ドラマシリーズも始まり、ますます活気溢れるMCU。
新作の度に大きな話題を集め、今や天下のMCUですが、第1作目の「アイアンマン」(2008)が公開される前のマーベルキャラクターの映画化は意外と知られていません。
今回はMCU以外のマーベル映画、全33作品を詳しく紹介していきます!
その歴史を紐解くと、X-MENや、スパイダーマンのように興行収入に成功したキャラクターもあれば、不評で黒歴史となった作品も…。
ファンタスティック・フォーやブレイドのように、過去映画化の権利を売ってしまったキャラクターがMCUに登場することも増えるので、過去のマーベル作品をおさらいしてみましょう!
- そもそもMCUとは何が違うの??
- MCU以前のマーベル映画
- ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀 (1986)
- パニッシャー(1989)
- キャプテン・アメリカ 卐帝国の野望(1990)
- ブレイド(1998年)
- X-メン(2000年)
- ブレイド2(2002)
- スパイダーマン(2002)
- デアデビル(2003年)
- X-MEN2(2003)
- ハルク(2003)
- パニッシャー(2004)
- スパイダーマン2(2004)
- ブレイド3(2004)
- エレクトラ(2005)
- ファンタスティック・フォー [超能力ユニット](2005)
- X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)
- ゴーストライダー(2007)
- スパイダーマン3(2007)
- ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007)
- パニッシャー: ウォー・ゾーン(2008)
- ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)
- X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011)
- ゴーストライダー2(2012)
- アメイジング・スパイダーマン(2012)
- ウルヴァリン:SAMURAI(2013)
- アメイジング・スパイダーマン2(2014)
- X-MEN:フューチャー&パスト(2014)
- ファンタスティック・フォー(2015)
- デッドプール(2016)
- X-MEN:アポカリプス(2016)
- LOGAN/ローガン(2017)
- デッドプール2(2018)
- ヴェノム(2018)
- X-MEN:ダーク・フェニックス(2019)
- ニュー・ミュータント(2020)
- ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021)
- まとめ
そもそもMCUとは何が違うの??
「Marvel Cinematic Universe」の略であるMCUは、マーベル・コミックの原作を、マーベル・スタジオが自ら映像化し製作したものです。
…なんだかややこしいので、ことの発端をみていきましょう。
マーベル・コミックはスパイダーマンやウルヴァリン、ファンタスティック・フォーと様々な人気キャラクターがいるにも関わらず、コミックの売れ行きが思わしくなく、経営困難に陥り倒産の危機を迎えます。資金も底をついていたマーベル・コミックは解決策として、「アイアンマン」を自社制作により映画化することを決意。
当時、アイアンマンも今ほど人気のあるキャラクターでなかった上に、主役は逮捕歴が多い厄介者として扱われていたロバート・ダウニー・Jr…今では考えられませんが、世間からの期待は非常に低いものでした。
過去、様々な配給会社と共同製作してきた作品に対して、キャラクターの描かれ方やストーリー展開に満足していなかったマーベルは、スーツの細部から、ヒーローが抱える葛藤など見直し自社のキャラクターを徹底して映像化。
この結果が功をなして「アイアンマン」は瞬く間にヒットし、MCUの輝かしいスタートを切ったのです。自社で作れるからこそ、キャスティングもストーリー展開も柔軟に制作でき、MCUの作品は唯一無二となりました。
MCU以前のマーベル映画
「アイアンマン」が制作される前も、マーベル・コミックの原作を映画化した作品はたくさんあります。しかし、マーベル・スタジオはあくまで共同制作。
様々な大人の事情が盛り込まれ、キャラクター理解がなく、原作ファンから不公表で残念な結果に終わった作品も多々…。
黒歴史になってしまった作品もありますが、MCUの拡大により今後自社制作によって再び登場するキャラクターも多数いるので、おさらいしてみましょう!
本記事では、作品を手がけた監督も詳しく紹介していきます。後に異なるマーベル作品を手がけたり、はたまたあの人気作品の監督だったり?と、映画好きの方はより楽しめるはずです。
ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀 (1986)
制作年 | 1986年 |
監督 | ジョージ・ルーカス |
上映時間 | 111分 |
マーベル・コミックの映像化第一弾は、ハワード・ザ・ダック。
記念すべきマーベル・コミック実写化のメガホンを取ったのは、スター・ウォーズシリーズを手がけたジョージ・ルーカス!…なんですが、「最低」の映画が選ばれるラジー賞で4部門も受賞し、悪評が集まりに集まった作品です。
そもそも、MCUだけを追いかけていると、馴染みのないキャラクターですが、実はMCUにも度々登場しているんです。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014)
エンドロールに出演。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017)
惑星コントラクシアで、お酒を飲みながら女性を口説くシーンが登場。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019)
サノスに立ち向かう最終決戦で登場。(ワスプが中心に映るシーンの右横にひっそりといます!)
