当時、致死率90%(現在は50%)と言われた恐ろしいウイルスであるエボラウイルス。血液や体液との接触により人から人へと感染し、今現在も致命率が高いことで知られている感染症のエボラ出血熱が描かれた【ホット・ゾーン】。
感染症ウイルスの「エボラ出血熱」が、初めてアメリカ本土で確認されることになった恐ろしい事件を記録したリチャード・プレストン氏のノンフィクション「ホット・ゾーン」が原作となって製作されています。
発生から2年以上の時が過ぎた今でも世界中で蔓延しているコロナウイルスを経験している今だからこそ、ぜひご覧になられて再度危機意識を持つことも大切かもしれません。本作のあらすじ&キャストとエピソードガイドをご紹介していきます。
【ホット・ゾーン】とは?
冒頭にもご紹介したように【ホット・ゾーン】は、リチャード・プレストンによる全世界で大ベストセラーになった同名の1994年のノンフィクション本に基づいて製作され、ナショナルジオグラフィックで放映されたアンソロジー ドラマテレビシリーズです。
タイトルにもなっているホット・ゾーン(The Hot Zone)とは、いくつか意味があるのですが、ここでは「身体に悪影響を及ぼすものと接触する危険性が高い区域。感染症の流行地や被爆地などのこと」を差します。
シーズン1である本作では、エボラ出血熱をテーマに描かれておりまして、ワシントンDC郊外の霊長類検疫施設にてサルにエボラウイルスが見つかってしまうことになります。そのことをキッカケにして、当時致死率90%という恐ろしいエボラウイルスのパンデミックを防ぐため、アメリカ陸軍の科学者ナンシー・ジャークスが特殊チームと共に命がけの任務に立ち向かっていく様子が描かれています。
監督はドラマ【マッドメン】、【アメリカン・ホラー・ストーリー】、【glee/グリー】などに参加したマイケル・アッペンダールとNick Murphy。脚本は【フック】【ドラキュラ】、【コンタクト】を手掛けたジェームズ・V・ハート。
主演である科学者ナンシーを演じたのが、ジュリアナ・マルグリーズ。大人気医療ドラマ【ER緊急救命室】(1994年~2000年)に、看護婦長キャロル・ハサウェイとして合計135話出演して、プライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ助演女優賞を受賞。その他にもドラマ【グッド・ワイフ】でゴールデン・グローブ賞テレビシリーズ・ドラマ部門主演女優賞に輝いているジュリアナが主演を演じています。
【ホット・ゾーン】あらすじ
時は1989年。アメリカの首都ワシントンD.C.にほど近いヴァージニア州レストンの研究施設で、フィリピンから輸入されたカニクイザルが大量死するという異常事態が発生。調査を依頼されたUSAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)は、その死因が当時まだ致死率90%と言われた殺人ウイルス「エボラ出血熱」であることを突き止める。1970年代に中央アフリカで発見されたエボラウイルスによる感染症「エボラ出血熱」が、初めてアメリカ本土で確認された衝撃的な事件だった。
その一部始終を克明に記録して話題を呼んだのが、リチャード・プレストン著のノンフィクション本「ホット・ゾーン」。1994年にアメリカで出版された「ホット・ゾーン」は、全米はもとより世界中でベストセラーとなった。そして、長く映像化が待ち望まれていたこの作品を、ナショナル ジオグラフィックが完全ドラマ化。
【ホット・ゾーン】キャスト
それでは、キャストの方々をご紹介していきます。メインキャスト以外につきましては役柄とお名前のみ記事後半にてご紹介していきます。
ナンシー・ジャックス大佐役/ジュリアナ・マルグリーズ
USAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)に勤務する獣医病理学者。
ジュリアナ・マルグリーズ(Julianna Margulies)
1966年6月8日生まれ
ニューヨーク州出身
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お父様は作家、お母様は教師でありバレエダンサーという家庭に生まれだった彼女はサラ・ローレンス大学で美術史を専攻。在学中より演技を始めました。【アウト・フォー・ジャスティス】(1991年)で映画デビュー。1994年から2000年まで大人気テレビドラマ【ER緊急救命室】に看護婦長キャロル役として出演していました。
