2024年2月23日(金・祝日)に公開された映画「マッチング」。
土屋太鳳さんとSnow Manの佐久間大介さん、金子ノブアキさんが出演する「マッチング」は、マッチングアプリに登録したことから始まる恐怖のサスペンス・スリラーです。
この記事では映画「マッチング」のあらすじとネタバレについて詳しく紹介していきます。
映画【マッチング】の概要
監督・脚本 | 内田英治 |
原作 | 内田英治「マッチング」(角川ホラー文庫刊) |
主題歌 | Aimer「800」 |
公式サイト | https://movies.kadokawa.co.jp/matching/ |
- 監督・脚本および原作を手がけたのは内田英治さんです。監督・脚本を務めた「ミッドナイトスワン」(2020)で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞しています。
- 主題歌はAimer「800」です。歌詞とミステリアスな曲調が「マッチング」の世界観にぴったりと合っており、映画の魅力をより引き立てる楽曲となっています。
登場人物
唯島輪花:土屋太鳳
恋愛音痴なウェディングプランナー
永山吐夢:佐久間大介
マッチングアプリを通じて輪花と出会う
影山剛:金子ノブアキ
マッチングアプリ「Will Will(ウィルウィル)」のプログラマー
西山茜:真飛聖
アプリ婚連続殺人事件を追う警部補
堀井健太:後藤剛範
アプリ婚連続殺人事件を追う巡査部長
伊藤尚美:片山萌美
輪花の同僚
美知子:片岡礼子
車椅子の女
唯島芳樹:杉本哲太
輪花の父
節子:斉藤由貴
美知子の世話役
映画【マッチング】のネタバレ
祝福
ウェディングプランナーの輪花(演:土屋太鳳)は、高校時代の恩師であり初恋の相手でもある片岡の挙式をアテンドし、気分が落ち込んでいた。
同僚の尚美(演:片山萌美)に勧められてマッチングアプリのウィルウィルをダウンロードしたはいいものの、出会いに積極的になれない。
父の芳樹(演:杉本哲太)に嫁に行ってほしいかと聞くが、昔から恋愛が苦手なんだから無理することないんじゃないかと言う。
恋愛に消極的なのは、25年前の輪花がまだ幼い頃、母が突然家から出て行ってしまったことに原因があった。
「あなたは幸せになるのよ」
母からの最後の言葉を思い出す。
このままではダメだと輪花はアプリを開いてプロフィール登録を行った。
洗礼
輪花が勤めるナガタウェディングとマッチングアプリのウィルウィルとの共同企画が進行中だった。
近頃、ウィルウィルを利用して出会い、アプリ婚をした夫婦を狙うアプリ連続殺人事件が巷を騒がせている。
そのためアプリの登録者数が減少しているようで、この企画で悪いイメージを払拭したいとウィルウィルの社員は意気込んでいた。
そんなウィルウィルでトム/吐夢(演:佐久間大介)という男性とマッチした輪花は、水族館デートをすることになった。
プロフィール写真では爽やかな笑顔で好青年の印象を受けたが、実際に現れたのはまったく違う不気味な人だった。
悪魔
ウィルウィルとの二度目のミーティングの際、プログラマーの影山剛(演:金子ノブアキ)に吐夢のことを相談すると、吐夢は悪い意味で有名なユーザーだという。
複数のアプリでトラブルを引き起こし、過去には警察沙汰になったこともあるのだとか。
吐夢との水族館デートは早々に解散したが、その後も連絡が途切れることなく届き、輪花は辟易していた。
とある日の早朝、輪花が自宅の庭で洗濯物を干していると、突然吐夢が生け垣の向こうに現れる。
なぜ自宅を知っているのかと怯える輪花に、「影山には近づかない方がいい」と忠告する吐夢。
慌てて家に逃げ込んだ輪花が、警察を呼んでと騒ぐと、見回りをしていた警官が駆けつける。
ところが、吐夢の姿はいつの間にか消えていた。
後日、休みの日に影山と会う。
気持ちが不安定になっていた輪花だったが、影山の「僕が輪花さんを守ります」という言葉にほんのりと安心感が漂い始めた。
