フランスのテレビチャンネル「フランス2」で、第1シーズン(2020年3月~4月)と第2シーズン(2021年5月~6月)が放映された【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】。文書係のアストリッドと警視のラファエルというまったくの正反対の女性バディが、協力して難事件を解決するフランス発の犯罪ミステリードラマです。
日本ではAXNミステリーにて2021年5月に第1シーズンが全9話放送され、その後2022年3月に第2シーズンが全8話放送されました。そして、2022年7月24日からNHK総合で、全10話で吹き替え版が放送されることになりました。あらすじ&キャストをご紹介していきます。
- 【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】とは?
- 【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】あらすじは?
- みどころ&驚くようなトリビアが満載!!
- 【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】キャストは?
- アストリッド・ニールセン役/サラ・モーテンセン
- ラファエル・コスト役/ローラ・ドベール
- ニコラ・ペラン役/ベノワ・ミシェル
- アルチュール・アンギャン役/メレディーン・ヤクービ
- カール・バシェール役/ジャン=ルイ・ギャルソン
- テオ・コスト役/ティミ=ージョイ・マルボー
- フィリップ・コスト役/ミシェル・ボンポ
- アンリ・フルニエ役/ハスキー・キハル
- ジュリアン・フレデリック役/ブルース・テソール
- アラン・ガイヤール役/ジョフロワ・チボー
- アンガス・ニールセン役/アリオシャ・イトヴィッチ
- マチルド・ニールセン役/エリザベス・モーテンセン
- ウイリアム・トマ役/ジャン=ベノワ・スーリエ
- ポール・トマ役/ユゴー・エリオット
- タナカ役/アキヒロ・ニシダ
- その他のキャスト
- まとめ
【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】とは?
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直感的で大胆で行動派の警視ラファエルと論理的で繊細な頭脳派の文書係であるものの自閉症であり、対人関係に困難を抱えているアストリッドが犯罪学者として捜査に加わって、絶妙のコンビネーションで難事件を解決するフランス発の犯罪ミステリー作品である【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】(原題:Astrid et Raphaëlle)。
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女性のバディが組んだ犯罪ミステリー作品と言えば、HuluとHBOアジアの初の国際共同製作によって全8話で、世界19か国でHuluにて配信された【ミス・シャーロック/Miss Sherlock】(2018年4月27日から6月15日まで)が、筆者は思い浮かぶのですが・・・。
実はその【ミス・シャーロック/Miss Sherlock】でシャーロック役(故:竹内結子さん)のバディとして「和都さん(わとさん)」こと橘和都役を演じた貫地谷しほりさんが、主人公の1人であるアストリッド・ニールセンの吹き替えの声を担っています。
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そして、ラファエル・コスト役の声を担うのが、林真里花さんです。林さんと言えば、海外ドラマファンならずともご存じであろうあの人気海外ドラマである【24-TWENTY FOUR-】にて、主人公であるジャック・バウアーの事をいつも陰からサポートしてくれるクロエ・オブライエンの声を吹き替えしていることでも知られています。
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【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】あらすじは?
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パリの犯罪資料局に勤める文書係アストリッドは、ずばぬけた知識と論理的な思考を持っている。子どものころに自閉症と診断されたアストリッドが、特に強い興味を持ったのが「パズル」だった。