「ホワット・イフ…?」(2021)
2話と7話に登場。2話ではティ・チャラにエンバースの場所を教え、7話では、ジェーンの友人であるダーシー・ルイスと結婚。
ハワード・ザ・ダックとは?
魔術に巻き込まれ、ダックワールドという異次元から地球にきたアヒル人間。ハワード・ザ・ダックの能力は…ありません。もちろん戦うこともできますが、パワーはごく平均的。
彼はコミックからファンに愛されていたキャラクターでしたが、映画化のあまりの失敗ぶりに黒歴史になってしまいます。(ですが、一部ファンからはカルト的な人気を集めている本作。「一般受けが悪い作品、結構好きなんだよな…」という方はぜひ観て見てください。きっと好きです。)
ドラマ「シー・ハルク」に出演する噂もありますが、MCUで主要キャラクターとしての再登場を願うファンが多いキャラクターです。
パニッシャー(1989)
制作年 | 1989年 |
監督 | マーク・ゴールドブラット |
上映時間 | 90分 |
日本では残念ながら劇場未公開だったパニッシャー。従来のヒーロー像とは異なり、犯罪者を容赦無く制裁するパニッシャーはマーベルコミックにおいて、ダークヒーローの代表格です。
監督は後に「ターミネーター2」(1991)でアカデミー賞にノミネートされたマーク・ゴールドブラット。主役は「エクスペンダブルズ・シリーズ」をはじめアクション映画に引っ張りだこのドルフ・ラングレンと相性のよさそうな2人ですが…可もなく不可もなく、などちらとも言えない結果を残し、MCUファンからもあまり知名度のない作品です。
パニッシャーとは?
家族を殺されたことにより、処刑人パニッシャーに。
優れた戦闘能力をもつ彼は元海兵隊員のため、様々な武器を扱うことができます。
キャプテン・アメリカ 卐帝国の野望(1990)
制作年 | 1990年 |
監督 | アルバート・ピュン |
上映時間 | 98分 |
キャプテン・アメリカの生誕50周年を記念して実写化されました。B級映画を得意とするアルバート・ピュン監督がメガホンを取りましたが…本作でもやはりB級感が漂ってしまいました。
レッドスカルやシャロンなど、MCUでもお馴染みのキャラクターが登場していますが、コメディ感が強く、肝心なキャプテン・アメリカがかっこよくなく…コミックファンからの評判は悪い作品です。
ブレイド(1998年)
制作年 | 1998年 |
監督 | スティーヴン・ノリントン |
上映時間 | 121分 |
人間とヴァンパイアのハーフであるブレイドの戦いを描いた本作。実写化がスタートしてから惨敗続きでしたが、ようやく救世主が現れ人気を集めました!
監督を務めたスティーヴン・ノリントンは、「ブレイド」後の監督業は少なく自身の代表作となりました。ストーリーが緻密に計算されたMCUを見慣れてしまうと、設定に矛盾があったり、意外な展開からツッコミどころが多々ありますが…ホラー要素のあるアクションで見応えのある作品です。
ファンから根強い人気を集めるブレイドは、マハーシャラ・アリを主役に迎え、MCUで再び映像化が決まっています!
ブレイドとは?
ヴァンパイアに噛まれて命を落とした母親から生まれ、人間とヴァンパイア両方の血を引いています。高い戦闘能力をもち、特に刀剣での戦いが得意。ヴァンパイアとの混血なので、寿命も非常に長いです。
X-メン(2000年)
制作年 | 2000年 |
監督 | ブライアン・シンガー |
上映時間 | 104分 |
MCUでの登場を今か今かと待ち侘びるファンも多い、お馴染みX-MEN!
日本での興行収入も18億を超え、国内でも高い人気を集めました。
監督は「ユージュアル・サスペクツ」で有名になったブライアン・シンガー。後に、X-MENシリーズを手がけることになります。キャラクターにぴったりなキャスティング、深みのある見応えのあるストーリー、キャラクター理解のある描かれ方…子供向けではない、本格的なアメコミ映画となり大ヒットを記録しました。
本作では、記憶を失い放浪していたウルヴァリンが他のミュータントと出会い、X-MENを結成して最強のミュータントであるマグニートに立ち向かう様が描かれています。
X-MENとは?
