映画【前科者】有村架純が演じる罪を犯した者への寄り添い方とは?

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映画『前科者』予告編サムネイル
出典元:映画『前科者』予告編サムネイル

映画『前科者』は、WOWOWで実写ドラマ化された漫画原作の作品です。
その後、2022年1月に映画が公開されています。
有村架純が主演し、森田剛、木村多江らが出演。
犯罪者が収監され、仮出所した際に保護観察となる時の更生の手助けを行う保護司を題材とした作品です。
そんな映画『前科者』を、ドラマ版からの変化と共に、魅力を解説します。

映画『前科者』について

実写化作品の『前科者』は、ドラマも映画も含めて、主に映像化にローカライズされた部分が非常に大きく、原作に沿って忠実に再現されたものではありません。
ドラマでは、設定などは原作のものを踏襲していますが、映画の内容はオリジナルストーリーとなるのも注目です。
ドラマは、WOWOWで放映されていたもの。
2021年に放映され、2022年1月末に劇場版となる本作が公開しています。
有村架純が引き続き主演し、重要なキャラクターとして森田剛が参加。
その他、石橋静河などドラマ版のお馴染みの面々も続投。
監督ら制作スタッフもドラマ版からそのまま続投となる。
映画オリジナルストーリーとして、有村架純が演じる主人公阿川佳代の過去も紐解かれています。
その阿川佳代は、保護司として様々な前科者と交流するヒューマンドラマとなっている。
映画ではある殺人事件が大きく絡み、阿川佳代に大きな試練が訪れる。
ドラマから数年後が舞台の物語。

映画『前科者』の作品情報

監督:岸善幸
脚本:岸善幸
原作:香川まさひと、月島冬二
出演:有村架純、磯村勇斗、若葉竜也、マキタスポーツ、石橋静河、北村有起哉、宇野祥平、リリー・フランキー、木村多江、森田剛
公開:2022年1月28日
時間:133分
公式サイト:https://zenkamono-movie.jp/

映画『前科者』のあらすじ

阿川佳代、保護司としての活動も貫禄が出てきており、あいも変わらずの阿川流で対象者と向き合っている。
無断欠勤をし、辛抱がない対象者でも相手の事を想い、多少強引ではあるもののしっかりと向き合う。
そして仕事も変わらずコンビニ勤務だ。
出勤すると、派手な女性からお父さんの料金のツケを払って欲しいと詰め寄られる。
しかし阿川佳代に、飲み代を踏み倒すような父親はいない。
それもまた、阿川佳代が担当するいい加減な対象者によるものである。
対象者に振り回されながらも、日々を精一杯生きている阿川佳代。
そんな彼女の元に、また新たな対象者がやってくる。
殺人罪で収監され、仮釈放となった男性、工藤誠だ。
久しぶりの外の世界に、牛丼を食べてきてしまう。
阿川佳代は、毎回対象者がやってくる時、牛丼を作って待っているのだ。
それでも工藤誠は、嫌な顔せず阿川佳代の作った牛丼を食べる心優しい男だった。
順調に保護観察期間を過ごし、あと1回となった工藤誠。
無事に仮釈放期間をやり遂げた暁には、工藤が大好きなラーメンを一緒に食べようと阿川は約束をする。
しかし後1回、最後の日に工藤は現れなかったのだ…
そして世間では、同じ時期に警官から銃を奪い、襲われるという連続殺人事件が発生する…
阿川佳代の元に、工藤の行方を調査している警察が訪れるのだが…?

映画『前科者』ドラマ版を経た阿川佳代の成長の証

阿川佳代は、有村架純が演じる主人公の女性キャラクター。
ドラマ版では、保護司として初めてのケースから3人の対象者と向き合う様が描かれています。
映画では、そこから数年後の物語となります。
そんな阿川佳代の視点で、阿川佳代の成長の証となるポイントと併せて、物語の見どころを解説していきます。

