映画【 デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2】ネタバレオマージュの考察

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出典:IMDb

通称マーダー・ライド・ショーシリーズは、ファイアフライ家「殺人一家」が登場するロブ・ゾンビ監督により製作された作品を指します。

今回はシリーズ第2弾、デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2(2005年)(以下:デビルズ・リジェクト(2005年))になります。

本記事を読むことで、スリー・フロム・ヘル(2019年)の予習・復習をすることが出来ます。

伝説の「殺人一家」が登場するマーダー・ライド・ショーシリーズ第2弾デビルズ・リジェクト(2005年)をネタバレありで解説します。

見所、過去映画からのオマージュ元の考察へと続き、作品を振り返っていきます。

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『デビルズ・リジェクト』ネタバレ

前作は1977年11月1日で終わり、本作は1978年5月18日から始まります。

兄を殺された保安官の復讐劇と、一家の逃亡劇。

ロブ・ゾンビが描きたかったのは、自由意志のぶつかり合い。

保安官の違法な捜査は、正義の名を振りかざした「神の仕事」と冠して、常軌を逸脱していきます。

一方、デビルズ・リジェクト(究極の悪魔)とあだ名された一家。

特に、オーティスは自身を悪魔だと言って、今回も「悪魔の仕事」を完遂。

この対比が、アメリカン・ニュー・シネマの形を借りて語られます。

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あらすじ・ネタバレ

デビルズ・リジェクト2

「殺人一家」ファイアフライ家を数台のパトカーが包囲。

ワイデル保安官が警官隊を率いて、白昼の銃撃戦となります。

ファイアフライ家のルーファスを射殺、マザーを逮捕。

オーティスとベイビーは脱出します。

別の場所で、ファイアフライ家の急襲を知ったキャプテン・スポールディングは、オーティスとベイビーとモーテルで落ち合うことを決め出発。

モーテルに到着したオーティスとベイビーは、5人組のバンド仲間が宿泊している部屋に押し入り、拷問。

スポールディングもモーテルで合流すると、スポールディングたち3人の逃避行が始まります。

一方ワイデルは、勾留中のマザーを尋問し、スポールディングの弟チャーリーの存在と住所を割り出しました。

翌朝、モーテルの部屋にやって来たハウスキーパーが惨殺された死体を発見するも、スポールディングたち3人の姿はありませんでした。

事件を聞きつけ、ワイデルたちも来ますが、彼らの足取りはわかりません。

ここでついにワイデルは、一線を超えてしまいます。

殺し屋を雇い、スポールディングたち3人を追い詰めるため、違法捜査に乗り出します。

スポールディングたち3人は、チャーリーが経営する売春宿でかくまってもらいます。

しかし、チャーリーはワイデルに脅され、ワイデルと殺し屋たちに3人を引き渡してしまいます。

ワイデルは、ファイアフライ家へ向かい、3人を拷問したあと、部屋にガソリンをまいて燃やしました。

そこへ突然タイニーがあらわれて、3人を救出します。

3人を車に乗せたあと、タイニーは1人その場に残りました。

全身傷だらけの3人は、人気の無いハイウェイをオープンカーで飛ばしています。

静かに車をとめると、彼らの視線の先にはパトカーと警官隊が待ち受けています。

3人は血まみれで銃を構え、車を急発進させ、バリケード越しでも容赦なく3人は突っ込んでいきます。

壮絶な打ち合いとなり、3人の生死が不明なまま映画は終わります。

見所(映像・音楽)

デビルズ・リジェクト3

本作で用いられた、ロブ・ゾンビの映像表現・音楽の使い方により、善悪の境界がぐらつく効果が最大限あらわれています。

音楽は、ロブ・ゾンビとタイラー・ベイツのスコアとサウンドトラックの2種類です。

前作では、ロブ・ゾンビの音楽も多く使われていましたが、70年代の表現にこだわり、映画内の時代に合わせて、当時までに作られた曲が厳選。

アバン・タイトルは、バイオレンススローモーション、ノンストップモーションが使用されています。

ファイアフライ家「殺人一家」が平穏に暮らしている中、突如として無数の銃撃が撃ち込まれ一家ははなればなれになり、逃避行が始まります。

オープニングタイトルに入る前に、音楽Midnight Rider(オールマン・ブラザーズ・バンド)がかかり、ここからすでに善悪の区別があやふやになり、映画内に没入。

