2021年6月25(金)から台湾のチェン・ユーシュン監督の最新作・映画『1秒先の彼女』が公開中です。主演に台湾で司会者・俳優として活躍するリー・ペイユー、台湾で注目の実力派俳優リウ・グァンティンを起用しています。ワンテンポ早いアラサー女子とワンテンポ遅いアラサー男子が織りなす奇妙な恋愛ファンタジー。観た後に、なんだかほっこりする映画です。
今回の記事では、映画『1秒先の彼女』のあらすじネタバレ、個人的に気になったところをpickupします。
それでは、ご覧ください!
映画『1秒先の彼女』あらすじ
郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い…。
ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートの約束をするも、目覚める となぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった…!?
秘密を握るのは、毎日郵便局にやってくる、常にワンテンポ遅いバス運転手のグアタイらしい。シャオチーは街中の写真店で、なぜか目が見開いている見覚えのない自分の写真を偶然見つけるが…。
人よりワンテンポ早い彼女の消えたバレンタインを巡る物語。…と、ワンテンポ遅い彼のもうひとつの物語。その秘密を紐解いていく先に、誰も見たことのない最高 の《奇跡》が待っている。そして訪れる至福のラストに、きっと誰もが笑い、涙する。引用元:https://bitters.co.jp/ichi-kano/
映画『1秒先の彼女』あらすじネタバレ!
ここからは、映画『1秒先の彼女』あらすじをネタバレしていきます。
人よりワンテンポ早い女性とワンテンポ遅い男性の物語の始まりです。
人よりワンテンポ早いアラサー女子 ヤン・シャオチー
七夕のある日。バス事故の記憶。
1日をなくした。1日が消えた。。
ヤン・シャオチー(リー・ペイユー)は、郵便局の窓口で働くさえない30歳のおひとりさま女子です。若くてかわいい愛され上手な後輩ウェイ(ヘイ・ジャアジャア)に冗談交じりの文句を言いつつ、毎日仕事に励んでいます。
小さい頃から何をするにもワンテンポ早いところがある彼女。
かけっこ、なわとび、プールのスタート、映画を観て笑うタイミング、、
写真撮影の時もワンテンポ早いので、目をつむっている写真しか残っていません。
目覚まし時計のアラームよりも、早く起きてしまう始末。
世間は、あと数日でバレンタインデーです。
仕事で毎日相手にするのは、郵便局に来る風変りな常連客だけ。
元大学教師を名乗る男性、いつも手紙を出しに来る変人。。
郵便局には、素敵な出会いが訪れそうにもありません。
「今年のバレンタインも特に何もないな」
イケメン男性リウとの出会い
ある日。
シャオチーが仕事帰りに公園を通りかかると、ダンスレッスンをやっているのを見つけます。
先生は、イケメン男性です!
隠れた所で、見よう見まねで踊ってみるシャオチー。
そんなシャオチーにイケメン男性リウ(ダンカン・チョウ)が声を掛けてくれます。
「一緒に踊ろう」
他の人とタイミングが合わずに踊るワンテンポ早いシャオチーですが、リウは気にする様子もなく優しくしてくれます。
ダンスが終わった後、シャオチーに声を掛けてくれるリウ。
「健康美人だね」などと、彼女のことをほめてくれるリウに、シャオチーは胸をときめかします。
ウキウキ気分で一人暮らしのアパートに帰り、いつも聴いているラジオ番組をつけると、ラジオDJが言います。
「あと数日でバレンタイン。今年のテーマ〝なくしもの”について投稿して!」
アラサー女子、イケメンにデートに誘われる♪
数日後のある日。
郵便局でいつものように仕事をしていると、イケメン男性リウが窓口にやってきます。
「明日の予定開いてる?」
シャオチーは、即座にOKの返事をします。天にも昇る気持ちです。
当日。
楽しく映画デートをした後に、会話も弾みます。
「明日のバレンタインデーの予定はある?」
とリウに聞かれるシャオチー。
「バレンタインの予定はない。ずっとそうだったの。」
そんな会話をしているときに突然、リウは自分の身の上話を始めます。
「自分は、身寄りがない。今、自分のように身寄りのない5歳の女の子の心臓移植費用を集めているんだけど、足りないんだ!」
突然の打ち明け話にシャオチーは同情し、ある提案をします。
「ある会場で、明日のバレンタインに大会があるの。優勝すると賞金と航空券がもらえるのよ!それに出場しない?」
翌日のバレンタインの大会に出場することを約束して、別れる二人。
「明日、会場で会おうね!」
バレンタイン当日の朝。あれ?バレンタインが終わっている。。
バレンタイン当日の朝、8時。
リウとの待ち合わせを楽しみにバスに乗り込むシャオチーは、高まる気持ちが抑えきれません。
バスの中で過ごす恋人たちも微笑ましく思えてきます。
「楽しみだなー。」
夢?