遺伝子操作によって生まれた超人的な能力をもつ、ミュータント集団。
プロフェッサーX:最強のテレパシー能力をもつ
ウルヴァリン:鋭い爪を自由に出すことができ、高い治癒力も持つ
サイクロップス:破壊力の強い光線を目から発射する
ストーム:天気を自在に操ることができる
など、作品によってメインに登場するキャラクターは異なり、個々で異なった能力を持っています。
ブレイド2(2002)
制作年 | 2002年 |
監督 | ギレルモ・デル・トロ |
上映時間 | 118分 |
前作の興行収入を超え、再び高評価を集めた本作。
監督は前作のスティーヴン・ノリントンから、「パシフィック・リム」や「シェイプ・オブ・ウォーター」などを手がけ、日本でも高い人気を集めるギレルモ・デル・トロ監督に。
新たな最強の敵・死神族(リーパーズ)が登場し、アクションもストーリー展開も前作よりパワーアップしました。3部作となったシリーズの中で、最も興行収入に成功した作品です。
スパイダーマン(2002)
制作年 | 2002年 |
監督 | サム・ライミ |
上映時間 | 121分 |
お馴染み、サム・ライミ監督と主演トビー・マグワイアによる「スパイダーマン」。コミックファンだけでなく、映画ファンや批評家からも高い評価を集め、公開当時はコミックを映画化した作品の中で最も成功した!とも言われました。
本作では、ピーターが新種の蜘蛛に噛まれたことでスーパーパワーを得てスパイダーマンになる過程が描かれ、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でもお馴染み、グリーン・ゴブリンがメインヴィランとして登場しました。
デアデビル(2003年)
制作年 | 2003年 |
監督 | マーク・スティーヴン・ジョンソン |
上映時間 | 103分 |
バットマンでお馴染みのベン・アフレックが主演を務めた「デアデビル」。監督は後に「ゴーストライダー」を手がけたマーク・スティーヴン・ジョンソンです。
ベン・アフレックの演技は高い評価を集めましたが、テンポに劣り疑問が残る展開から作品自体は不評に…。
2015年にドラマ化され、新たに生まれ変わったデアデビルは人気を集め、ドラマ「ホークアイ」でもメインヴィランのキングピンが登場し、大きな話題になりました。今後MCUへの参加説が濃厚です!
デアデビルとは?
昼は弁護士、夜は悪を制するダークヒーローに。幼い頃事故で視力を失いますが、他の感覚は鋭く優れ超人的な能力を備えています。
高い身体能力と戦闘力だけでなく、レーダーセンスを持っているので正確な距離や形がわかります。
X-MEN2(2003)
制作年 | 2003年 |
監督 | ブライアン・シンガー |
上映時間 | 125分 |
前作から3年、続編も大ヒットした「X-MEN2」。監督も前作に引き続き、ブライアン・シンガーが務めました。
ミュータントによる大統領暗殺が企てられたことにより、ミュータントを撲滅する計画が進む本作。もしミュータントと人類が共存していたら…?アメコミ作品でありながら、リアリティに溢れ高評価が集まりました。
ハルク(2003)
制作年 | 2003年 |
監督 | アン・リー |
上映時間 | 138分 |
12年間も企画が温められた、MCUでもお馴染みハルクの単独作品。「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2001)でアカデミー監督賞を受賞したアン・リーが監督を務めました。
ブルース・バナーがなぜハルクになったのかから丁寧に描かれていますが…ストーリーのテンポやハルクの実写映像化に批評が集まり、興行収入に失敗しました。