その後、Shambala(スリー・ドッグ・ナイト)、Brave Awakening(テリー・リード)、Rock On(デヴィッド・エセックス)、Rocky Mountain Way(ジョー・ウォルシュ)などの音楽が使用されています。

そして、対比法(残酷な場面で平和な音楽が流れて、場面が強調される表現方法)が前作に続き、本作でもみられます。

チャーリーが経営する売春宿で、ワイデル保安官と殺し屋たちによる襲撃シーン。

音楽は、To Be Treated(テリー・リード)。

チャーリーが経営する売春宿でのパーティシーンなので、本作で唯一あざやかな色彩が使われ、前作との対比になっている、アップデート版です。

また、前作では画面分割が目立っていましたが、本作では画面切り替えが多用されています。

そして、ラストシーンが圧巻です。

重ねられるフラッシュバックにより、ついに善悪の境界は完全にぼやけ、なぜか3人に傾いてしまいます。

音楽は、Free Bird(レーナード・スキナード)。

高揚感と喪失感が入り交じった不思議な感覚をもたらす、この映画で間違いなく最高の名場面!

エンドクレジットでは、アメリカのどこまでも続くように思わせるハイウェイをひたすら走る映像。

音楽は、Seed Of Memory(テリー・リード)。

たぎった感情をそのままに、もしくはクールダウンさせてくれます。

過去映画からのオマージュを考察・解説

デビルズ・リジェクト4

ロブ・ゾンビはフェイバリット映画として、次の3本をあげています。

・タクシードライバー(1976年)

・時計仕掛けのオレンジ(1971年)

・ゾンビ(1978年)

前作でも70年代の表現にこだわっていたロブ・ゾンビでしたが、本作でもフェイバリット映画の影響が顕著にあらわれています。

ワイデルが鏡に向かってすごむ真似をするトラビスオマージュはタクシードライバー(1976年)から。

モーテルで5人をレイプまがいのいたずらに、殺人で弄ぶアレックスオマージュは、時計仕掛けのオレンジ(1971年)。

また、ゾンビ(1978年)のケン・フォリーが出演。

他にもあります。

アバンタイトルの銃撃戦は、ワイルドバンチ(1969年)。

モーテルの部屋に残した血文字は、へルター・スケルター(1976年)。

尚、このシーンにはへルター・スケルターに出演した、スティーヴ・レイルズバックが警官役のケン・ドワイヤーで出演(クレジットなし)。

逃避行そのものはゲッタウェイ(1972年)。

チャーリーが経営する売春宿でチャーリーの部下クレヴォンとのやりとり、3人が逃避行の末にチャーリーと久し振りの再開のシーン、その際のレイヤのコスプレなどはスター・ウォーズ。

