実写映画【進撃の巨人】が何故、あんな評価になってしまったのか…ネタバレ含み徹底解明!

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実写版進撃の巨人1

出典元:IMDb

2015年に公開した実写映画版『進撃の巨人』。
原作ファンの期待を見事に裏切った作品として、最低の評価を獲得した作品です。
この映画は、制作側の苦労がとてもにじみ出た作品でした。
それは、原作者の諌山氏と担当編集2人の仕掛けだったのです。
この作品の裏側にある真実を知れば、もしかしたらその評価が覆る…かも!

実写映画版『進撃の巨人』について

実写版進撃の巨人2
出典元:IMDb

諫山創による漫画『進撃の巨人』を原作とする、2015年に前後編で公開された実写映画化作品です。
それまで低迷していた講談社をたった1作のヒットで立て直したともされる、世界的にも人気のある漫画、それが『進撃の巨人』で、映画化にも大きな期待がされていた話題作。
監督は、『シン・ゴジラ』などを手がけた樋口真嗣が務め、脚本に映画評論家の町山智浩が参加したことでも話題になっていました。
しかし、いざ公開すると原作とは全く異なる設定が大きな批判を浴び、炎上騒動にまで発展します。
さらには、脚本を手がけた町山智浩が創始者となる『映画秘宝』でも、年間ワースト作品に挙げられるほどに酷い内容だったことが、逆に話題になってしまっていた不名誉な作品でもありました。
主人公エレンを三浦春馬、ヒロインのミカサを水原希子、アルミンを本郷奏多が出演し、特に話題になっていたのはハンジ役を務めた石原さとみ。
原作のイメージがそのまま飛び出した完璧な役作りを披露し、女優としての実力を示していました。
この作品が何故こんなにも批判を浴びる結果になってしまったのか…
そしてそれだけではなく、様々な裏話など実写版『進撃の巨人』についていろいろ紐解いていきます。

実写映画版『進撃の巨人』シリーズの作品情報

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN & 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド
原題:ATTACK ON TITAN (PART1) & ATTACK ON TITAN (PART2)
監督:樋口真嗣
脚本:渡辺雄介、町山智浩
原作:諫山創「進撃の巨人」
出演:三浦春馬、水原希子、長谷川博己、本郷奏多 他
公開:2015年8月1日(前篇)、2015年9月19日(後篇)
時間:98分(前篇)、87分(後篇)
興収:32.5億円(前篇)、16.8億円(後篇)

あらすじ

その日、人類は思い出した―。
百年以上前、突如現れた巨人たちに、人類の大半は喰われ、文明は崩壊した―。
この巨人大戦を生き残った者たちは巨人の侵攻を防ぐため、
巨大な壁を三重に築き、内側で生活圏を確保して平和を保っていた。

だが百年、壁が壊されなかったといって、
今日、壊されない保証はどこにもない―。

まだ見ぬ壁外の世界を夢見るエレンは、壁に守られ安穏と暮らす人々に日々苛立ちを募らせていた。 しかし、そんな日常はある日、音を立てて崩れ去る―
想定外の超大型巨人によって壁は破壊され、穿たれた穴から無数の巨人が壁の中へと侵入してきたのだ。 無残に喰われていく人々。響きわたる断末魔。
長年にわたる平和の代償は、惨劇によって支払われることとなった―

それから、二年。活動領域の後退を余儀なくされた人類は、
対巨人兵器、立体機動装置によって武装した調査団を結成。
奪われた土地を巨人から取り戻すべく、外壁の修復作戦に踏み切る。
決死の行軍の最中、巨人の急襲を受け手負いとなったエレンは仲間のアルミンをかばい、巨人に飲み込まれてしまう―