MCUでマーク・ラファロ演じるハルクはお茶目な印象が強いですが、本作でエリック・バナ演じるハルクはとにかく怖く凶暴に(そして真緑に!)描かれています。
パニッシャー(2004)
制作年 | 2004年 |
監督 | ジョナサン・ヘンズリー |
上映時間 | 123分 |
15年の時を経て、再び映画化された「パニッシャー」。
元海兵隊員の設定からFBI捜査官に変更され、トーマス・ジェーンがパニッシャーを、ヴィランをジョン・トラボルタが演じました。監督は「アルマゲドン」(1998)で製作総指揮を務めたジョナサン・ヘンズリーです。
コミックが原作なの?と思うほど、THE復讐劇なアクションが描かれた本作ですが、じわじわと人気を集め続編「パニッシャー: ウォー・ゾーン」の制作にも繋がりました。
パニッシャー感はあまりないので、いちアクション映画として見るのをおすすめします。
スパイダーマン2(2004)
制作年 | 2004年 |
監督 | サム・ライミ |
上映時間 | 127分 |
再び大ヒットとなり、アカデミー賞で視覚効果賞も受賞した「スパイダーマン2」。監督も前回に引き続き、サム・ライミが務めました。
世界的なヒットとなりましたが、日本での興行収入はなんと67億!国内でも続編の公開は大いに盛り上がりました。(記憶に新しい「アベンジャーズ/エンドゲーム」ですら、日本での興行収入は61億…スパイダーマンがいかに愛されたキャラクターか伺えます。)
本作では天才科学者オットー・オクタビアスがドクター・オクトパスになるまでも描かれています。
ブレイド3(2004)
制作年 | 2004年 |
監督 | デヴィッド・S・ゴイヤー |
上映時間 | 114分 |
第3作目となった本作の監督はギレルモ・デル・トロからデヴィッド・S・ゴイヤーに交代。グロいけれどスタイリッシュ!が魅力だった作風から一転、勢いが衰え疑問が残る場面も多々…。
本作で戦うのはヴァンパイアの祖先ですが、中弛み感とネタ切れ感が否めずこれまでの「ブレイド」「ブレイド2」に比べると評価は少し下がりました。
デットプールでお馴染みライアン・レイノルズも登場しています。
エレクトラ(2005)
制作年 | 2005年 |
監督 | ロブ・ボウマン |
上映時間 | 98分 |
実写化で初の女性ヒーロー!デアデビルの元恋人で暗殺者のエレクトラを描いた作品です。監督は人気ドラマ「Xファイル」(1994-)を手がけたロブ・ボウマンです。
「デアデビル」でエレクトラを演じたジェニファー・ガーナーが再び出演しましたが…登場するキャラクターそれぞれの個性が薄く、見応えのあるアクションシーンもなく不評に終わってしまいました。ジェニファー・ガーナー演じるエレクトラは美しくぴったりだったからこそ、残念がる声が多数上がりました。
エレクトラとは?
デアデビルと恋愛関係にあったが、父親を失った事件から音信不通となり、暗殺者の道を歩みます。超人的な能力はないが戦闘能力に長け、武器の扱いも得意。
ファンタスティック・フォー [超能力ユニット](2005)
制作年 | 2005年 |
監督 | ティム・ストーリー |
上映時間 | 106分 |
宇宙線を浴びたことにより、4人それぞれに異なった能力を得たファンタスティック・フォー。実は1994年に制作され完成もしていましたが残念ながらお蔵入りに…。公開はしなかったものの、制作したことで映像化の権利を保持したコンスタンティン・フィルムは、1億ドルもの製作費を注ぎ込み2005年に再び映画化。
監督は、映画のみならずMVでも活躍しているティム・ストーリーが務めました。クスッと笑えるコミカルな会話とアクションシーンのバランスが良く、キャラクターの個性の描かれ方など今のMCUに通ずる部分が多く見受けられます。
キャプテン・アメリカでお馴染み、 クリス・エヴァンスも出演!
ファンタスティック・フォーとは?