トラブル回避能力

ドラマ版では、3人の対象者との交流を描いていました。
斎藤みどり(石橋静香)、石川二郎(大東俊介)、田村多実子(古川琴音)の3人。
特に斎藤みどりは、阿川佳代にとっても最初の対象者とだけあって、彼女の起こす問題に四苦八苦しながら対応していました。
阿川佳代にとって、最初の殺人罪の対象者となった石川二郎。
彼の場合は、さらに難しいケースで色恋をベースに非常に繊細な問題となりました。
しかし阿川佳代は、石川だけでなく周りの人物も含めしっかりと向き合うことで、最悪な状況に至らず解決しています。
そして3人目のケースとなった田村では、保護司として初めて挫折を味わっています。
自己承認力の低い女性、田村が違法薬物に溺れてしまう中で、阿川佳代は彼女の更生の為に尽力しましたが結果、それは叶いませんでした。
ドラマ版で描かれたのは、阿川佳代のそんな最初のケースの3つです。
ここから、数年が経った映画版では、早速阿川佳代の成長した姿が垣間見れます。
無断欠勤してしまう女性を強引ながらも説得し、公正の道へと引き戻し、詐欺罪で捕まった男性にも、しっかり対応する手腕を発揮。
ドラマ版では、まだ拙かった阿川佳代も、映画版ではしっかりとした保護司としてのキャリアを順調に歩んでいることを覗かせていました。

阿川佳代の過去

この映画版で、ひとつの鍵となるのは、阿川佳代の過去です。
阿川佳代が過去に経験した、とある事件が紐解かれます。
この事件が、阿川佳代が保護司としてのスタンスを守る、根幹となる出来事であり、非常に重要なものとして描かれています。
そしてその事件に深く関わる人物とも、思いがけない形で再開するのでした。
その人物も、この事件で人生を左右されており、阿川佳代と同じで深い心の傷となるのですが…
異なるアプローチの仕方をしており、ひとつの事件で負った傷を2人の人物がどう捉え、どう向き合っていくのか…
阿川佳代の保護司としてのポリシーでもあるものが、過去に繋がっていくのでした。

斎藤みどりとの友情

『前科者』のドラマ版でも、印象的な存在感を発揮していた石川静香演じる斎藤みどり。
阿川佳代の保護司としての、最初の対象者だった女性です。
その後、2人は保護観察期間が終了した後に、強い友情の絆で結ばれていくことになります。
それが、ドラマ版では描かれていました。
その関係性は、数年経った映画版でも続いているようで、阿川佳代の自宅に勝手に入ってしまう斎藤みどりという描写で、強い友情関係でいることが明らかになります。
しかし、阿川佳代にもまだみどりに明かしていない秘密があり、相変わらずのズケズケと突っ込む性格のため、軋轢を生んでしまいます。
この友情にもヒビが入りかけてしまうのですが…
そのヒビの修正の仕方にも、しっかりと阿川佳代の成長のしるしが見て取れるのでした。

工藤誠との向き合い方

工藤誠は、あと少しというところで保護観察期間を修了できずに、決まりを破ってしまいます。
阿川佳代は当然、この状況にもしっかり工藤誠に手を差し伸べます。
しかし本来ならば、保護司の仕事としては、最後の面会に現れなかった時点でその役割は終わり、工藤誠の仮釈放は終了し、再び刑務所に入れられてしまうという結果になるはずでした。
しかし行方をくらました工藤誠に、阿川佳代はしっかりと向き合い、再び更生の道へ辿っていけるように尽力するのです。
工藤誠が関わっている事件に、阿川佳代も深く関わりを持ち、そしてらしさを発揮し相手にちゃんと寄り添っていくのです。
もしかしたら、これは成長の証とは言えませんかもしれませんが、阿川佳代らしさは失わずに、ちゃんと貫いている事が格好いい、そしてそれが阿川佳代らしさである事が確認できるのです。

まとめ

本作『前科者』は、事件だけをフューチャーして観ると、実際にはドラマ版を観ていなくとも、十分楽しめる内容になっています。
しかし、斎藤みどりとの関係性や事件との向き合い方などは確実にドラマ版と比較するとその成長の後が垣間見れるものとなっています。
ドラマ版同様に、Prime Videoで観るで鑑賞が可能ですので、是非とも方が好き、有村架純好きならばチェックしてみてはいかがでしょうか?

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