引用元:https://www.toho.co.jp/movie/lineup/singeki.html

実写版『進撃の巨人』が批判を浴びた理由

この映画が批判を浴び理由を挙げていきます。
映画のどの部分が炎上したのか…
細かく挙げていくと、キリがありませんが簡単に各項目を解説していきます。

主要キャラクターたち

本作における主要キャラクターは、エレン、ミカサ、アルミンの3人を指します。
この3人のキャラクター設定が、原作とは大きくかけ離れていました。
まず1番は、ミカサでしょう。
水原希子が演じた役となる女性、ミカサは女性キャラの中でもダントツのNo.1人気を誇るキャラクターです。
このミカサの設定変更は、大きな批判の要因となってしまいます。
原作のミカサは、寡黙で無口でぶっきらぼうで、謎めいた存在です。
しかし映画では、明るく元気な女の子でした。
ミカサの登場シーンで性格がいきなり違うので、当然原作ファンにしたら、いきなりハテナが灯るのは当然だったかもしれません…
そして主人公のエレンについてです。
エレンの怒りの衝動の、最大の原因でもあった母親の死。
これを描いていませんでした。
この描写がないことで、エレンが何故巨人に対してひどく憎んでいるのか…
この紐付けが、非常に甘いのです。
それ故、エレンは漫画の原作とは大きく異なるキャラクター設定となってしまうのでした…

リヴァイ兵長とシキシマ隊長

この実写映画版『進撃の巨人』において、最大の炎上事案というのがリヴァイ兵長が未登場ということ。
『進撃の巨人』という作品は、ある種リヴァイ兵長ありきの作品と言っても過言ではありません。
それだけ圧倒的人気を誇る、代名詞的キャラクターなのです。
その原作の人気を加味して、あえて登場させずにその代わりとなる映画専用キャラクターを作ります。
それが、長谷川博己演じるシキシマ隊長です。
このシキシマは、映画版『進撃の巨人』の重要なキャラクターになるのですが…
やはりリヴァイと同様の立ち位置にいるキャラクターのため、後編の展開に理解出来ない人などからはさらなる批判の対象になってしまうのでした。

とってつけた様なセリフ

大きな批判を集めたのは、キャラクターだけではありません。
原作に登場する象徴的なシーンやセリフにも、対象が集まりました。
原作が好きな人ならば、思わず唸ってしまう台詞や象徴的なシーンもいくつか登場しています。
しかし、その採用の仕方があまりにもお粗末でした。
これもあげればキリがありませんが…
巨人に絶望し、兵士が銃をくわえてで自殺するシーンがあるのですが…
それがあまりに唐突すぎて…謎すぎる場面で登場します。
冒頭に巨人が出現し、まだ状況把握も曖昧な場面で自殺するのです。
巨人の持つ力、恐怖、これからの自分たちの行く末…
それら全てが重なり絶望した結果の自殺なのに…
その名もない兵の無情なる死は、冒頭割と早い段階で登場します。
キャラクターの心情などは描かれず、諦めの経緯なども描かれず。
これでは、その死の意味が何なのか分からず、脈絡が何もないのです。
その他にも、ミカサの「世界は残酷」などの台詞も劇中での使われ方は、あまりに光景が浮かんできません。
ミカサの映画のキャラクター象では、この台詞はあまりにも陳腐に聞こえてしまいます。
原作でも描かれた幼少期の経験を積んでいない以上、それはあまりにも薄っぺらいのです。
こうした原作からの相違点は悪目立ちをしてしまい、その結果大きな批判を浴びる事になりました。

実写版『進撃の巨人』が、あんな評価になってしまったのか…

実写版進撃の巨人3
出典元:IMDb

実写版『進撃の巨人』が、何故あんなに批判を浴びる結果になってしまったのか…
どうしてリヴァイが登場しなかったのか…
エレンやミカサが何故、あんなキャラクター設定になってしまったのか…
その理由を解説します。

原作者、諫山創からのオーダー

まず初めに、何故あんな内容になったのか…
それは原作者である、諫山創からの提案を理解しなければなりません。
原作者の諫山創は、脚本を描く上で協議しながら製作していたことを、脚本を務めた町山智浩が明かしていました。
それは…

