近年、様々な働き方が推奨されていますが、今回ご紹介する映画『エクストリーム・ジョブ』もそのひとつ。
解散寸前のダメダメ麻薬捜査班が、ひょんなことから昼はフライドチキン店、夜は潜入捜査官として活動する、副業アクションコメディ映画です!
設定から色々とおかしい、でも面白い!そんな映画『エクストリーム・ジョブ』について、ネタバレありの解説をしていきます。
■映画『エクストリーム・ジョブ』概要
解散の危機に直面した麻薬捜査班が、麻薬組織を挙げるために24時間体制の監視を決意。
そのために、アジト前にあったチキン店を買い取り、カモフラージュのために捜査班がお店を始めると、まさかの大繁盛!
とうとう本業の捜査よりも、副業のチキン業のほうが大成功してしまい…?
韓国では国民食として知られるフライドチキンを題材にした映画『エクストリーム・ジョブ』は、韓国で公開されると半月で1,000万人を超え、歴代興行収入No.1を記録しました。
■映画『エクストリーム・ジョブ』キャスト・スタッフ
映画『エクストリーム・ジョブ』のキャストは以下のとおりです。
- リュ・スンリョン(コ班長)
- イ・ハニ(チャン刑事)
- チン・ソンギュ(マ刑事)
- イ・ドンフィ(ヨンホ)
- コンミョン(ジェフン)
- シン・ハギュン(イ・ムベ)
- オ・ジョンセ(テッド・チャン)
主人公・コ班長を演じるリュ・スンリョンは『7番房の奇跡』や『王になった男』で知られる、韓国の演技派俳優です。
紅一点、チャン刑事を演じたイ・ハニは「ミス・ユニバース世界大会」において、韓国代表として出場した経歴を持つ女優。
しかし『エクストリーム・ジョブ』では、ノーメイクな上に、男勝りな女刑事を熱演!
他にも、頭は悪いが絶対的味覚を持つマ刑事には、マ・ドンソク主演作『犯罪都市』において強烈なキャラクターで出演したチン・ソンギュが出演しています。
監督のイ・ビョンホン(俳優とは別人物)は、日本でもリメイクされた『サニー 永遠の仲間たち』や『過速スキャンダル』の脚本を執筆している人物。
監督作には人気アイドル「2PM」のジュノを起用した『二十歳』があります。
■映画『エクストリーム・ジョブ』あらすじ(ネタバレなし)
コ班長率いるダメダメ麻薬捜査班は、まともに犯人を挙げられないため解散の危機に立たされていた。
職を失いたくないゆえに、後輩に頭を下げて麻薬組織の情報を得たコ班長は、紅一点のチャン刑事、おバカなマ刑事、真面目なヨンホ、情熱だけは凄い若手のジェフンを率いて捜査を開始する。
その情報とは、麻薬組織のボスであるイ・ムベの側近が刑務所から出所し、再び麻薬密輸をはじめていることだった。
情報を元に、アジトを張る捜査班。
しかし、おバカなマ刑事のせいで、近所のおばさんに覗きと誤解されてしまう。
とっさに思いついた捜査班は、アジトの目の前にあったチキン店を見つけ、この近くで開業するために近所を見ていたと言い出す。
後日、チキン店にて張り込みを続ける捜査班だが、店長から店をたたむと言われ困惑する。
崖っぷちに立たされているコ班長は、退職金を前借りして、チキン店を買い取ってしまう。
最初はアジトの連中がチキンを買いに来るのを待っていたが、普通にお客が来てしまい、捜査が進まない。
やがて本当にチキン店を運営せざるを得なくなり、それぞれの役割分担を決めることに。
その結果、マ刑事に絶対的な味覚をあると発覚。
独自に開発したタレにより、チキン店は想像を絶する人気を得た。
コ班長は店長に、チャン刑事はホールマネージャーに、マ刑事は厨房長に、ジェフンは食材の下ごしらえをする下っ端になる。
ただ一人、ヨンフだけが孤独にアジトを張る日々を送っていた。
■映画『エクストリーム・ジョブ』あらすじ(ネタバレあり)
捜査は全然進んでいないのに、チキン店はどんどん繁盛するコ班長たち。
しかし、ギリギリ捜査官としての意識は保っており、マスコミの取材は一切断っていた。
それでも、1人だけ真剣にアジトを見張っているヨンホの応援に、お店が忙しすぎて誰も気づかないなど、明らかに本業に支障をきたしてた。
そんなとき、ついにアジトへチキンの配達をしてほしいと依頼の電話が来る。
万全の捜査準備をして配達に挑んだ捜査官たちだが、注文したのはまったくの別人。
犯罪組織は前日にアジトを去っていたのだ。