この作品に合計135話出演し、プライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ助演女優賞を受賞しています。その後、日本でもリメイクされた【グッド・ワイフ】で弁護士・母・妻・嫁という役を演じてゴールデングローブ賞のテレビ主演女優賞(ドラマ部門)を受賞しています。【ミッドナイト・ガイズ】【3人のキリスト】【 ザ・モーニングショー】(シーズン2)などにも出演しています。
ウェイド・カーター役/リーアム・カニンガム
ナンシーの恩師であり、’70年代にアフリカでエボラウイルスの研究に取り組んだ専門家。
リアム・カニンガム(Liam Cunningham)
1961年6月2日生まれ
アイルランド・ダブリン出身
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大人気ドラマ【ゲーム・オブ・スローンズ】(2012年~2019年)のダヴォシ・シーワース役として知られているリアム・カニンガム。中高一貫校を中退後、電気工事士となったのですが、仕事にやりがいを感じなくなって演劇学校に入り俳優なりました。
1992年に映画デビューし、【ドッグ・ソルジャー】(2002年)のライアン大尉役で注目されることに。映画【麦の穂をゆらす風】で、アイルランド映画テレビ賞の長編映画部門・助演男優賞を受賞し経験を持つ実力派俳優さんです。
トラビス・ローズ役/ジェームズ・ダーシー
「エボラ出血熱」対策のため協力するCDC(アメリカ疾病予防管理センター)職員。
ジェームズ・ダーシー(James D’Arcy)
1975年8月24日生まれ
イギリス・ロンドン出身
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ドラマ【エージェント・カーター】(2015年~2016年)でスターク家の執事ジャーヴィスを演じ、映画【アベンジャーズ/エンドゲーム】(2019年)にも同役を演じて知られているジェームズ・ダーシー。
【マスター・アンド・コマンダー】(2003年)や【エクソシスト ビギニング】(2004年)【ダンケルク】(2017年)などにも出演しています。
ジェリー・ジャックス役/ノア・エメリッヒ
ナンシーの夫で、同じくUSAMRIID(アメリカ陸軍感染症医学研究所)に勤務している獣医師。
ノア・エメリッヒ(Noah Emmerich)
1965年2月27日生まれ
ニューヨーク州出身
イエール大学とニューヨーク大学のフィルム・スクールで学んだノア・エメリッヒ。ドラマ【ジ・アメリカンズ】のFBI捜査官スタン・ビーマンとして知られています。1993年に映画デビューし、【ビューティフル・ガールズ】【トルーマン・ショー】【SUPER8/スーパーエイト】【ワンダフル!ウエディング ~結婚できる人できない人~】などにも出演しています。
ピーター・ジャーリング役/トファー・グレイス
ナンシーの同僚であるウイルス学者。
トファー・グレイス(Topher Grace)
1978年7月12日生まれ
ニューヨーク州ニューヨーク出身
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シットコム【ザット’70sショー】(1998年~2006年)に主演でデビューして大ブレイクを果たしたトファー・グレイス。その他にも【スパイダーマン3】のヴェノム役、【インターステラー】【ブラック・クランズマン】【プレデターズ】などにも出演。【オーシャンズ11】【オーシャンズ12】ではカメオ出演しています。
ベン・ヘリス役/ポール・ジェームズ
ナンシーやピーターと共にラボで働く技術者。
ポール・ジェームズ(Paul James)
ワシントンD.C.出身
ドラマ【GREEK~ときめき★キャンパスライフ】のカルヴィン役で注目され、ドラマ【THE PATH/ザ・パス】にも出演していました。その他にも【BONES】(シーズン6)【NCIS:LA~極秘潜入捜査班】(シーズン1)などに出演しています。
その他のキャスト
フランク・メイズ役/ニック・サーシー
バージニア州レストンのヘイズルトン社のサル飼育施設の職員。
ヴァーノン・タッカー大佐役/ロバート・ウィズダム
USAMRIID勤務のナンシーの上司。
ウォルター・ハンボルト役/ロバート・ショーン・レナード
サル飼育施設長。
メリンダ・ローズ役/グレイス・ガマー
アフリカで働く国際支援機構の女性、のちにトラビス・ローズの妻。
