![コーヒーが冷めないうちにアイキャッチ](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-eyecatch.jpg)
2018年に公開した映画『コーヒーが冷めないうちに』は、有村架純主演でとある喫茶店で起きる謎の都市伝説を題材にした、感動の物語。
とある喫茶店に伝わる都市伝説、過去に戻れるという噂を基に、様々な人の過去に迫る群像劇っぽいストーリーが特徴。
その映画『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじをネタバレ解説すると共に、都市伝説の秘密を紐解く!
映画『コーヒーが冷めないうちに』について
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像3](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img1.jpg)
有村架純主演で公開された、2018年の映画『コーヒーが冷めないうちに』。
原作は小説ですが、元は川口俊和が書いた舞台用の演目となる作品。
その舞台用の演目を小説にしたのがこの映画の原作となる物語。
この映画版では、もうひとつのストーリーとなる、『この嘘がばれないうちに』のエピソードも盛り込まれており、その二つを基に製作されています。
監督は、塚原あゆ子。
主演は有村架純、吉田羊、薬師丸ひろ子、松重豊、石田ゆり子など個性的なキャストが集う。
過去に行けるという都市伝説がまことしやかにささやかれている喫茶店フニクリフニクラを舞台に、その店に集う様々な人たちが抱える心の葛藤を描く群像劇的ストーリー。
映画『コーヒーが冷めないうちに』の作品情報
監督:塚原あゆ子
脚本:奥寺佐渡子
原作:川口俊和
出演:有村架純、伊藤健太郎、波瑠、林遣都、深水元基、松本若菜、薬師丸ひろ子、吉田羊、松重豊、石田ゆり子
公開:2018年9月21日
時間:116分
配給:東宝
映画『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじ(ネタバレなし)
喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある都市伝説が存在する。
それは、過去にタイムトラベルができるというもの。
その喫茶店の、とある席に座ると望んだ通りの時間に移動ができるという。
しかしそこには、いくつものルールが存在する。
そのルールを守ることで、その喫茶店「フニクリフニクラ」では不思議な体験ができるのだ。
そんな噂を信じてか、毎日人が集うお店、それが喫茶「フニクリフニクラ」だ。
映画『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじをネタバレ!
夏
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像7](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img4.jpg)
喫茶フニクリフニクラのカウンター。
ひとりの若い女性が、1週間前に戻して欲しいと言っていた。
男性がアメリカにいく直前にもめていたのだ。
その男性とは、どっちつかずの関係。
ハッキリとお互いの関係性をしたかったのだ。
その決着をつけに、過去に戻りたい女性。
しかし事実は変えられない。
言いたいことを言っても、何も変わらない。
でも、その女性は過去に戻り、決着をつけて帰ってきた。
そう、自分の心に、だ。
彼女は過去から戻ると、その男性に想いを告げる。
言いたいことがあるから、アメリカにいく、と。
秋
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像5](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img6.jpg)
喫茶フニクリフニクラの、テーブル席に座る女性。
彼女は、いつもその場所に座る。
そして、いつも男性が迎えに来る。
高竹さん、と優しそうに声をかけて、いつもその女性を連れて帰るのだ。
その男性は、高竹さんと声を蹴ている女性の旦那さん。
しかし女性は、よそよそしい。
そう、女性は認知症を患い、男性は看護師として彼女に接しているのだ。
とある日、財布を忘れた男性は会計できずに帰ることに。
認知症の妻はいつもそそくさと会計せずに店を出ていく。
常連客のため、その時はツケで帰っていく。
律儀な性格らしく、その晩に会計をしにやってくる。
フニクリフニクラは、マスターと親戚の時田数で経営している。
マスターにいっぱい飲みませんか?
と誘われる男性。
すると自然に、話はこの喫茶店の都市伝説へ。
男性が戻りたい過去。
それは、高竹さんが戻りたい過去と同じ。
高竹さんは、過去に戻って旦那さんに渡しそびれた手紙を渡したいのだという。
しかしその旦那を思い出せないでいたのだ。
過去に戻り、手紙を受け取る男性。
彼は、妻のことを高竹さんと呼び、看護師として接していた。
しかし妻は、今は記憶がないかもしれないが、いつまでも妻なのだ。
その手紙には、いつまでも夫婦でいたい。
もし辛くなったら離れて欲しい。と、妻の願いが書いてあった。
その男性は、意を決して、妻に夫であることを告げる。
当然怖がられる。
しかし男性は、覚悟を決めたのか、彼女に2度目のプロポーズをする。
姉妹
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像6](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img5.jpg)
喫茶フニクリフニクラの常連客の女性。
彼女には、定期的に妹が会いに来ていた。
しかしその女性は、妹から逃げていてまともに会おうとしない。
彼女は、近所でスナックを経営しているママ。
いつも図々しくらいに元気がいい、常連のひとり。
そのスナックが最近、店を閉めている。
それは妹が事故で亡くなったのが理由だ。
すると、その女性が喪服姿のままやってくる。
実家は東北の方で旅館をやっているらしく、お土産片手に帰ってきたのだ。
しかも、葬式の日に帰ってきていた。
親と喧嘩して出てきたらしく、実家に居場所はないとのこと。
しかし、その女性は自分勝手に生きてきたことで、後ろめたさがあったのだ。