ラストシーンについては、バニシング・ポイント(1971年)&俺たちに明日はない(1967年)。

エンドクレジットはグライド・イン・ブルー(1973年)。

今回は保安官もやべえ奴!新キャラクターたち

ジョン・クインシー・ワイデル

ジョン・クインシー・ワイデル:前作で兄ジョージ・ワイデル警部補を一家に殺され復讐の鬼となり、手段を問わず3人をファイアフライ家を追い詰める保安官。

チャーリー・アルタモント
チャーリー・アルタモント:キャプテン・スポールディングの弟。モーテルで売春業を経営。

ロンドとビリー・レイ・スナッパー
ロンド:ワイデルに雇われた殺し屋(写真:右)。

ビリー・レイ・スナッパー:ロンドの相棒(写真:中)。

クレヴォン
クレヴォン:チャーリーの部下。

『デビルズ・リジェクト』作品情報

デビルズ・リジェクト1

監督:ロブ・ゾンビ
脚本:ロブ・ゾンビ
音楽:ロブ・ゾンビ、タイラー・ベイツ、テリー・リード
出演:キャプテン・スポールディング(シド・ヘイグ)
オーティス・ドリフトウッド (ビル・モーズリイ)
ベイビー・ファイアフライ(シェリ・ムーン)
ジョン・クインシー・ワイデル保安官(ウィリアム・フォーサイス)
チャーリー・アルタモント(ケン・フォリー)
マザー・ファイアフライ(レスリー・イースターブルック)
タイニー・ファイアフライ(マシュー・マッグローリー)
ロンド(ダニー・トレホ)
ビリー・レイ・スナッパー(ダイヤモンド・ダラス・ペイジ)
クレヴォン(マイケル・ベリーマン)
ルーファス・ファイアフライ(タイラー・メイン)※クレジットなし
ケン・ドワイヤー(スティーヴ・レイルズバック)※クレジットなし

公開:2006年9月30日
時間:108分
映倫:R-15
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=PofBuOUlKlw

第1弾マーダー・ライド・ショー(2003年)(以下:前作)の記事でも書きましたが、マーダー・ライド・ショーシリーズについておさらいです。

第1弾が2004年、第2弾が2006年に日本公開されました。

第3弾のスリー・フロム・ヘル(2019年)が10月30日から「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」で、14年振りに日本公開される予定です。

シリーズの監督であるロブ・ゾンビファンやホラー映画好きからは、傑作シリーズ最新作が公開ということで、注目が集まっています。

毎回描かれている、阿鼻叫喚のウルトラ・ハードコア・バイオレンスは強烈です。

前作からは、雰囲気も一変して、ホラーだけでなく重層的な映画となっています。

デビルズ・リジェクト(2005年)は、ざっくりいうと、ファイアフライ家「殺人一家」がぶち殺した警官の弟がこれまたやべえ奴で、殺人一家に復讐を挑む、やべえ奴対決の映画になっています。

超過激なホラー映画でありながら、復讐劇、かつ一家が逃亡するロードムービーでもあります。

デビルズ・リジェクト(2005年)は、物語としては続編です。

しかし、DVDの映像特典でロブ・ゾンビは、続編ではないと語っています。

前作で気に入った役柄を生かして、新たな映画作ったとのことです。

そのため続編ですが、前作のドクター・サタンや、プロフェッサーの話は出てきません。

映画のアバンタイトルのみ、前作に登場しなかったルーファス・ファイアフライも登場します。

演じるのはタイラー・メインで、のちのロブ・ゾンビのハロウィンシリーズでのマイケル・マイヤーズ役です。

代わりに、前作で兄のジョージ・ワイデル警部補を殺された弟の保安官による過激な復讐劇と、一家の逃亡劇が中心となっています。

尚、前作のトリッキーな映像を離れて、雰囲気は一変。

乾いた硬派な作風になっています。

この作風はハロウィン(2007年)にも観る事ができますが、本作と決定的に違うのは、アメリカン・ニュー・シネマの系譜になっている所です。

アメリカン・ニューシネマとは、1960年代後半から1970年代半ばにかけて、それまでのハリウッドが描いていた娯楽作品とは対照的に、反体制的で現実社会を描こうとした映画作品群を指します。

代表作品には、俺たちに明日はない(1967年)、ワイルドバンチ(1969年)などがあります。

硬派な映像、音楽の使い方、過去映画からのオマージュ、新キャラクターに注目です。

まとめ

デビルズ・リジェクト5

いつ観ても面白過ぎます、特にラストシーンはゾワゾワしてしまう鳥肌ものです。

特典映像については前作に比べて、少ないのが寂しいです。

ロブ・ゾンビ監督の作品で興行的に成功したのはハロウィンシリーズ。

ですが、最高傑作はデビルズ・リジェクト(2005年)ではないでしょうか。

デビルズ・リジェクト(2005年)で死んだと思っていた3人が帰ってくる!

スリー・フロム・ヘル(2019年)の公開が待ち遠しいです!

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