再び朝がやってきます。
時刻は8時35分。
急いで飛び起きて、バスでバレンタイン大会の会場に着くと、誰も人がいません。
シャオチーは、近くにいた清掃員に尋ねます。
「バレンタイン会場はどこ?」
「え?バレンタインは、昨日でしょ?今日は月曜だよ。」
シャオチーは、わけがわかりません。しかも、なぜか全身が真っ黒に日焼けもしています。
不安になってリウに電話してみますが、電話をしてもリウは出ません。
バレンタインデーが消えた?
近所の写真館を通りかかると、撮った記憶のないシャオチーの写真が飾られています。
「なに?なにが起きたの?」
人よりワンテンポ遅いアラサー男子 ウー・グアタイ
バレンタインが消えた日に、シャオチーの郵便局に顔を腫らして全身日焼けした男、ウー・グアタイ(リウ・グァンティン)が現れます。
彼は、シャオチーの元に毎日のように手紙を出しに来る変人です。
小さい頃から何をするにもワンテンポ遅いところがある彼。
かけっこ、じゃんけん、写真を撮るタイミング。
腕時計の秒針も人より遅いときています。
地震を感じるタイミングも人よりワンテンポ遅い始末。
彼はそんな自分を自分で励まします。
「焦る必要はない。」と。
彼にはある過去があります。
幼い頃、乗った車がバスと衝突して、両親が亡くなってしまった過去。
一人ボッチになってしまった過去。
実をいうと、幼い頃グアタイはシャオチーと出会っていたのでした。
シャオチーの謎解きから見えてくる結末とは?
写真館に取った記憶のない写真を見つけたシャオチーは、その謎を明らかにする行動に出ます。
思えば、自分の周りには、写真以外にも不思議なことが起きていました。
夜、自分のアパートの電気ブレーカーが落ちたときに現れたヤモリが、「あんたの失くしものだ」と渡してきた038番と書かれた私書箱(郵便局内に設置された申し込んだ人にのみ提供される専用郵便箱)のカギ。
全身日焼けして顔を晴らした常連客の変人(グアタイ)の行動。
不思議を解き明かすために、彼女は038のカギが開く私書箱を探す旅に出ることを決心します。
消えたバレンタインデーと日焼けの理由、私書箱に残されたものはなんなのか?グアタイとの関係は?
映画を観ている人は、シャオチーと一緒に謎解きの旅に出かけることになるのです。
そこに待っているのは、どんな景色なんでしょうか?
映画『1秒先の彼女』で個人的に気になったところをpickup!
ここでは、映画『1秒先の彼女』について個人的に気になったところについて記述します。
物語は大きく分けて、テンポの早い女とテンポの遅い男のパートに分かれて展開していきます。
テンポの早いアラサー女子シャオチーが可愛らしい♪
テンポの早いアラサー女子シャオチーの所々で見せる可愛らしさに注目です。
イケメン男性リウに公園でのダンスに誘われるシーン。
離れたところで控えめに踊っている姿がなんともユーモラスなんですが、一生懸命踊っているので応援したくなってしまいます。
自分のアパートに帰り、一人聴くラジオ番組の恋愛話に心躍らせる女子の顔もなんとも可愛らしいものがありました。(放送中のラジオ番組のDJと彼女の部屋がつながり、一緒に会話を繰り広げるアイデアとともに、印象に残るシーンです
テンポの遅いアラサー男子 グアタイのセリフに注目!
