映画『RUN/ラン』をネタバレ含み解説!
ここからは、映画『RUN/ラン』の内容について、詳しく紹介していきます。
公開前の作品ですので、知りたく無い方などは観賞後に読んでいただくことを推奨します。
映画『RUN/ラン』のあらすじを詳しくネタバレ!
ダイアンとクロエ
ダイアンは17年前、出産をしていました。
その子供はクロエ。
しかしクロエは、早産で不整脈、血色素症、喘息、糖尿病、などの複数の病を抱えとても危険な状態です。
それから17年後、クロエは大学の合格通知を待つ女子高生の年齢にまで育っていました。
しかし病は治らず、母親のダイアンによる献身的なサポートを受けながらもお互いに気遣うとてもいい親娘の光景。
クロエは、糖尿病のためおやつもしっかり管理され、母親から少しのチョコレートをもらい食べています。
そんな最中に見つけた、とある薬。
緑色のカプセルの薬は、なぜかクロエではなくダイアンの名前で処方箋が出ていました。
不可解に思ったクロエは、ダイアンに尋ねます。
しかし、ダイアンははぐらかし、クロエが知りたかった情報は得られません。
緑色のカプセルの正体
緑色のカプセルの正体を知ろうとするクロエ。
夜中にこっそりとPCで調べようとするも、インターネットにつながっておらず、情報を得ることができません。
母親のダイアンは、この緑色のカプセルの薬をトリゴシンと言っていました。
不信感を抱いたクロエは、この緑色のカプセルの薬を呑む事をやめ保管することに。
母親の部屋にある電話で、クロエは必死になってトリゴキシンという薬について尋ねます。
すると、このトリゴキシンという薬は本来赤いカプセルであるという事実が判明するのでした。
親娘はある日、映画館にいきます。
クロエは映画を観たいといい、2人でやってきたのでした。
上映途中、クロエはトイレに行くといい、映画館を抜け出し近くにある薬局に向かいます。
そこで、この緑色のカプセルの正体を知るのでした。
母親からはトリゴキシンは心臓病のクスリと聞かされていたのですが、その正体は筋肉の強ばりを緩和する薬であり、ある特殊な病気の場合のみ用いる薬だった事を知ります。
その薬を健常者が服用すると、副作用に足の麻痺などを引き起こす可能性があるなど、クロエの症状がまさに該当するものだったのです。
母親のダイアンによって飲まされていたこの薬は、本来クロエには服用する必要がなかった薬であることが、この瞬間に示されるのでした。
このショッキングな事実に、クロエはショックを受け、過呼吸に陥ります。
そこに現れた母親ダイアンは、クロエに鎮静剤を打ち眠らせ、自宅へと運ぶのでした。
クロエの脱出
クロエは、目が覚めると自室にいます。
しかし、外側から鍵がかけられ軟禁状態。
クロエの機転で、窓から屋根傳に自室の軟禁状態から抜け出すと、母親の車が無いことから部屋には自分1人と推測し、すぐに脱出を図ります。
そこにいつも来る荷物の宅配員がやってきて、彼に助けを求めるクロエでした。
しかしダイアンは、その光景を目撃すると、鎮静剤を宅配員に刺し気絶させ、クロエを自宅へと引き戻します。
クロエの脱出は、失敗に終わってしまいます。
結末
クロエは、地下室にいます。
そこで、母親のダイアンだけではなく、自身にまつわる衝撃の真実を知ることになります。
地下室にあった真相、それは、クロエの出生の秘密。
17年前、ダイアンはクロエとを出産していました。
しかし、早産で様々な病気を抱え、生まれて間も無くして亡くなっていたのです。
それがクロエ。
では、現在の17歳となったクロエは、何なのか…
それは、ダイアンはクロエを失った悲しみに耐えきれず、別の新生児を誘拐し、その子をクロエとして育てていたのです。
誘拐してきた新生児は当然、健康的な子供です。
しかしダイアンは、長い時間薬物を投与し、自身が産んだクロエと同じ状況を作り出し、育てていました。
あまりにも狂気じみた、ダイアンの行い。
その事実を知ったクロエは、ダイアンの束縛からの脱出を図ります。
それは、ダイアンがクロエにする為に周到に計算された薬物たち、これを使って自殺を図ったのです。
その結果、クロエは病院に運ばれ、これまでのダイアンの行いを明らかにすべきだと身を挺して争います。
病院で、ダイアンは強行策に出ます。
クロエを攫い無理矢理家に連れて帰ろうとしますが、駆けつけた警備員にダイアンが打たれ、一連の騒動がついに決着。
7年後、クロエは大学の医学部を出て、とある収容施設へと向かいます。
そこには、ダイアンが居ました。
クロエは、まだ強く麻痺が残るものの、杖をついて歩けるほどには回復していました。
ダイアンは、肩を打たれ階段に転落した影響で、体が不自由になっています。
面会時間の終了が近づく中、クロエはダイアンに隠し持っていた緑のカプセルの薬を取り出し口を開けてと言うのでした。
それは、かつて同じようにダイアンがクロエに飲ませていた、トリゴキシンだったのです。
ここで、クロエによるダイアンへの復習がはたされていることが明かされ、物語は幕を閉じるのでした。
映画『RUN/ラン』の元になった事件とは?