妹はそんな姉と親との仲を、取り戻そうとしていた。
しかし好き勝手に生きてきたことで妹の死にも動じず、通常の日々に戻る女性。
そんなある日、ふと妹の存在がチラつく。
喫茶フニクリフニクラ、いつもの席に座る女性、前に妹がやって来た日、その日に戻りたい。と。
開口一番、時田数に伝える。
妹の気持ちを知る。
本当は姉と妹、2人で実家の旅館を継ぎたかったのだと。
経営者としての才をふるう姉、八方美人で人当たりが良い妹、そんなふたりで旅館をやったら絶対に繁盛する、と。
それが妹の気持ちだったのだ。
その女性は、妹を失った悲しみを乗り越え、妹の想いを継ぎ、実家の旅館に入ることを決めた。
時田数
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像1](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img3.jpg)
時田数、彼女は本作の主人公。
喫茶フニクリフニクラの、行きたい時間に行ける都市伝説。
それには、最大のルールがある。
時田家の女性が代々淹れてきたコーヒーによって、時間を移動することができるのだ。
時田数は小さい頃から、その席にコーヒーを淹れ続けている。
その席に座る女性、それは彼女の母親だ。
彼女が小さい頃に、数が母親にコーヒーを入れた。
母親は、行きたい時間に向かった。
そして母親は、帰ってこなかったのだ。
それ以来、その席には母親の亡霊が座り続けていた。
時田数にしかできない、彼女の仕事。
その席に、コーヒーを淹れ続けていた。
そんな数にも、彼氏ができる。
常連客の大学生だ。
年明けと共にキスを交わす。
時田数は、物悲しげにいつもしている。
そんな数を幸せにしたいと、彼氏は願う。
ある時、数が具合が悪くて仕事を休んでいた。
お腹に子供ができたという。
彼氏は喜ぶも、数は心の底から喜べない。
母親のことで、自分がコーヒーを入れてしまったから…
という自責の念が彼女を支配していたのだ。
本当にこのまま、幸せになっていいのか…
その全てを解消するには、数が、数自身が過去に行くしかない。
しかし、その方法はない。
マスターと数は、実は考えつくあらゆる方法を以前に試していたのだ。
しかし、その全てがダメだった。
そんなある時、彼氏がある方法を思いつく。
時田家の女性
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像4](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img7.jpg)
コーヒーを淹れられるのは、時田家の女性だけ。
今は、数だけなのだ。
そう、今は。
もし、今、数のお腹の中にいる子が女性なら?
もしくはマスターが将来結婚して、子供ができたら?
2019年4月13日。
マスターは何やら、日付をメモしていた。
朝、8時前に数はやってくる。
いつもの席に母親はいない、そして8時になった瞬間、その席にやって来たのは、とある女子中学生だ。
やって来たと言っても、店の外からではない。
そう、未来からやって来たのだ。
その女の子は、未来からやって来た時田家の女性。
数を過去に送るために、過去にやって来たのだ。
未来と書いて、みき。
彼女はそう名乗る。
ついた途端、状況が飲み込めないまま数を過去へと送る為にコーヒーを淹れる。
数が、Xデーと思っていたのは、夏休みの最後の日。
しかし、未来からやって来た女の子が示した日は、その年のクリスマス。
そう、数はずっと母親は過去に、父親に会いに行っていたものだと思っていた。
しかし数の母親は、未来に行っていたのだ。
母親は、戻らなかったのではなく、戻れなかった。
幼い数が怪我して、心配でついて行ってしまった。
それで、コーヒーが冷めて戻れなかったのが真実。
数の母親は、余命宣告を受けていた。
それで、心配で未来に行って確かめに行っていたのだ。
その結果、数の母親は幽霊として、喫茶フニクリフニクラに居続けている。
母親との短い時間を過ごし、無事に帰って来た数。
やがて、亡霊の母親が席にやってくる。
何も変わらない現実、しかし数の心は晴れていた。
自然に笑みが溢れるほどに。
数は、彼氏の元へと急いでいた。
そして、母親と会わせてくれたことに感謝する。
彼氏との時間に、感謝する。
都市伝説の秘密
![コーヒーが冷めないうちに劇中画像2](https://dolly9.com/wp-content/uploads/2020/10/coffeesamenai-img2.jpg)
喫茶フニクリフニクラのルール
一、過去に戻っても、どんなことをしても現実は変わらない
二、この喫茶店から出ることはできない
三、過去に戻れるのは、コーヒーカップを注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。
コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
四、過去に戻れる席には先客がいる。
席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
五、過去に戻っても、この喫茶店を訪れたことがない人には
会う事ができない。
エピローグ
数ヶ月後、数に子供が生まれる。
女の子、名前はもちろん、未来と書いてみき。
なぜなら、この子がそう言った。
喫茶フニクリフニクラでは、未来がすくすくと育つ。
思春期を迎え中学生ほどになると、未来はコーヒーを淹れるための練習を母親の数から教わる。
未来には、重要な仕事が待っていたのだ。
喫茶フニクリフニクラのもうひとつルール、約束の日である2019年4月13日のAM8:00に戻るため…
映画『コーヒーが冷めないうちに』をネタバレ解説!まとめ
以上、映画『コーヒーが冷めないうちに』のネタバレでした。
この映画は、戻りたい時間に戻れるけど、何も帰ることはできない、じゃあ人はなぜ戻るのか…
戻りたい時間というのは、自分の心の蟠りを解消するため、心のメンテナンスの為なんじゃないかな、と感じました。
自分も、そんなメンテナンスをしたい過去というのは、ふと考えると、いくつも存在します。
もし戻れるのなら…
あなたは、いつに戻りたいですか?
それとも、未来に行ってみますか?
映画と共に、自分を見つめ直すことも必要だな、と再確認させてくれた、そんな素敵な映画でした。