捜査はふりだしに戻り、チキン店を営む理由もなくなったことで店舗経営はずさんになる。
その実態をマスコミに流され、とうとうチキン業が捜査本部にバレてしまう。
捜査班は解散され、コ班長たちは職を失ってしまった。
そんなとき、イ・ムベが率いる麻薬組織のチャン室長が、コ班長たちの店をフランチャイズ化し、そこから麻薬を秘密裏に市場へ流すことを計画する。
さらにイ・ムベは、ライバルであるテッド・チャンに共同経営を持ちかけ、自分の麻薬をテッド・チャンに売ることを持ちかける。
まんまと騙されるコ班長たちは、店をフランチャイズ化するも、他の店舗の従業員がゴロツキばかりで、評判が一気に落ちてしまう。
捜査班は店舗の実態を調べるべく、独自に調査を開始。
すると、商品を受け取った客がすぐにチキンを捨てている現場を目撃する。
捜査班たちは、イ・ムベがチキン店を利用して麻薬を流している証拠を発見するが、その途中でマ刑事が拉致されてしまう。
ところが、マ刑事は柔道韓国代表に選ばれた過去を持つ、腕っぷしの強い人物だった。
彼は自力で脱出し、イ・ムベたとテッド・チャンが取引する現場を追う。
コ班長たちも、マ刑事を追って現場に向かうと、そこにはイ・ムベたちの手下が大勢待ち受けていた。
ダメダメ捜査班にはとても敵わない相手…かと思いきや、実は彼らには「真の顔」があった。
マ刑事は柔道の代表選手。
チャン刑事は元ムエタイチャンピオンで、象の首を蹴りで折ると言われる。
ヨンホは元海軍の特殊部隊で、人を殺めたと噂されるほどの実力者。
ジェフンは…元野球部員ゆえに、どれだけ殴られてもヘラヘラしている(韓国では運動部に入ると忍耐強くなるらしい…)
そしてコ班長は、ゾンビと呼ばれるほど不死身。
これまで凶悪犯相手に12回も刺されているのにピンピンしている。
たった5人で大勢の手下を鎮めると、コ班長はボートに乗って逃げるイ・ムベを追い詰める。
満身創痍になりながらも、執念でイ・ムベを逮捕したコ班長。
救急車に乗せられる直前に、実はマ刑事とチャン刑事がデキていると知り、2人が熱いキスを交わすのを尻目に搬送された…。
そして、今回の逮捕劇が評価され、5人はめでたく全員昇進したのだった。
■ノリは軽いが、アクションシーンは見ごたえあり
映画『エクストリーム・ジョブ』の割合はほとんどコメディですが、ラストで5人の捜査官が大勢の敵を蹴散らすアクションは迫力満点です。
なにより、これまで冴えなかった連中が見せる、本気のアクションはギャップも合って爽快感マックス!
とはいえ、手下もヘルシーな鶏肉ばっかり食べているおかげで、筋肉はだいぶ仕上がっているんですけどね…。そういう謎に細かい設定も笑えます。
ほかにも、捜査シーンはコミカルなのに、チキンの料理シーンはスローモーションなどを使うなど、ムダに凝っているのもシュール。
チキンも美味しそうだし、見ていてお腹も空いてきます。
ただ、こうした笑える演出も、全部ラストの壮絶アクションシーンを盛り上げるためと考えると、監督もなかなか手が込んだことをするなと感動を覚えます笑
■二転三転する捜査形態
もうひとつ、映画『エクストリーム・ジョブ』の面白いのは、二転三転するストーリー展開です。
最初は麻薬組織のアジトを張り込んでいたのに、マ刑事の味覚センスにより店が繁盛。
彼らは店を反映させるために、気づかぬうちに全力を注いでいます。
やがて捜査(と店の経営)が失敗したかと思いきや、今度はフランチャイズ化し、評判の悪い店舗を独自に調査します。
もはや何が目的だったのか、見ているこっちが忘れてしまいそうになる展開が続くのです。
普通の刑事モノやミステリー映画なら、脱線なんてご法度。
ですが、映画『エクストリーム・ジョブ』はコメディというジャンルを活かして、脱線もまた面白さのひとつとして、上手く取り入れていました。
展開に退屈することなく楽しめるのも、本作の魅力かもしれません。
■映画『エクストリーム・ジョブ』まとめ
韓国映画の面白いところは、一見ふざけたあらすじに見えても、見てみるとすごく面白い映画だった!ということがよくあります。
映画『エクストリーム・ジョブ』に限らず、あらすじで気になる韓国映画があれば鑑賞することをおすすめします!
特に、映画『エクストリーム・ジョブ』は、韓国映画に馴染みのない人でも十分笑える
要素がたくさんあったので、色んな人に見てほしいです。