小説『45510』は、【推しの子】の原作である赤坂アカが、アニメのオープニング曲を手掛ける、YOASOBIの為に書いた作品である。
ヤングジャンプの特設サイトなどで読むことが可能だ。
この小説を読んだ後…
アニメ【推しの子】の第一話を観ると…
初見では気にならなかった多くの部分に、驚愕の事実が隠されていた事が分かるのだ!
小説「45510」を読んだからこそ分かる、本編の裏側を徹底解説する!
小説「45510」は、YOASOBIの為に書き下ろした作品
YOASOBIのコンセプトは、「小説を音楽に」。
その為、アニメのオープニング曲としてオファーを出した場合に、小説が必要になるのだ。
その結果、かつて小説家も目指していたという、漫画家で【推しの子】の原作者である赤坂アカが、YOASOBIの為に書き下ろした小説…というわけだ。
そんな小説「45510」で語られている真実を、【推しの子】本編に照らし合わせながら紐解いていく!
楽曲『アイドル』のシンジツ
小説「45510」は、YOASOBIが楽曲製作に取り組む為に描かれたものである。
そんな『アイドル』という楽曲もまた、この【推しの子】に関して特別な意味を持つものである。
その意味とは…下記記事にて解説しているので、ぜひチェックを!
小説「45510」の物語は?
ここからは、小説「45510」について解説していく。
この小説は、【推しの子】で1番の鍵を握る人物、星野アイが所属していたアイドルグループ、『B小町』のメンバーの1人の視点で描かれていく物語である。
そんな小説「45510」を、紐解いていく!
下記より、小説「45510」のネタバレが含まれます。
ご理解の上、読み進めてください。
見つけた16年前のアーカイブ
ある人物が、16年前のアーカイブ映像をネットで見つける。
登場人物は1人。「私」と語る名前も出てこない人物だ。
そのアーカイブ映像に映る人物を、悪霊と表現した。
悪霊と表現された人物とは、星野アイ。
「B小町」の伝説的アイドル、星野アイ。
そのアーカイブ映像は、16年前に行われたライブ配信だった。
解説:16年前のアーカイブ
この16年前とは…アクアとルビーが生まれた年である。
要するにこの小説の時代背景は、アクアとルビーが高校生になった年であり、アニメでいう所の第1話の最中に行われたライブ配信であるという事が分かる。
アイが休止から復帰した頃と書かれており、アクアとルビーを産んだ後になる。
アイが大嫌い
アーカイブに映るアイを見て…再生する事を躊躇する。
それは、大嫌いだったアイの姿が映っていること。
B小町の活動を通して、様々な事を経験したが、それは楽しいばかりでは無かったのだ。
B小町としてアイドル活動をしていたが、それは全てにおいてアイを中心に回っていた。
「私」は、アイによってアイドル活動に陰を落とされたと語る。
B小町の活動は、アイを中心に回りアイのグループと言えるものだったのだ。
一方で、「私」はグループの初めこそそこそこだったが、年齢を重ねていくにつれ、あか抜け抜けない雰囲気となっていった。
「私」は、アイが妬ましかったのだという。
解説:アイが大嫌い
唯一の登場人物である「私」の正体は、B小町のメンバーである事が発覚する。
動画を再生するのを戸惑った理由…
それは、アイの事が大嫌いだったから…
そして「私」がB小町においてどんなポジションだったのかが語られていく。
B小町というグループ
当時の「B小町」がどんなグループだったのか…
それは、弱小事務所の中学生モデルたちの寄せ集めグループだった。
ルッキズムを煮詰めた芸能界において、可愛いは正義である。
それは時間が経つにつれ如実に現れ、いつしかB小町はアイかそれ以外、そんなグループになっていった。
そしてメンバー達は、「私」含め妬んでいくようになる…
しかしそれでも結成当初は仲が良く、食事にも何回か行っていた。
が、それも本当に最初だけで、16年前の時点ではアイに対しての嫌がらせもあったと語る。
解説:B小町というグループ
実はこの項目で語られているB小町に関して、アニメとリンクした話になっている。
アイに対して嫌がらせなどがあったが、小説では事務所の社長はその出来事に対して、迅速な対処をしたと語られている。
社長の迅速な対処によって、卒業講演もなく無条件に辞めさせられていったメンバー。
アニメ第1話で、その片鱗が見て取れるのだ。
テレビのスタジオで、事務所社長は星野アイはプロの嘘吐きだ、とアイのアイドルとしての能力を披露する場面。
この時、B小町はアイを含め7人のグループである事が分かる。
アイを中心に、両サイドに3人づつ居る。
そして次のB小町の歌唱シーン、アクアとルビーが赤ちゃんながらに完璧なオタ芸を披露する、アニメ【推しの子】のハイライトのひとつと言える場面だ。
しかしこの場面、B小町に目をやると…3人組になっているのである。
要するに…4人は、事務所社長に辞めさせられたのではなかろうか…
小説とリンクした隠されたシーンのひとつだ。
映像アーカイブの中
16年前の映像アーカイブは、コメントを読むライブ配信だった。
視聴者からのコメントに答える内容だ。
「好きな食べ物は?」「好きな本は?」「遊びに行くなら?」
何を聞いてものらりくらりと、躱され(かわされ)ていた。
「嫌いな食べ物は?」
この質問には、当時のメンバーだった「私」にとってもリアリティのある答えをアイはしていた。
白米が苦手だと答えたアイ。
白米に、たまにガリっと砂みたいのが混じるから怖い。
怖いイメージがあり好きになれないという…
映像アーカイブの中は、そんな視聴者からの質問に応える、16年前のアイの姿が残っていた。
解説:映像アーカイブの中
白ごはんの中に、砂…
これは明らかに…不穏な空気?