  1. エレンのキャラクターに関して
  2. 立体機動装置の扱い

など。これらに関しては、とても難しい改変でしたが原作者の要望を尊重した結果だったのです。
それらについては以下より詳しく解説していきます。

エレンのキャラクターに関して

エレンのキャラクター変更は、原作者の諫山創にとっては、『進撃の巨人』の創作において気がかりのひとつでした。
エレンは、少年漫画の主人公然とした人物です。
勇猛果敢に無理難題にチャレンジしていく、その熱血さはあまりにも眩しすぎるザ・少年漫画の主人公という典型的なもの。
しかし諫山創はそのエレンだと感情移入が出来ないので、より等身大の若者としてエレンを作ることを要求したのでした。
その結果、何も持たないただ臆病な青年、というキャラクター像になったのです。
エレンが臆病な青年、という設定を扱う前提として…
漫画の重要なエピソードを、省かなくてはなりません。
それがエレンとミカサの関係性にも、関わる重要なものでした。
原作において、エレンが勇猛果敢に巨人に立ち向かっていく姿は、幼少期にミカサを救うために人を殺しているため。
要するに恐れるものがないのです、エレンには。
すでに人を殺せるだけの覚悟が備わっており、怖いものが早々に無いため。
その狂気じみた覚悟は、原作では非常に重要な紐付けとして描かれています。
しかし映画では、その経験をしていませんので巨人には恐れるし、逃げ惑うのです。
このエレンのキャラクター設計は、原作者の諌山創たっての希望でした。
さらにはその結果、ジャンがエレンに対して言う”死に急ぎ野郎”の意味合いも変わってきてしまい、より批判を集めてしまいます。
原作では、当然この”死に急ぎ野郎”は、その名の如く、死をも恐れずに巨人に立ち向かっていく熱すぎる性格をジャンが皮肉を込めて、悪口にしたもの。
しかし映画での意味はその逆で、もう死んでもいいという諦めた姿を指したもの。
いってみれば、真逆の意味となっていたのです。

立体機動装置に関して

原作者諫山創の要望は、こんなところにも反映されていました。
立体機動装置の登場の仕方です。
ある意味での『進撃の巨人』の醍醐味でもある、兵士たちが身につける立体機動装置。
これはどの作品にも似た様な装置が登場しない、この作品の唯一無二ともされるアイテムです。
しかし原作者の諫山創は、立体機動装置を使わずに勿体つけて欲しい、と要望を出しています。
結果としてこの提案が、仇となってしまうのでした。
物語に矛盾を生んでしまい、物語のリズムもあまりにも悪くなってしまいます。
見ていてもどかしさしかなく、勿体つけた結果、フラストレーションが溜まってしまうのでした。

リヴァイが登場しない理由

これは物語の大筋に関わってくるのですが、そもそもこの実写版『進撃の巨人』の設定は、日本を舞台にしています。
しかし原作の設定では、ドイツをベースにした物語です。
そこで、そもそもの矛盾が生じてしまうのでした。
製作段階で、日本人でも名乗っている名前を検索にかけたところ、アルミン、ミカサ、エレンはかろうじて見つけたのですが…
どうやっても日本人に置き換えることが不可能な名前である、エルヴィン、リヴァイ、ライナー、ベルトルトなど数名が省かれてしまうのでした。
そしてこれらの設定は後編となる2作目で、大きく関わりがあることが判明します。

映画独自の展開

この映画が作られた2013~14年は、漫画の原作はまだ全然進んでいません。
今でこそエレンの正体や、巨人や壁の謎、それらの全てが明らかになっていますが、脚本執筆時には全くわからないままと言う状況です。
そんな中で、映画で完結して欲しいとの要望を原作者の諫山創から受けていたため、こういった物語になっているのです。
実はこの実写版『進撃の巨人』は、未来の話で人の手によって生み出されたウィルスで巨人になり、パンデミックで増えていった。
その結果、人類は壁を形成しその中で王国を作り暮らしている。
この王国を守るために、政府が全てを企て人類を脅かしていて、外に出させまいとしている
結果として、映画独自の展開になり、『進撃の巨人』としてファンが本当に観たかった物が、一切登場しなかった…
と言うのが、この映画が大きく批判を浴びた理由でした。
しかしそれは原作者の要望でもあり、その制限の中で絞り出した物だったのです。
でもそれならば…
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』と言うタイトルをつけるのではなく、全く別のスピンオフ的なストーリーでやるべきだった…
と思わざるを得ません。
これだったらば…
『進撃の巨人』を映画化する必要性はなかったのではなかろうか…
と、思ってしまいます。
果たして皆様は、どの様な印象を抱きましたか?
この実写版『進撃の巨人』について、あなたはどう見ますか?

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