映画『RUN/ラン』には、元になった実在の出来事があります。
この出来事は、Huluでは『The Act』としてドラマ化している事件です。
ちなみにHuluで視聴できるのはアメリカのみで、日本ではApple TVやAmazonプライムビデオの有料チャンネル、「STARZPLAYチャンネル」から『見せかけの日々』と言うタイトルで全10話のドラマとして配信されています。
このドラマは、母親がボランティアによる寄付金など、お金を貰うため、実の娘を薬物で大病を患っているように見せかけていたと言う、実在の出来事を元にしています。
トリゴキシンは実際にある?
映画『RUN/ラン』の劇中で非常に重要な鍵となるアイテム、緑色のカプセルのトリゴキシンという薬。
この薬は、もちろん映画だけの架空の薬です。
しかし、その基となる実際の薬は存在します。
その作用も同じ「トリヘキシン」という薬です。
劇中では、筋肉の作用を緩和をする薬と言及されていました。
麻痺を引き起こすきっかけを、トリゴキシンの服用で作っていたもの。
実際の「トリヘキシン」という薬は、パーキンソン病の患者に使われる薬です。
パーキンソン病とは、高齢の人に多くみられる病気で、筋肉の強張りが大きな特徴。
その筋肉の強張りを緩和させるのが、「トリヘキシン」という薬です。
要するにこの「トリヘキシン」をパーキンソン病じゃない人が飲むと、筋力の低下を招き、最悪の場合麻痺になる…
ということになります。
映画『RUN/ラン』で使われていたトリゴキシンという薬は、架空ながらもこの「トリヘキシン」をモデルにしていたことが分かるのです。
実在の事件の顛末
実在の事件は、「ディーディー・ブランチャード殺害事件」としてあまりにも切ない殺人が行われていた事件です。
映画『RUN/ラン』の様に、母親が薬物によって娘を病気に見せかけていたと言うもの。
正直、この事件に関して、映画の方がまだ救いがあるように感じます。
それだけ、現実はもっとひどい有り様となっていました。
映画では実の娘を失った悲しみでしたが、現実ではお金欲しさと言うもの。
たったそれだけの為に、実の娘にひどい仕打ちをしていたのです。
その結果、娘は母親に隠れて交流していた男性に頼み、母親を殺害させてしまうのでした。
しかしこの事件、これはあくまで結果であり、衝撃なのは、その真相が明らかになるまでの経緯にあったのです。
とある女性が滅多刺しになる、ひどい殺人事件が発生します。
それがこの母親の死が、報じられた最初のもの。
しかしこの母親、実は有名人だったのです。
それが、早産のため大病を患いながらも懸命に娘を育てていたことで、多くの寄附金を募り、アメリカ中に多くの同情を得ていた母親だったのです。
その殊勲の母親がなぜ、こんな無惨な遺体で発見されたのか…
その真相がのちに居所が発見された娘の状態で、あまりにも衝撃的な現実が明かされるのでした。
それが、これまでアメリカ中の同情を買い、心配された娘の容体。
病気と思われた娘は、実はこれまで報道された病気にはかかっておらず、至って健康だったのです。
アメリカ中が、この娘に騙されていたことが発覚します。
全ての黒幕がこの娘だったと、アメリカ中を震撼させたのです。
しかしこれにはまだ真相があり、母親が薬物漬けにしていて、娘に病気だと見せかけていた事実が発覚します。
この束縛はあまりにもきついもので、娘がこの束縛からの脱出を図った結果の殺人であることが発覚したのでした。
実行犯は、インターネットでやりとりをしていた男性でした。
ここでは、すごく端折って簡単に事件の概要をまとめています。
なので、より詳しく知りたい方などは「ディーディー・ブランチャード殺害事件」または、「STARZPLAYチャンネル」から『見せかけの日々』をぜひご覧になってみてください。
あまりにもやりきれない事件となっています。
まとめ
以上、映画『RUN/ラン』のネタバレ解説でした。
この映画映画『RUN/ラン』は、直接的には、「ディーディー・ブランチャード殺害事件」を基にしているとは明かしていません。
事件の顛末などは、映画と実在の事件ではあまりにも異なるため、似通ってない点も多いからです。
しかし、この事件の概要などは多くの共通点があることなどから、必ずしも関係がないとは言えないでしょう。
映画『search/サーチ』から継ぐ作品ということで、どうしても比較になることから、この作品は、インターネットを使えない、前回とはまるで違うというメッセージも込められています。
アニーチェ・チャガンディの次なる展開、また映画『search/サーチ』とは違った印象になる、衝撃的作品。
この記事を読んでも、やはり白眉となるのは俳優たちの表情です。
是非とも、その演技をスクリーンで見てみてはいかがでしょうか?
映画『RUN/ラン』は、6月18日に劇場公開を迎えます。