アイはB小町でいじめられていた?
と怖くなる…もこれはのちに明らかになる…
そうではなく、今回の項目で最も着目したい点は、アイへのコメントだ。
「好きな食べ物は?」「好きな本は?」「遊びに行くなら?」
これらの質問は、そう、「アイドル」の歌詞に直結する内容である。
のらりくらりと、質問を交わしつつファンに対して、秘密を作っていく…
そうしてアイは、アイドルとしてまた1人、誰かを虜にしていくのである。
45510
アーカイブ映像は、他にもあるが…
続きの映像は見つからない。
他のアイの本質が分かるもの…
探すが、かつてのアイドルのアイしかおらず、見つけることは出来なかった…
すると「私」は、あるものを思い出す。
B小町の結成当初に、思いつきで始めたブログ。
結果的に、自発的に始めたそのブログは事務所側に止められ、新たに公式のものを用意され、活動はそっちをメインになっていった。
最初の数記事をメンバーで回して、その自発的に始めたブログは放置された。
そのブログを見れば、かつてのアイの本質に触れられるかもしれない。
ログイン画面…
アドレスはかろうじて覚えている。
パスワードはうろ覚えだ。
そんな中たどり着いたパスワードは、「45510」。
高峯、ニノ、アイ、渡辺。
https://youngjump.jp/oshinoko/novel_45510/novel_04.html
結成メンバーの頭文字を、フリックで入力した時の数字。
ブログの内容は、クソガキの戯言。
目も当てられない黒歴史、といってもいいほど。
そんな中、ブログの管理画面にあった、非公開の記事。
それはアイが書いた物だった…
解説:45510
ブログのログイン用パスワードで、それがB小町のメンバーの頭文字ナンバーであることが分かる。
しかしこのナンバー、実はアニメでも登場していた。
それはアイのガラケーのロック画面の解除パスワードでもあった。
アクアは45510回目に辿り着いたナンバー、それが45510である。
推しのこ
非公開になっていた記事のタイトルは…
「高峯ニノちゃん渡辺」
アイの心のうちが綴られていた。
アイを中心に活動をしていたB小町。
いつしかギスギスしていった。
しかしそれを謝罪し、仲直りしたいと、アイのみもちが綴られていたのである。
「私」は、最後まで読まずに閉じた。
そんなアイは、アイじゃない。
削除した。誰にも見られないように…
こんなのは、アイじゃない。
アイは、無敵で最強のアイドル。
アイが弱音を吐いたのは、1度だけ。
白米に関するエピソード。
母親が投げたグラスの破片が白米の中に入っていた。
そう、アイが白米を好きになれない理由がこれだった。
アイは、弱音も吐かない。
そんなんじゃない。
アイに求めるもの…
それは、無敵で最強のアイドル。
PC横のガラスに、「私」が映っていた。
そこにいたのは、アイドルの偶像を追う信者の顔をした「私」だった…
解説:推しのこ
この「45510」という小説は、B小町のポジションをアイに取られた元メンバーの妬みを描いたもの…
だったはずが、最後に映っていた自分の姿は、ステージの前にいたアイドルを辛抱する者と同じ顔をした自分だった。
アイを嫌ってるはずの元メンバーというのが、実は1番のファンだったというオチである。
要するにアイのことが嫌いと始まった話だったが、実はアイが推しのこだった…ということである。
そして随所にアニメの第1話とリンクしていて、この小説を全て理解した後に見直すと…
また違った風景に見えてくる…
アニメ【推しの子】の第1話が、こんなにも楽しめるなんて…
本記事に掲載した小説「45510」は、重要な部分などはかなり掻い摘んで端折っている。
是非とも読んでみてほしい。
アニメ【推しの子】の第一話への仕掛けが踏んだんに盛り込まれている。
さらには、YOASOBIの「アイドル」にも深くリンクしているので、読んで間違いない作品だ。
【推しの子】への理解が、より深まる事を約束する!