天国から舞い戻ったダメおやじが繰り広げる、92分の人生やり直し一本勝負!
2021年3月12日(金)よりダニエ‐レ・ルケッティ監督のイタリア映画、『ワン・モア・ライフ』が公開されます。
この作品は、家庭もかえりみず楽しいことを日々追求して過ごす女たらしのダメ親父が、交通事故をきっかけに、自分の人生を見つめ直すというお話です。
天国から舞い戻った男の92分間に何が起こるのか?
この記事では、映画『ワン・モア・ライフ』のキャストやみどころについて紹介します。
映画を観る前の予習になれば幸いです。
それでは、ご覧ください!
映画『ワン・モア・ライフ』の作品情報
映画『ワン・モア・ライフ』の作品情報は下記から。
監督・脚本:ダニエーレ・ルケッティ |
出演:ピエールフランチェスコ・ディリベルト、トニー・エドゥアルト、レナード・カルペンティエーリ |
上映時間:94分 |
制作年:2019年 |
配給:アルバトロス・フィルム |
映画『ワン・モア・ライフ』の監督、ダニエーレ・ルケッティについて
映画『ワン・モア・ライフ』の監督・脚本を担当するダニエーレ・ルケッティ監督は、イタリアを代表する監督で友人のナン二・モレッティの『僕のビアンカ』(1983年)のエキストラ出演を経て、同監督の『ジュリアの当惑』(1985年)の助監督を務めました。
そして、『イタリア不思議旅行』(1988年)で、念願の長編映画デビューし、これまで、『マイ・ブラザー』(2007年)、『ハッピー・イヤーズ』(2013年)、『ローマ法王になるまで』(2017年)などの代表作を監督しています。
日本びいきとしても有名で、これまで映画祭などで5回ほど来日しています。
映画『ワン・モア・ライフ』あらすじ
イタリア、シチリア島。パレルモ港で技師として働くパオロ(ピエールフランチェスコ・ディリベルト)のお楽しみは、交差点を赤信号ですり抜けること。ある日の仕事帰り、いつものように交差点をスクーターで通過中、同じように赤信号を猛スピードで突っ込んできたバンに衝突され、あっさりと即死した。死の瞬間、脳裏によぎったのは愛する妻アガタ(トニー)と子供たちのこと。ではなくて、恋人に告げられた深すぎる一言や、客待ちタクシーの列の謎など、人生の最期に思い出すには取るに足らないことばかり。しかし、そんなことよりも、予想外に短い寿命に納得できないパオロは、死者でカオス状態の天国の入口で「健康のためにジンジャー入りのスムージーを飲んでいたのに!」と役人(レナート・カルペンティエーリ)に食ってかかる。すると、寿命計算システムにデータが反映されていない前代未聞の計算ミスが発覚し、92分間だけ寿命が延長されることになったのだ。
監視役の役人に付き添われて天国のエレベーターで自宅に戻ったパオロは、午後7時20分きっかりにもう一度死ぬという事実は秘密にして、タイムリミット寸前まで家族と一緒に過ごそうと決意する。しかし、普段通りに仕事と家事に忙しそうな妻や娘のアウオラ(アンジェリカ・アッレルッツォ)も息子のフィリッポ(フランチェスコ・ジャンマンコ)も、突然、センチメンタルになったパオロに違和感を感じていた。というのも、パオロは生前、来る者拒まず、後先考えずにママ友や手近なところで火遊びを繰り返しては、家庭サービスを全力で拒否。家族ぐるみで仲のいい友達にも、自分勝手な振る舞いをして呆れられていたのだ。特に思春期真っ盛りのアウオラは、威厳も存在感もゼロの父を毛嫌いしてバカにするほどだった。
身から出た錆とはいえ、家族から相手にされない悲しい現実に打ちひしがれたパオロは、最期の時が迫る中、家族の絆を取り戻すと一念発起。今さら過去の過ちは変えられないが、残された時間で今までよりは少しでも良き夫で良き父だったと偲んでもらえる人間になりたい。しつこくつきまとう役人の監視をかいくぐり、パオロは92分間一本勝負の人生やり直しゲームに挑むのだった。
(引用元:https://one-more-life.jp/)
映画『ワン・モア・ライフ』の舞台となるシチリア島パレルモ
舞台となるパレルモは、イタリア・シチリア島北西部にあるシチリア最大の都市です。
夏が長く冬は短いという温暖な気候が特徴で、車で約15分ほどのモンデッロビーチには、観光客や地元の人達がリゾート気分を満喫しています。
教会や礼拝堂、劇場も有名です。
イタリア最大のオペラハウス・マッシモ劇場は、映画『ゴッドファーザーPARTⅢ』でソフィアコッポラ演じるメアリー・コルレオーネが撃たれて絶命するシーンで使われています。
パレルモから約2時間ほどのパラッツォ・アドリアーノ村は、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のロケ地としても有名です。
あの劇中に流れる音楽、いいですよねー♪
シチリアの暗部を描いた映画。『シチリアーノ裏切りの美学』(マルコ・ベロッキオ監督)
シチリア・パレルモといえば、これまでマフィアのイメージが強い地域でした。
この映画は、イタリア映画界の巨匠マルコ・ベロッキオ監督の作品(2019年)です。
1990年代のシチリアのマフィア撲滅に関わった、トンマーゾ・ブシェッタの人生後半の出来事を描いています。
ちなみに、この映画の脚本は、本作でもダニエーレ・ルケッティ監督と共同で脚本を務めたフランチェスコ・ピッコロによるもの。