カイル・オーモンド大尉役/レニー・プラット
USAMRIIDに配属されたばかりの新人。
【ホット・ゾーン】エピソードガイド
第1話「 襲来 (原題: Arrival) 」
陸軍のナンシー・ジャックス中佐は、夫と2人の子供を持ち、世界でもトップレベルの危険な仕事に就いている。何層もの防護服を着て彼女が入るのは、陸軍感染症医学研究所にあるバイオセーフティーレベル4のラボ。そこで、世界有数の致死性ウイルスを扱うのである。1989年のある日、ワシントン近郊から職場に届いたサンプルを検査する。それは世界で最も致死率の高いウイルスの1つかもしれないと恐怖を抱く。
第2話「 感染 (原題: Cell H) 」
感染したサルの新しい検体をもっと渡してほしいとサルの検疫所の職員を説得したナンシー・ジャックス中佐。自らの車で何とかサルの死体をユーサムリッドへ持ち帰る。そしてジャーリングと共に検体から標本を作り、ついに顕微鏡越しにウイルスと対峙。ウイルスは致死率90%のザイールエボラの検査薬に反応を示した。ナンシーはウイルスの専門家であるウェイド・カーター博士の協力を得て、ウイルスを封じ込めることを決意する。
第3話「 混乱 (原題: Charlie Foxtrot) 」
サルの検疫所で別の部屋にも感染が広がっていると気づいたジャックス中佐。対策を急ごうとするも、近年これほどのウイルスが現れたことがないアメリカには、手順が確立されていない。そんな中、検疫所の職員が倒れてしまう。人間に感染したのではと懸念するジャックスは、各組織の代表に封じ込め作戦の必要性を訴えるが、反対に遭う。反対派の1人、疾病対策センターのトラビス・ローズは、カーターをよく知る人物だった。
第4話「 犠牲 (原題: Expendable) 」
サルの検疫所からようやく許可が下り、これまで誰も経験したことのない危険な任務に挑むことになったナンシー・ジャックス中佐。プロジェクトのリーダーとしてユーサムリッドでのチーム編成に向けて動き出すが、命がけの危険な任務は、家族にも不安をもたらすことになる。家族への思いが人一倍強い夫ジェリーは、妻を守る道を選ぶ。そんな中ナンシーは、師匠のウェイド・カーター博士に、裏の狙いがあるのではないかと考える。
第5話「 隔離 (原題: Quarantine) 」
検査ではエボラウイルスに陽性反応が出たものの、人間の感染者にはサルに見られた恐ろしい症状が現れない。人間とサルで何かが違うのか?その原因を突き止めるべく、ナンシー・ジャックス中佐は、バイオセーフティー・レベル4で精力的に調査を行う。一方、夫ジェリーの率いるチームはウイルスの封じ込め作戦を開始。しかし検疫所で思わぬ危機に見舞われ、チームの中で最も頼りになる隊員が、命の危険にさらされることになる。
第6話「機密 (原題: Hidden) 」
困難を極めるサルの検疫所での制圧任務。ナンシー・ジャックス中佐がチームに合流するも、メンバーの疲労はピークに達していた。危険な現場での集中力低下は命取り。彼らは次々と困難に見舞われる。さらに、記者が現場に現れ、地域住民も陸軍の存在に不安げなまなざしを向ける。危険なウイルスの存在が明るみに出れば、パニックは必至。彼らはこのまま秘密裏にウイルスを封じ込め、アメリカを救うことができるのか…?
まとめ
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現在はワクチン「rVSV-ZEBOV」と治療薬が存在しており、当時ほど脅威は亡くなったエボラウイルス病(エボラ出血熱)。1976年に南スーダン(前・スーダン)とコンゴ民主共和国(前・ザイール)で初めて確認されました。
そんな恐ろしいエボラウイルス病(エボラ出血熱)の実話を元にしたリアルで説得力のある【ホット・ゾーン】では、主人公ナンシーはもちろんですが、本作に登場する多くの登場人物が事件に関わった実在する人物がモデルとなっています。ナンシー・ジャックス夫妻がドラマの制作にも協力しており、当時の正しい情報が描かれていることが伺えます。
日本でも再び感染が広がりつつあるコロナウイルスですが、重症化しないためにも感染しないことが大切なんだと感染が拡大して分かった今。様々な規制も解かれつつある現在だからこそ、自身が感染して大切な人に感染させないようにするためにドラマをご覧になって再度危機意識を持つこともアリかもしれません。
現在本作のシーズン2となる【ホット・ゾーン:アンスラックス】が放送中です。ご興味のある方は、下記サイトもご覧になられてみてください。