テンポの遅いアラサー男子・グアタイが劇中で言うセリフが印象に残っています。
「慌てる必要はない。僕の時間は人より遅く長くなっている気がする。郵便局の貯金と同じ」
この言葉を聞いて、個人的に「そんなに焦る必要はないんだよ。ぼちぼち頑張って」と言ってくれているような気がして勇気が湧きました。
このセリフは、監督のチェン・ユーシュンが自分自身に言っているセリフでもあるんじゃないかと推測します。『熱帯魚』(1995年)と『ラブゴーゴー』(1997年)で監督を務めてから、広告業に身を移しながら16年のブランクを経て2013年に監督業復帰。今回が監督復帰3作目ですが、決して多作ではない監督が様々な経験をする中でたどり着いた心境が、このセリフの中に含まれているのではないでしょうか?
そして、結果として本作品で、第57回台湾アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞の最多5冠を受賞して、”郵便局の貯金”を手にすることができたのです。
もう一つのセリフ「ありがとうさようなら」というセリフにも注目です。
詳しくは控えますが、このセリフが伏線になりますので、どのシーンで出てくるか覚えておいてくださいね!
グアタイの持っているカメラにも注目!
物語の主人公であるテンポの遅いアラサー男子グアタイ。
彼は、テンポが遅いことが原因で友達がいません。唯一の友達は、肌身離さず持ち歩いているカメラ。このカメラ、実はキャノン製という噂が。
6月25日(金)公開の台湾映画『1秒先の彼女』の日本版ポスターのフィルムカメラはCanonet QL17の模様。45mm F1.7という珍しいレンズ搭載。 pic.twitter.com/7iIJ9CF3cn
— ノーシン (@nothin0707) April 28, 2021
このカメラ、1965年にキャノンから発売された小型・軽量化のニーズに合わせて開発されたモデルです。当時の価格では、27,000円(現在の価格に直すと8万円)で売られていたようです。
現在、ネットオークションサイトでは、16,000円ほどの価格で売られています。
台湾でもキャノン製品は人気なのでしょうか?
ダンカン・チョウのイケメンが教えるタイエビダンスが気になる♪
ダンカン・チョウ演じるイケメン男性・リウが公園で教える謎のダンスも気になります。
「みんなタイに行きたい?」
の掛け声とともに始まるダンス。
♪サワディカ 僕はタイエビ♪
♪タイエビ 焼けば香ばしい♪
♪タイエビ タイエビ タイエビ♪
♪タイエビ 煮て焼いて揚げて♪
♪タイエビ 痛風アレルギーは嫌♪
♪タイエビ 釣ればペロリと完食♪
軽快な音楽とタイエビのポーズとともに、みんなノリノリで踊っています。
このダンス、いったい何なんでしょうか?
台湾で流行っているダンス?
チェン・ユーシュン監督が作ったダンス?
映画では、一度、聞いたら耳から離れないこのダンスにも注目してください♪
まとめ
映画『1秒先の彼女』のあらすじネタバレ、個人的に気になったところをpickupしてきました。
テンポの早いアラサー女子シャオチー演じるリー・ペイユーの演技は、初の主役とは思えないコミカルな演技で好感を持てました。30代おひとりさま女子のやさぐれ感と乙女の部分が良く出ていました。今後、様々な映画で彼女の姿を観られる日を期待します!
テンポの遅いアラサー男子演じるウー・グアタイを演じる実力派俳優、リウ・グァンティンの演技も良かったです。彼の朴訥と語る言葉の端々にある優しさに、ほっこりしたのは私だけでしょうか?
ダンカン・チョウ演じる軽いイケメン男性やヘイ・ジャアジャア演じるペイもいいキャラクターでした。その他にもいいキャラクターが登場しますのでチェックしてみてくださいね♪
観た後に、なんだかほっこりする映画。
『1秒先の彼女』は、全国の劇場で公開中です!