シチリアの暗部をコメディタッチに描いた作品『マフィアは夏にしか殺らない』
シチリアマフィアの暗部をコメディタッチに描いたのが、この『マフィアは夏にしか殺らない』(2013年)です。
基本的には、少年の初恋から大人になって憧れの女性を追いかけるコメディ要素の強い映画なのですが、当時起こったマフィアと市民の戦いにも触れています。
この作品の監督・脚本を務めたのが、映画『ワン・モア・ライフ』のダメオヤジ・パオロ演じるピエールフランチェスコ・ディリベルトなんです。
映画『ワン・モア・ライフ』キャスト
ここでは、映画『ワン・モア・ライフ』の主要なキャストについて紹介します。
パオロ役/ピエールフランチェスコ・ディリベルト(ピフ)
パレルモ生まれ。
イタリアでは、”ピフ”の愛称で知られています。
マルコ・トゥリオ・ナジョルダーナ監督の『ペッピーの100歩』(2005年)で助監督を経験後、2013年映画『マフィアは夏にしか殺らない』で監督デビュー、『愛のために戦地へ』(2016年)などの作品があります。
本作、『ワン・モア・ライフ』では、コミカルとシリアスの両面を兼ね備えた味わいのある人物を魅力たっぷりに演じています。
アガタ役/トニー・エドゥアルト
パレルモ出身の歌手であり、女優です。
パオロ・ヴィルズィ監督の『来る日も来る日も』(2012年)では、主演を務め、歌も披露。
パオロ役のフランチェスコ・ディリベルトには、『愛のために戦地へ』(2016年)で、曲を提供しているという間柄。
本作では、その2人が共演しています。パレルモでは同じ学校の卒業生という縁もあり、どんな息の合った演技を展開するのでしょうか?
映画『来る日も来る日も』で歌われている歌、Flowers Blossom♪
こちらが、映画『来る日も来る日も』の劇中で使われていた曲、Flowers Blossom。
どこか、心に響いてくる歌声です。
天国の役人/レナート・カルペンティエーリ
イタリアのサヴィーニャ―ノ・イルビーノ出身の俳優です。
代表作は、パオロタビアーニ・ビットリオタビアーニ監督の『フィオリーレ 花月の伝説』(1993年)、(『ジャンニ・アメリオ監督の『ナポリの隣人』(2017年)、ヴァレリオ・マスタンドレア『彼女は笑う』(2018年)。
今作では、威厳のある風貌ながら、どこか抜けた感じの天国の役人を演じています。
予告編では、主人公のパオロのスクーターの後ろに乗るシーンが出てきますが、天国の役人がヘルメットをかぶりながらスクーターに乗っているなんて、どこかユーモラスです。
映画『ワン・モア・ライフ』のみどころ
ここでは、映画『ワン・モア・ライフ』のみどころを独自の視点で紹介します。
映画を観る際の参考にしてみてください!
映画『ワン・モア・ライフ』は、”いつでも人生はやり直せる”と観た人を励ましてくれる映画♪
ダニエーレ・ルケッティ監督は、前作の『ローマ法王になる日まで』のインタビューでこんなコメントを残しています。
「この映画のなかでは、何度も何度もやり直す人間の姿が描かれているんだけど、法王でも地獄を味わったり、左遷されたりしながらも、人生をやり直す機会が訪れるたびにやり直してきたということなんだ。だから、誰の人生にもそういう可能性があるんだというのを感じて欲しい」
引用: https://www.mashingup.jp/2017/06/062652movie.html
「人間は、人生の中で苦い経験をしても、必ず立ち上がって生きていく力がある!」という思いは、今回の映画『ワン・モア・ライフ』でも共通するテーマなのではないでしょうか?
前作ではローマ法王、今作ではパレルモの庶民にスポットを当てて、もっと身近にこのテーマを取り上げようとしていると推察します。
映画でパレルモの人気観光スポットを旅するのも楽しみの一つ♪
映画『ワン・モア・ライフ』には、シチリア島パレルモの人気観光スポットがたくさん登場します。新型コロナウィルスの影響で、海外旅行に行けずに寂しい思いをしている方は、せめて、映画の中だけでもイタリア旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか?
■待ち合わせの名所 プレートリア広場
■パレルモの胃袋と呼ばれるカーポ市場
■町と海を見渡せるモンテ・ペッレグリーノ
主人公の中年男を演じるピエールフランチェスコ・ディリベルトの演技に注目!
主人公パオロを演じるピエールフランチェスコ・ディリベルトは、俳優・監督業の他、イタリアのテレビでは司会者、放送作家もこなす多彩な役者さんです。
日本でいえば、内村光良さんみたいなイメージでしょうか?
予告編で、天国の入り口で「健康のために毎朝スムージーを飲んでいたのに!」と訴えるシーン。
天国に行くことになるきっかけが交通事故なのに、そこか?と思わずツッコみを入れて笑ってしまいます。
一方で、妻や子供達に「おまえたちともっと一緒に過ごすべきだった」というシーンでは、切なくて、もらい泣きしそうです。
まとめ
映画『ワン・モア・ライフ』のキャスト、みどころについて紹介しました。
家族のことも省みずに自分勝手に過ごしてきたダメ親父は、運命の92分が過ぎ去ったあと、どうなってしまうのでしょう?
パレルモの温かな気候や風、街の景色とともに、素敵なイタリア映画の旅をお楽しみください!
個人的には、イタリアからまた、素敵な映画が誕生した予感がしているんです♪