事故のアクシデントにより宇宙のエネルギーを浴び、それぞれ異なる能力を得たヒーローチーム。
Mr.ファンタスティック:体が非常に柔軟で手足を自由自在に伸ばしたり、体の大きさを変えることができる
インビジブル・ウーマン:体を透明にすることができる
ヒューマン・トーチ:全身に炎を身に包み、飛んだり火炎を出すことができる
ザ・シング:岩石に変身し、超人的なパワーを持つ
X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006)
制作年 | 2006年 |
監督 | ブレット・ラトナー |
上映時間 | 105分 |
X-MENの第3作目である「X-MEN:ファイナル ディシジョン」。今作もヒットし、日本でも高い興行収入を得ました。
本作では、ニュータントの治療薬キュアが完成し、普通の人間として生きるのかミュータントの能力をもったまま生きていくのかそれぞれに葛藤する様が描かれています。しかしキュアによってミュータントが滅ぼされると考えたマグニートは戦争をしかけ、さらに前作で亡くなったはずのジーンが邪悪な人格をまとって再び現れたり…とストーリーはてんこ盛り。
これまでの2作品でメインに描かれていたミュータントから新しい顔ぶれが次々に登場したり、ジーンが暴走してしまったりと、これまでのX-MENが好き!という方はちょっと残念な展開かもしれません。
監督はX-MEN2作品目までのブライアン・シンガーから、「ラッシュアワー」 (1998) や「天使のくれた時間」(2000)を手がけたブレット・ラトナーに交代。前作の監督やメインキャストがスケジュール上の都合で降板したことを受け、ストーリーにも影響が出ています。
ゴーストライダー(2007)
制作年 | 2007年 |
監督 | マーク・スティーヴン・ジョンソン |
上映時間 | 110分 |
ダークヒーローを、ニコラス・ケイジ主演により実写化。「デアデビル」の監督を務めたマーク・スティーヴン・ジョンソンが再びマーベルに戻ってきました。
病に犯された父親を救うため、17歳の時に悪魔メフィストフェレスと取引をしたジョニー・ブレイズ。大人になった彼の前に再びメフィストフェレスが現れ、ある敵を倒すため、ゴーストライダーとなり戦う様が描かれています。
コミックでは高い人気を集め、歴史あるキャラクターのゴーストライダー。炎をまとったバイクと骸骨頭が見事に実写化されていますが…敵の迫力がなかったり、アクションシーンの見応えがなかったりと高い評価は得られませんでした。しかし一方で、「カッコよすぎないのが逆に良い」「ニコラス・ケイジが良い味出している」とB級映画として支持するファンもいて賛否両論です。
ゴーストライダーとは?
普段は人間の姿ですが、炎を纏ったヘルバイクによりどんな乗り物も乗っ取り強い力を発揮する事ができます。
スパイダーマン3(2007)
制作年 | 2007年 |
監督 | サム・ライミ |
上映時間 | 139分 |
サム・ライミ監督によるスパイダーマン・シリーズの最終章。
アメリカでの反響はもちろん、日本でも公開前から大盛り上がりで東京でワールド・プレミアが行われるほどでした。
ニュー・ゴブリンやサンドマン、ヴェノム…と様々なヴィランが登場し、3部作の中でも特にコミック要素が存分に詰め込まれた作品となりました。
ファンタスティック・フォー:銀河の危機(2007)
制作年 | 2007年 |
監督 | ティム・ストーリー |
上映時間 | 92分 |
「スパイダーマン3」と同年に公開された「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」。監督は前作に引き続き、ティム・ストーリーが手がけています。
前作の興行収入を上回ったものの…。ファンからの評判は少し下がり、スパイダーマン3と公開年が同じだったからこそ、より残念な結果が目立ってしまいました。
決して「つまらない!」という訳では断じてないのですが、人気のシルバーサーファーがせっかく登場するのに、ストーリーがはしょり気味で(実際に映画も92分と短め!)且つコメディ要素が多く、なんだか消化不良…といった印象を受けます。
パニッシャー: ウォー・ゾーン(2008)
制作年 | 2008年 |
監督 | レクシー・アレクサンダー |
上映時間 | 103分 |
なんとパニッシャー3回目の映画化!
ですが、監督は女優としても活躍するレクシー・アレクサンダーに代わり、出演する俳優も異なり、設定だけが引き継がれよりハードボイルドになって帰ってきました。
主役はレイ・スティーヴンソン。マイティ・ソーに登場する戦士の1人である、ヴォルスタッグを演じていました。
バイオレンスな描写が得意!という方には評判の良い作品ですが、マーベルが原作であることを目当てに見るのは、あまりおすすめできないかもしれません…。
ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009)
制作年 | 2009年 |
監督 | ギャヴィン・フッド |
上映時間 | 108分 |
