『She Said』は、2022年11月18日に全米公開を迎える映画です。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』の演技で再び株を上げたキャリー・マリガンと、ゾーイ・カザンが主演する社会派作品。
この『She Said』、かなり注目度が高い映画です。
「#Me Too運動」を社会現象化させた、世界を揺るがした大問題を扱った映画が遂に登場です!
『She Said』は、蔓延るセクハラ問題にメスを投じる1作!
2022年11月18日に全米公開を迎える映画『She Said』。
この予告編が公開されました。
配給はユニバーサルピクチャーズ。
日本公開などに関する情報は、未だ未定。
ですが、この映画『She Said』はアメリカ…いや、世界中で大きな社会現象を巻き起こしたきっかけとなる出来事を描いた作品。
監督は、マリア・シュラーダー。
ドイツ出身の女性で、女優としても活躍する人物。
主演は、キャリー・マリガンとゾーイ・カザン。
物語は実在に起きた出来事をベースにしていて、ことの発端は2017年に「ニューヨークタイムス」紙で報じられたとある暴露記事。
これが、映画界全体を揺るがす大事件として、世界中で社会問題へと発展します。
俗にいう「#Me Too運動」を、活性化させる原因となった問題です。
この映画『She Said』で描くのは、ハーヴェイ・ワインスタインという人物が長年にわたって行なってきたセクハラを暴露する記事を書いた2人の記者を主人公に描く物語になります。
このハーヴェイ・ワインスタインという人物が問題で、ハリウッド並びアメリカの映画界のトップともいうべきとても大きな影響力を持った人物でした。
このセクハラが、長きにわたって明るみに出なかったのは、彼に逆らえば映画界で居場所がなくなる…
その権力に畏れ、被害者達は口をつぐんでいたのです…
そんな圧倒的不利で、協力者がいない中、「ニューヨークタイムス」の記者達は、どのようにしてこの記事を書くに至ったのか…
その努力の所業、その功績を描く作品なのです。
大きな権力に立ち向かう女性達、声を上げることの大切さを描きます。
Carey Mulligan and Zoe Kazan Expose Harvey Weinstein Abuse as N.Y. Times Reporters in ‘She Said’ Trailer
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/she-said-harvey-weinstein-movie-trailer-1235180420/
原作は回顧録
映画『She Said』は、原作があります。
それがアメリカでベストセラーとなった回顧録『She Said: Breaking the Sexual Harassment Story That Helped Ignite a Movement』。
わかりやすく説明すると、セクハラ問題を打ち破った、「#Me Too運動」に火を付けた物語。
この一連の出来事を綴った本、それがこの映画『She Said』の原作となります。
この本を忠実に描いた作品です。
さらには、映画界の最大の権力者ハーヴェイ・ワインスタインだけではなく、大きな権力を持った人物によるセクハラが明るみに出た、いわゆるこれが「#Me Too運動」となり、その出来事の一連のプロセスが書かれています。
この本がリリースされ、各方面で賞賛を集めており、映画化にも非常に注目を集めているのです。
「#Me Too運動」とハーヴェイ・ワインスタイン
まず、この映画『She Said』を知るには、ハーヴェイ・ワインスタインについて知る必要があります。
この人物がどれだけ大きな存在だったのか…
まずは、己を知る前に敵を知る、そんなことから始めてみましょう。
ハーヴェイ・ワインスタインについて
ハーヴェイ・ワインスタインは、兄弟でミラマックスという配給会社を立ち上げます。
これは、現在はディズニーに買収されています。
しかし、それまで数々の名作を生み出している、とても注目度の高い会社でした。
代表的な作品をあげるだけでも、素晴らしい選出眼と映画作りにおいて、ヒットの法則すら知っているのでは?と思えるくらい、良質の作品を手掛けています。
最初はマイナーなインディー系映画を中心に活動します。
しかしすぐに、そこから大ヒットを生み出し始めるのです。
クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』、アカデミー賞作品『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『恋に落ちたシェイクスピア』、この他にも『キル・ビル』などその功績はとても大きい。
日本の作品でもアメリカ配給を担当しており、スタジオジブリなどもかつては手がけていました。
さらには、周防正行監督の『Shall we ダンス?』の世界的ヒットは、まさしくミラマックス社の手腕と言えるものでした。
ミラマックス社は、そんな功績を元に、横暴なやり口でも有名で、気に入らなければ内容を大幅に変更させる改変の強要も有名でした。
その影響は『Shall we ダンス?』にも現れており、海外版は20分以上カットを強いられています。
ミラマックス社を退社したハーヴェイ・ワインスタインは、新たに2005年にワインスタイン・カンパニーを立ち上げます。
ワインスタイン・カンパニーになっても、名だたる名作映画を手掛けており、その手腕は素晴らしいものでした。
代表的なものを挙げればキリがありませんが…
『はじまりのうた』をはじめとするジョン・カーニー作品、その他にも『ミスト』、『フルートベール駅で』など、様々なジャンルの映画を配給したり、製作にも関わったりしています。
それだけ、映画の世界でハーヴェイ・ワインスタインの影響力、そして彼の会社は大きな功績を残した大なる権力を持っていたのです。
「#Me Too運動」
ハーヴェイ・ワインスタインの権力や影響力、これが陥落したのが2017年の「ニューヨーク・タイムス」の暴露記事です。
これを発端として、「#Me Too運動」という社会現象に発展します。
とはいうものの、「#Me Too運動」に関しては2017年以前にも存在していました。
2006年の性的虐待事件を皮切りに、立ち上がった運動です。
しかしこれが世界中で社会現象と化すほどに大きくなったのが、このハーヴェイ・ワインスタインのセクハラだったのです。
映画『She Said』の主人公で、キャリー・マリガンとゾーイ・カザンが演じるニューヨーク・タイムスの記者、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーが数十年にわたって行われていたセクハラの事実を発表します。
この出来事は、いわゆる権力者が行うセクハラの告発を「ワインスタイン効果」と呼ばれるほどに大きくなり、「#Me Too運動」と同様に社会現象となっていきます。
この一件を機に、アメリカ並びに世界中で、権力者達が炙り出されていったのです。
「#Me Too運動」の影響を受けた俳優として、代表的なところではケヴィン・スペイシー、ジェームズ・フランコら。
この件が明るみに出て以降、彼らには出演作はなく完全に干された状態です。
むしろ、訴えられており裁判などで争っています。
件のハーヴェイ・ワインスタインに関しては、現在、刑が確定しており、おそらく残りの生涯を刑務所で過ごすものと見られています。
ちなみに、2022年の時点で70歳となる。
2020年に確定した刑では、禁錮23年が言い渡されています。
これらの問題を暴くきっかけとなった、2017年の「ニューヨーク・タイムス」の暴露記事。
ハーヴェイ・ワインスタインに被害を受けたと名乗り出た女性達は80人を超える。
それを暴いた2人の女性の戦いの物語、それが映画『She Said』で明らかになります。
映画『She Said』
全米公開は、2022年11月18日。
日本公開は未定。