届いた荷物には仮装の衣装と重い鍵のかかったバッグがあり、「午後11時までに着替えて部屋で指示を待て」とメモもあった。バッグには金が入っていて、犯人が密告者に渡すものだと考える新田。内山を脅しているのは犯人だ。
新田がフロントに戻ると氏原がいた。少し前に仲根緑がチェックアウトして新田と尚美にお礼を言っていたと聞く。そこへ曽野が1人だけ先に自宅に戻るとやってきた。車にひどい悪戯をされて警察が被害届を出すかすぐ決めてほしいと言うからという理由だ。曽野は「まいったよ。」と言うが、新田にはそこまで残念がっているようには見えなかった。
「マスカレード・ナイト」スタート
いよいよ「マスカレード・ナイト」が始まった。尚美も赤い仮面をつける。何も起こらないことを願うが、狩野妙子の嘘が気になっていた。日下部はそれを知らなかったのか?知っていたのか?だとしたら日下部はどこまで嘘をついているのか全く分からない。新田に話しかけられこのことを話すか迷っていると日下部から電話があり、パーティが終わったら話したいことがあるから残ってほしいと言われる。電話を切ると新田はもういなかった。
そのころ、ペンギンの仮装をした内山に犯人から指示が入る。2階のブライダルコーナーにバッグをおいて3階の会場へ向かうよう指示されその通りにする内山。新田もそれを見届け会場に戻る。尚美が不安そうな顔をしていたが話す暇はなかった。内山は犯人の指示で会場奥のシャンパンタワーの前で左手を上げる。それからまた指示待ちになった。
尚美に迫る危険
尚美は関西弁の若い夫婦の妻から、ウエディングドレスとタキシードの仮装をしているのでチャペルで写真を撮らせてほしいとお願いされる。パーティの後なら問題ないだろうと先に4階のチャペルに下見に向かう。真暗なので照明のスイッチを押そうとしたその時、背後から衝撃を与えられ口をガムテープでふさがれる。頭から袋をかぶせられ、さらにもう一度衝撃があった。
新田のインカムに情報が入る。ブライダルコーナーにミイラ男の仮装をした人間が現れた。バッグを持ち905号室にバッグを置いてきて、すでに会場に戻っていた。ミイラ男は密告者側の人間だろう。
一方尚美は、気が付くとチャペルに転がされていた。チャペルに誰かが入ってきて、女性のうめく声がした。もう1人尚美と同じ状況の人がいるのだ。犯人はその人と尚美を間違えたのかもしれない。そして胸と背中に何かを貼られ、袋を取られて目を開けると仮面をかぶった人がいる。あごは細くて口元は上品だ。犯人はタイマーを置いて「カウントダウン」と言った。タイマーは残り10分。尚美に電気コードがつながっていて背中から女性につながっている。尚美は新田が言っていた殺人は電気コードを使った感電死だという話を思い出す。犯人は去っていったが、なんとホテルの制服を着ていた。
カウントダウンと犯人逮捕
会場にいる新田は内山もミイラ男にも何も動きがないのを見て怪しいと思い始める。誰もいない4階で何かが起きていると感じ階段で向かう。途中で従業員に会うが不審者として見ているとトイレに入りマイケルジャクソンの仮装で出てきた。その人は会場に入った。もう時間がないとその人物に「お1人ですか?」と声をかけアルゼンチンタンゴを一緒に踊る新田。ついにカウントダウンがされ、年が明け、みんなが仮面を外し始める。新田も目の前のマイケルジャクソンの仮面を外す。すると全く知らない男だった。新田が持っていた仮面をつけてみると、メイクしたように見えなんと仲根緑だった。緑は「カウントダウンはゼロになった。私の勝ちだ。新田刑事、おまえたちの負けだ」と中性的な声で言った。そこでインカムからカメラ動画で男が4階のチャペルから出てきたと聞き、急いで向かう。女性が2人倒れている。急いで電源プラグを抜く新田。1人は尚美でもう1人は曽野の不倫相手の貝塚由里だ。タイマーの時間が合っていなかったのは、犯人が尚美の時計でタイマーを設定したからだ。彼女の祖母の形見なのでよく時間が狂うからだった。なぜそんな時計を使っているのか新田が聞くと「時間が正確すぎると人は余裕をもたない…」と尚美はにっこり笑った。「あなたがプロフェッショナルで本当によかった」と息を吐きだした新田だった。
それぞれの言い分
曽根英太の供述