ウルヴァリンが誕生するまでを描いた、スピンオフ作品の「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」。監督は第78回アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した「ツォツィ」(2005)で高い評価を受けたギャヴィン・フッド監督。
アクションの見応えはもちろんのこと、X-MENらしい硬派なシリアスさも兼ね備え、非常に見応えのある作品です。人気キャラクターのスピンオフとなり、公開前から期待値が非常に高い作品でしたが、見事な完成度でファンからも大好評でした。
なんとデッドプールも登場している本作!彼がなぜあのような姿になったのか、なぜX-MENネタがよく出てくるのかも納得できるはずです。
X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011)
制作年 | 2011年 |
監督 | ブライアン・シンガー |
上映時間 | 131分 |
「X-MEN」「X-MEN2」を手がけたブライアン・シンガー監督が帰ってきました!自信が作り上げた人気シリーズを見事に新しく作り上げ、リブート感の違和感が全くありません。
若き日のチャールズやエリックが登場し、彼らの過去やX-MENの起源が詳細に描かれている本作。
チャールズを演じたジェームズ・マカヴォイ、エリックを演じたマイケル・ファスベンダーをはじめ、全く新しい顔ぶれになったにも関わらず、キャスティングがそれぞれのキャラクターにぴったり!X-MENの一貫した世界観が本作でも漂っています。
「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」ほどの興行収入は得られませんでしたが、X-MENシリーズの中でも特に高い支持を集めている作品です。
ゴーストライダー2(2012)
制作年 | 2012年 |
監督 | マーク・ネヴェルダイン
ブライアン・テイラー |
上映時間 | 95分 |
再びニコラス・ケイジが主役を務めた続編「ゴーストライダー2」。タッグを組み監督を務めることの多いマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラーが監督を務めました。
ニコラス・ケイジがジョニー・ブライズを演じたという部分のみ変わりませんが、契約した悪魔の名前が変わっていたり、前作の物語が引き継がれていなかったり…と関連はほとんど感じられません。
評判も前作より下がってしまい、続編を予感させる意味深な部分もありましたが、未だ制作の噂はありません。
アメイジング・スパイダーマン(2012)
制作年 | 2012年 |
監督 | マーク・ウェブ |
上映時間 | 136分 |
マーク・ウェブ監督と主演アンドリューガー・フィールドによるブート作品!
元々、サム・ライミ監督のスパイダーマンシリーズが大好評に終わったことから、新たに3部作を制作する予定でしたが、脚本に行き詰まり監督を降板。(スパイダーマン4にはアン・ハサウェイも登場予定だったとか…)
リブート版としてキャストも物語も新たに生まれ変わった「アメイジング・スパイダーマン」が誕生しました。
スパイダーマン3の興行収入には辿り着けませんでしたが、逆境を乗り越え、高い人気を集めました。
ウルヴァリン:SAMURAI(2013)
制作年 | 2013年 |
監督 | ジェームズ・マンゴールド |
上映時間 | 125分 |
ウルヴァリンのスピンオフにあたる「ウルヴァリン:SAMURAI」。SAMURAIとついているだけあり、本作の舞台は日本です。
ウィノナ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーが出演した「17歳のカルテ」(1999)を手がけ、有名になったジェームズ・マンゴールド監督がメガホンを取りました。
実は、原作でのウルヴァリンは日本人の妻を持ち、日本語も話せます。元々日本に深い関わりがあるので、原作から見ると舞台が日本になるのは違和感がないのですが…洋画あるあるな”ヘンテコJAPAN”(筆者が勝手に呼んでいます)がこれでもかと盛り込まれ、日本人から見ると興醒めしてしまう部分も。
でも日本以外は評判いいのかな…と思いきや、海外での評判もよくないようで、公開当時はX-MENシリーズの中で最も評価が低い作品となりました。
アメイジング・スパイダーマン2(2014)
制作年 | 2014年 |
監督 | マーク・ウェブ |
上映時間 | 142分 |
マーク・ウェブ監督によるリブート版第2弾!前作では好評だったアメイジングスパイダーマンですが、興行収入は製作費を下回り1作目を超えることができず…ストーリーも賛否両論となり本作で打ち切りとなってしまいました。
サム・ライミ版のスパイダーマンの評判がよかったからこそ、不運なイメージが強く残った作品ですが「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の公開を受け、改めて日の目を浴び再度評価されました。