しかし、初恋の相手である高校教師の片岡が殺されたという知らせが、輪花の心に暗い影を落とす。
片岡夫婦もウィルウィルを利用して出会ったため、アプリ連続殺人事件に巻き込まれたのだ。
懺悔
家に差出人の名がない封筒が届いていることに輪花が気付く。
封筒の中には、若い頃の父が裸で寝ている写真が入っており、父の隣には輪花が知らない若い女性が写っている。
父を問い詰めると、25年前にインターネットのチャットルームで出会った女性と、不倫していたと告白した。
父は当初、軽い気持ちで関係を持ったが、彼女は本気になってしまった。
彼女との関係に終止符を打とうとしていたが、逆上した彼女が背後から包丁を持って襲い掛かり、父の背中を刺したのだ。
その事件以来、彼女には会っていないと父は語る。
母が出て行ったのは、すべて父のせいだった。
母の最後の姿を見た公園で、影山に父の不倫のことや家族について話す。
影山はその全てを受け入れ、輪花を抱きしめた。
その時、尚美から電話がかかってきた。
吐夢が尚美に接触してきたという。
「今夜うちに来れない?」と尚美は怯えている様子だった。
影山と別れ、言う通りに尚美の住むマンションに向かったが、留守だった。
仕方なくマンションの外に出た途端、上から尚美の死体が落ちてきた。
発狂し、気を失った輪花は警察署で保護される。
尚美を殺した犯人は吐夢だと取り乱す輪花の元に、更に悪い知らせが入る。
父が首吊り自殺をして、亡くなったのだ。
断罪
父の葬儀後、影山が弔問に訪れる。
彼は吐夢のことについて調べ、「父の不倫相手と吐夢は繋がっているかもしれない」と述べた。
影山の案内に従い、車に乗り込み、辿り着いたのは荒れ果てた公営団地だった。
立ち入り禁止になっている建物の部屋に入ると、影山はそこに住んでいた不倫相手の女性とその息子の話を始める。
チャットばかりしていた彼女は輪花の父に恋をし、報われない恋愛に狂っていったという。
そして、その女性というのが影山の母である、影山節子だった。
影山が輪花に近づいたのは復讐のため。
全てを話し終えた影山が包丁を輪花に振りかざしたそのとき、吐夢が現れて輪花を助けだした。
聖母
影山は逮捕された。
しかし、吐夢から「まだ終わっていない」という連絡が入る。
吐夢に連れてこられたのは節子がいる場所だった。
そこにいたのは車椅子に乗る女性と、彼女をお世話しているエプロン姿の女性。
輪花は節子と思われる車椅子の女性の正面に立ち、父の不誠実な行いを謝罪するが、彼女は目の焦点が合わず反応もない。
すると、車椅子の後ろに立つエプロン姿の女性が笑い出した。
「……あなたが、節子さん?」
節子は車椅子の女性ではなく、エプロン姿の女性。
車椅子の女性は25年間前に拉致された輪花の母だった。
節子が隠し持っていた刃物を振りかざしたとき、再び吐夢が庇って助けてくれた。
節子は逮捕され、輪花と母はまた一緒に暮らし始める。
輪花と吐夢はもう一度、水族館デートしようと約束をした。
結末
影山はアプリ連続殺人事件の件で事情聴取を受けていたが、彼が殺したのは片岡夫婦と尚美のみだと言う。
そして、警察のもとに夫婦が殺害されたという報告が入った。
ウィルウィルを利用して出会い、アプリ婚した夫婦だ。
血の付いたカッターナイフを洗う吐夢の姿が映し出され、物語の幕を閉じる。
映画【マッチング】の感想
歪んだ愛に囚われた人たちに振り回される輪花が、本当にかわいそうでした。
マッチングアプリさえ始めていなければ、こんな事態に陥らなかったのに……と絶望してしまいました。
しかし、輪花の父親が不倫していた25年前から、すでに悲劇は始まっていたんですよね。
そして、土屋太鳳さんの泣き叫ぶ迫真の演技に、物語に一層引き込まれました。
最後に
原作の小説では様々な人物の視点でこの物語が語られています。
吐夢の過去や犯行動機など、映画では語られなかったところもあるので、ぜひ映画と一緒に小説も読んでみてください!
記事内画像出典:映画「マッチング」公式HP