父の趣味バードウォッチング用のカメラを使い覗きをするのが趣味になっていて、たまたま和泉の部屋を見つけて覗いていた。通学路だったのでマンションに入り604号室ということも確認。すると車から2人が下りてきたのでついスマホで写真を撮った。カメラで覗いていたのが母にばれる。車にあった封筒に「礼信会」と書いてあってそれを調べると相手の男は「モリサワクリニック」の院長だと分かる。母は自分が何とかするからこのことは父にも誰にも言わないよう言われた。
貝塚由里の供述
曽野万智子とは高校の同級生だった。昔共通の友人が妊娠した時、万智子が怒って相手の男に100万要求したことがありびっくりした。疎遠になっていたが万智子たち家族が東京に来たことで再会。新居のお祝いにも行った。万智子から近所の殺人事件の犯人を知っていると相談された。「モリサワクリニック」の森沢光留と言う男で、黙っている代わりにお金を取ろうとしていると分かった。自分も生活が苦しかったためその誘いに乗った。まずは自分が森沢に電話し写真を送った。そして身分を明かすことが条件だという森沢に「マスカレードナイト」で取引することを持ち掛けた。12時を迎えたら仮面を外し免許を見せるというものだった。彼は了承した。だが、由里は警察に密告し、張り込んでもらいお金を受け取ったあと、由里が森沢の仮装を警察に伝え逮捕してもらおうと考えた。しかし犯人からバッグに鍵はしてないから4階のチャペルに行くよう言われ、向かうと衝撃を与えられ目を覚ますと警察に囲まれていた。万智子に騙されたのか?確かに曽野昌明と不倫はしていたが、なぜ私が殺されなければいけないのか?
曽野万智子の供述
由里とは高校の同級生だった。由里と一緒にいれば勝ち組になれた。友人の妊娠の話は、もっとお金を搾り取ろうと言ったのは由里で私はいつも腰ぎんちゃくだった。2年前家を建てた時に由里がお祝いを持ってきた。そこで主人を会わせたのがうかつだった。夫が不倫していると気づいたが、離婚する気はなかった。そんな時息子が写真を撮って殺人犯を知っていることが分かった。由里ならどうするだろうか?と思い彼女に相談した。由里は食いついてきて「お金を請求する。全部私に任せて。」と言った。マスカレードナイトを利用する話も聞いたが、それが夫が不倫しているホテルなのが気になった。そこで夫の携帯のYと登録されている番号に電話すると由里が出た。怒りで体が震えた。そして「あんたはいつも通りあたしの手足として動いてくれればいいから」という由里の言葉を思い出し憎悪は一層膨らんだ。そして森沢に連絡し「自分は共犯者だがあなたは騙されている。警察が張り込んでいてあなたは逮捕される。彼女を殺してほしい」と頼んだ。すると森沢が由里を4階に呼び出し殺害する計画を立てて何度も打ち合わせした。当日由里はピエロのマスクをかぶっていてこの格好で殺されると思うとざまあみろと思った。
内山幹夫の供述
和泉春菜とは公園で出会いそこから何回か会うようになり、男女の関係になった。ただ、家の場所を教えてくれないのと電話がつながらない時があるので他の男がいると疑っていた。ある日電話も出ない、公園にも来ない、職場にもいなかったので心配していると遺体で発見されたと知りショックだった。しかし名乗り出ると不倫がバレてしまうのでそれはできなかった。そんな時犯人から春菜との関係をばらされたくなかったら従えというメールが来て指示に従った。
日下部の正体
尚美は藤木に呼ばれた。体調のことを気遣う藤木。そしてそこには日下部がいた。なんのことか分からずにいると、日下部はホテルコルテシア北米支局の香坂太一と書いた名刺を渡してきた。日下部は尚美がロサンゼルスのホテルにふさわしいかテストしていたのだ。もちろん狩野も仲間だ。素晴らしい対応にもっと試したくなり、仲根緑との仲を取り持つよう言うと素晴らしい提案をされ、尚美は合格し、ぜひロサンゼルスに来てほしいと香坂から言われる。
尚美には新田の顔が浮かんでいた。
犯人の過去と新田の取り調べ
