2023年5月3日に公開した、MCU通算40作目(ドラマなどを含む)となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』。今作でジェームズ・ガン監督がMCUから離れ、単独作品としては幕を閉じるガーディアンズシリーズ。個性豊かなメンバーで構成されるガーディアンズ、そんな中でも一際マスコット的存在で輝くのが、木のヒューマノイド「グルート」である。そんなグルートに着目して、これまでのガーディアンズシリーズを振り返る!
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』グルートとは?
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』は、2023年5月3日に劇場公開を迎え、MCUきっての愛されキャラが多数登場する人気作品。これまでは、クリス・プラット演じるスターロードこと、ピーター・クイルを中心に物語が進行してきたが、3作目である今作で初めてロケットの過去が明らかになり、原作のマーベルコミックではお馴染みの、ロケット・ラクーンというフルネームを名乗る過程が明かされる。そして本作では、そのロケットの相棒として、インフィニティ・サーガよりMCUを代表するマスコットキャラにまで成長したグルートを中心にお届け!
原作のグルート
グルートは、木のヒューマノイド。原作では、1960年に初登場を果たす。その当時は、ヴィランのポジション。人間を捕獲して、研究するモンスター。その後2000年代まで、モンスター的な存在だったが、グルートはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーになるなどヒーローになっている。アイ・アム・グルートしか話さないが、唯一言葉の意味を理解するロケット・ラクーンの相棒として、広く愛されている。
グルートは、不死身?
多く語られてはいないが、実はMCUのグルートは、1度死んでいる。1作目のグルートと、2作目以降のグルートは、実は別人格である。1作目のラストに、ロナンの宇宙船がザンダー星に落ちた時、グルートは、ガーディアンズのメンバーを庇い、粉々に砕け散っている。この際、グルートは一旦消滅しているが、砕け散った破片の小さな苗木を拾い、また育て始める。するとそこからまた、グルートが新たに出てきたのだ。要するに、グルートは、全てが燃え尽くされでもしない限りは、ゼロから再生が可能という、ある意味で不死身に近い存在である。
グルート語を理解してみた
グルートは、ロケットいわく、”ボケ”ブラリーが極めて少なく、発する言葉は「私」、「は」、「グルート」、しかない。
劇中、グルートは1作目のラストに、「We Are Groot」(私たちはグルート)と発したのみで、それ以外全ての登場作品で、「I Am Groot」(私はグルート)と発してきた。
その言葉の真意は、相方のロケット、2作目ではガーディアンズのメンバーも関係の性の深さより、グルートの言葉を理解している。
しかしグルートの言葉を理解できない者には、どう頑張っても、「I Am Groot」(私はグルート)しか聞こえないのだ。
しかし『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』まで、グルートの登場作品を何度も、数え切れないくらい観てきた者なら…
グルートの言葉を理解できるのではないか…。
という訳で、グルートの言葉を理解してみた。
ここからは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの各場面の解説となります。
以後、ネタバレが含まれる事をご理解の上、読み進めて下さい。
グルートの言葉を理解する方法
実は、グルートの言葉は、しっかりと何を言っているのか理解することが可能である。
それは、前後の展開、登場人物たちの前後の台詞でそれを理解できるのだ。
概ね、ロケットに関しては、グルートの言った言葉を復唱したり、それに準ずる具体的なリアクションをしている。
それゆえに、しっかりと物語の進行と共に内容を把握していれば、理解することが可能だ。
グルートの言葉:1作目
グルートの言葉を理解する。
ここでは、筆者が改めて見直し、感じたグルートの視点で過去作含め、目に止まったシーンをお届けしていく。
グルートの最初の言葉
グルートが1作目に初登場を果たしのは、ザンダー星。
物語序盤。