アンドリューガー・フィールド演じるピーターと闘い方のスタイルも、性格もコスチュームも異なり、フレッシュなピーターはとても魅力的なので筆者個人としても非常に嬉しいです。
X-MEN:フューチャー&パスト(2014)
制作年 | 2014年 |
監督 | ブライアン・シンガー |
上映時間 | 131分 |
2006年に公開された旧シリーズの「X-MEN:ファイナル ディシジョン」と前作「ファースト・ジェネレーション」それぞれの続編に当たる作品です。
監督は、旧シリーズと前作「ファースト・ジェネレーション」を手がけたブライアン・シンガーです。旧シリーズの世界線を引き継いだ2023年、ニュータントを撲滅するロボットが作られ危機を迎えたミュータントたちは、過去に戻って若き日の自分達に協力を求めます。
チャールズとエリックをそれぞれ旧シリーズでお馴染みのキャストと、新シリーズから演じているキャスト両方を見れる豪華さ…。並行していた旧シリーズと新シリーズの世界線が交わり、非常に見応えのある作品です。
ファンタスティック・フォー(2015)
制作年 | 2015年 |
監督 | ジョシュ・トランク |
上映時間 | 100分 |
ジョシュ・トランク監督によるリブート作品!ファンタスティック・フォーが新たに生まれ変わりました。
「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」が成功に終わらず、リブートとして新たに制作された本作。コミカルで軽いテンポが持ち味だったファンタスティック・フォーですが…シリアスでダークな雰囲気が漂い、やっと超能力を得た!と思ったら、いきなり年月が過ぎたり…とストーリー展開もチグハグな感じが否めず、なんとゴールデンラズベリー賞を受賞。
「セッション」(2014)で知られるマイルズ・テラーや、クリードシリーズで人気のマイケル・B・ジョーダン、ルーニー・マーラの姉ケイト・マーラ、「リトルダンサー」(2000)でスクリーンデビューを果たしたジェイミー・ベル…と高い演技力と人気を兼ね備えたキャストが集結しましたが、黒歴史となってしまいました。
MCUで再び制作されるファンタスティック・フォーですが、マーベルの人気キャラクターに関わらず、映像化大成功!!という結果は残せていないので、雪辱を晴らせるといいですね…。
デッドプール(2016)
制作年 | 2016年 |
監督 | ティム・ミラー |
上映時間 | 108分 |
ライアン・レイノルズ主演のデッドプール!映像化の話が出たのはなんと2000年と、公開まで非常に長い道のりを歩んできました。
監督のティム・ミラーは今作で長編デビュー。バイオレンスな描写がありながら、パロディー全開で観客に話しかけたり…ありそうでなかったおしゃべりなキャラクターは大ウケし、大ヒットを記録しました。
ファンから高い評判を集めただけでなく、ゴールデングローブ賞では2部門で受賞、MTVムービー・アワードでは6部門ノミネートし2部門受賞、長年の努力がようやく報われた結果となりました。
デッドプールとは?
元傭兵で高い身体能力を持っていましたが、癌に犯された自身の体を治せると聞き「ウェポンX計画」に参加。癌は治ったものの、皮膚はただれ不気味な顔を隠すためにマスクを被ってデッドプールとして活動します。
ウルヴァリンと同様、高い治癒能力を持ち、すぐに傷を修復することが可能。どんなに体がバラバラになってもなかなか死にません。また、自信がキャラクターであることを理解し、観客に話しかける第四の壁の能力も兼ね備えています。
X-MEN:アポカリプス(2016)
制作年 | 2016年 |
監督 | ブライアン・シンガー |
上映時間 | 144分 |
「X-MEN:フューチャー&パスト」の続編に当たる本作。監督は旧シリーズでも新シリーズでもお馴染み、ブライアン・シンガー監督です。
最古にして最強のミュータント、アポカリプスとの闘いを描き、物語は古代エジプトにまで遡ります。新たなミュータントが登場していますが、個性がぶつかることなく非常に見応えも深みもある作品です。
本作でも高評価を集めましたが、興行収入はデッドプールを超えることができませんでした。
LOGAN/ローガン(2017)
制作年 | 2017年 |
監督 | ジェームズ・マンゴールド |
上映時間 | 138分 |
スピンオフのウルヴァリンシリーズの最終章。「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(2009)「ウルヴァリン:SAMURAI」(2013)の続編にあたります。前作に引き続き、ジェームズ・マンゴールド監督が手がけています。これまでよりもバイオレンスな描写が多いですが、ズシリと余韻が残るシリアスな作風で見事な終焉を迎えました。
長年見てきたウルヴァリンだからこそ感慨深く、筆者もしばらく引きずりました…。覚悟がないと見れない作品ですが、名作です。
デッドプール2(2018)
制作年 | 2018年 |
監督 | デヴィッド・リーチ |
上映時間 | 120分 |