新田と能勢はホテルコルテシアのティーラウンジで笠木美緒という女性と待ち合わせしている。美緒は森沢から殺されずに逃げられた女性だ。男性恐怖症だった美緒は、それがテーマの講演会で隣に座っていた森沢と知り合う。森沢は女装していて牧村緑と名乗った。仲良くなり1か月して自宅に彼女を招いたときに男だということを告白される。性同一性障害?と聞くと、それを超越していると答える森沢。森沢には世羅という双子の妹がいて、子供のころから女装して「姉妹ごっこ」をよくしていた。その仲の良かった妹が21歳の時に自殺した。理由はレイプされて犯人が捕まらないまま噂だけが流れたからだ。森沢は美緒を助けたいと言ってくれて彼を信用した。森沢が家に来るときは女装して、自分もゴスロリの格好をして過ごした。携帯ももたされ行動などもすべて把握され洗脳された。しかし美緒は別の男性と出会い会社も辞め森沢とは縁を切って彼から逃れた。
そしてついに森沢が新田に自供する。
金を運んだミイラ男についてはSNSでハロウィンの仮装をした男に謝礼を用意し依頼した。
仲根緑としてチェックアウトしてから自宅に戻り、マイケルジャクソンの格好をしてかばんにはホテルの制服を持って、再度ホテルに行った。3階の会場に行くと君も山岸さんもいた。森沢は緑として警察の状況を確認するため宿泊した。牧村緑のカードは闇サイトで購入した。そして牧村緑という女性のストーリーを作り演じた。新田の前で流した涙も演技だ。内山幹夫を利用した理由は、警察に最重要人物として彼を徹底マークしてほしかったから。そして2階に行った内山にホテルマンの姿の新田がついているのを見て彼に注意がいっていると確信した。あとは知っての通りだ。
新田が「なぜ2人を殺したのか?」と聞くと「それは言いたくない」と言う森沢。新田は続ける。
あなたは妹さんの面影を彼女たちに求めた。そしてせっかく洗脳して妹の代わりとなった彼女たちが男に気を許したことが許せなかった。だから殺した。あの涙は妹さんのことを思ったんじゃないですか?」と言うと「うるさい黙れ!お前なんかに私の気持ちが分かるもんか!私の神聖な思いが」
「神聖?ただの人殺しだ。それのどこが神聖なんだ」憎悪をむき出しにした森沢が本当の理由を教えてやると叫ぶ。「最初は取引に応じるつもりだったが、警察への復讐をするチャンスだと思った。あんたらはレイプされた妹に根掘り葉掘り聞き、人形を使って何をされたかを聞いた。犯人が捕まると思って妹は耐えた。しかし犯人は捕まらず、さらに刑事に犬にでもかまれたと思って忘れるんだなと言われた。その後に妹は自殺した」「警察が失態をさらせば世羅の復讐のためだ。すべて世羅のためだ…」とそう言って顔をおさえなが膝から崩れ落ち叫んだ。
新田はホテルコルテシア東京に来た。氏原は客としてきた新田を笑顔で迎え手続きしてくれた。自分が新田に仕事をさせなかったせいで犯人が新田が刑事だと気づいたことを気にしていた。「私のミスです次は気を付けます」と反省した。そして部屋はグレードが上がり、仲根緑が宿泊していた部屋だった。そして尚美にも話し、捜査協力に感謝し、尚美も命を助けてくれたことを感謝した。そして新田は尚美を食事に誘い、翌日の夜会うことになった。
意外な犯人に「騙された」の声多数!
最初この本を見た時、けっこう分厚い文庫本だと思いました。
ですが、読み始めたらわくわくハラハラしてどんどん読み進められました。前作からのキャストも多くイメージしやすかったのもあると思います。
【マスカレード・ホテル】の時もそうでしたが、ネットでは「騙された」の声が多く、私も同じ気持ちでした。まさか女性が男性だったなんて、想像もつきませんでした。
読み終わった‼️
率直な感想
・ものすごく騙された😳
・氏原さんごめんなさい(笑)
・昨夜の感動を返して(笑)犯行動機も犯人にも同情はしないが、犯行動機のきっかけとなった妹さんには同情する🤔
今度は「マスカレードイブ」を読もう📗#マスカレードナイト pic.twitter.com/iwkOivvfYi
— HAMA (@anssop5687) May 18, 2021
そして最後には伏線もちゃんと回収されたのでスッキリする終わり方でよかったです。
追加キャストの配役が発表されていませんが、予告動画、原作、公式ホームページを隅々まで見て(笑)分かる範囲で当てはめてみました。
誰が誰を演じているか?映画館でそこを確認するのも楽しみのポイントだと思います!