モノローグとして、ピーターの幼少期から、スターロードとしてオーブを奪うまでを描く。
オーブは、本来ピーターも所属するラヴェジャーズの仕事だった。
オーブを手に入れ、ブローカーに報酬と引き換えに引き渡すまでの仕事だ。
しかしピーターは、1人抜け駆けして、単独でオーブを奪いブローカーに渡す。
その際、裏にいる人物を知りブローカーは取引を拒否する。
一方でラヴェジャーズリーダーのヨンドゥは、離反したピーターを賞金首にして捕まえる事に。
バウンティハンターだったロケットと、その相棒グルートはザンダー星にて賞金首となったピーターを捕まえる為に現れる。
これが、グルートの初登場である。
グルートは喋らず、噴水の水を飲んでいた。
この光景からも、1作目のグルートはオツムが弱く、おバカキャラであることがわかる。
しかしこの最初のシーンでは、グルートは喋らない。
初めて喋るのは、刑務所のシーンである。
賞金首ピーターを捕まえる為に、ザンダー星で大暴れした結果、ピーター、ロケット、ガモーラ、グルートの4人は刑務所に収監。
そこで、劇中で初めて「I Am Groot」(私はグルート)と発する。
この初めての言葉の意味は、おそらくそのままの意味で、自己紹介をしたと思われる。
私も居る
次にグルートが喋るシーンは、刑務所からの脱獄を計画する発端となる場面。
ガモーラをドラックスから助けるシーンの最後に、オーブを盗んで大金を得ようとガモーラがピーターとロケットに提案をする。
するとそこに、「I Am Groot」(私はグルート)」と発言、そしてロケットが4人だ、ガモーラの3人で山分けという発言を訂正する。
ここでは、ロケットがそのまま復唱していれば、グルートは4人だと発言している。
もしくはグルートの存在を知らせるため、「私も居る」など、そんな意味合いの言葉であることが分かる。
その他、刑務所のシーンではグルートが叫ぶんだり、かなり活躍するので序盤としてもかなり重要なシーンのひとつ。
コレクターとの会話
刑務所から脱獄して、ノーウェアでオーブを売ろうと算段していた時、取引相手のコレクターとの会話の中で、グルートは言葉を発している。
その会話内容は、広い宇宙の中でも、実はかなり貴重な固有種であったグルートは、コレクターからもし死んだら亡骸を譲ってくれと交渉されていた。
お金は今払うから、と言われた後の言葉であることから、コレクターとの会話は、「別にいいよ」など、交渉の快諾をした旨の発言であることが推測される。
それを受けて、ロケットは「お前で椅子を作るつもりだぞ」と注意を促す。
コレクターの異様さ、グルートのお馬鹿さ、お金への執着が描かれているシーンでの一幕。
We Are Groot(私たちはグルート)
物語のクライマックス、ガーディアンズ達はヴィランであるロナン・ジ・アキューザーの戦艦をザンダー星に着陸させない様に最終決戦を行う。
そしていよいよ、ロナンと対峙!を経て、遂に宇宙船はザンダー星へと突っ込む事になる。
そこでグルートは、仲間を守る様にして、自身の身体を広げていく。
その際に、グルートはこれまで「I Am Groot」(私はグルート)としか言ってこなかったが、ここで初めて、We Are Groot(私たちはグルート)と、それ以外の言葉を口にした。
仲間思いのグルートらしいラストシーンとなった。
グルートの言葉:2作目
ここからは、2作目となる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の印象的な場面を振り返っていく!
バカにすんな!
2作目では、グルートは新たに転生した姿、ベビー・グルートで登場する。
小さな子供の姿で、その見た目通りやんちゃな性格へと変貌していた。
1作目では温厚なおバカキャラだったのが、2作目ではやんちゃなおバカキャラになっている。
2作目の最初の言葉は…と言っても聴こえる限りでは「I Am Groot」(私はグルート)ではあるものの…
直後のロケットの言葉で、その意味が理解できる。
おそらく、ガーディアンズ達は何やら敵を待ち構えているだろう事が最初の会話で推測ができる。
その中で、グルートは小さな…1作目の冒頭にピーターがマイクがわりにしていた小動物(正式名称:オルローニ)たちを相手にするグルート。
その姿を見て、グルートは「バカにすんな!」的な意味で「I Am Groot」(私はグルート)と発していることが分かる。
そしてそのシーンの直後に、大きな敵が現れ、グルート視点のシリーズ屈指最高のオープニングシーンがお目見えだ!
帽子は嫌い!