警察官だった亡き父を通して触れた捜査の調書はアストリッドにとってまさにパズル。示された手がかりを分析、解明していくと、事件の真相が現れるのだ。いまや犯罪科学の専門家の域に達しているが、人づきあいを避けて静かに暮らしていた。
一方、警視ラファエルは、普段は少々がさつなところもあるが、経験と鋭い直感、抜群の行動力で犯人を追い詰める敏腕刑事。ある医師の不可解な死亡事件を捜査中に、アストリッドから誰も気づかなかった過去の類似事件の資料を提供される。
そのたぐいまれな才能に気づいたラファエルは、アストリッドに捜査への協力を依頼。お互いの違いを受け入れ補い合い、友情と信頼の絆を深めながら、力をあわせて難事件を解決していく。
《シーズン1》エピソードガイド
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AXNで放送されたものやオリジナルのドラマは全9話なのですが、今回NHKでは全10話ということですので、若干エピソードがずれるのかもしれません。
エピソード1「Puzzle」
犯罪資料局で働く自閉症のアストリッドは、警視のラファエルに的確な資料を出したことで彼女に気に入られる。警官だった父親の影響を受けたアストリッドは刑事事件の調書や謎解きに人一倍興味を持っていた。その才能を見いだしたラファエルは、事件を一緒に調べてくれとアストリッドをスカウトする。
エピソード2「Hantise 1」
弁護士が法廷の弁論中に急死。鑑識結果で恐怖により心臓が止まったことが判明する。弁護士の車が爆破されたことから、ラファエルたちは捜査を開始する。被害者が最後にかけた電話相手だったリボーの家を訪れたラファエルは、リボーの妻から夫が失踪中だと聞かされる。
エピソード3「Hantise 2」
家の地下室でリボーの遺体を見つけたラファエルとアストリッド。ラファエルはリボーと弁護士を調べるが、2人が同じ大学という接点しか分からない。その後ある記者から、死亡した2人と議員のタルカンが学生時代に同じ政治団体に所属していたことを知る。一方地下室からリボー以外の血痕が見つかる。
エピソード4「Chainon Manquant」
国立自然史博物館で古生物学者のダナ・バレットが死んでいるのが見つかる。死因は溺死だとアストリッドが突きとめる。ラファエルはダナの同業者のピエール・ヴェンクマンに近づき情報を得る。アストリッドはダナの体に彫られていたタトゥーに注目し、それが彼女の何らかのメッセージだと推測する。
エピソード5「Chambre Close」
推理作家のアンリ・フランクールが自宅で服毒死しているのが発見される。警視正は自殺と考えるが、売れっ子だった彼が自殺することに疑問を抱くラファエル。人を避けていた被害者宅に唯一通う編集者が疑われていたが、容疑者ではなさそうだ。アストリッドは、被害者宅に残された最新作に注目する。
エピソード6「Fulcanelli」
パリの地下採掘場跡で若い男性の遺体が見つかる。被害者は1950年代に死亡した時のままの姿で発見される。警視正はコールド・ケースとして捜査するなと命令するが、ラファエルとアストリッドはこっそり捜査を続行。被害者が持っていた指輪に暗号が隠されていることを発見する。
エピソード7「L’Homme qui n’existait pas」
バスの中で電子タバコを吸っていた男が突然死亡する。ラファエル達は、この犠牲者の男の身元がなかなか分からず苦労するが、彼がエコテロリストのグループと繋がっていることが判明。ラファエルは、このグループの指導者で服役中のカッサンドルを訪ねるが、彼女は話をはぐらかしてなかなか答えない。
エピソード8「La Mort et Compagnie」
ウィリアムの兄ポールが亡くなり、アストリッドとラファエルは葬儀に参列する。しかし葬儀の直前に遺体が行方不明になる。ポールはある食品添加物の危険性を指摘する研究を行っており、ラファエルらはその添加物を開発したドクール教授を疑うが、彼も遺体で発見される。
エピソード9「Invisible」
アパートで若い女性の惨殺遺体が発見される。現場には犯人指紋やDNAが多く残されていたことから、事件はすぐに解決する。ラファエルはテオと3日間の休暇を取る。その間に検査結果を再確認したアストリッドは、逮捕された男は犯人ではないのではと思い始める。アストリッドは局長のガイヤールに相談する。
《AXNミステリーより引用》
みどころ&驚くようなトリビアが満載!!