俺ちゃん待望の続編!前作は大ヒットに終わったものの、主役ライアン・レイノルズと方向性の違いがあったことから前作の監督は降板。「ジョン・ウィック」(2014)や「アトミック・ブロンド」(2017)を手がけ、スタイリッシュなアクションが得意なデヴィッド・リーチが監督を務めました。
シリーズものの2作品目はヒットしないと言われていることから「デッドプール2(仮題)」とされていましたが、デヴィッド・リーチ監督により見事にパワーアップし、大成功!(晴れて(仮題)ではなく、正式な「デッドプール2」に…)
前作の興行収入を上回るだけでなく、R指定の映画で最も売れた作品となりました。
ヴェノム(2018)
制作年 | 2018年 |
監督 | ルーベン・フライシャー |
上映時間 | 112分 |
大人気ヴィランのヴェノムがスピンオフで帰ってきました!2007年の「スパイダーマン3」以来です。
監督は「ゾンビランド」(2009)や「L.A. ギャング ストーリー」(2013)などを手がけたルーベン・フライシャー。
コロンビア・ピクチャーズとマーベル・エンターテインメントが共同で制作する「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」の記念すべき1作品目です。
批評家からは厳しい評価を受けたものの、興行収入は成功し幸先の良いスタートに!筆者も、予告からは「グロそうで怖そう…」なんて印象を受けビクビクして観に行ったものの、蓋を開けばヴェノムは可愛いし、2人が仲良くてニコニコしてしまう!!という意外性もヒットの要因だったかもしれないですね。
X-MEN:ダーク・フェニックス(2019)
制作年 | 2019年 |
監督 | サイモン・キンバーグ |
上映時間 | 114分 |
「X-MEN:アポカリプス」の続編にあたる「X-MEN:ダーク・フェニックス」。
旧シリーズから新シリーズまで務めたブライアン・シンガー監督は降板し、サイモン・キンバーグ監督に交代。
「Mr.&Mrs. スミス」(2005)や「シャーロック・ホームズ」(2009)といった様々なヒット作品だけでなく、「X-MEN:ファイナル ディシジョン」や「X-MEN:フューチャー&パスト」とX-MENシリーズの脚本を手がけていたサイモン・キンバーグですが、本作で初監督を務めました。
前作に描かれたアポカリプスの闘いから10年後、自身の力を抑えきれなくなったジーンにフォーカスした物語です。
アクションシーンのかっこよさは健在ですが、時系列やシリーズの前後との矛盾点があり「これまでの出来事はなんだったの?」と思ってしまう結末に…。
本作はなんと「ウルヴァリン:SAMURAI」を下回る興行収入になり、大赤字となってしまいます。X-MENシリーズは快感を覚えるほど精密に計算された物語だった故に、疑問点が多く残って目立ってしまったような気がします。
監督は「X-MEN:ダーク・フェニックス」はシリーズの最終章ではなく新章にあたると語っていますが、公開後新たなシリーズの噂は出ていません。
ニュー・ミュータント(2020)
制作年 | 2020年 |
監督 | ジョシュ・ブーン |
上映時間 | 94分 |
コロナの影響を受け、予定から2年の時を経て悲願の公開を迎えた「ニュー・ミュータント」。ミュータントが登場しますが、X-MENで登場したキャラクターは一切出ず、青春ホラーというマーベルの中で真新しいジャンルを切り開きました。
「きっと、星のせいじゃない。」(2015)や「ハッピーエンドが書けるまで」(2015)など爽やかなラブストーリーを手がけるジョシュ・ブーンが脚本と監督を手がけました。
ホラー要素とX-MEN要素の両方が薄く、評判はあまりよくなく日本ではなんと劇場未公開!
元々、3部作で予定されていた作品ですが、興行収入や人気が得られなかったことを受け、続編の話は消えてしまいました。
ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021)
制作年 | 2021年 |
監督 | アンディ・サーキス |
上映時間 | 98分 |
「ヴェノム」の続編にあたる、ソニーズ・スパイダーマン・ユニバースの第2弾です。
監督は前作を手がけたルーベン・フライシャーから、アンディ・サーキス監督に。悪役が大得意なウディ・ハレルソンがカーネイジ役を務め、よりダークな雰囲気が漂い、前作からパワーアップしました!
本作でもヒットし、高い評価と人気を得ました。最後のまさかの展開で大きな話題となった本作…。MCUじゃないしいいかな!と思って観ていなかった方も必見です。
まとめ
MCU以外のマーベル作品をまとめて紹介しました。
X-MENシリーズや、ファンタスティック・フォーは有名ですが、全然知られていないほど黒歴史になってしまった作品も多々…。
黒歴史になってしまっても、映画化するほど元々は人気キャラクター。不運なエンディングを迎えたキャラクターやシリーズもありますが、今後MCUに参戦するキャラクターも出てくると思うので、再び映像化されるのを楽しみにしましょう!
「MCUしか見ていない」という方も、楽しめる作品ばかりなのでぜひMCU以前のマーベル映画も見てみてくださいね。