2作目は、ほぼグルートを中心とした作品と言っても過言ではない。
そのくらいに、ベビー・グルートが可愛いし、活躍もする。
とはいえ、このガーディアンズシリーズは、ピーター・クイルが主人公であり、基本的には彼を中心に物語は進行をしていく。
この『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』もメインの主題は、ピーターの父親との関係性が物語の肝となる。
サブクエスト的に、今回はロケットとグルート、さらにはヨンドゥを描くストーリーが展開し、印象的な活躍をグルートは果たす事に。
ヨンドゥの甘さが原因となり、ラヴェジャーズのクルーが造反し、ヨンドゥが囚われてしまう。
それと同時に、ロケットとグルーも同様に囚われ、起死回生の一手がグルートに託されることに。
ヨンドゥのシンボルであるトサカを、船長室からとってくる事になったグルート。
ここから、コントになる。
そして、いい加減呆れたヨンドゥは、ヒントとなるプレートをグルートに手渡す。
このプレートがある引き出しだぞ、という意味だったがグルートは何故かそのプレートを帽子と思い、「I Am Groot」(私はグルート)と発言。
ここから、ロケットと会話をする事になる。
今回は言葉の真意は全て、ロケットが要約している。
帽子が嫌いという会話を繰り広げるが、ヨンドゥに今必要な話か?
と嗜められて物語が進む。
今作では、ベビー・グルートということもあり、「I Am Groot」(私はグルート)以外の音も多く発する特徴がある。とはいうものの、そのほとんどが雄叫びの様なものではあるが‥
その中で、ヨンドゥがフィンを手に入れた後、グルートが的に向かっていく中で、「グルート」と発する場面が存在する。
“ボケ”ブラリー的には、「私」、「は」、「グルート」の3音の為、問題ないが、珍しく単語のみで発しているグルートの姿が存在した。
退屈だ!
リミックスでは、ほぼグルートの活躍が際立った作品といえよう。
クライマックスでも、時限爆弾の装置の設置など、名場面はてんこ盛りだった。
そんな中、物語が終焉を迎えたエンドクレジットシーンでは、ベビー・グルートから大きく成長を遂げた、完全なる反抗期を迎えた少年グルートが登場する。
そこでは、散らかった部屋に入ってきたピーターに向かって、「I Am Groot」(俺はグルート)と発する。
この言葉の意味は、直ぐにピーターが復唱しているので、その意味は簡単だ。
ピーターは、グルートが発した言葉に対して、「退屈なのはお前だ」と返す。
不貞腐れた様な態度をするグルートは、もう完全ある反抗期のそれの様子だ。
そして、次に登場を果たす「アベンジャーズ」シリーズの伏線的意味合いも含まれている。
グルートの言葉:「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」
実質、グルートはサノスにより指パッチンにより、空白の5年間は消えていた、
ゆえに、エンドゲームではグルートはロケットとの再会が1番の目玉である。
しかしその一方で、サノスの指パッチン前となる「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」では特筆すべき活躍を遂げている。それがそーの武器であるストームブレイカーの完成に一役買っている点だ。
このシーンがまさしく、2作目のリミックスのエンド・クレジットシーンでの伏線回収となる場面だった。退屈からの脱却、思春期を迎えたグルートの成長とも言えるシーンとなった。
トイレに行きたい!
インフィニティ・ウォーでのガーディアンズは、リミックス同様に二手に分かれた。
サノスと対峙する、ピーター班と、新たな武器を作りにいくソー班だ。
ソーに同行したのはロケットとグルート。
その最中で、グルートは反抗的な態度でトイレに行くことを要求した。
するとロケットとグルートの会話の中に、なんとソーも入ってきたのである。
なんとソーは、グルートの言葉を勉強しており、恐らく学生時代なのか、学んでいたときの選択科目であることを明らかにした。
初対面でグルートの言葉を理解する数少ない人物が、ソーだった。
自己紹介?
サノスを除いたサノス軍団たちと、ワカンダで相対したキャプテン・アメリカたち。
しかし圧倒的な戦力差、多勢に無勢により、窮地を迎える。
その窮地の中、一筋の大きな光が!