冒頭にもご紹介してきたように、女性二人がバディを組んで難事件を解決していくフランスミステリードラマである本作。普段は父の友人ガイヤールのおかげで働くようになった犯罪資料局に勤務しているアストリッド。自閉症を抱えているためもあるのか、観察力や記憶力はピカ一。
幼い頃からパズルが大好きで、沢山の本を読み難解な謎を解くのも大好きでした。そのため犯罪現場に残されているわずかな痕跡によって、パズルを解くように事件を紐解いていくことになります。
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そんな彼女のバディとなるのが、バリバリの現役警視であるラファエル。正義感が強く、相手が誰かれ構わず行き過ぎる行動もたまにしてしまい上からにらまれたりしたりもします。しかし、とってもフレンドリーで面倒見がよく部下たちからは頼れるアネゴのような存在です。
そんな見た目も性格も全くの正反対の2人が難事件を解決していくうちに信頼と共に絆が生まれていき本当のバディとなっていく様子が見どころです。
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海外ドラマ好きの方であれば、ご存じかもしれませんが・・・。自閉症をテーマにした海外ドラマと言えば、最近のもので有名なのが韓国版が原作の【グッド・ドクター】や、【HANNIBAL/ハンニバル】【TOUCH/タッチ】【ユニークライフ】などが知られていますね。
その言動は、普段私たちが当たり前だと思いつつもなかなか正直に言ってはいけないようなことも素直に受け取って言葉にしてしまうようなところもあったり、コミュニケーション能力や言葉の遅れ、興味がある事への偏りなどの特性がみられます。
そんな自閉症(現在は自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害と言われるようになっています)を抱えた主人公のピュアな言動に当たり前ではあるものの、普段私たちが忘れているようなことが描かれており、ハッとさせられたりドキッとさせられたりするはずです。
2人の女性の過去の姿と共に人として成長していく様子を描きながらミステリー作品としてもしっかりと描かれる部分も見どころが満載です。
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そして、本作にはトリビアが沢山登場します。エピソード1では、研究所や児童精神科医などの名前が映画【ジュラシック・パーク】に登場するアラン・グラント博士らの名前からつけられているそうですし・・・。
国会議員の名前は映画【スター・ウオーズ】のレイア姫やターキン総督からつけられていたりしています。
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現在絶賛公開中の【トップガン・マーヴェリック】の主演であるトム・クルーズが、若い時に出演していた映画【レインマン】に出演していました。その中で、ダスティン・ホフマン演じる自閉症のレイモンドが落ちたつまようじの数を言い当てるというシーンと同じようなシーンも本作の中に登場してきます。
この他にも、「シャーロックホームズ」の小説や、映画【ゴーストバスターズ】などに関連していることも登場します。映画好きにはぜひその点も気をつけながらご覧になっていただけると数倍楽しめる作品となっています。
《参考記事》https://fr.wikipedia.org/wiki/Astrid_et_Rapha%C3%ABlle#Bibliographie
【アストリッドとラファエル 文書係の事件録】キャストは?
それではキャストのご紹介をしていきます。フランスを中心に活動している俳優さんが多く、プロフィールの詳細が分からない方も多いのですが、分かる範囲でご紹介していきます。
アストリッド・ニールセン役/サラ・モーテンセン
自閉症であるものの、パズルが好きで優れた洞察力によってラファエルの手助けをしていくようになって自信をつけていくパリ犯罪資料局の文書係。
(吹替:貫地谷しほり)
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サラ・モーテンセン(Sara Mortensen)
1979年12月10日生まれ
フランス・パリ出身
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テレビシリーズ【Plus belle la vie】(2012年~2019年)でコーラリー役で出演したことで知られているサラ・モーテンセン。視覚芸術家の父と女優のエリザベス・モーテンセンを両親に持っており、演劇教師兼監督でとしても知られていおり、短編映画【Facteurchance】を監督しています。
英語だけでなく、フランス語とノルウェー語にも堪能な彼女は、文学、3つの歴史研究を行って4つの修士号を取得しています。彼女の出演している作品の多くがフランス映画なので、日本では公開されていないものが多いのですが、【フランス絶景ミステリー コレクション】に出演しているので、もしかしたらご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
ラファエル・コスト役/ローラ・ドベール
おおらかな一面もあるのですが、若干ガサツな面も持つパリ警察の警視。夫とは離婚しており、息子は夫の元で暮らしている。
(声:林真里花)
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ローラ・ドベール(Lola Dewaere)
1979年12月4日生まれ
フランス ブーローニュ・ビヤンクール出身
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フランス映画のスターとも言われていた俳優パトリック・ドヴェールと女優ミウ=ミウのご両親もとで生まれ育ったローラ・ドヴェール。【Big Is Beautiful】(2012年)【カウントダウン】(2014年)【LaDernièreVague】(2019年)などに出演しています。
ニコラ・ペラン役/ベノワ・ミシェル
ひそかにラファエルに想いを寄せているラファエルの同期で相棒の警部。
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ベノワ・ミシェル(Benoît Michel)
1988年6月12日生まれ