それが虹の橋(ビフレスト)!
ソー、ロケット$グルートが登場し、ピンチを脱する!
そんな争いの最中、ソーがキャプテン・アメリカに新しい仲間の木(グルート)を紹介し、そこで「I Am Groot」(俺はグルート)。
当然、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースは、自己紹介をするのだった。
この場面、一見すると、グルートもその言葉の意味で、自己紹介をしてるかと思いきや…
この直前に、敵を何体も串刺しにしていることから、もしかすると、「どうだ、すごいだろ!」の様な自身の力を誇示するような発言をしている可能性もあるかもしれない。
思春期真っ只中の青年が、あの場で律儀に自己紹介をするのかどうか…
果たしてその真意はどうなのか…知る人はごく僅かな人間である。
そしてグルートは、サノスに指パッチンにより、ロケットの目の前で、一言「I Am Groot」(俺はグルート)と言葉を残してチリと消えてしまう…
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』グルートの最後の言葉(ネタバレ)
いよいよ、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』のグルートについて解説していく。
アベンジャーズシリーズ(インフィニティ・ウォーとエンドゲーム)と映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』の間には、グルートの単体短編作品と『ガーディアンズオブ・ギャラクシー:ホリデースペシャル』がディズニー・プラスで配信されている。
本記事では、この2作品は割愛するが、興味ある方は、是非配信をチェック!
ゴリマッチョへと成長
性格にいえば、初お目見えはホリデースペシャルとなるが、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』のグルートは、すでに思春期を超え、ゴリマッチョの成人の姿へと変貌を遂げている。
この姿からも分かるとおり、グルートは1、2、3、の映画シリーズでは毎回異なる姿で登場しているのだ。
1作目はひょろ長い姿、2作目ではベビーグルート、3作目ではゴリマッチョと、毎回違う姿ではあるが、同一キャラクターという特異な存在である。
グルートの最後の言葉
3作目のグルートも相変わらず、「I Am Groot」(俺はグルート)としか喋らない。
今回登場するガモーラは、ラヴェジャーズの一員でグルートとこれまで長く時間を共にしていない。
エンドゲームで2014年からやってきた、1作目2作目の経緯を経ていないガモーラである。
そのため、グルートの言葉は分からず困惑する姿も見受けられた。
そして、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』のラストで、ついにグルートは、「I Am Groot」(俺はグルート)以外の言葉を喋ったのである。
その言葉とは…「みんな大好きだよ(I love you guys)」。
仲間思いのグルートらしい言葉である。
長い間一緒にいたみんなの言語をついにグルートも覚えたのか…
そして覚えた言葉が、「みんな大好きだよ(I love you guys)」なんて、なんて素敵なんだ!
そう感じた人もいるかもしれない…
しかしこのグルートの言葉、実はそうではない。
このとき、グルートはあいも変わらず、ちゃんと「I Am Groot」(俺はグルート)と発していたのだそう。
監督のジェームズ・ガンがそう発言しており、この仕掛けは、観ている私たちが遂に、グルートの言葉を理解したからそう聞こえたのだという。
このグルートの言葉は、劇中の仲間たちに向けられた言葉ではあるが、ジェームズ・ガン並びに映画制作者たちから、映画を見てくれた人たちに向けた感謝の意味も込められているのかもしれない。
今後、グルートはMCUに登場する?
最後に、今後のガーディアンズの面々は、スクリーンに帰ってくるのか…
それは正直、分からない…
が、映画を見る方に、スターロードの再登場はどうやら決まっているらしい。
ラストの「The Legendary Star-Lord will Return(伝説のスター・ロードは帰ってくる)」というメッセージはまさしく、そういうことだろう。
しかし今後の公開スケジュールには、あるタイトルが含まれている…
『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』
アベンジャーズシリーズの6作目となる『シークレット・ウォーズ』には、原作でいうところの続編に当たるストーリーに、ロケット・ラクーンやグルートも名を連ねている。
映画での、再登場も是非期待したいとろだ。
果たして、またスクリーンで「I Am Groot」(俺はグルート)が聞けるのか…
しかしそれは、まだ……もうしばらく先の話になるのかもしれない。