フランス・リブルヌ出身
【Bright-eyed Revenge】(2016年)、【Anything for Alice】(2014年)などに出演しています。
アルチュール・アンギャン役/メレディーン・ヤクービ
ラファエルとニコラの部下。
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メレディーン・ヤクービ(Meledeen Yacoubi)
【Histoire d’un soir】 (2019年)などに出演しています。
カール・バシェール役/ジャン=ルイ・ギャルソン
(パイロット版のみダニエル・ロベが演じています。)警視正で、ラファエルたちの上司。
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俳優であり、コメデイアンでもある彼は、フランスの作品に多数出演しています。
テオ・コスト役/ティミ=ージョイ・マルボー
ラファエルの小学生の息子。週末はラファエルの家で過ごしている。優秀で飛び級をしたため、学校ではいじめにあっている。
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【夏の断食】(2020年)、【グレース・オブ・ゴッド 告発の時】(2019年)、【今さら言えない小さな秘密】(2018年)などに出演しています。
フィリップ・コスト役/ミシェル・ボンポ
警察関係者でラファエルの父。
ミシェル・ボンポイル(Michel Bompoil)
1959年12月17日生まれ
フランス出身
【コレクション】(2017年)、【愛撫】(2000年)などなど日本ではあまり多数公開はされていませんが、フランスでは数えきれないほども作品に出演している有名な俳優さんです。
アンリ・フルニエ役/ハスキー・キハル
監察医。
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ハスキー・キハル(Husky Kihal)
1961年12月31日生まれ
フランス・リヨン出身
ジュリアン・フレデリック役/ブルース・テソール
アストリッドに想いを寄せる科学捜査官。
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ブルース・テソール(Bruce Tessore)
1974年2月9日生まれ
フランス パリ出身
アラン・ガイヤール役/ジョフロワ・チボー
アストリッドの父の友人であり、後にアストリッドの後見人となる犯罪資料局の長官。
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ジョフロワ・チボー(Geoffroy Thiébaut)
1957年3月16日生まれ
フランス パリ出身
アンガス・ニールセン役/アリオシャ・イトヴィッチ
アストリッドの亡き父で元警察官。
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アリオシャ・イトヴィッチ(Aliosha Itovich)
フランス出身
俳優, 監督, シナリオライターでもある彼は、フランスで高視聴率を獲得したフレンチミステリー【バルタザール 法医学者捜査ファイル】などをはじめとして【Falling Prey】(2016)【Mars IV】(2016)【50 l’amour】(2015)【Tarim le Brave contre les Mille et Un Effets】(2014)【Oh Shit! 】(2012)など沢山の作品に出演しています。
マチルド・ニールセン役/エリザベス・モーテンセン
アストリッドが幼い頃に家を出ているアストリッドの母。20年ぶりにアストリッドの前に現れる。
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ウイリアム・トマ役/ジャン=ベノワ・スーリエ
アスペルガー症候群で、ITと鉄道に詳しいアストリッドが通う自閉症当事者グループ「社会力向上クラブ」のリーダー。
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ジャン=ベノワ・スーリエ(Jean Benoit Souilh)
ポール・トマ役/ユゴー・エリオット
ウイリアムの兄で医師。添加物について研究しており、突然亡くなってしまうことに。調べていくと、彼の死は自然死とは違う展開になっていく。
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ユゴー・エリオット(Hugo Horiot)
1982年8月 3日生まれ
フランス、コートドール出身
タナカ役/アキヒロ・ニシダ
アストリッドが通う食料品店の店主。アストリッドがいつも日本語で挨拶してくれるのが嬉しくて、自閉症について学んだりしている。
20年ほど前からフランスで活躍している日本人のアキヒロ・ニシダさん。様々なフランス映画に出演しています。
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その他のキャスト
- べレジン28(カミーユ・べレジン役/エレノア・フォルシュ
(ウイリアムの恋人で、ハッカー。恋人とは言っても実際には会ったことがなくネット上でだけ付き合いがある。)
- マックス役/クレモン・ラグワール
- アリス役/リジー・ブリン
- ベノワ役/クレモン・ラングレ
まとめ
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現在フランスではシーズン3が2022年4月22日から放送されております。
- エピソード1「Plan global」
- エピソード2「Memento Mori」
- エピソード3「Natifs」
- エピソード4「La Chambre Ouverte」
- エピソード5「Témoin」
- エピソード6「Sang d’Or」
- エピソード7「Les Fleurs du Mal」
- エピソード8「En Souterrain」
まだ日本での放送日は決まっておりませんが、本作をご覧になったらきっと先が気になるはずですよ。ぜひご覧になられみてください。
【基本情報】
- 《原題》Astrid et Raphaëlle
- 《監督》エルサ・ベネット/イポリット・ダール/フレデリック・ベアト
- 《脚本》アレクサンドル・ド・セガン/ローラン・ブルタン